84 / 120
ピクシス奪還編
20 勝利の凱旋
しおりを挟む
戦意を失ったコローナの兵士達が逃げていく。
夕暮れの影響はピクシスの人々にも及んでいるため、積極的に追撃しようとする者は少なかった。ピクシスの空からコローナの竜騎士が去っていく。飛行船は帰りたい兵士を乗せて離陸を開始した。
「……やってくれたな、アサヒ」
黄金の竜に乗ったウェスぺが、霊廟の上で悔しそうに言う。
上空を見上げてアサヒは答えた。
「お前は忘れてたみたいだけど、ここは俺達の島だ。出張試合は地元のチームが強いって相場が決まってる」
もっとも、地球の野球やサッカーの国際試合の法則が異世界に当てはまるか謎だが。
「どうする? お前はまだ戦うか?」
コローナの民を帰した魔術は、さすがに竜王であるウェスぺには効かない。いまだ余裕を残した雰囲気でたたずむウェスぺに、アサヒは聞いた。
「どうしてもやるって言うなら相手になる。だけど俺の島を破壊するつもりなら、お前も道連れにしてやるから覚悟しろ。ここで命を賭けるか?」
「……このような辺境で命運を試す気などない」
忌々しそうにウェスぺは吐き捨てた。
敗北を認めても彼は尊大な態度を崩さない。
「今回は引き上げてやろう」
「次回があるのかよ……」
「無論、我が悲願の達成に必要であれば、また会うこともあるだろう」
黄金の竜は長い胴をくねらせて、ゆっくり上昇する。
アサヒは去りゆく光竜王を地上で見送った。
戦いが終わったと判断した相棒がヤモリの姿に戻る。ポスッと音を立てて小さな相棒はアサヒの頭の上に落ちた。
「アサヒーー!」
仲間達が空から降りてくる。
カズオミは今さら戦闘の恐怖を感じているのか半泣きだった。
「僕はもう駄目かと思ったよー」
「うんうん。頑張ったな、カズオミ」
竜から降りた友人をねぎらう。後ろでユエリが呆れた顔をしていた。彼女は修羅場慣れしているらしく、普段通りの調子だ。
「アサヒ」
深紅の竜から降りたヒズミが歩いてくる。
彼は光竜王との戦いで満身創痍のようだった。
「よく帰ってきたな。霧竜王に、光竜王との戦い……1日で終わるはずが随分長くなったものだ」
「本当にな」
思えば霧竜王を追い返すと言って島を出たのだ。すぐ戻るつもりが、光竜王の件で一週間近く掛かっている。
「あんたは霊廟の力使ったみたいだけど、大丈夫か? 顔色良くないぞ」
「このぐらい、どうということもない。それよりも、この機会に伝えておきたい事がある」
ヒズミに真剣な眼差しで見つめられて、アサヒは息をのんだ。
「何?」
「今まで理由あって教えなかったが、お前は私の……」
台詞の途中で背の高い男の身体がぐらりとかしぐ。
「おっと」
すぐさま、どこからか駆けつけたハヤテが彼の身体を支えた。途中で戦いに参加していたとアサヒも気付いていたが、それにしても神出鬼没である。
ヒズミは気を失っているらしい。
霊廟の力を使って限界まで戦ったのだから当然の結末だ。重そうに彼の身体を背負い直しながらハヤテが言う。
「全く、告白最中に寝るなんざ、しまらねえ兄貴だぜ」
「あ」
言っちゃったよ、こいつ。
ハヤテの十分過ぎるぶっちゃけにアサヒは溜め息をついた。
「それ言って良かったの? あんた前にこれはヒズミの口から言うべきだって言ってたじゃないか」
「ああ、口滑らせちまったぜ。というかアサヒ、やっぱり気付いてたんだな」
アサヒは肩をすくめる。
竜王の記憶と、最近ようやく鮮明になってきた幼い頃の記憶、両方から照らし合わせてヒズミの正体は推測可能だった。ただ何となく、お互いに気まずくて確認できなかっただけで。
「じゃあ、俺は何も言わなかったってことで、オフレコにしてくれ。後でもっかい告白を……」
「いや、もう良いから」
CM後の番組再開じゃあるまいし。もう分かってるのに知らない顔をして聞くなんて、笑いをこらえるので精一杯で絶対話にならない。
ハヤテの言葉にアサヒは手を横に降る。
「後でちゃんと話すから、その馬鹿兄貴をベッドの中に放り込んでおいてくれ」
「言うねえ、さすが竜王陛下。承りました、と」
よいしょっと荷物を背負い直すと、ハヤテは自分の相棒の青い竜に乗った。動かない大の男を運搬するのだから、竜に乗せて運ぶのは適切だろう。
青い竜が街に向かうのを見送って、アサヒはカズオミとユエリを振り返った。
「じゃあ、帰ろうか」
「新しい寮はどうなってるのかな……」
疲れたし帰って寝ようと思っていたアサヒだが、行く手をさえぎるように、渦巻いた角が特徴の太った火竜がドーンと着陸した。
「待て待て待てーいっ!」
「ハルト?!」
「アサヒ、逃がさんぞ! 貴様には竜王としての仕事がまだ残ってる。ヒズミ様が不在だから、上で状況を判断する者が必要なのだ」
