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第四章『過去と試練』
第八話『最強の試練』
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僕はイレギュラーに対応出来るように、なるべくゆっくりと歩いていた。
結局、王手までは辿り着けてはいた。
特にイレギュラーもなく、だ。
これはイレギュラーなんかじゃない。
これは・・・天災だ。
対応とか、対策とかの問題じゃない。
『ふむ・・・あの男にやった眼・・・魔力は悪魔か・・・昔を思い出すな・・・答えろ人間、お前はなんだ?』
「・・・なんだとは?」
『その目は?その魔力は?人の身ながら何故それを持つ?』
白竜は僕の前に降り立った。
その質問に答えるのは容易いが。
上手く口が動かない。
緊張。
プレッシャー。
絶望。
「貰ったんだ」
『貰った!!その力を!?瞳はまぁ、奴ならば有り得なくもないが』
ふむと一つ、白竜がその片目をこちらに近付ける。
・・・例えこの眼球に攻撃したとして。
恐らく、ダメージはないだろう。
その爬虫類のような金色の目は、恐ろしい程に魔力を込めていた。
『・・・お前、名は?』
「・・・アダム」
『ほう!なるほど、なるほどな!始まりの男と同じ名か!素晴らしい!いや、素晴らしいぞ!』
白竜はその目を湾曲に歪ませ、口角を上げた顔でこちらを見る。
・・・心臓が鳴り止まない。
自分でも戸惑うほどに、緊張している。
『合格だ。アダムよ』
そう言って、白竜は僕に鉤爪を差し出す。
なんだか分からない。
何も分からない。
思考が混濁する。
あぁ、ダメだ・・・もう・・・意識が・・・
『試練を受ける事を、許可しよう』
そう聞こえた瞬間、ゆっくりと瞼が閉じる。
倒れる衝撃があるが、どこか遠くの出来事ように感じる。
──あれは・・・・・・フール・・・?
僕の意識は、途切れてしまった。
§
いつだって、彼女が居た。
僕が悲しい時、病める時、寂しい時。
楽しい時、嬉しい時、暖かい気持ちの時。
どんな時だって、彼女は傍に居てくれた。
彼女は僕に全てをくれたのだ。
彼女は僕に愛をくれたのだ。
だから、僕は。
報いなきゃ行けない。
──・・・ダム──きて・・・ム──
「アダム!起きてアダム!」
「フー・・・ル」
目が覚めるとそこは、見知らぬ場所だった。
僕はフールに支えられ、上体を起こす。
頭が痛い。
「よかった・・・どこか痛い所はない?」
「大丈夫だよ・・・それより、なんでここに・・・?というか、ここは・・・」
天井には竜と人の壁画が描かれている。
どうやら争っているようだが・・・
部屋は広く、僕ら以外にも数十人が居る。
壁には装飾が施されているが、外に出るような扉は見当たらない。
・・・閉じ込められたのか。
「フール様、アダム様のご様態は──お目覚めですか!」
「マスター、ご無事ですか?』
命もイヴも居る。
・・・それ以外に知り合いは居ないが。
皆一様に、実力がありそうだ。
「僕は大丈夫。とりあえずわかってる事教えてくれる?」
「私から言うね。竜がアダムの頭に触った瞬間に、その場所からすごい光が発したの。で、私とイヴさんと命さんはアダムを助けようとして、同時にここに転移されたの・・・それ以外はわからない」
「なるほど、流石に竜だ。やる事が違う」
白竜と成った黒竜・・・ではなく、あれは恐らく初めから白竜なのだ。
ならば、考えられる正体は1つ。
世界竜バハムート。
全ての頂点に立つ最強の存在。
「じゃあなんで君があの場に?」
「えっとね、怒らないで欲しいんだけど・・・」
フールが少し顔を赤くする。
つくももレヴィも銀も居ない。
預けたつもりだったのに置いてきたのかな。
「私皇国裏切っちゃった。てへっ」
「いやてへっじゃないでしょ!」
どういう事だ?
え、何がどうあって裏切ることに・・・?
なら尚更3人は?
