5 / 13
第1章『まずは成長しましょう』
4話『お披露目会』
しおりを挟む
は?散々溜めといてそれ?んーと、何て反応すればいいんだろう。
(聞き飽きてんだよ、偽善者が)
とか?いや、言葉を話せないからどうでもいいか。
何を思ったのか、父親は数度頷き、部屋を出て行った。
今日は1歳の誕生日だ。
誕生日会みたいなのと一緒にお披露目会もするらしい。
お披露目会って何?『次期当主のカインです』って感じ?僕は継がないからね。
「カイン様、着いてきてください」
サグリナに連れられ、馬車に乗り込む。
中は硬そうな木のソファが向かい合わせに置かれており、真ん中に仕切りのようにテーブルが置かれている。思ったより広いが、4人乗ったらいっぱいだ。
父親(ガルム)と母親(サラ)とサグリナに僕だ。
ここ何日かで僕は歩けるようになり、多少喋れるようにもなった。
「カイン、これから行くのは、この国の王城だよ」
ふーん、えっ?王城?お披露目?もしかして、今日ってかなり重要な日?
「カインと同い歳の子がいっぱいいるわよ」
あーなるほどな、纏めてお披露目って感じか。
僕は領主の息子だから、かなり目立つんだろうなぁ。
「あんまり緊張しなくても大丈夫よ?」
「そうだぞ?適当にしとけ、適当にな」
俯いたままの僕が緊張してるのかと思ったのか、2人が声をかけてくる。
ただ、首が痛くて俯いていただけなんだけど・・・
「旦那様、着いたようです」
「む、分かった」
馬車が止まり、外に出る。すると、そこにはショートケーキの様な城があった。
赤と白が主な色で、所々にエメラルド色の宝石みたいなのとか金色の宝石みたいなのが埋まっていてキラキラしている。
「ルシフィード家の方でございますね、招待状を伺っても?」
「ああ、これだ」
執事風のお爺さんに真っ白な紙の手紙を差し出し、見せる。
周りを見渡すと、メイドさんや僕と同い歳の子供たち、その両親が沢山いた。
「拝見いたしました。ようこそ、マリナイト城へ」
周りのメイドと一緒に執事が腰を折る。
なんかメイド喫茶に来たみたい。行ったことないけどね。
中に入って階段を上り、さらに進むと、一際豪華な扉があった。
中に入ると結構沢山の人がいて、こちらを見る。
直ぐに何人か寄ってきて、ガルムに話しかける。
僕は城についたら紹介まで好きにしていいって言われたから、いろんな所を歩き回る。最終的に、人が多くなってきたからテーブルの下に潜り、魔法の練習をする。
ステイタスを見てから数ヶ月。
ずーっと色んな魔法を試していた。
と言っても、火を出したり水を出したりしているだけだけど。
しばらくすると、大きな声が聞こえてきた。
『皆様、この度はお集まり頂きありがとうございます。マリナイト王のご子息、ご子女もご出席なされています。此度はお披露目会ということで、お一人づつお披露目と参りましょう』
そう聞こえ、テーブルから出てサラの所へ向かう。
僕に気が付き、手招きする。
「最初のお披露目はガルム・ルシフィード・ダルタン領主のご子息、カイン・ルシフィード・ダルタン様です」
紹介?され、スポットライトの場所に行く。
真ん中に着くと、ガルムが息子自慢を始める。
「私の息子のカインです。カインは生まれてこの方泣きもせず、笑いもせず、この歳で私達の言葉を理解しています」
そう言って僕を前に出す。
僕は普通に前に出て、頭を下げると、手をかざす。
(えーと、こうやって、こう)
空中に星魔法で文字を書いていく。
ご紹介に預かりました。
カイン・ルシフィード・ダルタンです。
私はまだ言葉を話せませんので、こちらから失礼します。
この度はお城にお招き頂き、ありがとうございます。
これから長い付き合いとなると思いますが、何卒、よろしくお願い致します。
書き終わり、一礼してから下がる。
周りは愕然としているが、ガルムは平然としている。
そのまま他の貴族に紛れて姿をくらます。
所定の位置(テーブルの下)に戻り、今度は体内の魔力を操る練習をする。
体に血液と一緒にもう一つ何かが流れている想像をすれば簡単だ。
しばらくすると、また司会者の声が聞こえてきた。
『それでは、王城の方で晩餐をご用意させていただきましたので、しばらくお楽しみください』
その言葉に、僕のお腹がクゥーと鳴いた。
それを合図に外へと顔を出し、テーブルに手を伸ばす。
「・・・・・・グググ」
背伸びをしても届かないので、周りの大人の裾を引っ張り、取ってもらう。
「ん?ああ、ダルタン領主の。どうしたの?これをとって欲しいの?」
「・・・コクン」
アップルパイみたいなものを取ってもらい、もぐもぐと食べる。
「・・・モグモグ」
サクサクの生地に甘酸っぱいフルーツが入っている。
何の果物だろう?食感は桃で味は・・・リンゴっぽい。
「初めましてカイン様、先の紹介の際、私達と話が出来ると言った事をガルム様が仰られておりましたが、本当でしょうか?」
「・・・モグモグ・・・コクン」
僕はジーと見つめながら頷く。
すると、話しかけてきた白髪の男は僕に着いてくるように行って、どこかに歩いていく。
「・・・クイクイ」
隣の大人にまたパイを取ってもらう。
うーん、やっぱり美味しい。
「・・・カイン様?どうして着いてきてくれないのですか?」
さっきの男が話しかけてくる。
だって、難しい話っぽいし。
何て言えないから、星魔法で小さく文字を書き、見せる。
貴方と話す意味を見いだせませんので。
それを見た男は固まり、僕は次のテーブルへ向かった。
「ねぇねぇ、あなたはどこのこどもなの?」
3、4歳位の女の子に声をかけられた。
茶色い髪をポニーテールに縛っている女の子だ。
その後にはその子の親らしい柔らかい顔の男の人が立っていた。
「・・・・・・モグモグ」
僕は少女を見つめながらモグモグしている。
少女は眉を潜め、後ろの男の人は困ったような笑顔を浮かべた。
「きいてる?あなたはだれのこどもなの?」
流石に可愛そうかと思ったので、星魔法で文字を書く。
僕はガルム・ルシフィード・ダルタン領主の息子だよ。
君は?
すると、後ろの男の人が、少女に耳打ちをする。
少女は頷き、こちらを見る。
「わたしはリリーナ・カルバネラ・マリナイト。よろしくね」
マリナイト・・・王族?そう言えば、ご子息ご子女が参加してるって言ってたね。
「・・・コクン」
僕はリリ・・・?から目を離し、目の前の女性のスカートを控えめに引っ張り、マカロンみたいな物を取ってもらう。(見たことしかない)
それから時間は過ぎ、僕は端っこでじっと座っていた。
「・・・・・・」
(やっぱり1人は落ち着くなぁ・・・)
地球でもよく1人でいたからなぁ。
もしかしてそれが原因でいじめられてたのかな?
「君?カイン君かい?」
「・・・コクン」
声をかけられ、目を向けると、青髪の青年が立っていた。
僕と目線を合わせ、話しかけられる。
「君のジョブを教えてくれるかな?」
「・・・フルフル」
絶対嫌だね。
勇者なんて・・・どこの目立ちたがり屋だよ。
(聞き飽きてんだよ、偽善者が)
とか?いや、言葉を話せないからどうでもいいか。
何を思ったのか、父親は数度頷き、部屋を出て行った。
今日は1歳の誕生日だ。
誕生日会みたいなのと一緒にお披露目会もするらしい。
お披露目会って何?『次期当主のカインです』って感じ?僕は継がないからね。
「カイン様、着いてきてください」
サグリナに連れられ、馬車に乗り込む。
中は硬そうな木のソファが向かい合わせに置かれており、真ん中に仕切りのようにテーブルが置かれている。思ったより広いが、4人乗ったらいっぱいだ。
父親(ガルム)と母親(サラ)とサグリナに僕だ。
ここ何日かで僕は歩けるようになり、多少喋れるようにもなった。
「カイン、これから行くのは、この国の王城だよ」
ふーん、えっ?王城?お披露目?もしかして、今日ってかなり重要な日?
「カインと同い歳の子がいっぱいいるわよ」
あーなるほどな、纏めてお披露目って感じか。
僕は領主の息子だから、かなり目立つんだろうなぁ。
「あんまり緊張しなくても大丈夫よ?」
「そうだぞ?適当にしとけ、適当にな」
俯いたままの僕が緊張してるのかと思ったのか、2人が声をかけてくる。
ただ、首が痛くて俯いていただけなんだけど・・・
「旦那様、着いたようです」
「む、分かった」
馬車が止まり、外に出る。すると、そこにはショートケーキの様な城があった。
赤と白が主な色で、所々にエメラルド色の宝石みたいなのとか金色の宝石みたいなのが埋まっていてキラキラしている。
「ルシフィード家の方でございますね、招待状を伺っても?」
「ああ、これだ」
執事風のお爺さんに真っ白な紙の手紙を差し出し、見せる。
周りを見渡すと、メイドさんや僕と同い歳の子供たち、その両親が沢山いた。
「拝見いたしました。ようこそ、マリナイト城へ」
周りのメイドと一緒に執事が腰を折る。
なんかメイド喫茶に来たみたい。行ったことないけどね。
中に入って階段を上り、さらに進むと、一際豪華な扉があった。
中に入ると結構沢山の人がいて、こちらを見る。
直ぐに何人か寄ってきて、ガルムに話しかける。
僕は城についたら紹介まで好きにしていいって言われたから、いろんな所を歩き回る。最終的に、人が多くなってきたからテーブルの下に潜り、魔法の練習をする。
ステイタスを見てから数ヶ月。
ずーっと色んな魔法を試していた。
と言っても、火を出したり水を出したりしているだけだけど。
しばらくすると、大きな声が聞こえてきた。
『皆様、この度はお集まり頂きありがとうございます。マリナイト王のご子息、ご子女もご出席なされています。此度はお披露目会ということで、お一人づつお披露目と参りましょう』
そう聞こえ、テーブルから出てサラの所へ向かう。
僕に気が付き、手招きする。
「最初のお披露目はガルム・ルシフィード・ダルタン領主のご子息、カイン・ルシフィード・ダルタン様です」
紹介?され、スポットライトの場所に行く。
真ん中に着くと、ガルムが息子自慢を始める。
「私の息子のカインです。カインは生まれてこの方泣きもせず、笑いもせず、この歳で私達の言葉を理解しています」
そう言って僕を前に出す。
僕は普通に前に出て、頭を下げると、手をかざす。
(えーと、こうやって、こう)
空中に星魔法で文字を書いていく。
ご紹介に預かりました。
