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第二部
41 新しい古神をゲットしに行きます
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恵里菜さんが意を決したように、前に出た。
「突然の訪問をお許し下さり感謝します。私たちは天照防衛特務機関の者です。実は……」
常夜の巫女姫、官僚たちと、恵里菜さんの間で質疑応答が交わされる。
出会い頭にいきなり八束が「問答無用」で攻撃してきたが、常夜の人々が皆短気という訳ではないらしい。会見は穏やかに進行した。
恵里菜さんが時折、返事に困った時に、優矢叔父さんが落ち着いた口調でカバーする。久我家当主の貫禄で、恵里菜さんを上手くフォローしていた。
「……そういう訳で、東皇陛下がこちらに来られているかと」
「なるほど。確かに旭光の巫女には、常夜に渡る陰陽の鏡を贈っております。今朝、常夜と地上を繋ぐ門が開かれた形跡がありました」
「では、東皇陛下はこちらにいらっしゃるんですね?!」
恵里菜さんの顔が明るくなる。
俺たちも空振りではなかったと知って一安心だ。
「どこにいるか確認してみましょう」
「お願いします!」
なんだ、東皇陛下の探索はすぐに終わりそうじゃん。
常夜の巫女姫は、何か呪文を唱えながら錫杖を振った。
「見えた!」
錫杖の先を、いきなり俺に向ける。
「へ?」
「すみません、間違えました」
いったい今の何?
「……」
常夜の巫女姫は、錫杖を撫でて浮かない顔をしている。
何度か呪文を唱えているが、成果は芳しくないようだ。
「……ひーちゃん」
最後に涙目で、八束の方を向いた。
「……貸せ」
待て。ひーちゃんって、八束のことか。
八束は苦虫を噛み潰したような顔で壇上に登り、巫女姫から錫杖を奪った。
「これは一番近くにいるアマテラスの力の気配に反応する術式だ。東皇家はアマテラスの巫女の家系だが、久我もアマテラスに縁がある。この術式では、近くにいる久我に反応して終わってしまう」
「……あのー。俺が邪魔なら、先に地上に帰りましょうか?」
俺がいると、目標が逸れちゃって東皇陛下をサーチできない、ってことでは。
「帰らないで!」「帰るな!」
あっちこっちから引き留められた。
なんでやねん。
「……とにかく、常夜からも捜索の手を貸す。それでいいな?」
壇上から八束が睥睨すると、官僚たちは「仰せのままに」と言って頭を下げる。お前は王様か。
八束は偉そうな態度を崩さずに、恵里菜さんを見下ろして言う。
「アメノトリフネに積んでいる機体は、久我の一機だけか?」
「古神は三機と、ヤハタが三機。サルタヒコ以外は、起動準備中よ」
恵里菜さんは淡々と答えた。
「ヤハタは例の古神もどきか。使えんな。では、動かせるのは三機だけか。常夜では辺境に移動する際に、古神に乗る必要がある。地上と違い、魔物が生息しているからな」
俺たちは、顔を見合わせた。
そんな危険な場所に、東皇陛下がいるのだろうか。
「無論、東皇は安全な都市部にいる可能性が高い」
八束はこちらの疑問を見透かしたように言った。
「辺境に行く必要があるのは、久我、お前だけだ」
「どういうことだ?」
「都から離れた辺境、城州と呼ばれる地に、久我家が置いていった古神がある。お前たちの状況を聞くに、多勢に無勢。一体でも多く古神が欲しいのではないか」
悔しいが八束の指摘通りだ。
東皇陛下を確保した後は、超大型機動戦艦コンゴウを取り返さないといけない。大神島も占拠されたという話だし、向こうはスサノオを初めとする強力な古神を使ってくる可能性がある。
対してこちらはアメノトリフネと、下級古神が三体だけ。
圧倒的な戦力不足である。
「あんたの言う通りだな。じゃあ俺は、城州に古神を取りに行く。恵里菜さん達は、都市で東皇陛下を探す。二手に分かれよう」
俺が提案すると、咲良が不満そうな顔をした。
「響矢、一人で行くの?」
「どうしようかな。でも咲良は、恵里菜さんと一緒に都市部が良いと思う。俺と咲良のどちらかが恵里菜さんといないと、いざという時に困るだろ」
このメンバーの中では、俺と咲良が古神操縦者として一番強い。
桃華もいるが、彼女は幼いからか判断力に欠く面もある。
アメノトリフネと東皇陛下の護衛のために、咲良が残った方がいいだろう。彼女が生身でも戦えることは、先般見せてもらったばかりだ。心臓が弱いという話もあったけど、あれはアマテラスのせいな気がする。とにかく、任せても大丈夫だ。
恋人と一緒に行きたいという気持ちもあるが、ここは我慢するしかない。
「戦略的に考えると、確かにそれが一番だけど。あーあ、響矢と常夜を縁神探して旅行したかったなあ」
「またの機会に行こうぜ、咲良」
頭のよい咲良は、同じ結論に達したようで、溜め息をついている。
俺は苦笑いして彼女の頭を軽く撫でた。
会談の後、俺たちはアメノトリフネに戻った。
仲間やアメノトリフネの乗組員と、これから先の作戦行動について、打ち合わせする。
「アメノトリフネに残す古神は、一機だけで大丈夫よ」
恵里菜さんは俺を見て言う。