「いやさ、アダムがここに出発した後に私、ちゃんと3人を皇国で保護しようとしたの。そしたら、法皇が許可してくれなくって。私は何とか許してもらおうとしたんだけど・・・皇国って人間至上主義の国だったらしくてさ。3人を殺そうとするの。だから裏切っちゃった」
「すごく軽く言ってるけどものすごいことしてるよね」
「へへーまぁね?でね!3人はルシファー?さんの所に行くからって!私は貴方を追いかけてきたの!」
まぁ、この場所を教えてくれたのはフールだし、場所がわかるのは当たり前だろう。
しかし・・・早い。
早すぎるような気がする・・・
僕が皇国から発ってから一月経ってない。
相当早く追い掛けて来たな・・・
まぁいいけどさ。
「わかった。会えて嬉しいよフール」
「うん!私も!」
僕は自分の力で座り、フールは僕に抱きつく。
・・・なんだか、弱るな。
フールの前だと素になってしまう。
「イヴと命も自己紹介した?」
「はい。アダム様を保護していらっしゃったので、御礼を兼ねて・・・まさか、想い人だとは・・・失礼が御座いましたら申し訳ございません」
「イヴはマスターと同じ魔力の気配を感じたので・・・フール様、イヴはマスター同様、貴方様の命令も遂行致します』
「うんうん。2人ともいい子だったよ?」
僕は安心して頷く。
フールの頭を撫で、周囲を伺いながら状況の把握を図る。
・・・何故、集められたんだ?
恐らく首謀者はあの竜・・・
なれば、どういう事になる?
試練と言っていた・・・世界竜の試練なんざ聞いたこともない。
「こらアダム!私にも集中して!怖い顔してるよ?」
「ごめん、もう少し考えさせて」
「しょーがないなー」
僕の膝の上で丸くなる。
・・・いや、うん。
猫のように丸まっては居るが、乗ってるのは実質頭だけ。
可愛い。
周囲の視線を受けつつ、しかし僕は思い付いた。
何かを選ぼうとしている・・・?
僕はさっと周りのステータスを見て、レベルだけ確認した。
・・・どうやら、僕らより強いのは居ないらしい。
ただし、同じくらいのが多いようだ。
試練と言っているのだ。
何かを選ぶために呼んでいてもおかしくは無い。
だがなにを?
あるいは。
理由なんかない?
まぁ、いい。
とりあえずフールのレベルも見ておきたい。
「フール、かくかくしかじかでレベルが見えるようになったんだ。君も見ていい?」
「もちろんいいけど・・・そんな悲しいことがあったのねイヴさん・・・」
イヴを近くに来させ、その頭を撫でるフール。
変わんないなぁ・・・
優しくて可愛い・・・
さて、一旦ステータス見てみようか。
★──§§──★
ステータス
名『フール?』
レベル・・・『75463』
攻・・・『37731500000』+?
防・・・『754630000』
魔・・・『377315000』
体力・・・『754630000』
次レベルまで『17050000000』EXP
★──§§──★
「わぁお。レベルとEXPだけは僕と全く同じだ。魔力以外のステータスは僕とは比べ物にならないね・・・」
「やっぱりー?アダムには勝てないよねー」
このステータスは本人には見えない。
というか、僕以外には見えない。
今の言い方だとその勘違いも有り得るか。
「いや、違くて──」
『お待たせしました皆様!』
僕は否定しようと口を開き、閉ざされる。
比喩無く、何らかの力で閉ざされた。
・・・魔力ではなく、超能力だ。
フールと僕は油断なく、上を見上げた。
そこには、白い羽根を生やした、白服の少女の姿。
『私は世界竜バハムート様にお仕えする熾天使。ラファエルと申します』
その少女はぐるりと周りを見渡し、そしてうなづいた。
口の拘束が外れるが、喋り出す者はいない。
『皆様はバハムート様に選ばれた人間達で御座います!これから行う『試練』によって、皆様には一つ褒美が送られます!』
「褒美?なんだそれは?」
金髪のいかにもな美青年が声を上げた。
・・・ほんとにいかにもな顔だなぁ。
『なんでもです。バハムート様に不可能は御座いません。あなた方が望むソレが、何もかもが手に入ります』
そして、と付け加えるラファエル。
