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生方蒼甫の譚

進展

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 サトシが渋々ながら折れてくれたおかげでようやく先に進める。

 マンティコアがどんな奴かはわからんが、今の俺たちで勝てないってことはないと思う。
 少なくともサトシだけで行けるんじゃなかろうか、あの棘は無敵に近いしな。

 と言う訳で、神殿側へと入ってゆく。

 サトシは神殿の中の大広間も骸骨騎士が復活していること期待していたようだが、そうはうまくいかなかった。

「焼け焦げたままですね。なんでしょう。ここだけ別ルールなんですかね。」
「わからんな。こればっかりは。なんかトラップでもあるんだろうか。」

 まあ、考えても仕方ないし、俺たちからすれば楽できていい。

「さて、このまま綺麗な廊下を進むか、それともさっきの落とし穴から攻めるか。どうする?」

「そうですねぇ。」

「まだ行ってないこの廊下を進んでみるか?」

「こっちの方が強敵出てきそうですよね。」

 落とし穴側にいる敵では不満と見える。まあ、今となってはそうだろうな。

「じゃあ、トラップよけながら進むか。ティンクルバリアと、反重力使って進んでみるか?」

「そうですね。この後も落とし穴はありそうですもんね。」

 俺たちはわずかに浮いた状態で神殿の廊下を進む。時折壁から矢のようなものが飛んでくるが、ティンクルバリアではじかれる。
 通り過ぎてから気づいたが、水攻めや毒霧なんかがあったらサトシたちは危なかったな。ちょっと軽率だった。

 その後は特にこれと言って見せ場もなく廊下を進んでゆく。敵が待ち伏せしているわけでもなく、最初の方こそ罠があったが、その後は何もない。ただの廊下だった。

 そうこうしていると、バカでかい扉に突き当たる。

 ああ、これだな。見ただけですぐわかる。

 ボスがいる。

「いそうですね。『探索』」

 案の定中には大きな反応がある。サトシが壁越しにステータスを確認すると

「マンティコア Lv78 HP:728625/728625 ATK:58917 DEF:82546 吸収:火 水 土 風 光 闇 魔法効果半減」

 わお。勝てるのかしら。これ。


 サトシはやっぱりノリノリだ。
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