「常夜の宮廷の支援があるし、私たちは基本的に危険は少ないと思う。むしろ危険なのは、辺境に行く響矢くんよ」
「そうですね。俺に何かあった時のためにも、同行者がいると助かります」
俺は素直に頷いた。
魔物も出るという常夜の辺境。八束が古神に乗っていけと言うくらいだから、危険な場所なのだろう。
「じゃあ私が一緒に行ってやろうか?」
「桃華かー。うーん」
小学生みたいな背丈の桃華が、精一杯背伸びしながら片手を挙げる。
この子は連れていけんな……。
「……俺が同行しても、いいでしょうか?」
「景光」
景光が手を挙げた。
そういえば景光の印は偽物だから、古神に乗るには霊力値を薬で上げる必要があるんだった。元の霊力値を下げる可能性のある、危険な薬だ。
「お前、霊力値は」
「大丈夫です」
景光は強い眼差しで、俺に「薬のことは言わないで下さい」と無言で訴えた。
この場で景光の印が偽物だと知っているのは、俺だけだ。
優矢叔父さんは聞いているかもしれない。こっそり叔父さんを見ると、彼は困った顔をしている。だが景光を止めるつもりはないようだ。
叔父さんが止めないなら……俺は決断した。
「じゃあ景光、頼む」
「!! よろしくお願いします!」
景光はパッと顔を輝かせ、勢いよく頭を下げた。
その後、合流はどうするかなど、細かい事を決め、二時間後に準備を整えて、俺と景光は出発することになった。
格納庫で、俺は着替えや保存食糧の入ったバッグを、サルタヒコの操縦室に投げ入れていた。
サルタヒコの胸部に腰掛けて、八束からもらった地図を広げる。
常夜の地図らしいが、見方が分からない。
「響矢さん、俺が案内するんで、大丈夫ですよ」
パイロットスーツを着た景光が、地図を覗きこんで言った。
「お前が?」
「実は俺、生まれてすぐ、常夜に捨てられたんです」
景光は思い詰めた顔で、いきなりヘビーな過去を暴露した。
「ええっ?!」
「名家である徳大寺家に、不吉な双子が生まれました。片方は霊力値が高く、片方は低かった。親は霊力値の低かった俺を、常夜に流して無い者にしたんです」
「……どうして徳大寺家に戻ったんだ」
「常夜でずっと、親や兄弟に憧れていました。だから迎えが来た時、本当に嬉しかった。肉親だから信じられると思っていました……」
幻だったんですけどね、と景光は肩をすくめて見せた。
口調は軽く、冗談で済ませようといるが、まだ現実を咀嚼しきれていないのだろう。どこか痛々しさを感じる仕草だ。
「実の両親は俺に名前をくれませんでした。景光という名前は、俺の双子の兄の名前です。俺は常夜では、空人《そらと》と呼ばれていました」
「そっちの名前で呼んだ方がいいか?」
「いえ。景光として入隊したので、他の人に聞かれると変でしょう」
いつの間にかシリアスな会話になっている。
もうすっかり地図を閉じて話を聞く体勢の俺に、景光は真剣な様子で続けた。
「響矢さんは、薬を使って古神に乗るのを、止めるかと思いました」
「それがお前の決めた事なら止めないよ。でも本当に良いのか? 俺についてくるためだけに、霊力を使って」
「……俺は徳大寺家にも戻れないし、常夜にも戻れない。久我家にはお世話になりましたが、いつかは出ていかないといけない。あなたと一緒に東皇陛下を助ければ、俺が行く場所が見つかるかもしれないと思ったんです」
景光の境遇は悲惨だった。親に捨てられたのに、捨てた親を信じたのは、人によっては甘いと言うかもしれない。だが血の繋がりを信じたい気持ちは、異世界に来てから叔父さんという肉親がいたと知り安堵した俺にはよく分かった。
短い間に色々なことを考えたのだろう。
前向きに行きたい場所を見つけようと必死になっている。
その決断に、俺は尊敬の念さえ抱いた。
「案内、よろしく頼む」
「任せて下さい」
俺は片手を差し出すと、景光はきょとんとする。
分かってなさそうな顔に、俺は景光の片手を引っ張って、強引に握手した。景光は驚いたようだったが、すぐに喜びを隠せない表情になり俺の手を握ってきた。
「突然の訪問をお許し下さり感謝します。私たちは天照防衛特務機関の者です。実は……」
常夜の巫女姫、官僚たちと、恵里菜さんの間で質疑応答が交わされる。
出会い頭にいきなり八束が「問答無用」で攻撃してきたが、常夜の人々が皆短気という訳ではないらしい。会見は穏やかに進行した。
恵里菜さんが時折、返事に困った時に、優矢叔父さんが落ち着いた口調でカバーする。久我家当主の貫禄で、恵里菜さんを上手くフォローしていた。
「……そういう訳で、東皇陛下がこちらに来られているかと」
「なるほど。確かに旭光の巫女には、常夜に渡る陰陽の鏡を贈っております。今朝、常夜と地上を繋ぐ門が開かれた形跡がありました」
「では、東皇陛下はこちらにいらっしゃるんですね?!」
恵里菜さんの顔が明るくなる。
俺たちも空振りではなかったと知って一安心だ。
「どこにいるか確認してみましょう」
「お願いします!」
なんだ、東皇陛下の探索はすぐに終わりそうじゃん。
常夜の巫女姫は、何か呪文を唱えながら錫杖を振った。
「見えた!」
錫杖の先を、いきなり俺に向ける。
「へ?」
「すみません、間違えました」
いったい今の何?
