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第四部 星巡再会
99 呪いの解き方
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オカマを巡る一悶着があったものの、俺たちは食事を前に和解した。
「カボチャスープめっちゃ旨いですね!」
大地はがつがつ飯をかきこんでいる。
「そりゃ良かったな」
俺はそんな飢えていない。
アダマスに手紙を転送すれば、いつでも作りたての料理を食べられるからな。神官や聖堂関係者は俺に甘い。だが俺にはクリスタルとして千年彼らを守ってきた実積があるので、サービス過剰だとは思わない。苦労した分ちょっと戻ってきたかな、という感じだ。
「それで、私に何の用かしら」
フレアの祖父だというオカマは、不気味な化粧を落として洗面所から戻ってきた。
俺の向かいに座る。
「……あんたが呪いのエキスパートだと聞いた。解呪は得意なのか」
「な~に、あなた呪いに侵されてるの?」
気持ち悪いシナを作って言うな。
「カナメ殿、呪いにかかっているのか?! 初耳だぞ!」
シチューの肉を選り分けていたサナトリスが顔を上げて言った。
「枢さん、どうしたんですか?」
「呪いにかかるなんて、らしくないわね」
大地と椿が俺たちの会話を聞き付けて、割り込んでくる。
「ええい、うるさいぞ、お前ら。そこのオカマ、場所を移そう」
「は~い」
はやしたてられて恥ずかしくなった俺は、他の奴に聞かれない場所に移動することにした。
食堂から通路に出る。
メロンがぽてぽて付いてきてるが……まあいいか。
「他人の呪いを解呪しようとして、自分に移してしまったんだ」
「それはレアケースね~。ステータス見せて頂戴」
プライバシーを明かすのは抵抗があるが、仕方ない。
それに弱点が載ってる訳じゃないしな。
開示モードに切り替えて、ステータスを表示する。
「どれどれ……うっひゃあ。あなた自身もかなりレアね。とんでもない数値の魔力に神の称号まであるのに、種族は人間ってどういうこと?」
「うるさい。余計なところは見るな。必要なのは呪いに関する情報だけだろ」
オカマは俺のステータスを見て感嘆している。
本題からずれそうな気配を感じたので、軌道修正した。
「人魚姫の呪い、ね。恋人がいると人魚姫と共感しちゃって、普通は解呪不可能になる。でも、あなたは魔法に対する抵抗力が高いし、呪い等のバッドステータスに対抗できる称号をいくつも持ってるから、自然に解けるんじゃないかしら」
「自然に……?」
胡乱な視線を向けてもオカマは動じない。
「今すぐ呪いを解くのは無理なのか」
「解決する方法は二つ。一つめは、呪いと話し合って無念を晴らしてあげる。二つめは、私に呪いを移すの!」
「お前に移していいのか?」
「カモーン! ウェルカム呪いちゃん! レアな呪いは大歓迎よ~」
オカマは呪いコレクターだった。
気のせいか、俺の肩あたりで「気色悪いオカマに取りつきたくない! お願いだから止めて!」という悲鳴が聞こえる。そういえば、砂漠で目を覚まして以来、人魚姫と思われる不思議な女性の声を聞いていたが……呪いの声だったのか。
「……止めた」
「え~、何でよ~」
「いい加減その口調止めろ! 呪いが気の毒になってくる!」
言い争っていると、手首に巻いた紐に付けている金色の石が光った。
『カナメ!』
「どうしたんだ、リーシャン」
光の中から、小さな白い竜の幻影が現れる。
『突然、魔神ベルゼビュートが襲ってきて……うわああっ』
「リーシャン?! おい大丈夫か?」
幻影にノイズが走った。
リーシャンの悲鳴を上げるなんて、何が起こったんだ。
「リーシャン!!」
呼び掛ける俺の声に答えたのは、リーシャンではなかった。
『……恋人と仲間の命が欲しければ、死風荒野に来い』
「黒崎! お前っ」
『今度こそ決着を付ける時だ、近藤枢』
俺は金色の石を握りしめて、答えた。
「……首を洗って待っていやがれ」
黒崎の笑い声を最後に、金色の石から光が消える。
俺は手首を押さえながら考えを巡らせた。
人質にされているなら、真たちは無事だ。たぶん。
「大丈夫なの?」
意外なことに、オカマもとい縛呪の翁は、真剣な表情をしていた。
俺は顔を上げて聞き返す。
「何がだ?」
「あなたの属性は、大地。死風荒野は、大地の力が刺に吸い付くされてカラカラになっている場所よ。ベルゼビュートに圧倒的に有利で、あなたは圧倒的に不利」
俺はあらゆる属性の魔法を使えるが、使える属性と自分の属性は別項目だ。自分の属性については、スキルの会得がしやすかったり、魔法の効果が上がったりする。
大地属性の魔法は練習しなくても使えるので、苦手な天空属性の魔法ばかり練習していた。雷撃の魔法が得意なのは、そのせいだ。
「平気だよ。大地属性以外の魔法も使えるし……それに」
黒崎の奴にこれ以上絡まれるくらいなら。
「大地震を起こして、魔界ごと面倒な奴らを滅ぼすか」
「はあああ?! 恋人と仲間はどうするのよ?」
「アダマスでセーブしてるから、最悪死に戻りができるぞ」
旅に出る前に、大聖堂でセーブしといたんだよ。
実際、異世界に帰ってきた俺たちに使えるかどうか、試してみないといけない。大地にちょっと死んできてもらうか。
「あなた、神じゃなくて、本当は魔王なんじゃないの? 魔神でもそんな酷いことしないわよ?!」
オカマは恐ろしいものを見たように震えている。
なぜかメロンまで毛をふくらませてブルブルしていた。
なんだよ、セーブポイントの由緒正しい活用方法じゃないか。ルートが分岐する前や、仲間が死ぬ戦いの直前にセーブするだろ……しない?
「カボチャスープめっちゃ旨いですね!」
大地はがつがつ飯をかきこんでいる。
「そりゃ良かったな」
俺はそんな飢えていない。
アダマスに手紙を転送すれば、いつでも作りたての料理を食べられるからな。神官や聖堂関係者は俺に甘い。だが俺にはクリスタルとして千年彼らを守ってきた実積があるので、サービス過剰だとは思わない。苦労した分ちょっと戻ってきたかな、という感じだ。
「それで、私に何の用かしら」
フレアの祖父だというオカマは、不気味な化粧を落として洗面所から戻ってきた。
俺の向かいに座る。
「……あんたが呪いのエキスパートだと聞いた。解呪は得意なのか」
「な~に、あなた呪いに侵されてるの?」
気持ち悪いシナを作って言うな。
「カナメ殿、呪いにかかっているのか?! 初耳だぞ!」
シチューの肉を選り分けていたサナトリスが顔を上げて言った。
「枢さん、どうしたんですか?」
「呪いにかかるなんて、らしくないわね」
大地と椿が俺たちの会話を聞き付けて、割り込んでくる。
「ええい、うるさいぞ、お前ら。そこのオカマ、場所を移そう」
「は~い」
はやしたてられて恥ずかしくなった俺は、他の奴に聞かれない場所に移動することにした。
食堂から通路に出る。
メロンがぽてぽて付いてきてるが……まあいいか。
「他人の呪いを解呪しようとして、自分に移してしまったんだ」
「それはレアケースね~。ステータス見せて頂戴」
プライバシーを明かすのは抵抗があるが、仕方ない。
それに弱点が載ってる訳じゃないしな。
開示モードに切り替えて、ステータスを表示する。
「どれどれ……うっひゃあ。あなた自身もかなりレアね。とんでもない数値の魔力に神の称号まであるのに、種族は人間ってどういうこと?」
「うるさい。余計なところは見るな。必要なのは呪いに関する情報だけだろ」
オカマは俺のステータスを見て感嘆している。
本題からずれそうな気配を感じたので、軌道修正した。
「人魚姫の呪い、ね。恋人がいると人魚姫と共感しちゃって、普通は解呪不可能になる。でも、あなたは魔法に対する抵抗力が高いし、呪い等のバッドステータスに対抗できる称号をいくつも持ってるから、自然に解けるんじゃないかしら」
「自然に……?」
胡乱な視線を向けてもオカマは動じない。
「今すぐ呪いを解くのは無理なのか」
「解決する方法は二つ。一つめは、呪いと話し合って無念を晴らしてあげる。二つめは、私に呪いを移すの!」
「お前に移していいのか?」
「カモーン! ウェルカム呪いちゃん! レアな呪いは大歓迎よ~」
オカマは呪いコレクターだった。
気のせいか、俺の肩あたりで「気色悪いオカマに取りつきたくない! お願いだから止めて!」という悲鳴が聞こえる。そういえば、砂漠で目を覚まして以来、人魚姫と思われる不思議な女性の声を聞いていたが……呪いの声だったのか。
「……止めた」
「え~、何でよ~」
「いい加減その口調止めろ! 呪いが気の毒になってくる!」
言い争っていると、手首に巻いた紐に付けている金色の石が光った。
『カナメ!』
「どうしたんだ、リーシャン」
光の中から、小さな白い竜の幻影が現れる。
『突然、魔神ベルゼビュートが襲ってきて……うわああっ』
「リーシャン?! おい大丈夫か?」
幻影にノイズが走った。
リーシャンの悲鳴を上げるなんて、何が起こったんだ。
「リーシャン!!」
呼び掛ける俺の声に答えたのは、リーシャンではなかった。
『……恋人と仲間の命が欲しければ、死風荒野に来い』
「黒崎! お前っ」
『今度こそ決着を付ける時だ、近藤枢』
俺は金色の石を握りしめて、答えた。
「……首を洗って待っていやがれ」
黒崎の笑い声を最後に、金色の石から光が消える。
俺は手首を押さえながら考えを巡らせた。
人質にされているなら、真たちは無事だ。たぶん。
「大丈夫なの?」
意外なことに、オカマもとい縛呪の翁は、真剣な表情をしていた。
俺は顔を上げて聞き返す。
「何がだ?」
「あなたの属性は、大地。死風荒野は、大地の力が刺に吸い付くされてカラカラになっている場所よ。ベルゼビュートに圧倒的に有利で、あなたは圧倒的に不利」
俺はあらゆる属性の魔法を使えるが、使える属性と自分の属性は別項目だ。自分の属性については、スキルの会得がしやすかったり、魔法の効果が上がったりする。
大地属性の魔法は練習しなくても使えるので、苦手な天空属性の魔法ばかり練習していた。雷撃の魔法が得意なのは、そのせいだ。
「平気だよ。大地属性以外の魔法も使えるし……それに」
黒崎の奴にこれ以上絡まれるくらいなら。
「大地震を起こして、魔界ごと面倒な奴らを滅ぼすか」
「はあああ?! 恋人と仲間はどうするのよ?」
「アダマスでセーブしてるから、最悪死に戻りができるぞ」
旅に出る前に、大聖堂でセーブしといたんだよ。
実際、異世界に帰ってきた俺たちに使えるかどうか、試してみないといけない。大地にちょっと死んできてもらうか。
「あなた、神じゃなくて、本当は魔王なんじゃないの? 魔神でもそんな酷いことしないわよ?!」
オカマは恐ろしいものを見たように震えている。
なぜかメロンまで毛をふくらませてブルブルしていた。
なんだよ、セーブポイントの由緒正しい活用方法じゃないか。ルートが分岐する前や、仲間が死ぬ戦いの直前にセーブするだろ……しない?
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