・・・何故か、目が合う。
『・・・英雄になる事だって』
──。
「なんでそんなことをすんだよ!?」
『バハムート様は退屈でいらっしゃいます。ですので、皆様には余興となって頂きたいのです』
そう、笑顔で言い放つラファエル。
・・・なるほどな。
余興、まさに余興なのだろう。
あちらにとってはただの遊び。
こちらにとっては・・・さて。
『試練の名は』
ラファエルはまた、こちらを見た。
今度は、ハッキリと。
じっと、こちらを見つめる。
まるで、大好物のお菓子が、そこにあるかのように。
『──『下克上』です』
結局、王手までは辿り着けてはいた。
特にイレギュラーもなく、だ。
これはイレギュラーなんかじゃない。
これは・・・天災だ。
対応とか、対策とかの問題じゃない。
『ふむ・・・あの男にやった眼・・・魔力は悪魔か・・・昔を思い出すな・・・答えろ人間、お前はなんだ?』
「・・・なんだとは?」
『その目は?その魔力は?人の身ながら何故それを持つ?』
白竜は僕の前に降り立った。
その質問に答えるのは容易いが。
上手く口が動かない。
緊張。
プレッシャー。
絶望。
「貰ったんだ」
『貰った!!その力を!?瞳はまぁ、奴ならば有り得なくもないが』
ふむと一つ、白竜がその片目をこちらに近付ける。
・・・例えこの眼球に攻撃したとして。
恐らく、ダメージはないだろう。
その爬虫類のような金色の目は、恐ろしい程に魔力を込めていた。
『・・・お前、名は?』
「・・・アダム」
『ほう!なるほど、なるほどな!始まりの男と同じ名か!素晴らしい!いや、素晴らしいぞ!』
白竜はその目を湾曲に歪ませ、口角を上げた顔でこちらを見る。
・・・心臓が鳴り止まない。
自分でも戸惑うほどに、緊張している。
『合格だ。アダムよ』
そう言って、白竜は僕に鉤爪を差し出す。
なんだか分からない。
何も分からない。
思考が混濁する。
あぁ、ダメだ・・・もう・・・意識が・・・
『試練を受ける事を、許可しよう』
そう聞こえた瞬間、ゆっくりと瞼が閉じる。
倒れる衝撃があるが、どこか遠くの出来事ように感じる。
──あれは・・・・・・フール・・・?
僕の意識は、途切れてしまった。
§
いつだって、彼女が居た。
僕が悲しい時、病める時、寂しい時。
楽しい時、嬉しい時、暖かい気持ちの時。
どんな時だって、彼女は傍に居てくれた。
彼女は僕に全てをくれたのだ。
彼女は僕に愛をくれたのだ。
だから、僕は。
報いなきゃ行けない。
──・・・ダム──きて・・・ム──
「アダム!起きてアダム!」
「フー・・・ル」
目が覚めるとそこは、見知らぬ場所だった。
僕はフールに支えられ、上体を起こす。
頭が痛い。
「よかった・・・どこか痛い所はない?」
「大丈夫だよ・・・それより、なんでここに・・・?というか、ここは・・・」
天井には竜と人の壁画が描かれている。
どうやら争っているようだが・・・
部屋は広く、僕ら以外にも数十人が居る。
壁には装飾が施されているが、外に出るような扉は見当たらない。
・・・閉じ込められたのか。
「フール様、アダム様のご様態は──お目覚めですか!」
「マスター、ご無事ですか?』
命もイヴも居る。
・・・それ以外に知り合いは居ないが。
皆一様に、実力がありそうだ。
「僕は大丈夫。とりあえずわかってる事教えてくれる?」
「私から言うね。竜がアダムの頭に触った瞬間に、その場所からすごい光が発したの。で、私とイヴさんと命さんはアダムを助けようとして、同時にここに転移されたの・・・それ以外はわからない」
「なるほど、流石に竜だ。やる事が違う」
白竜と成った黒竜・・・ではなく、あれは恐らく初めから白竜なのだ。
ならば、考えられる正体は1つ。
世界竜バハムート。
全ての頂点に立つ最強の存在。
「じゃあなんで君があの場に?」
「えっとね、怒らないで欲しいんだけど・・・」
フールが少し顔を赤くする。
つくももレヴィも銀も居ない。
預けたつもりだったのに置いてきたのかな。
「私皇国裏切っちゃった。てへっ」
「いやてへっじゃないでしょ!」
どういう事だ?
え、何がどうあって裏切ることに・・・?
なら尚更3人は?