「……」
常夜の巫女姫は、錫杖を撫でて浮かない顔をしている。
何度か呪文を唱えているが、成果は芳しくないようだ。
「……ひーちゃん」
最後に涙目で、八束の方を向いた。
「……貸せ」
待て。ひーちゃんって、八束のことか。
八束は苦虫を噛み潰したような顔で壇上に登り、巫女姫から錫杖を奪った。
「これは一番近くにいるアマテラスの力の気配に反応する術式だ。東皇家はアマテラスの巫女の家系だが、久我もアマテラスに縁がある。この術式では、近くにいる久我に反応して終わってしまう」
「……あのー。俺が邪魔なら、先に地上に帰りましょうか?」
俺がいると、目標が逸れちゃって東皇陛下をサーチできない、ってことでは。
「帰らないで!」「帰るな!」
あっちこっちから引き留められた。
なんでやねん。
「……とにかく、常夜からも捜索の手を貸す。それでいいな?」
壇上から八束が睥睨すると、官僚たちは「仰せのままに」と言って頭を下げる。お前は王様か。
八束は偉そうな態度を崩さずに、恵里菜さんを見下ろして言う。
「アメノトリフネに積んでいる機体は、久我の一機だけか?」
「古神は三機と、ヤハタが三機。サルタヒコ以外は、起動準備中よ」
恵里菜さんは淡々と答えた。
「ヤハタは例の古神もどきか。使えんな。では、動かせるのは三機だけか。常夜では辺境に移動する際に、古神に乗る必要がある。地上と違い、魔物が生息しているからな」
俺たちは、顔を見合わせた。
そんな危険な場所に、東皇陛下がいるのだろうか。
「無論、東皇は安全な都市部にいる可能性が高い」
八束はこちらの疑問を見透かしたように言った。
「辺境に行く必要があるのは、久我、お前だけだ」
「どういうことだ?」
「都から離れた辺境、城州と呼ばれる地に、久我家が置いていった古神がある。お前たちの状況を聞くに、多勢に無勢。一体でも多く古神が欲しいのではないか」
悔しいが八束の指摘通りだ。
東皇陛下を確保した後は、超大型機動戦艦コンゴウを取り返さないといけない。大神島も占拠されたという話だし、向こうはスサノオを初めとする強力な古神を使ってくる可能性がある。
対してこちらはアメノトリフネと、下級古神が三体だけ。
圧倒的な戦力不足である。
「あんたの言う通りだな。じゃあ俺は、城州に古神を取りに行く。恵里菜さん達は、都市で東皇陛下を探す。二手に分かれよう」
俺が提案すると、咲良が不満そうな顔をした。
「響矢、一人で行くの?」
「どうしようかな。でも咲良は、恵里菜さんと一緒に都市部が良いと思う。俺と咲良のどちらかが恵里菜さんといないと、いざという時に困るだろ」
このメンバーの中では、俺と咲良が古神操縦者として一番強い。
桃華もいるが、彼女は幼いからか判断力に欠く面もある。
アメノトリフネと東皇陛下の護衛のために、咲良が残った方がいいだろう。彼女が生身でも戦えることは、先般見せてもらったばかりだ。心臓が弱いという話もあったけど、あれはアマテラスのせいな気がする。とにかく、任せても大丈夫だ。
恋人と一緒に行きたいという気持ちもあるが、ここは我慢するしかない。
「戦略的に考えると、確かにそれが一番だけど。あーあ、響矢と常夜を縁神探して旅行したかったなあ」
「またの機会に行こうぜ、咲良」
頭のよい咲良は、同じ結論に達したようで、溜め息をついている。
俺は苦笑いして彼女の頭を軽く撫でた。
会談の後、俺たちはアメノトリフネに戻った。
仲間やアメノトリフネの乗組員と、これから先の作戦行動について、打ち合わせする。
「アメノトリフネに残す古神は、一機だけで大丈夫よ」
恵里菜さんは俺を見て言う。
「常夜の宮廷の支援があるし、私たちは基本的に危険は少ないと思う。むしろ危険なのは、辺境に行く響矢くんよ」
「そうですね。俺に何かあった時のためにも、同行者がいると助かります」
俺は素直に頷いた。
