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1章『自分の姿決め編』
『道中』
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「じゃあなルーディ、団長に宜しく伝えてくれ」
「うん!気を付けてね!また寄ってくれないと怒るからね?」
分かつてるよと苦笑しながら馬車の方へ歩いて行く。
「「「「スライムくーん!元気でね~!」」」」
女騎士の面々が手を振って来るのを手を振り返し、馬車に乗り込む、王妃様が王様に頼んで一緒の馬車に乗ることになった。
警戒は他の雇った騎士がして、有事には俺が対処する・・・と言った具合だ。
王様はもう一つのいつの間にかあった馬車に乗り込み、この馬車には王女様と王妃様と従者のメイドが一人、ついでに俺がいる。
「スライム様、こちらの紅茶はなかなかのものですよ・・・」
「はい、頂きます」
王妃様は俺に良く声を掛けてくるが、メイドと王女様はチラチラこちらを見るだけで特に何もしてこない。
「王女様、何か御用でしょうか・・・?」
「あ・・・えっと・・・その・・・スライム様はお強いのですよね・・・?何故最弱と呼ばれるスライムを名乗っておいでなのですか・・・?その・・・話にくければいいのですが・・・出来れば本名を教えて貰えたら・・・と・・・」
なるほど、大方王様が聞くように指示を出したって所か・・・まぁ自分も知りたがっているようだけど・・・
「王女様・・・申し訳ありませんが私は名乗るような名前は持ち合わせておりません故、お答えすることは出来兼ねます」
頭を下げて謝ると、その白い髪を揺らして首を振る。
「だ、大丈夫です・・・すみません、このような事を・・・」
「いえ、お答え出来ず申し訳ありません・・・他にも何かありますでしょうか?」
首を振る王女様、ちょっと可愛いと思ったのは秘密だ。
が、そこで予想外の人物から声を掛けられた。
「スライム様・・・私から質問よろしいでしょうか・・・?」
「ええ、構いませんよ」
一緒に乗っているメイドである。赤い髪を降ろしており、まだ幼さが残る少女のようにも見えた。この前の謁見?の時とは別の少女である。
「その・・・私は気配察知と魔力感知と言うスキルを持っているのですが・・・スライム様の気配と魔力を一切感じないのですが・・・何か心当たりはありますか・・・?」
そう来たか・・・王妃と王女の前なら逃げられないってか・・・
だが、残念だったな、俺はまだこいつらを信じて無いし、それ程仲良くなってはいない。
「申し訳ありませんが、その事に関しては『無言』でお願いします」
だって、心当たり無いし・・・
「わかりました・・・出過ぎた真似を・・・申し訳ありませんでした・・・」
「いえ、謝られることなんてありませんよ」
微笑を浮かべ、紅茶に口を付ける。勿論飲んではいない。口内をスライムに変え、吸収している。毒や睡眠薬とか入ってたらやだしな。
「スライム殿!魔物の群れが襲い掛かってきました!」
「今行く」
気を引き締め、外に出るとオークの群れが見えた。狙っているのは俺が乗っていた馬車のようで、やはりそっち系の目的のようだ。
「さーて、仕事しますか」
オークって美味しいのかな?
「うん!気を付けてね!また寄ってくれないと怒るからね?」
分かつてるよと苦笑しながら馬車の方へ歩いて行く。
「「「「スライムくーん!元気でね~!」」」」
女騎士の面々が手を振って来るのを手を振り返し、馬車に乗り込む、王妃様が王様に頼んで一緒の馬車に乗ることになった。
警戒は他の雇った騎士がして、有事には俺が対処する・・・と言った具合だ。
王様はもう一つのいつの間にかあった馬車に乗り込み、この馬車には王女様と王妃様と従者のメイドが一人、ついでに俺がいる。
「スライム様、こちらの紅茶はなかなかのものですよ・・・」
「はい、頂きます」
王妃様は俺に良く声を掛けてくるが、メイドと王女様はチラチラこちらを見るだけで特に何もしてこない。
「王女様、何か御用でしょうか・・・?」
「あ・・・えっと・・・その・・・スライム様はお強いのですよね・・・?何故最弱と呼ばれるスライムを名乗っておいでなのですか・・・?その・・・話にくければいいのですが・・・出来れば本名を教えて貰えたら・・・と・・・」
なるほど、大方王様が聞くように指示を出したって所か・・・まぁ自分も知りたがっているようだけど・・・
「王女様・・・申し訳ありませんが私は名乗るような名前は持ち合わせておりません故、お答えすることは出来兼ねます」
頭を下げて謝ると、その白い髪を揺らして首を振る。
「だ、大丈夫です・・・すみません、このような事を・・・」
「いえ、お答え出来ず申し訳ありません・・・他にも何かありますでしょうか?」
首を振る王女様、ちょっと可愛いと思ったのは秘密だ。
が、そこで予想外の人物から声を掛けられた。
「スライム様・・・私から質問よろしいでしょうか・・・?」
「ええ、構いませんよ」
一緒に乗っているメイドである。赤い髪を降ろしており、まだ幼さが残る少女のようにも見えた。この前の謁見?の時とは別の少女である。
「その・・・私は気配察知と魔力感知と言うスキルを持っているのですが・・・スライム様の気配と魔力を一切感じないのですが・・・何か心当たりはありますか・・・?」
そう来たか・・・王妃と王女の前なら逃げられないってか・・・
だが、残念だったな、俺はまだこいつらを信じて無いし、それ程仲良くなってはいない。
「申し訳ありませんが、その事に関しては『無言』でお願いします」
だって、心当たり無いし・・・
「わかりました・・・出過ぎた真似を・・・申し訳ありませんでした・・・」
「いえ、謝られることなんてありませんよ」
微笑を浮かべ、紅茶に口を付ける。勿論飲んではいない。口内をスライムに変え、吸収している。毒や睡眠薬とか入ってたらやだしな。
「スライム殿!魔物の群れが襲い掛かってきました!」
「今行く」
気を引き締め、外に出るとオークの群れが見えた。狙っているのは俺が乗っていた馬車のようで、やはりそっち系の目的のようだ。
「さーて、仕事しますか」
オークって美味しいのかな?
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