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第三章『地下ダンジョンと禁忌の実験』
七話『生徒会長とアダム』
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「・・・・・・なってる?ルシファー?」
「え?あ、やっぱり見えない?(笑)もう少し魔力が増えれば見えるんじゃないかなぁ?」
「申し訳御座いません。お父様」
「いや、謝るのは僕の方だよ・・・元に戻ってくれる?」
やはりというかなんというか、ルシファーそっくりにしか見えなかった。
声は少しハッキリ聞こえたけど、いつもの声と変わらないような気がしないでもない。
うん、気の所為だ。
元の蛇に戻ったレヴィを撫で、僕は少し残念そうに肩をすくめる。
つくもを見るが、尾が13の時は僕と同じくらいの魔力しかない。
あ、首を横に振った。
やっぱり見えてないかぁ。
「はぁ・・・まぁいいや。なんか疲れたし、もうそろそろ帰ろうかな?」
「えー?もう帰っちゃうの?泊まってけば?」
意気消沈と言った具合に肩を落とし、提案してくるルシファー。
ダンジョンというのは、3ヶ月に1度、1週間だけ開く。
その時だけ中にいればいいのだ。
だが、ルシファーはあまり外に出たくないらしい。
たまに息抜きで外に出ることはあるらしいが。
だからこそ、暇つぶしを重宝するらしい。
「他に入る方法があれば、通うんだけどなぁ」
「・・・言ったね?出入りする場所あるよ。私が使ってる他の入口!」
そう言って、ルシファーは僕らを連れて奥の巨大な扉を開けた。
背中の魔法陣が回転し、そこから凄まじい量の魔力が流れ出る。
僕はそれを眺めながら、近くにある不安そうなつくもの手を握った。
細く、きめ細やかな肌だ。
・・・握り返してくるつくも。
どうやら、僕も少し不安だったらしい。
不覚にも安心してしまった。
「ほら、この魔法陣使えばいいよ。そしたら近くの洞窟に繋がるんだ。入る時は洞窟の魔法陣に魔力を込めればいいよ。アダムちんなら・・・感覚で半分くらいの魔力込めれば来れるよ」
「なるほど。ありがとう。ルシファー」
「絶対また来てね!?約束だよ!!」
「もちろん。絶対に」
僕はそう声をかけ、つくもと繋いでいる方とは逆の手を差し出した。
ルシファーはそれを握り、ブンブンと振り回す。
それが終わると、見えないのに分かるような・・・そんな笑顔で、こう言った。
「君に会えてよかった。またね!」
「うん。またね」
§
僕が学園に戻ると、それはそれは大層な混乱が起きていた。
副会長が僕が消えたと話したらしい。
誰も出てきた所は見てないし、中で死んだのではと騒いでいた。
そして僕が一言。
「やぁ」
事態は収束。
僕の捜索隊まで使って探そうとしていた学園長はえらくほっとした顔をしていた。
大事な生徒だからとか言っていたが、絶対国王のお気に入りだからだ。
どうしたのかと聞かれ、副会長は居なかったから走って帰ってきたと嘘をついた。
つくもも居たし、レヴィも居たからみんな信じてくれた。
誰も出てきたところを見てないのになんで信じたんだろう・・・
世界は意外と馬鹿なのかもしれない。
僕が疲れて帰ろうとすると、学園長からこんな事を言われた。
「副会長・・・いや、エリザ君は正式に副会長解任にした。明後日の夜は会長と食事をしに行ってくれ、そこで諸々の説明があるはずだ。悪いが使い魔は留守番で、君だけで行って欲しい。場所が場所でな──」
学園長の言葉だから断れない。
だが、僕はもう生徒会に入る理由がない。
なぜなら『魔具?もちろん!また来てくれるなら用意しておくよ!』という友達が出来たからだ。
うん。ラッキー。
「──ということなんだ。まぁ、少し話して帰ってくるよ。そのままるーちゃん(ルシファーの愛称。僕命名)のとこ行こうか」
『分かりました。お土産にクッキーを持って行ってもよろしいですか?』
「いいよ」
「ちっ・・・まさかこんなことが・・・」
つくもがイラついているが、僕は別にそんなに気にしない。
僕は行って、ご飯食べて、入らないって断るだけのつもりだ。
雑談なんかしない。
しても、意味が無い。
「・・・まぁ大丈夫だよ。そうだなぁ。1時間で帰って来なかったらここに来て?」
「・・・・・・わかった」
『かしこまりました』
さて、今日はとりあえず寝よう。
普通に疲れた。
そう言えば、学園長って会長の父親らしいね。
§
お父さんに頼み、アダム君と2人で話せる機会ができた。
よくよく考えてみれば、私が恐れているようなことは、彼が手中に入れば問題ないことなのだ。
そうだ。そうに違いない。
あの黒蛇も・・・その時に聞けばいいのだ。
「ふふ・・・私ったらほんとバカ。なんで気付かなかったのかしら」
ベットから起き上がり、明後日の服を選ぶ。
ゆっくり、ゆっくり時間をかける。
そして、それだけ成功を得る。
・・・ふふ。
彼の目がハートになるのが楽しみね♪
§
翌々日。
僕は昨日クッキーの材料を買ってつくもとレヴィに渡した。
どうやら手作りで持って行くらしい。
材料も少し持って行って、作り方を教えると言う。
ルシファーの暇つぶし用だ。
なんだかんだで悪魔って平和だな・・・
ルシファーも別に外に出れない訳じゃないが、ダンジョンから出ると力が半分しか出せないらしいからあまり出たがらない。
それでも僕より強いんだけどね・・・
僕がまた来るって言ったから、暫くは引きこもるらしい。
レヴィが言ってた。
しばらくって・・・僕が死ぬまでって事じゃないよね?
「あーー・・・行きたくねぇ・・・」
『行かなければよろしいのでは?』
「うーーん・・・そういう訳にも・・・」
武神祭で会おうって約束したから、僕はその為に退学する訳にはいかない。
まぁ退学はないかもだけど・・・生徒会に入らず、武神祭に出場するのは中々厳しい。
今回のをすっぽかせば参加不可になるかもしれない・・・少しでも出場の可能性は高くしたかった。
生徒会に入らない理由はいくつかある。
一つはまぁ、ダンジョンの発見されてる最下層までのチケットが欲しかったというのが、無くなったこと。
もう一つは、つくもが嫌がったこと。
しかしそう、1番は。
「めんどくさいよね・・・」
生徒会に入ると、様々な業務がある。
副会長が解任され、その後釜は僕になってしまう。
つまり、副会長の仕事を僕がやらないと行けなくなるのだ。
レヴィが聞いた話(レヴィはめちゃくちゃ耳がいい)だと、今までの副会長は脳筋だったが、仕事を覚えるのは早く、そこだけは優秀だったらしい。
あとは全然ダメらしいが。
つまり、そう。
100%面倒な仕事がある。
副会長が居るなら入っても良かった。
だけど、今のままだとその仕事がまるまる僕のものになってしまう。
やりたくない。
絶対にやりたくない。
僕はじっとしてるのはそんなに得意じゃないんだ。
だらけるのは得意なんだけど。
だから、例えば生徒会に入らないと武神祭行けないって言うのでなければ、僕は入らない。
入っても、レヴィとつくもに仕事を任せてしまうだろう。
苦手なんだよ本当に・・・
やらなきゃいけない事っていうのが面倒だ。
そんなことを、とぐろを巻いたレヴィの上に大きく座り、小さい狐の姿のつくもを膝に乗せながら考えていた。
あぁ・・・最高・・・
レヴィは硬そうな見た目に反して弾力あるし、暖かいし、何より僕のためにとぐろを特殊に巻いてくれて、座りやすいようにしてくれている。
つくもも高体温だし、もふもふが相乗してとても気持ちがいい。
・・・時間まで寝ようかなぁ・・・
「・・・レヴィ、時間になったら起こしてくれる?」
『かしこまりました。ごゆっくりお休み下さい』
そうして僕は、来るべき決戦を目の当たりにして・・・
英気を養った。
§
「なんか変に緊張するぅ・・・」
フールと食事をしに行った時の服を着て、僕は寮を出た。
会長は先にレストランで待っているらしい。
なにか仕込んでないといいけど。
話の切り上げは1時間経ってからかな。
一応1時間後ぴったりにレストランの前で待つって言ってたから、帰りにるーちゃんの所に行って泊まろうと思ってる。
きっと彼女(?)なら許してくれるだろう。
「いらっしゃいませ。ご予約などされておりますでしょうか」
「待ち合わせです。先に来ていると思うのですが・・・」
「──サエル様の御学友様で御座いましたか。はい。確かにお待ちですよ。こちらへ」
案内された扉は両開きで、とても豪華な装飾が施されていた。
・・・サエルって言うんだ。生徒会長・・・
全く興味もなかったから調べなかった。
それに僕は名前を覚えるのが死ぬほど苦手なんだ。
何故かつくもとレヴィとるーちゃんは覚えたけどね。
・・・・・・やばい。
名前を早くも忘れてしまった。
まぁいいや。
「アダム君。来てくれたんですね」
「はい。体調はよろしいのですか?」
「えぇ。すっかり大丈夫ですよ」
ニッコリとした笑顔だ。
・・・あれ?なんか違う。
前と雰囲気も・・・
・・・気のせいか。
「ほら、こちらへ座って下さい。お話しましょう?」
「──えぇ、もちろんです」
そうして、その戦いは。
幕を開ける──
「え?あ、やっぱり見えない?(笑)もう少し魔力が増えれば見えるんじゃないかなぁ?」
「申し訳御座いません。お父様」
「いや、謝るのは僕の方だよ・・・元に戻ってくれる?」
やはりというかなんというか、ルシファーそっくりにしか見えなかった。
声は少しハッキリ聞こえたけど、いつもの声と変わらないような気がしないでもない。
うん、気の所為だ。
元の蛇に戻ったレヴィを撫で、僕は少し残念そうに肩をすくめる。
つくもを見るが、尾が13の時は僕と同じくらいの魔力しかない。
あ、首を横に振った。
やっぱり見えてないかぁ。
「はぁ・・・まぁいいや。なんか疲れたし、もうそろそろ帰ろうかな?」
「えー?もう帰っちゃうの?泊まってけば?」
意気消沈と言った具合に肩を落とし、提案してくるルシファー。
ダンジョンというのは、3ヶ月に1度、1週間だけ開く。
その時だけ中にいればいいのだ。
だが、ルシファーはあまり外に出たくないらしい。
たまに息抜きで外に出ることはあるらしいが。
だからこそ、暇つぶしを重宝するらしい。
「他に入る方法があれば、通うんだけどなぁ」
「・・・言ったね?出入りする場所あるよ。私が使ってる他の入口!」
そう言って、ルシファーは僕らを連れて奥の巨大な扉を開けた。
背中の魔法陣が回転し、そこから凄まじい量の魔力が流れ出る。
僕はそれを眺めながら、近くにある不安そうなつくもの手を握った。
細く、きめ細やかな肌だ。
・・・握り返してくるつくも。
どうやら、僕も少し不安だったらしい。
不覚にも安心してしまった。
「ほら、この魔法陣使えばいいよ。そしたら近くの洞窟に繋がるんだ。入る時は洞窟の魔法陣に魔力を込めればいいよ。アダムちんなら・・・感覚で半分くらいの魔力込めれば来れるよ」
「なるほど。ありがとう。ルシファー」
「絶対また来てね!?約束だよ!!」
「もちろん。絶対に」
僕はそう声をかけ、つくもと繋いでいる方とは逆の手を差し出した。
ルシファーはそれを握り、ブンブンと振り回す。
それが終わると、見えないのに分かるような・・・そんな笑顔で、こう言った。
「君に会えてよかった。またね!」
「うん。またね」
§
僕が学園に戻ると、それはそれは大層な混乱が起きていた。
副会長が僕が消えたと話したらしい。
誰も出てきた所は見てないし、中で死んだのではと騒いでいた。
そして僕が一言。
「やぁ」
事態は収束。
僕の捜索隊まで使って探そうとしていた学園長はえらくほっとした顔をしていた。
大事な生徒だからとか言っていたが、絶対国王のお気に入りだからだ。
どうしたのかと聞かれ、副会長は居なかったから走って帰ってきたと嘘をついた。
つくもも居たし、レヴィも居たからみんな信じてくれた。
誰も出てきたところを見てないのになんで信じたんだろう・・・
世界は意外と馬鹿なのかもしれない。
僕が疲れて帰ろうとすると、学園長からこんな事を言われた。
「副会長・・・いや、エリザ君は正式に副会長解任にした。明後日の夜は会長と食事をしに行ってくれ、そこで諸々の説明があるはずだ。悪いが使い魔は留守番で、君だけで行って欲しい。場所が場所でな──」
学園長の言葉だから断れない。
だが、僕はもう生徒会に入る理由がない。
なぜなら『魔具?もちろん!また来てくれるなら用意しておくよ!』という友達が出来たからだ。
うん。ラッキー。
「──ということなんだ。まぁ、少し話して帰ってくるよ。そのままるーちゃん(ルシファーの愛称。僕命名)のとこ行こうか」
『分かりました。お土産にクッキーを持って行ってもよろしいですか?』
「いいよ」
「ちっ・・・まさかこんなことが・・・」
つくもがイラついているが、僕は別にそんなに気にしない。
僕は行って、ご飯食べて、入らないって断るだけのつもりだ。
雑談なんかしない。
しても、意味が無い。
「・・・まぁ大丈夫だよ。そうだなぁ。1時間で帰って来なかったらここに来て?」
「・・・・・・わかった」
『かしこまりました』
さて、今日はとりあえず寝よう。
普通に疲れた。
そう言えば、学園長って会長の父親らしいね。
§
お父さんに頼み、アダム君と2人で話せる機会ができた。
よくよく考えてみれば、私が恐れているようなことは、彼が手中に入れば問題ないことなのだ。
そうだ。そうに違いない。
あの黒蛇も・・・その時に聞けばいいのだ。
「ふふ・・・私ったらほんとバカ。なんで気付かなかったのかしら」
ベットから起き上がり、明後日の服を選ぶ。
ゆっくり、ゆっくり時間をかける。
そして、それだけ成功を得る。
・・・ふふ。
彼の目がハートになるのが楽しみね♪
§
翌々日。
僕は昨日クッキーの材料を買ってつくもとレヴィに渡した。
どうやら手作りで持って行くらしい。
材料も少し持って行って、作り方を教えると言う。
ルシファーの暇つぶし用だ。
なんだかんだで悪魔って平和だな・・・
ルシファーも別に外に出れない訳じゃないが、ダンジョンから出ると力が半分しか出せないらしいからあまり出たがらない。
それでも僕より強いんだけどね・・・
僕がまた来るって言ったから、暫くは引きこもるらしい。
レヴィが言ってた。
しばらくって・・・僕が死ぬまでって事じゃないよね?
「あーー・・・行きたくねぇ・・・」
『行かなければよろしいのでは?』
「うーーん・・・そういう訳にも・・・」
武神祭で会おうって約束したから、僕はその為に退学する訳にはいかない。
まぁ退学はないかもだけど・・・生徒会に入らず、武神祭に出場するのは中々厳しい。
今回のをすっぽかせば参加不可になるかもしれない・・・少しでも出場の可能性は高くしたかった。
生徒会に入らない理由はいくつかある。
一つはまぁ、ダンジョンの発見されてる最下層までのチケットが欲しかったというのが、無くなったこと。
もう一つは、つくもが嫌がったこと。
しかしそう、1番は。
「めんどくさいよね・・・」
生徒会に入ると、様々な業務がある。
副会長が解任され、その後釜は僕になってしまう。
つまり、副会長の仕事を僕がやらないと行けなくなるのだ。
レヴィが聞いた話(レヴィはめちゃくちゃ耳がいい)だと、今までの副会長は脳筋だったが、仕事を覚えるのは早く、そこだけは優秀だったらしい。
あとは全然ダメらしいが。
つまり、そう。
100%面倒な仕事がある。
副会長が居るなら入っても良かった。
だけど、今のままだとその仕事がまるまる僕のものになってしまう。
やりたくない。
絶対にやりたくない。
僕はじっとしてるのはそんなに得意じゃないんだ。
だらけるのは得意なんだけど。
だから、例えば生徒会に入らないと武神祭行けないって言うのでなければ、僕は入らない。
入っても、レヴィとつくもに仕事を任せてしまうだろう。
苦手なんだよ本当に・・・
やらなきゃいけない事っていうのが面倒だ。
そんなことを、とぐろを巻いたレヴィの上に大きく座り、小さい狐の姿のつくもを膝に乗せながら考えていた。
あぁ・・・最高・・・
レヴィは硬そうな見た目に反して弾力あるし、暖かいし、何より僕のためにとぐろを特殊に巻いてくれて、座りやすいようにしてくれている。
つくもも高体温だし、もふもふが相乗してとても気持ちがいい。
・・・時間まで寝ようかなぁ・・・
「・・・レヴィ、時間になったら起こしてくれる?」
『かしこまりました。ごゆっくりお休み下さい』
そうして僕は、来るべき決戦を目の当たりにして・・・
英気を養った。
§
「なんか変に緊張するぅ・・・」
フールと食事をしに行った時の服を着て、僕は寮を出た。
会長は先にレストランで待っているらしい。
なにか仕込んでないといいけど。
話の切り上げは1時間経ってからかな。
一応1時間後ぴったりにレストランの前で待つって言ってたから、帰りにるーちゃんの所に行って泊まろうと思ってる。
きっと彼女(?)なら許してくれるだろう。
「いらっしゃいませ。ご予約などされておりますでしょうか」
「待ち合わせです。先に来ていると思うのですが・・・」
「──サエル様の御学友様で御座いましたか。はい。確かにお待ちですよ。こちらへ」
案内された扉は両開きで、とても豪華な装飾が施されていた。
・・・サエルって言うんだ。生徒会長・・・
全く興味もなかったから調べなかった。
それに僕は名前を覚えるのが死ぬほど苦手なんだ。
何故かつくもとレヴィとるーちゃんは覚えたけどね。
・・・・・・やばい。
名前を早くも忘れてしまった。
まぁいいや。
「アダム君。来てくれたんですね」
「はい。体調はよろしいのですか?」
「えぇ。すっかり大丈夫ですよ」
ニッコリとした笑顔だ。
・・・あれ?なんか違う。
前と雰囲気も・・・
・・・気のせいか。
「ほら、こちらへ座って下さい。お話しましょう?」
「──えぇ、もちろんです」
そうして、その戦いは。
幕を開ける──
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