魔物も出るという常夜の辺境。八束が古神に乗っていけと言うくらいだから、危険な場所なのだろう。
「じゃあ私が一緒に行ってやろうか?」
「桃華かー。うーん」
小学生みたいな背丈の桃華が、精一杯背伸びしながら片手を挙げる。
この子は連れていけんな……。
「……俺が同行しても、いいでしょうか?」
「景光」
景光が手を挙げた。
そういえば景光の印は偽物だから、古神に乗るには霊力値を薬で上げる必要があるんだった。元の霊力値を下げる可能性のある、危険な薬だ。
「お前、霊力値は」
「大丈夫です」
景光は強い眼差しで、俺に「薬のことは言わないで下さい」と無言で訴えた。
この場で景光の印が偽物だと知っているのは、俺だけだ。
優矢叔父さんは聞いているかもしれない。こっそり叔父さんを見ると、彼は困った顔をしている。だが景光を止めるつもりはないようだ。
叔父さんが止めないなら……俺は決断した。
「じゃあ景光、頼む」
「!! よろしくお願いします!」
景光はパッと顔を輝かせ、勢いよく頭を下げた。
その後、合流はどうするかなど、細かい事を決め、二時間後に準備を整えて、俺と景光は出発することになった。
格納庫で、俺は着替えや保存食糧の入ったバッグを、サルタヒコの操縦室に投げ入れていた。
サルタヒコの胸部に腰掛けて、八束からもらった地図を広げる。
常夜の地図らしいが、見方が分からない。
「響矢さん、俺が案内するんで、大丈夫ですよ」
パイロットスーツを着た景光が、地図を覗きこんで言った。
「お前が?」
「実は俺、生まれてすぐ、常夜に捨てられたんです」
景光は思い詰めた顔で、いきなりヘビーな過去を暴露した。
「ええっ?!」
「名家である徳大寺家に、不吉な双子が生まれました。片方は霊力値が高く、片方は低かった。親は霊力値の低かった俺を、常夜に流して無い者にしたんです」
「……どうして徳大寺家に戻ったんだ」
「常夜でずっと、親や兄弟に憧れていました。だから迎えが来た時、本当に嬉しかった。肉親だから信じられると思っていました……」
幻だったんですけどね、と景光は肩をすくめて見せた。
口調は軽く、冗談で済ませようといるが、まだ現実を咀嚼しきれていないのだろう。どこか痛々しさを感じる仕草だ。
「実の両親は俺に名前をくれませんでした。景光という名前は、俺の双子の兄の名前です。俺は常夜では、空人《そらと》と呼ばれていました」
「そっちの名前で呼んだ方がいいか?」
「いえ。景光として入隊したので、他の人に聞かれると変でしょう」
いつの間にかシリアスな会話になっている。
もうすっかり地図を閉じて話を聞く体勢の俺に、景光は真剣な様子で続けた。
「響矢さんは、薬を使って古神に乗るのを、止めるかと思いました」
「それがお前の決めた事なら止めないよ。でも本当に良いのか? 俺についてくるためだけに、霊力を使って」
「……俺は徳大寺家にも戻れないし、常夜にも戻れない。久我家にはお世話になりましたが、いつかは出ていかないといけない。あなたと一緒に東皇陛下を助ければ、俺が行く場所が見つかるかもしれないと思ったんです」
景光の境遇は悲惨だった。親に捨てられたのに、捨てた親を信じたのは、人によっては甘いと言うかもしれない。だが血の繋がりを信じたい気持ちは、異世界に来てから叔父さんという肉親がいたと知り安堵した俺にはよく分かった。
短い間に色々なことを考えたのだろう。
前向きに行きたい場所を見つけようと必死になっている。
その決断に、俺は尊敬の念さえ抱いた。
「案内、よろしく頼む」
「任せて下さい」
俺は片手を差し出すと、景光はきょとんとする。
分かってなさそうな顔に、俺は景光の片手を引っ張って、強引に握手した。景光は驚いたようだったが、すぐに喜びを隠せない表情になり俺の手を握ってきた。
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