55 / 126
新型魔導銃の秘密
53 魔法使いは希少なようです
しおりを挟む
アールフェスは反省して、夜中に奴隷と話したり、火事の後始末の手配をしていたようだ。関係ない俺たちは部屋に戻って寝たけどね。
翌日、俺たちは紹介状を持ってクリスティ商会を訪ねた。
仮にも一国の王族の訪問だ。
立派な応接間に通されて待たされる。少しすると、商会の代表が部下を伴って部屋に入ってきた。
驚いたことに商会の代表は、真っ赤な長髪を後頭部で結い上げた、きりりとした美女だった。
「クリスティ商会代表のアーサ・クリスティです。私どもに、どのようなご用向きでしょう」
聞かれて、ロキとティオは俺を見た。
何を売りたいか話してなかったな。
俺も商人じゃないから、うまいこと話せるか疑問だけど、やるだけやってみよう。アーサさんに向かって口を開く。
「……我がローリエは、ご存知の通り雪と氷におおわれた小国です。雪と氷だけは売るほどあります。あなたの商会に氷を卸させていただきたく」
ティオがぽかんとした。
「え? 雪や氷って、どこにでもあるじゃないか。お金になるの?」
雪国ではそうだろうな。
だがここエスペランサでは……。
「素晴らしい!」
アーサさんは机に乗り出すようにして、目を輝かせた。
「氷は、真冬の限られた時期にしか得られないものです。しかも、夏場に保管することは非常に困難です。地下の涼しい場所で限られた量を保管しても需要に追い付かず、冬以外の氷は非常に高価な商品となっています」
そうだろうと思ったよ。
夏に氷で物を冷やして食べるのは、知る人ぞ知る贅沢な楽しみだ。けれど魔法が使えなければ、夏に氷は得られない。
俺も前世に、夏の戦場で、一仕事終わった後に冷やした麦酒が飲めるなら、有り金を全部払っても良いと思ってたからな。
「氷は、食べ物を冷やす、高熱の病人の介抱に使う、魔導銃の部品を仕上げるために使う、など非常に多種多様な使い途《みち》があります。いくらあっても足りるものではありません」
アーサさんに説明されて、ようやくティオやロキも、氷の重要性に気付いたようだ。雪国の人間なら嫌というほど目にする、ただの雪や氷が、他国で高額な商品になるなんて、思ってもみなかったのだろう。
「しかし、一体どのように溶けやすい氷を、ローリエからここまで運んで来られたのですか?」
「氷の魔法を使って作るんですよ。なので、先に水を仕入れさせていただけますか?」
嘘を付いてローリエから運んできたと言っても良いが、俺たちの荷物の量は街の人々が目撃している。後で不審がられるより、真実を教えて信頼を得た方がいい。
ちなみに俺と兄たんズで凍らせるつもりだが、そこまでは教えるつもりはない。
アーサさんは俺の言葉に何故か驚愕した表情になった。
「魔法……! この暖かいエスペランサで氷を生み出すほどの魔法の使い手が、北の大地には残っているのですね」
あれ? 魔法使いはそんな希少な生き物だっけか。
戸惑っている俺のフォローのためか、ロキが口を挟んだ。
「そうですね。エーデルシア邪神戦争以来、魔法の使い手は少なくなっています。ここエスペランサでは、魔法は過去の遺産だと考えられているようですが」
どうやらここ数十年で、魔法使いは減ってしまったらしい。
ロキの台詞で俺は「魔法で凍らせる」と言ってしまって良かったかな、と悩むことになった。
しかし、アーサさんは納得したようだ。
「北の最果て、神の住まう白銀の峰の近くならば、古の魔法も残っているのでしょう……」
部下から帳簿を受け取って、何かメモしながら、アーサさんは微笑んだ。
「すぐに大量の水を届けさせましょう。水の代金は、氷の金額から引かせていただく形で構いませんね?」
アールフェスの家に水を届けてもらう段取りを付けて、俺たちは商会を出た。水の準備に時間が掛かるので、手配は明日になるそうだ。
そのまま昨日別れたミカや騎士たちと合流する。
宿屋の人に頼んで食堂を貸し切りにしてもらい、皆で集まった。
「……領事館の件ですが、私たちの方でも考えてみたんです」
獣人の少女ミカが手を上げて発言する。
俺たちがいない間、ミカと騎士たちは仲良く相談していたそうだ。
「何かアイデアがあるの?」
「はい。建設中の領事館の完成を待っていては、いつになるか分かりません。それならば、もう建っている家を買い取ってみては」
なるほど妙案だ。
資金なら氷を売って調達できそうだしな。
「候補ってあったりする?」
聞いてみると、ミカは鼻息荒く、拳をにぎって力強く頷いた。
「はい! とっておきの物件があります!」
「どんなの?」
「数十年前に滅んだエーデルシアという国の領事館が空いているそうです。領事の人は全員首を吊って死んだとかで、誰も近づかない曰くつきです!」
ちょっと待て。
「事故物件じゃあないか」
ロキが「うげげ」と頬をひきつらせる。
「はい! ミカおすすめの物件です!」
なんでやねん。おっと、地方の方言で突っ込みそうになってしまった。
「何でも死んだ人の怨念のせいで、年中、冷気が漂っているそうです。暑いのが苦手なゼフィさまや、冷気に慣れたローリエの皆さんには良いかと……」
ミカの言葉が段々尻すぼみになっていく。
途中で変な提案をしていると気付いたらしい。
確かに俺たちは暑いのは嫌だから涼しいところに行きたいと思っていたけど、亡霊の怨念はちょっと違うのでは。
それにエーデルシアという地名が引っかかる。
数十年前、エーデルシアから沸いて出た亡者の軍勢が世界の平穏を脅かした。その戦争で活躍したのが、無敗の六将――すなわち俺の前世だ。だからエーデルシアには少なからず因縁がある。
「ゼフィ、その建物に行ってみよう」
止めた方が良いと思っていた俺だが、服の裾をクロス兄が引っ張ったので、考えを中断した。
「どうしたの兄たん」
「死者系のスケルトンは乾いた骨、バリバリ食える菓子のようなものだ。ゴーストは口の中でぐるぐるするのをプチっとつぶすと、魂汁が出てきて何とも言えずうまい」
「ご飯なんだね、兄たん……!」
前世でつちかった人間の常識が邪魔して気付かなかった。
モンスターは俺たちフェンリルの主食である。
「よし、エーデルシアの領事館へ行ってみよう!」
まだ見ぬ珍味を求め、俺はミカおすすめの事故物件を訪ねてみることにした。
翌日、俺たちは紹介状を持ってクリスティ商会を訪ねた。
仮にも一国の王族の訪問だ。
立派な応接間に通されて待たされる。少しすると、商会の代表が部下を伴って部屋に入ってきた。
驚いたことに商会の代表は、真っ赤な長髪を後頭部で結い上げた、きりりとした美女だった。
「クリスティ商会代表のアーサ・クリスティです。私どもに、どのようなご用向きでしょう」
聞かれて、ロキとティオは俺を見た。
何を売りたいか話してなかったな。
俺も商人じゃないから、うまいこと話せるか疑問だけど、やるだけやってみよう。アーサさんに向かって口を開く。
「……我がローリエは、ご存知の通り雪と氷におおわれた小国です。雪と氷だけは売るほどあります。あなたの商会に氷を卸させていただきたく」
ティオがぽかんとした。
「え? 雪や氷って、どこにでもあるじゃないか。お金になるの?」
雪国ではそうだろうな。
だがここエスペランサでは……。
「素晴らしい!」
アーサさんは机に乗り出すようにして、目を輝かせた。
「氷は、真冬の限られた時期にしか得られないものです。しかも、夏場に保管することは非常に困難です。地下の涼しい場所で限られた量を保管しても需要に追い付かず、冬以外の氷は非常に高価な商品となっています」
そうだろうと思ったよ。
夏に氷で物を冷やして食べるのは、知る人ぞ知る贅沢な楽しみだ。けれど魔法が使えなければ、夏に氷は得られない。
俺も前世に、夏の戦場で、一仕事終わった後に冷やした麦酒が飲めるなら、有り金を全部払っても良いと思ってたからな。
「氷は、食べ物を冷やす、高熱の病人の介抱に使う、魔導銃の部品を仕上げるために使う、など非常に多種多様な使い途《みち》があります。いくらあっても足りるものではありません」
アーサさんに説明されて、ようやくティオやロキも、氷の重要性に気付いたようだ。雪国の人間なら嫌というほど目にする、ただの雪や氷が、他国で高額な商品になるなんて、思ってもみなかったのだろう。
「しかし、一体どのように溶けやすい氷を、ローリエからここまで運んで来られたのですか?」
「氷の魔法を使って作るんですよ。なので、先に水を仕入れさせていただけますか?」
嘘を付いてローリエから運んできたと言っても良いが、俺たちの荷物の量は街の人々が目撃している。後で不審がられるより、真実を教えて信頼を得た方がいい。
ちなみに俺と兄たんズで凍らせるつもりだが、そこまでは教えるつもりはない。
アーサさんは俺の言葉に何故か驚愕した表情になった。
「魔法……! この暖かいエスペランサで氷を生み出すほどの魔法の使い手が、北の大地には残っているのですね」
あれ? 魔法使いはそんな希少な生き物だっけか。
戸惑っている俺のフォローのためか、ロキが口を挟んだ。
「そうですね。エーデルシア邪神戦争以来、魔法の使い手は少なくなっています。ここエスペランサでは、魔法は過去の遺産だと考えられているようですが」
どうやらここ数十年で、魔法使いは減ってしまったらしい。
ロキの台詞で俺は「魔法で凍らせる」と言ってしまって良かったかな、と悩むことになった。
しかし、アーサさんは納得したようだ。
「北の最果て、神の住まう白銀の峰の近くならば、古の魔法も残っているのでしょう……」
部下から帳簿を受け取って、何かメモしながら、アーサさんは微笑んだ。
「すぐに大量の水を届けさせましょう。水の代金は、氷の金額から引かせていただく形で構いませんね?」
アールフェスの家に水を届けてもらう段取りを付けて、俺たちは商会を出た。水の準備に時間が掛かるので、手配は明日になるそうだ。
そのまま昨日別れたミカや騎士たちと合流する。
宿屋の人に頼んで食堂を貸し切りにしてもらい、皆で集まった。
「……領事館の件ですが、私たちの方でも考えてみたんです」
獣人の少女ミカが手を上げて発言する。
俺たちがいない間、ミカと騎士たちは仲良く相談していたそうだ。
「何かアイデアがあるの?」
「はい。建設中の領事館の完成を待っていては、いつになるか分かりません。それならば、もう建っている家を買い取ってみては」
なるほど妙案だ。
資金なら氷を売って調達できそうだしな。
「候補ってあったりする?」
聞いてみると、ミカは鼻息荒く、拳をにぎって力強く頷いた。
「はい! とっておきの物件があります!」
「どんなの?」
「数十年前に滅んだエーデルシアという国の領事館が空いているそうです。領事の人は全員首を吊って死んだとかで、誰も近づかない曰くつきです!」
ちょっと待て。
「事故物件じゃあないか」
ロキが「うげげ」と頬をひきつらせる。
「はい! ミカおすすめの物件です!」
なんでやねん。おっと、地方の方言で突っ込みそうになってしまった。
「何でも死んだ人の怨念のせいで、年中、冷気が漂っているそうです。暑いのが苦手なゼフィさまや、冷気に慣れたローリエの皆さんには良いかと……」
ミカの言葉が段々尻すぼみになっていく。
途中で変な提案をしていると気付いたらしい。
確かに俺たちは暑いのは嫌だから涼しいところに行きたいと思っていたけど、亡霊の怨念はちょっと違うのでは。
それにエーデルシアという地名が引っかかる。
数十年前、エーデルシアから沸いて出た亡者の軍勢が世界の平穏を脅かした。その戦争で活躍したのが、無敗の六将――すなわち俺の前世だ。だからエーデルシアには少なからず因縁がある。
「ゼフィ、その建物に行ってみよう」
止めた方が良いと思っていた俺だが、服の裾をクロス兄が引っ張ったので、考えを中断した。
「どうしたの兄たん」
「死者系のスケルトンは乾いた骨、バリバリ食える菓子のようなものだ。ゴーストは口の中でぐるぐるするのをプチっとつぶすと、魂汁が出てきて何とも言えずうまい」
「ご飯なんだね、兄たん……!」
前世でつちかった人間の常識が邪魔して気付かなかった。
モンスターは俺たちフェンリルの主食である。
「よし、エーデルシアの領事館へ行ってみよう!」
まだ見ぬ珍味を求め、俺はミカおすすめの事故物件を訪ねてみることにした。
10
お気に入りに追加
5,217
あなたにおすすめの小説
幼馴染と一緒に勇者召喚されたのに【弱体術師】となってしまった俺は弱いと言う理由だけで幼馴染と引き裂かれ王国から迫害を受けたのでもう知りません
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
ファンタジー
【弱体術師】に選ばれし者、それは最弱の勇者。
それに選ばれてしまった高坂和希は王国から迫害を受けてしまう。
唯一彼の事を心配してくれた小鳥遊優樹も【回復術師】という微妙な勇者となってしまった。
なのに昔和希を虐めていた者達は【勇者】と【賢者】と言う職業につき最高の生活を送っている。
理不尽極まりないこの世界で俺は生き残る事を決める!!
俺は神剣に選ばれ最強になる! 封印されてたツンデレ悪魔を引き連れ修行旅~ところで外れスキルの『努力』ってどういう事だよ!~【俺と悪魔】
いな@
ファンタジー
小さな村で孤児として育てられた少年ケントは、教会の地下で神様に神剣で刺され、水晶に封印されていた悪魔と出会います。
幼馴染みである二人の少女がレイスに取り付かれ、命を奪われそうになっているのを助けるため、最強最悪と云われた悪魔に刺さる神剣を抜き、レイスに立ち向かいました。
眷属となった銀髪赤目つるぺた最強悪魔アンラと一緒にケントの出生に関わる聖女に逢うため旅に出て、色んな出逢いと経験で、最強になっていくお話です。
【★表紙イラストはnovelAIで作成しており、著作権は作者に帰属しています★】
冷遇ですか?違います、厚遇すぎる程に義妹と婚約者に溺愛されてます!
ユウ
ファンタジー
トリアノン公爵令嬢のエリーゼは秀でた才能もなく凡庸な令嬢だった。
反対に次女のマリアンヌは社交界の華で、弟のハイネは公爵家の跡継ぎとして期待されていた。
嫁ぎ先も決まらず公爵家のお荷物と言われていた最中ようやく第一王子との婚約がまとまり、その後に妹のマリアンヌの婚約が決まるも、相手はスチュアート伯爵家からだった。
華麗なる一族とまで呼ばれる一族であるが相手は伯爵家。
マリアンヌは格下に嫁ぐなんて論外だと我儘を言い、エリーゼが身代わりに嫁ぐことになった。
しかしその数か月後、妹から婚約者を寝取り略奪した最低な姉という噂が流れだしてしまい、社交界では爪はじきに合うも。
伯爵家はエリーゼを溺愛していた。
その一方でこれまで姉を踏み台にしていたマリアンヌは何をしても上手く行かず義妹とも折り合いが悪く苛立ちを抱えていた。
なのに、伯爵家で大事にされている姉を見て激怒する。
「お姉様は不幸がお似合いよ…何で幸せそうにしているのよ!」
本性を露わにして姉の幸福を妬むのだが――。
乙女ゲームに悪役転生な無自覚チートの異世界譚
水魔沙希
ファンタジー
モブに徹していた少年がなくなり、転生したら乙女ゲームの悪役になっていた。しかも、王族に生まれながらも、1歳の頃に誘拐され、王族に恨みを持つ少年に転生してしまったのだ!
そんな運命なんてクソくらえだ!前世ではモブに徹していたんだから、この悪役かなりの高いスペックを持っているから、それを活用して、なんとか生き残って、前世ではできなかった事をやってやるんだ!!
最近よくある乙女ゲームの悪役転生ものの話です。
だんだんチート(無自覚)になっていく主人公の冒険譚です(予定)です。
チートの成長率ってよく分からないです。
初めての投稿で、駄文ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
会話文が多いので、本当に状況がうまく伝えられずにすみません!!
あ、ちなみにこんな乙女ゲームないよ!!という感想はご遠慮ください。
あと、戦いの部分は得意ではございません。ご了承ください。
ずっとヤモリだと思ってた俺の相棒は実は最強の竜らしい
空色蜻蛉
ファンタジー
選ばれし竜の痣(竜紋)を持つ竜騎士が国の威信を掛けて戦う世界。
孤児の少年アサヒは、同じ孤児の仲間を集めて窃盗を繰り返して貧しい生活をしていた。
竜騎士なんて貧民の自分には関係の無いことだと思っていたアサヒに、ある日、転機が訪れる。
火傷の跡だと思っていたものが竜紋で、壁に住んでたヤモリが俺の竜?
いやいや、ないでしょ……。
【お知らせ】2018/2/27 完結しました。
◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。
もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~
ゆるり
ファンタジー
☆第17回ファンタジー小説大賞で【癒し系ほっこり賞】を受賞しました!☆
ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。
最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。
この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう!
……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは?
***
ゲーム生活をのんびり楽しむ話。
バトルもありますが、基本はスローライフ。
主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。
カクヨム様にて先行公開しております。
【完結】聖獣もふもふ建国記 ~国外追放されましたが、我が領地は国を興して繁栄しておりますので御礼申し上げますね~
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放? 最高の褒美ですね。幸せになります!
――いま、何ておっしゃったの? よく聞こえませんでしたわ。
「ずいぶんと巫山戯たお言葉ですこと! ご自分の立場を弁えて発言なさった方がよろしくてよ」
すみません、本音と建て前を間違えましたわ。国王夫妻と我が家族が不在の夜会で、婚約者の第一王子は高らかに私を糾弾しました。両手に花ならぬ虫を這わせてご機嫌のようですが、下の緩い殿方は嫌われますわよ。
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放。すべて揃いました。実家の公爵家の領地に戻った私を出迎えたのは、溺愛する家族が興す新しい国でした。領地改め国土を繁栄させながら、スローライフを楽しみますね。
最高のご褒美でしたわ、ありがとうございます。私、もふもふした聖獣達と幸せになります! ……余計な心配ですけれど、そちらの国は傾いていますね。しっかりなさいませ。
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
※2022/05/10 「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過
※2022/02/14 エブリスタ、ファンタジー 1位
※2022/02/13 小説家になろう ハイファンタジー日間59位
※2022/02/12 完結
※2021/10/18 エブリスタ、ファンタジー 1位
※2021/10/19 アルファポリス、HOT 4位
※2021/10/21 小説家になろう ハイファンタジー日間 17位
異世界ゆるり紀行 ~子育てしながら冒険者します~
水無月 静琉
ファンタジー
神様のミスによって命を落とし、転生した茅野巧。様々なスキルを授かり異世界に送られると、そこは魔物が蠢く危険な森の中だった。タクミはその森で双子と思しき幼い男女の子供を発見し、アレン、エレナと名づけて保護する。格闘術で魔物を楽々倒す二人に驚きながらも、街に辿り着いたタクミは生計を立てるために冒険者ギルドに登録。アレンとエレナの成長を見守りながらの、のんびり冒険者生活がスタート!
***この度アルファポリス様から書籍化しました! 詳しくは近況ボードにて!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる