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魔術と天使様
第49話 万事解決ですわね
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意気消沈したルイの足元に、黒猫がまとわりつく。今まで存在感がなく気付かなかったが、ルイは黒猫を連れていた。よく見ると、尻尾が二本ある猫だ。
猫は、じゃれるような仕草で、ルイの足を尻尾でぺしぺし叩く。
『往生際悪いよ~? ごめんなさい、しちゃいなよ~』
「だ、ま、れ!!」
ルイは黒猫の首を絞め、開き直ったように立ち上がった。
「女王陛下、煮るなり焼くなり、好きにして下さい。アウラは貴国に敵意はありません。味方でも、ありませんが」
先行して、ちゃっかり妖精の鏡を奪おうとしたことについて、言い訳もしないようだ。中途半端な謝罪は、意味がないと思っているのだろう。
ネーヴェは、人差し指を頬に当てて考えた。
「そうね……」
今はこちらが有利な立場だが、調子に乗ってルイを罰すると、アウラとの国交に支障が出る。
「セレス様、妖精の鏡をお借りしてよろしいですか」
「お前たちが妖精の鏡と呼んでいるのは、この泉の水面じゃ」
少女の姿をした妖精王は、無造作に泉を指し示した。
「水面?!」
「石を磨いたものかと思ったか?」
ネーヴェは驚いたが、水面が姿を映す事を考えると、なるほど鏡と言えなくもないと納得する。
「では、泉の水を少し汲んでも?」
「構わんぞ」
水を入れる革袋を取り出し、中身を妖精の泉の水に入れ換えた。
「これでよし。ルイ殿下、王城に戻りましょうか」
「戻ってどうする」
「魔物を退治しましょう。そこから、改めて外交のし直しですわ」
ひとまず、王城に戻って、王子の姿でのさばっている魔物を退治しないことには、話が始まらない。
ルイには公式な身分に戻ってもらって、交換留学の話を進める必要がある。
「殿下が勝手に我が国の禁則地に侵入し、無断で妖精の鏡を持ち去ろうとしたことは、今は水に流しましょう。ただし、交渉次第では、アウラ王に報告させて頂きますわ。殿下自身の進退のためにも、我が国との交渉を誠心誠意、進めて頂けると大変助かります」
「ぐっ」
ルイは苦々しい表情で唸る。
アウラの天使セラフィも確保しているので、ルイの失態を天使経由で本国に知らせることができる。魔物に姿を映し取られ、フォレスタで無礼を働いた事は、王子の失点として厳しく評価されることだろう。
「話はまとまったな? では、さっさと人の世界に戻るといい。大サービスで、森の出口を王城裏の森に繋げてやろう」
セレスは、ふんぞり返って言う。
さすが妖精王、便利である。正直、また巨大鶏を召喚して戻らないといけないのかと、帰り道が面倒に感じていたところだ。
ありがたいと感謝していると、セレスはネーヴェに向かって、ちょいちょい手招きした。
「フォレスタの女王、内緒話をしよう」
俺に内緒かと不機嫌になっているシエロを横目に見ながら、セレスと共に少し離れた場所に移動する。
セレスは声を潜めて言った。
「二つ、助言をしよう。一つ目、ネーヴェ、そなたには神鳥の加護がある。鳥たちは、そなたを見守り、そなたに手を貸すだろう」
「ニワトリとお話ができるのは、その加護のおかげでしょうか」
自室で放し飼いのモップを思い出していると、セレスは、くすくす笑った。
「ニワトリ? 別にニワトリに限らず、鳥の話は聞けるはずだぞ。試してみよ。鳥たちはお喋りだからな。そなたなら、有効活用できるだろう」
鶏限定ではなかったのだ。ネーヴェは、ぱぁっと目の前が明るくなる気持ちになった。
「ツバメと話せば、雨が来る前に洗濯物を取り込めますね!」
「そなた本当に女王か。洗濯物……」
セレスは、喜ぶネーヴェを不思議そうに見る。
思わぬ可能性に心踊ったネーヴェだが、妖精王の視線を受けて我に返る。
咳払いして、続きを促した。
「失礼しました。二つ目は?」
助言は、二つあるとセレスは言っていた。
改めて問うと、セレスは肩をすくめる。
「大した事ではない。シエロのことを、名前で呼んでやってくれ」
「……それは、シエロ様の本名で、ということでしょうか」
「本名かどうかは知らぬが、今はもう、あやつを元の名前で呼ぶものはいない」
王城に帰ったらシエロに聞き出そうと、ネーヴェは心の手帳に書き留めた。アウラの天使セラフィからも、シエロの名前らしきものを聞いているが、本人から聞かなければ意味がない。
「分かりましたわ。ご期待に添えるか分かりませんが、頑張ってみます」
「うむ。我は此度の人の子の訪問について、悪い風には受け止めておらぬ。魔術師だろうが、外国人だろうが、外から風を呼び込むのは良いことだ。生命は留まらず、絶えず変化していくものだからな。そなたが作る未来が、新しい明日に繋がることを期待している」
そう言うセレスは、妖精王らしい威厳に満ちていて、ネーヴェは無意識に姿勢をただす。人の国の王として、ネーヴェには妖精族と仲良くやっていく義務がある。フォレスタで魔術師を育てる話は、妖精を害することのないよう慎重に検討しなければならないと、気付いたのだった。
猫は、じゃれるような仕草で、ルイの足を尻尾でぺしぺし叩く。
『往生際悪いよ~? ごめんなさい、しちゃいなよ~』
「だ、ま、れ!!」
ルイは黒猫の首を絞め、開き直ったように立ち上がった。
「女王陛下、煮るなり焼くなり、好きにして下さい。アウラは貴国に敵意はありません。味方でも、ありませんが」
先行して、ちゃっかり妖精の鏡を奪おうとしたことについて、言い訳もしないようだ。中途半端な謝罪は、意味がないと思っているのだろう。
ネーヴェは、人差し指を頬に当てて考えた。
「そうね……」
今はこちらが有利な立場だが、調子に乗ってルイを罰すると、アウラとの国交に支障が出る。
「セレス様、妖精の鏡をお借りしてよろしいですか」
「お前たちが妖精の鏡と呼んでいるのは、この泉の水面じゃ」
少女の姿をした妖精王は、無造作に泉を指し示した。
「水面?!」
「石を磨いたものかと思ったか?」
ネーヴェは驚いたが、水面が姿を映す事を考えると、なるほど鏡と言えなくもないと納得する。
「では、泉の水を少し汲んでも?」
「構わんぞ」
水を入れる革袋を取り出し、中身を妖精の泉の水に入れ換えた。
「これでよし。ルイ殿下、王城に戻りましょうか」
「戻ってどうする」
「魔物を退治しましょう。そこから、改めて外交のし直しですわ」
ひとまず、王城に戻って、王子の姿でのさばっている魔物を退治しないことには、話が始まらない。
ルイには公式な身分に戻ってもらって、交換留学の話を進める必要がある。
「殿下が勝手に我が国の禁則地に侵入し、無断で妖精の鏡を持ち去ろうとしたことは、今は水に流しましょう。ただし、交渉次第では、アウラ王に報告させて頂きますわ。殿下自身の進退のためにも、我が国との交渉を誠心誠意、進めて頂けると大変助かります」
「ぐっ」
ルイは苦々しい表情で唸る。
アウラの天使セラフィも確保しているので、ルイの失態を天使経由で本国に知らせることができる。魔物に姿を映し取られ、フォレスタで無礼を働いた事は、王子の失点として厳しく評価されることだろう。
「話はまとまったな? では、さっさと人の世界に戻るといい。大サービスで、森の出口を王城裏の森に繋げてやろう」
セレスは、ふんぞり返って言う。
さすが妖精王、便利である。正直、また巨大鶏を召喚して戻らないといけないのかと、帰り道が面倒に感じていたところだ。
ありがたいと感謝していると、セレスはネーヴェに向かって、ちょいちょい手招きした。
「フォレスタの女王、内緒話をしよう」
俺に内緒かと不機嫌になっているシエロを横目に見ながら、セレスと共に少し離れた場所に移動する。
セレスは声を潜めて言った。
「二つ、助言をしよう。一つ目、ネーヴェ、そなたには神鳥の加護がある。鳥たちは、そなたを見守り、そなたに手を貸すだろう」
「ニワトリとお話ができるのは、その加護のおかげでしょうか」
自室で放し飼いのモップを思い出していると、セレスは、くすくす笑った。
「ニワトリ? 別にニワトリに限らず、鳥の話は聞けるはずだぞ。試してみよ。鳥たちはお喋りだからな。そなたなら、有効活用できるだろう」
鶏限定ではなかったのだ。ネーヴェは、ぱぁっと目の前が明るくなる気持ちになった。
「ツバメと話せば、雨が来る前に洗濯物を取り込めますね!」
「そなた本当に女王か。洗濯物……」
セレスは、喜ぶネーヴェを不思議そうに見る。
思わぬ可能性に心踊ったネーヴェだが、妖精王の視線を受けて我に返る。
咳払いして、続きを促した。
「失礼しました。二つ目は?」
助言は、二つあるとセレスは言っていた。
改めて問うと、セレスは肩をすくめる。
「大した事ではない。シエロのことを、名前で呼んでやってくれ」
「……それは、シエロ様の本名で、ということでしょうか」
「本名かどうかは知らぬが、今はもう、あやつを元の名前で呼ぶものはいない」
王城に帰ったらシエロに聞き出そうと、ネーヴェは心の手帳に書き留めた。アウラの天使セラフィからも、シエロの名前らしきものを聞いているが、本人から聞かなければ意味がない。
「分かりましたわ。ご期待に添えるか分かりませんが、頑張ってみます」
「うむ。我は此度の人の子の訪問について、悪い風には受け止めておらぬ。魔術師だろうが、外国人だろうが、外から風を呼び込むのは良いことだ。生命は留まらず、絶えず変化していくものだからな。そなたが作る未来が、新しい明日に繋がることを期待している」
そう言うセレスは、妖精王らしい威厳に満ちていて、ネーヴェは無意識に姿勢をただす。人の国の王として、ネーヴェには妖精族と仲良くやっていく義務がある。フォレスタで魔術師を育てる話は、妖精を害することのないよう慎重に検討しなければならないと、気付いたのだった。
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