「ほ、ほら。皆いったん解散で明日にするのは」
「駄目だ! 叔父上から首に縄を付けてでも竜王陛下を連れてくるように言われている!」
逃げようとしたアサヒの襟首をがっしとハルトがつかむ。
だから竜王だって名乗りたくなかったんだ、とアサヒは表舞台に出た自分の行動を後悔した。せっかくヒズミが良い感じに目立って代理の竜王として頑張ってくれていたのに、派手に名乗りを上げたせいで注目されてしまった。
「さあ行くぞ!」
「頑張ってねー、アサヒ」
「しっかり働くのよ」
「トホホ……」
薄情にもカズオミとユエリは新しい寮に帰ってしまう。
仕方なくアサヒはハルトと一緒に竜騎士達のもとに戻って、戦後の後片付けをどうするか細々と指示を出すのだった。
ちなみにヒズミ・コノエはぶっ倒れて熱を出したため、アサヒは一週間ほど竜王として真面目に仕事をすることになった。
-------------------------------------------
ご拝読ありがとうございました。
こちらでピクシズ奪還編は終了です。
次の「5島連盟編」が最後になります。
夕暮れの影響はピクシスの人々にも及んでいるため、積極的に追撃しようとする者は少なかった。ピクシスの空からコローナの竜騎士が去っていく。飛行船は帰りたい兵士を乗せて離陸を開始した。
「……やってくれたな、アサヒ」
黄金の竜に乗ったウェスぺが、霊廟の上で悔しそうに言う。
上空を見上げてアサヒは答えた。
「お前は忘れてたみたいだけど、ここは俺達の島だ。出張試合は地元のチームが強いって相場が決まってる」
もっとも、地球の野球やサッカーの国際試合の法則が異世界に当てはまるか謎だが。
「どうする? お前はまだ戦うか?」
コローナの民を帰した魔術は、さすがに竜王であるウェスぺには効かない。いまだ余裕を残した雰囲気でたたずむウェスぺに、アサヒは聞いた。
「どうしてもやるって言うなら相手になる。だけど俺の島を破壊するつもりなら、お前も道連れにしてやるから覚悟しろ。ここで命を賭けるか?」
「……このような辺境で命運を試す気などない」
忌々しそうにウェスぺは吐き捨てた。
敗北を認めても彼は尊大な態度を崩さない。
「今回は引き上げてやろう」
「次回があるのかよ……」
「無論、我が悲願の達成に必要であれば、また会うこともあるだろう」
黄金の竜は長い胴をくねらせて、ゆっくり上昇する。
アサヒは去りゆく光竜王を地上で見送った。
戦いが終わったと判断した相棒がヤモリの姿に戻る。ポスッと音を立てて小さな相棒はアサヒの頭の上に落ちた。
「アサヒーー!」
仲間達が空から降りてくる。
カズオミは今さら戦闘の恐怖を感じているのか半泣きだった。
「僕はもう駄目かと思ったよー」
「うんうん。頑張ったな、カズオミ」
竜から降りた友人をねぎらう。後ろでユエリが呆れた顔をしていた。彼女は修羅場慣れしているらしく、普段通りの調子だ。
「アサヒ」
深紅の竜から降りたヒズミが歩いてくる。
彼は光竜王との戦いで満身創痍のようだった。
「よく帰ってきたな。霧竜王に、光竜王との戦い……1日で終わるはずが随分長くなったものだ」
「本当にな」
思えば霧竜王を追い返すと言って島を出たのだ。すぐ戻るつもりが、光竜王の件で一週間近く掛かっている。
「あんたは霊廟の力使ったみたいだけど、大丈夫か? 顔色良くないぞ」
「このぐらい、どうということもない。それよりも、この機会に伝えておきたい事がある」
ヒズミに真剣な眼差しで見つめられて、アサヒは息をのんだ。
「何?」
「今まで理由あって教えなかったが、お前は私の……」
台詞の途中で背の高い男の身体がぐらりとかしぐ。
「おっと」
すぐさま、どこからか駆けつけたハヤテが彼の身体を支えた。途中で戦いに参加していたとアサヒも気付いていたが、それにしても神出鬼没である。
ヒズミは気を失っているらしい。
霊廟の力を使って限界まで戦ったのだから当然の結末だ。重そうに彼の身体を背負い直しながらハヤテが言う。
「全く、告白最中に寝るなんざ、しまらねえ兄貴だぜ」
「あ」
言っちゃったよ、こいつ。
ハヤテの十分過ぎるぶっちゃけにアサヒは溜め息をついた。
「それ言って良かったの? あんた前にこれはヒズミの口から言うべきだって言ってたじゃないか」
「ああ、口滑らせちまったぜ。というかアサヒ、やっぱり気付いてたんだな」
アサヒは肩をすくめる。
竜王の記憶と、最近ようやく鮮明になってきた幼い頃の記憶、両方から照らし合わせてヒズミの正体は推測可能だった。ただ何となく、お互いに気まずくて確認できなかっただけで。
「じゃあ、俺は何も言わなかったってことで、オフレコにしてくれ。後でもっかい告白を……」
「いや、もう良いから」
CM後の番組再開じゃあるまいし。もう分かってるのに知らない顔をして聞くなんて、笑いをこらえるので精一杯で絶対話にならない。
ハヤテの言葉にアサヒは手を横に降る。
「後でちゃんと話すから、その馬鹿兄貴をベッドの中に放り込んでおいてくれ」
「言うねえ、さすが竜王陛下。承りました、と」
よいしょっと荷物を背負い直すと、ハヤテは自分の相棒の青い竜に乗った。動かない大の男を運搬するのだから、竜に乗せて運ぶのは適切だろう。
青い竜が街に向かうのを見送って、アサヒはカズオミとユエリを振り返った。
「じゃあ、帰ろうか」
「新しい寮はどうなってるのかな……」
疲れたし帰って寝ようと思っていたアサヒだが、行く手をさえぎるように、渦巻いた角が特徴の太った火竜がドーンと着陸した。
「待て待て待てーいっ!」
「ハルト?!」
「アサヒ、逃がさんぞ! 貴様には竜王としての仕事がまだ残ってる。ヒズミ様が不在だから、上で状況を判断する者が必要なのだ」
「ほ、ほら。皆いったん解散で明日にするのは」
「駄目だ! 叔父上から首に縄を付けてでも竜王陛下を連れてくるように言われている!」
逃げようとしたアサヒの襟首をがっしとハルトがつかむ。
だから竜王だって名乗りたくなかったんだ、とアサヒは表舞台に出た自分の行動を後悔した。せっかくヒズミが良い感じに目立って代理の竜王として頑張ってくれていたのに、派手に名乗りを上げたせいで注目されてしまった。
「さあ行くぞ!」
「頑張ってねー、アサヒ」
「しっかり働くのよ」
「トホホ……」
薄情にもカズオミとユエリは新しい寮に帰ってしまう。
仕方なくアサヒはハルトと一緒に竜騎士達のもとに戻って、戦後の後片付けをどうするか細々と指示を出すのだった。
ちなみにヒズミ・コノエはぶっ倒れて熱を出したため、アサヒは一週間ほど竜王として真面目に仕事をすることになった。
-------------------------------------------
ご拝読ありがとうございました。
こちらでピクシズ奪還編は終了です。
次の「5島連盟編」が最後になります。
2
お気に入りに追加
4,059
あなたにおすすめの小説
異世界で検索しながら無双する!!
なかの
ファンタジー
異世界に転移した僕がスマホを見つめると、そこには『電波状況最高』の表示!つまり、ちょっと前の表現だと『バリ3』だった。恐る恐る検索してみると、ちゃんと検索できた。ちなみに『異世界』は『人が世界を分類する場合において、自分たちが所属する世界の外側。』のことらしい。うん、間違いなくここ異世界!なぜならさっそくエルフさん達が歩いてる!
しかも、充電の心配はいらなかった。僕は、とある理由で最新式の手回しラジオを持っていたのだ。これはスマホも充電できるスグレモノ!手回し充電5分で待ち受け30分できる!僕は、この手回しラジオを今日もくるくる回し続けて無双する!!
キュウカンバ伯爵家のピクルス大佐ですわよ!
紅灯空呼
ファンタジー
★第一部【ヴェッポン国自衛軍編】
ウムラジアン大陸一の軍事強国ヴェッポン国の名門武器商キュウカンバ伯爵家には、とても令嬢とは呼べない凄まじいお転婆娘ピクルスがいる。しかも自衛軍の大佐なのだ。ある日、隣の大国デモングラから戦闘機ボムキャベッツが飛んできた。軍用ヘリコプターに乗って移動中だったピクルス大佐はチョリソール大尉に迎撃を命じる。
★第二部【ピクルスの世界巡遊編】
キュウカンバ伯爵家のご令嬢ピクルス大佐が世界各地へ旅をする。まず向かった先は大陸の東部に浮かぶ列島・ヤポン神国。そこで伝統的行事の『神攻略戦』という恋愛模擬体験遊戯に加わる。その後、一度ヴェッポン国に帰ったピクルス大佐は、世界各地を舞台にした壮大なRPG『奪われた聖剣を取り戻せ!』に参戦することとなる。
★第三部【異世界転生ヒロイン編】
前世とそっくりな世界の別人へと転生したピクルス大佐が、ゲームのヒロインとして大活躍する。そのゲームは二つあり、最初がトンジル国のダブルヒロイン乙女ゲーム『烏賊になったお嬢様』で、次はアルデンテ王国で行われる心トキめくアクションゲーム『四級女官は王宮を守れるか?』だ。より良いエンディングを目指して、ピクルス大佐は奮闘するのである。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた
りゅう
ファンタジー
異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。
いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。
その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる