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生方蒼甫の譚
長期戦
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かれこれ3時間は戦っているだろうか、こいつを倒せる奴なんて要るんだろうかと不安になるほどだ。
俺もサトシも熟練度はめきめき上がっている。相手が強敵だからだろう。上昇率が異常だ。
それぞれ
「ルークス 棍棒:Lv252 体術:Lv311」
「サトシ 剣:Lv354」
となっている。
攻撃も随分強力になったようで、それぞれ1000前後のダメージを与えることが出来ている。
とはいえ与えたダメージの8割ほどは回復するんだけどね。とほほ。
流石にサトシにも疲れが見える。俺も魔力が枯渇してきた。そろそろ技を出すのも厳しくなりそうだ。
「大地を統べる光の神よ。我が魂を糧としてかの者らに祝福を賜らん!」
わお!、アイが呪文唱えてる。カッコいい!
ちらりと見たら、すげー睨まれた。
解せぬ、が、それも良い。
サトシと俺に祝福の光が降り注ぐ。良いぞ!MP回復と来たか。やるなアイ!
「アイありがとう!助かったよ!」
「ナイスタイミングだ!」
なぜだろう。俺が褒めたときだけ、顔が引きつってたんだけど。
さて、これで行ける!
サトシの攻撃も勢いを増してきた。熟練度の向上に比例してどんどん与えるダメージがデカくなっている。これならいけそうだ。
こちらの手数が明らかに増える。
それに伴いサイクロプスがよろめくことが多くなってきた。
「HP:91376/228362」
ようやく折り返しってところか。硬すぎるだろこいつ!
ここはひとつ危険を冒してみるか。
「サトシ、俺に行動加速重ね掛けを頼む」
「わかりました。何かするんですか?」
「奴の懐に飛び込む。できれば斧を振り回させてくれ」
奴の斧は柄が長く大ぶりだ、グレートアクスってやつか。怪力だから振り回せるが、その分大振りになるんで、隙が多い。熟練度が上がった今なら懐に入れるだろう。
ミノタウロスが戦斧を振りかぶった時、それがチャンスだ!
サトシは二段斬りを放ちながら、ミノタウロスに接近し奴の攻撃を誘う。
いまだ!
俺は戦斧が振り切られたタイミングで、ミノタウロスの背後に回り込み背中に両手を当てる。
「短勁(たんけい)!!」
俗にいう「ワンインチパンチ」的なものだが、このゲームでは気を練り、至近距離から相手に打ち込むことで敵を内部から破壊する技である。
ドゴン!!!
鈍い音と共に、ミノタウロスが前によろめく。その隙を見逃さずにサトシが連撃を加える。
「五月雨斬り!!」
ザシャ!!
ここからは「はめ技状態」である。前と後ろからの連撃を食らわせる。
ステータスの表示ではみるみるHPが減って行く。回復が追い付いていない。
これならいける!
ミノタウロスは蠅を振り払うかのように、戦斧を振り回す。
まだそんな力残ってんのかよ!
そこから1時間。
最後はサトシがミノタウロスの頭部を横一文字に切り裂いた。
ドシィン!
頭の上半分を失ったミノタウロスは、マネキン人形のように、まっすぐ立ったまま後ろに倒れた。
やったのか?
テテレテーレーテッテレー!!
ミノタウロスと対峙して4時間以上。待ちに待ったファンファーレが頭の中に鳴り響く。勝利のメロディーで体の力が一気に抜ける。
「経験値33554430獲得」
経験値エグっ!
俺もサトシも熟練度はめきめき上がっている。相手が強敵だからだろう。上昇率が異常だ。
それぞれ
「ルークス 棍棒:Lv252 体術:Lv311」
「サトシ 剣:Lv354」
となっている。
攻撃も随分強力になったようで、それぞれ1000前後のダメージを与えることが出来ている。
とはいえ与えたダメージの8割ほどは回復するんだけどね。とほほ。
流石にサトシにも疲れが見える。俺も魔力が枯渇してきた。そろそろ技を出すのも厳しくなりそうだ。
「大地を統べる光の神よ。我が魂を糧としてかの者らに祝福を賜らん!」
わお!、アイが呪文唱えてる。カッコいい!
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解せぬ、が、それも良い。
サトシと俺に祝福の光が降り注ぐ。良いぞ!MP回復と来たか。やるなアイ!
「アイありがとう!助かったよ!」
「ナイスタイミングだ!」
なぜだろう。俺が褒めたときだけ、顔が引きつってたんだけど。
さて、これで行ける!
サトシの攻撃も勢いを増してきた。熟練度の向上に比例してどんどん与えるダメージがデカくなっている。これならいけそうだ。
こちらの手数が明らかに増える。
それに伴いサイクロプスがよろめくことが多くなってきた。
「HP:91376/228362」
ようやく折り返しってところか。硬すぎるだろこいつ!
ここはひとつ危険を冒してみるか。
「サトシ、俺に行動加速重ね掛けを頼む」
「わかりました。何かするんですか?」
「奴の懐に飛び込む。できれば斧を振り回させてくれ」
奴の斧は柄が長く大ぶりだ、グレートアクスってやつか。怪力だから振り回せるが、その分大振りになるんで、隙が多い。熟練度が上がった今なら懐に入れるだろう。
ミノタウロスが戦斧を振りかぶった時、それがチャンスだ!
サトシは二段斬りを放ちながら、ミノタウロスに接近し奴の攻撃を誘う。
いまだ!
俺は戦斧が振り切られたタイミングで、ミノタウロスの背後に回り込み背中に両手を当てる。
「短勁(たんけい)!!」
俗にいう「ワンインチパンチ」的なものだが、このゲームでは気を練り、至近距離から相手に打ち込むことで敵を内部から破壊する技である。
ドゴン!!!
鈍い音と共に、ミノタウロスが前によろめく。その隙を見逃さずにサトシが連撃を加える。
「五月雨斬り!!」
ザシャ!!
ここからは「はめ技状態」である。前と後ろからの連撃を食らわせる。
ステータスの表示ではみるみるHPが減って行く。回復が追い付いていない。
これならいける!
ミノタウロスは蠅を振り払うかのように、戦斧を振り回す。
まだそんな力残ってんのかよ!
そこから1時間。
最後はサトシがミノタウロスの頭部を横一文字に切り裂いた。
ドシィン!
頭の上半分を失ったミノタウロスは、マネキン人形のように、まっすぐ立ったまま後ろに倒れた。
やったのか?
テテレテーレーテッテレー!!
ミノタウロスと対峙して4時間以上。待ちに待ったファンファーレが頭の中に鳴り響く。勝利のメロディーで体の力が一気に抜ける。
「経験値33554430獲得」
経験値エグっ!
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