「いやさ、アダムがここに出発した後に私、ちゃんと3人を皇国で保護しようとしたの。そしたら、法皇が許可してくれなくって。私は何とか許してもらおうとしたんだけど・・・皇国って人間至上主義の国だったらしくてさ。3人を殺そうとするの。だから裏切っちゃった」
「すごく軽く言ってるけどものすごいことしてるよね」
「へへーまぁね?でね!3人はルシファー?さんの所に行くからって!私は貴方を追いかけてきたの!」
まぁ、この場所を教えてくれたのはフールだし、場所がわかるのは当たり前だろう。
しかし・・・早い。
早すぎるような気がする・・・
僕が皇国から発ってから一月経ってない。
相当早く追い掛けて来たな・・・
まぁいいけどさ。
「わかった。会えて嬉しいよフール」
「うん!私も!」
僕は自分の力で座り、フールは僕に抱きつく。
・・・なんだか、弱るな。
フールの前だと素になってしまう。
「イヴと命も自己紹介した?」
「はい。アダム様を保護していらっしゃったので、御礼を兼ねて・・・まさか、想い人だとは・・・失礼が御座いましたら申し訳ございません」
「イヴはマスターと同じ魔力の気配を感じたので・・・フール様、イヴはマスター同様、貴方様の命令も遂行致します』
「うんうん。2人ともいい子だったよ?」
僕は安心して頷く。
フールの頭を撫で、周囲を伺いながら状況の把握を図る。
・・・何故、集められたんだ?
恐らく首謀者はあの竜・・・
なれば、どういう事になる?
試練と言っていた・・・世界竜の試練なんざ聞いたこともない。
「こらアダム!私にも集中して!怖い顔してるよ?」
「ごめん、もう少し考えさせて」
「しょーがないなー」
僕の膝の上で丸くなる。
・・・いや、うん。
猫のように丸まっては居るが、乗ってるのは実質頭だけ。
可愛い。
周囲の視線を受けつつ、しかし僕は思い付いた。
何かを選ぼうとしている・・・?
僕はさっと周りのステータスを見て、レベルだけ確認した。
・・・どうやら、僕らより強いのは居ないらしい。
ただし、同じくらいのが多いようだ。
試練と言っているのだ。
何かを選ぶために呼んでいてもおかしくは無い。
だがなにを?
あるいは。
理由なんかない?
まぁ、いい。
とりあえずフールのレベルも見ておきたい。
「フール、かくかくしかじかでレベルが見えるようになったんだ。君も見ていい?」
「もちろんいいけど・・・そんな悲しいことがあったのねイヴさん・・・」
イヴを近くに来させ、その頭を撫でるフール。
変わんないなぁ・・・
優しくて可愛い・・・
さて、一旦ステータス見てみようか。
★──§§──★
ステータス
名『フール?』
レベル・・・『75463』
攻・・・『37731500000』+?
防・・・『754630000』
魔・・・『377315000』
体力・・・『754630000』
次レベルまで『17050000000』EXP
★──§§──★
「わぁお。レベルとEXPだけは僕と全く同じだ。魔力以外のステータスは僕とは比べ物にならないね・・・」
「やっぱりー?アダムには勝てないよねー」
このステータスは本人には見えない。
というか、僕以外には見えない。
今の言い方だとその勘違いも有り得るか。
「いや、違くて──」
『お待たせしました皆様!』
僕は否定しようと口を開き、閉ざされる。
比喩無く、何らかの力で閉ざされた。
・・・魔力ではなく、超能力だ。
フールと僕は油断なく、上を見上げた。
そこには、白い羽根を生やした、白服の少女の姿。
『私は世界竜バハムート様にお仕えする熾天使。ラファエルと申します』
その少女はぐるりと周りを見渡し、そしてうなづいた。
口の拘束が外れるが、喋り出す者はいない。
『皆様はバハムート様に選ばれた人間達で御座います!これから行う『試練』によって、皆様には一つ褒美が送られます!』
「褒美?なんだそれは?」
金髪のいかにもな美青年が声を上げた。
・・・ほんとにいかにもな顔だなぁ。
『なんでもです。バハムート様に不可能は御座いません。あなた方が望むソレが、何もかもが手に入ります』
そして、と付け加えるラファエル。
・・・何故か、目が合う。
『・・・英雄になる事だって』
──。
「なんでそんなことをすんだよ!?」
『バハムート様は退屈でいらっしゃいます。ですので、皆様には余興となって頂きたいのです』
そう、笑顔で言い放つラファエル。
・・・なるほどな。
余興、まさに余興なのだろう。
あちらにとってはただの遊び。
こちらにとっては・・・さて。
『試練の名は』
ラファエルはまた、こちらを見た。
今度は、ハッキリと。
じっと、こちらを見つめる。
まるで、大好物のお菓子が、そこにあるかのように。
『──『下克上』です』
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