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生方蒼甫の譚

苦行再び

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 何週ほど回っただろうか。今は無我の境地だ。サトシが強化されすぎて、だれも止められない。
 骸骨騎士はサトシが棘を出すだけでほとんど駆逐される。はじめの数回こそ骸骨騎士も茨を避けようと飛びのいていたが
 サトシのスキルが強化されるたび、広範囲にわたって強力な棘が現れる。さすがにこれを避けられる骸骨騎士は居なくなっていた。

 なんせ、坑道入り口に転移するたび、坑道の中に茨を出すんだもの、避けようがないよね。
 
 同様にデュラハン、サイクロプス、ミノタウロスも一撃である。逃げる余地すら与えない。

 俺とアイは、只々後ろを走るだけ、ほんとにマラソンだ。パーティーを組んでるから経験値が入り、勝手にレベルアップするが、正直何もしていない。

 どうやら、レベルアップに必要な経験値もカウントがカンストしているようで、かなりの高レベルにもかかわらず同じタイミングでレベルアップする。

 そう言う面ではマラソンしている意味はあるんだろう。効率がいいと言えば、かなりいい。

 いいんだけど。

 心が辛い。

 というか、休みたい。

 さっきも、

「休ませてくれ!」
 
 と、悲痛な叫びを送ったら、
 見事に回復してくれた。

 違う。そうじゃない。

 ……


 いつの間にやら、日が昇り、日が沈む。また日が昇り、日が沈む。

 なんやかんやで3日目。なのだろう。もう正直今何日目なのかもわからなくなってきた。

 が、好機が訪れる!

 サトシのLvが97だ。あと2つ。あと2つでカンストである。

 なんせ、サトシの攻撃力など800を超えているのだ。

 ステータスをいじれる俺でさえが、さすがに999は憚られた。やりすぎかなぁって。

 511で止めましたよ。まあ、その後レベル上がりまくって、今は1000近いけどさ。いや、弄っている俺でこれだよ?弄ってないのに1000近いって異常でしょ。

 もういいじゃん、と思いつつ幾年月。

 ようやく来た。カンスト。

 乗るしかない。このビッグウェーブに。

 最後のサイクロプスを倒しLv98

 さも当然のように、サトシは転移する。

 二度の転移で、鉱山入り口。この景色も見納めか。

 そう思うと感慨深いな。

 あっという間にサトシが骸骨騎士を全滅させる。

 そのまま鉱山に駆け込んで、走りながらデュラハンを串刺しに。

 ああ、きたぁ。Lv99。

 ようやく進める。これでこの輪廻から抜けられる!


 続いて、サイクロプス。

 今や誘い込むことすらしない。走りながら屠る。

 で、最後のミノタウロス!

 終わったぁ!!

 さあ、マンティコアを倒して、この空虚な輪廻から抜けるのさ!

 テテレテーレーテッテレー!!
 勝利のファンファーレが頭の中にこだまする。ああ、今回ばかりは心地よい

 と、思っていたら
 
「経験値33554430獲得、サトシのレベルが100に上昇、アイのレベルが99に上昇、ルークスのレベルが85に上昇」

 は?

 3桁あるの?
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