信じよう ～みんなで作る、かけがえのない時間を～

2.お昼

～昼食～

「鈴、こんな所で食べるの? 教室帰ろうよ～...」

私の肩を揺すってねだってくる。
でもなぜか 今日は教室では弁当食べたくなかった。

「鈴はいっつも教室で食べてるん!? 俺は無理やなw
   うるさいし暑苦しいわ～...」

さっきの真剣な表情とは一変。すっごい笑ってる。
偽ってるのかな...
そんなこと思いながら、さっき言われた言葉が
頭の中でリピートさている。

『兄ちゃんのこと考えたってや...』

その時のコウはすっごい悲しそうだった。
何かあったのかな…でも今のコウはそんなのは感じさせもしない。
ず～っと笑ってる...

「You are a boyfriend of Suzu. I did not listen to the name.」

お兄ちゃんは新しく人に出会うと毎回名前を必ず聞く。
そして聞いたら絶対忘れない。
すごいよね…

「my name is Koichi Hoshino. nice to meet you.」

「うわっさすがコウちゃん! 英語ペラペラね」

みどりはコウのお父さんが国連議員なのは知ってるけど
英語99点は知らないw
教えてない。だって私より上なんだもん(-ε´-。)))

「てか お兄ちゃん! 彼氏じゃないって!」

きょとんとしてる。もう! ムカつく...

「What do you do! Let's study Japanese quickly!」

私、その場にいられなくて逃げ出した。
教室戻ったら話し声が聞こえてくる。

「ねぇ、あの井上さんのお兄ちゃんってさ....」

...もういや。 お兄ちゃんが来てからいいことないよ....

『兄ちゃんのこと考えたってや...』

その言葉が頭の中をグルグル回る。
それきり今日はお兄ちゃんとも、みどりとも話さなかった。


～次の日・放課後～

今日もろくに話してない。

「ねぇ、どうしたの?」

そう みどりには 話しかけられたけど…

「なんでもないよ。」

って言っちゃって...
そんな時、携帯がなった。
<♪♪♪

「もしもし...」
『あーもしもし? 鈴? 今日予定なかったら学校の屋上へ!
   4:30までに来なかったら鍵閉めるからね～! じゃ!』
「ちょっと! コウ!?」

何?呼び出し?? ドキドキしてる。なんでだろう。
怖い。お兄ちゃん...

～4:20～

カチャ...
鍵閉められるって言ってたから早めに来た。

「コウ....何!? なんか用?」

「あのな...」

そう言ってコウは話し始めた。