カイン・ルシフィード・ダルタンです。
私はまだ言葉を話せませんので、こちらから失礼します。
この度はお城にお招き頂き、ありがとうございます。
これから長い付き合いとなると思いますが、何卒、よろしくお願い致します。
書き終わり、一礼してから下がる。
周りは愕然としているが、ガルムは平然としている。
そのまま他の貴族に紛れて姿をくらます。
所定の位置(テーブルの下)に戻り、今度は体内の魔力を操る練習をする。
体に血液と一緒にもう一つ何かが流れている想像をすれば簡単だ。
しばらくすると、また司会者の声が聞こえてきた。
『それでは、王城の方で晩餐をご用意させていただきましたので、しばらくお楽しみください』
その言葉に、僕のお腹がクゥーと鳴いた。
それを合図に外へと顔を出し、テーブルに手を伸ばす。
「・・・・・・グググ」
背伸びをしても届かないので、周りの大人の裾を引っ張り、取ってもらう。
「ん?ああ、ダルタン領主の。どうしたの?これをとって欲しいの?」
「・・・コクン」
アップルパイみたいなものを取ってもらい、もぐもぐと食べる。
「・・・モグモグ」
サクサクの生地に甘酸っぱいフルーツが入っている。
何の果物だろう?食感は桃で味は・・・リンゴっぽい。
「初めましてカイン様、先の紹介の際、私達と話が出来ると言った事をガルム様が仰られておりましたが、本当でしょうか?」
「・・・モグモグ・・・コクン」
僕はジーと見つめながら頷く。
すると、話しかけてきた白髪の男は僕に着いてくるように行って、どこかに歩いていく。
「・・・クイクイ」
隣の大人にまたパイを取ってもらう。
うーん、やっぱり美味しい。
「・・・カイン様?どうして着いてきてくれないのですか?」
さっきの男が話しかけてくる。
だって、難しい話っぽいし。
何て言えないから、星魔法で小さく文字を書き、見せる。
貴方と話す意味を見いだせませんので。
それを見た男は固まり、僕は次のテーブルへ向かった。
「ねぇねぇ、あなたはどこのこどもなの?」
3、4歳位の女の子に声をかけられた。
茶色い髪をポニーテールに縛っている女の子だ。
その後にはその子の親らしい柔らかい顔の男の人が立っていた。
「・・・・・・モグモグ」
僕は少女を見つめながらモグモグしている。
少女は眉を潜め、後ろの男の人は困ったような笑顔を浮かべた。
「きいてる?あなたはだれのこどもなの?」
流石に可愛そうかと思ったので、星魔法で文字を書く。
僕はガルム・ルシフィード・ダルタン領主の息子だよ。
君は?
すると、後ろの男の人が、少女に耳打ちをする。
少女は頷き、こちらを見る。
「わたしはリリーナ・カルバネラ・マリナイト。よろしくね」
マリナイト・・・王族?そう言えば、ご子息ご子女が参加してるって言ってたね。
「・・・コクン」
僕はリリ・・・?から目を離し、目の前の女性のスカートを控えめに引っ張り、マカロンみたいな物を取ってもらう。(見たことしかない)
それから時間は過ぎ、僕は端っこでじっと座っていた。
「・・・・・・」
(やっぱり1人は落ち着くなぁ・・・)
地球でもよく1人でいたからなぁ。
もしかしてそれが原因でいじめられてたのかな?
「君?カイン君かい?」
「・・・コクン」
声をかけられ、目を向けると、青髪の青年が立っていた。
僕と目線を合わせ、話しかけられる。
「君のジョブを教えてくれるかな?」
「・・・フルフル」
絶対嫌だね。
勇者なんて・・・どこの目立ちたがり屋だよ。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
【完結】もふもふ獣人転生
*
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。
ちっちゃなもふもふ獣人と、攻略対象の凛々しい少年の、両片思い? な、いちゃらぶもふもふなお話です。
本編完結しました!
おまけをちょこちょこ更新しています。
第12回BL大賞、奨励賞をいただきました、読んでくださった方、応援してくださった方、投票してくださった方のおかげです、ほんとうにありがとうございました!
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる