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第四章 ハムスターの恋
衣装選び
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花選びの儀、第三の試験はダンスらしいです。
ハードル高っ。
第二の試験もそうだったけど、この花選びの儀って貴族に有利に出来てるんじゃない?だってスピーチも花飾りも、庶民的には難しい内容の試験だよ。
私、よく最後の試験まで残ったわねえ。
「私以外に残った貴族じゃない女の子っているのかしら」
「合格者の一覧を見ましたが……残ったのは貴族ばかりのようですね」
銀髪の神官アルジェンは、私の疑問にさらっと答える。
ふーん。なんだか嫌な感じ。
しかし、アルジェンは気にしていないみたいだ。楽しそうに最後の試験の準備を手伝ってくれる。
「エステル、ドレスはどれにしますか?」
「ド、ドレス?!」
美青年は仕立屋を呼び出して、教会の一室に布地を広げだした。
色鮮やかな布の群れにクラクラする。
「ぽっちゃりに似合う服ならどれでも……」
「ではこのピンク色のドレスにしましょう!」
「ピンク?!」
モテない地味女だった私は、派手な色の服がすごく苦手だ。
ピンクなんてとんでもない!
キュートでポップなヒロイン色じゃないの、ピンクって。見てるだけで動悸がするわ。
「もっと地味な色でお願いします」
「ではこのスカイブルーはどうでしょう。貴女によく似合いますよ」
「う、嘘だっ。黒とか焦げ茶色とか、もっと落ち着く色はないのっ?!」
母なる大地に包まれるような、ハムスター的ひきこもり色プリーズ。
「うーん、ではこちらのワインレッドはどうでしょう」
やっと落ち着いた色が出て来たよ。
と、思ったら布地が他より小さいような。
「これ、露出度高くない?」
「大人向けですから」
胸の谷間とか、見せつけちゃう訳ね。
ふっ…私が見せられるのは全身に満遍なく付いた脂肪だけよ!
「……スカイブルーで妥協します」
「そうですかー」
アルジェンはとても残念そうな顔をした。
なんでやねん。
ハードル高っ。
第二の試験もそうだったけど、この花選びの儀って貴族に有利に出来てるんじゃない?だってスピーチも花飾りも、庶民的には難しい内容の試験だよ。
私、よく最後の試験まで残ったわねえ。
「私以外に残った貴族じゃない女の子っているのかしら」
「合格者の一覧を見ましたが……残ったのは貴族ばかりのようですね」
銀髪の神官アルジェンは、私の疑問にさらっと答える。
ふーん。なんだか嫌な感じ。
しかし、アルジェンは気にしていないみたいだ。楽しそうに最後の試験の準備を手伝ってくれる。
「エステル、ドレスはどれにしますか?」
「ド、ドレス?!」
美青年は仕立屋を呼び出して、教会の一室に布地を広げだした。
色鮮やかな布の群れにクラクラする。
「ぽっちゃりに似合う服ならどれでも……」
「ではこのピンク色のドレスにしましょう!」
「ピンク?!」
モテない地味女だった私は、派手な色の服がすごく苦手だ。
ピンクなんてとんでもない!
キュートでポップなヒロイン色じゃないの、ピンクって。見てるだけで動悸がするわ。
「もっと地味な色でお願いします」
「ではこのスカイブルーはどうでしょう。貴女によく似合いますよ」
「う、嘘だっ。黒とか焦げ茶色とか、もっと落ち着く色はないのっ?!」
母なる大地に包まれるような、ハムスター的ひきこもり色プリーズ。
「うーん、ではこちらのワインレッドはどうでしょう」
やっと落ち着いた色が出て来たよ。
と、思ったら布地が他より小さいような。
「これ、露出度高くない?」
「大人向けですから」
胸の谷間とか、見せつけちゃう訳ね。
ふっ…私が見せられるのは全身に満遍なく付いた脂肪だけよ!
「……スカイブルーで妥協します」
「そうですかー」
アルジェンはとても残念そうな顔をした。
なんでやねん。
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