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第12章 神の使者、エルフの国に降臨

第132の宴 ハティVSドラゴン 宿命の対決!!

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「ドラゴン!?」

〈シャギャァァァァァァァ!!〉
「ま、まさかこんな所にドラゴンが!?」
「オルフェノス様!!
さっさと逃げましょう!!」
「策士様の言う通りですよ!!
殺されてしまいます!!」
いきなりのドラゴンにパニックになるジークとサブリナ!
「何二人共慌ててるのよ?」
「逆になんで落ち着いてるの!?」
「当たり前じゃない?
私達にはご主人様がいるのよ?」
「はっ!そうでした!!
確か、タナトス様はドラゴンを一撃で・・・!」
「そうだよー!
だから、慌てる必要なんてないよー!」
「そうだった・・・!
タナトス様!お願いします!!」
「くっくっくっ・・・。
またもドラゴンの素材が手に入るな・・・!」
〈ガウガウ!!〉
「ん?どうした?ハティ。」
「我に戦わせてくれ!
我があのドラゴンを倒す!!って言ってるよ!!」
「お前だけでか!?大丈夫なのか・・・?」
〈ガウガウ!!〉
「我は神の使者の眷属!
ドラゴン如き倒せなければ、眷属失格だ!って言ってる!」
「・・・そういえば、前に言ってたな・・・。
いいだろう・・・。
我が眷属、ハティよ!!
このドラゴン・・・貴様に任せる!!」

〈アォォォォォォォォォォン!!!〉

〈キャンキャン!!〉
「ハティ様!妾も助太刀するのじゃって言ってるよ!」
〈ガウガウ!!ガウ!〉
「手を出すな!!
これは我の戦いだ・・・!」
〈キュゥゥゥン・・・〉
「わかったのじゃ・・・どうかご武運を・・・
って言ってたよ!」

「アセナ・・・心配するな・・・。
ハティは我の眷属・・・
ハティは必ず勝つ!!
お前も番なら旦那を信じろ!!」

〈・・・キャン!〉
《身体縮小化、解除!!》
ハティの身体が本来の大きさに戻る!!

そして、ハティの戦いが始まる・・・。

※ここからはモンスター、神獣語を訳してお送りします。

〈貴様・・・フェンリル如きが俺に勝てると思っているのか・・・?
我は最強の種族!
貴様等、瞬殺してくれよう!!〉
〈我を唯のフェンリルだと思うな!!
我こそが最強のフェンリル!!
貴様等、我が八つ裂きにしてくれる!!〉
〈面白い・・・!
俺に立ち向かったこと・・・後悔させてやる!!
喰らえぇぇぇぇぇぇぇ!!〉
ドラゴンがハティに向かい、炎を放つ!!

ゴォォォォォォォォ!!

〈ハティ様!!〉
アセナはハティを心配するが・・・

〈ぐはぁぁぁぁぁ!!〉
いきなり真横にふっ飛ばされるドラゴン!!

「え!?」
「ドラゴンが!!何で!?」

「何だ、見えなかったのか・・・?」

「え!?ご主人様、何があったか分かったの!?」
「当たり前であろう?
あのドラゴンが炎を吐いた瞬間、ハティがドラゴンの真横に移動して体当たりしただけだ・・・。」
「あの一瞬で・・・!?
流石は神の使者の眷属・・・!
俺のスピードブーストよりも速いとは・・・!」
オルフェノスはハティのスピードに驚愕する・・・!

〈き、貴様!いつの間に・・・!〉
〈くっくっくっ・・・貴様が遅いだけだ・・・!
図体ばかりデカいトロいドラゴンめ!!〉
〈なんだと!?
貴様ァァァァァァァ!!!〉
ドラゴンは鋭い爪でハティに攻撃する!!

しかし・・・

〈くっくっくっ!どうした!
そんな攻撃では我には当たらんぞ!!
鈍臭いドラゴンだな!!〉
〈貴様ァァァァァァァ!!
俺を馬鹿にしやがってぇぇぇぇぇぇぇ!!
フェンリル如きがァァァァァァァ!!〉

ドラゴンは挑発され、更に攻撃を仕掛けるが、全てハティに避けられてしまう!!

〈くっ!ちょこまかと・・・!!
逃げ足だけは速いようだが、逃げてるだけでは俺は倒せぬぞ!!
まあ、所詮フェンリル如きの攻撃では俺の皮膚は貫けないがな!!〉
〈ごちゃごちゃと煩いドラゴンだ・・・!
我は貴様とお喋りしに来たわけではない!!
口だけのドラゴンめ!〉
〈なんだと!?〉
〈それに・・・
貴様の軟弱な皮膚など我が切り裂いてくれるわっ!!〉
〈何っ!?〉

ハティはドラゴンの前から消えると一瞬で肉薄し、鉤爪でドラゴンの背中を切り裂く!!

〈ギャァァァァァァァ!!
ば、馬鹿な!?俺の皮膚が・・・!!〉
〈言ったであろう!!
我は最強のフェンリル!!
貴様の軟弱な皮膚を切り裂くなんて容易いことだ!!
さあ、終焉の刻だ!!
喰らえぇぇぇぇぇぇぇ!!〉
《黒狼の輪舞曲!!》
ハティは神速を使い、ドラゴンを四方八方から切り裂く!!

〈グギャァァァァァァァァ!!
や、ヤメロォォォォォォ!!〉
ドラゴンは手も足も出せず、ただ切り裂かれていく!!

〈くっ・・・このままでは・・・!〉

その時、ドラゴンが翼を広げ、上空に飛び立つ!!
〈ハァハァハァ・・・
クソ・・・フェンリルの癖に・・・!
だが、これで貴様は攻撃出来まい!!
このフロア一面焼き尽くしてくれるわっ!!〉

「やばいよ!このままだと!!」
「焼き猫ににゃっちゃうにゃん!!」
「焼き猫美味しそう☆」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!!」
「ご主人様!!なんとかしないと!!」
「やばいぞ!タナトス!どうするんだ!」
「まだ死にたくねぇ!!
まだサブリナちゃんと付き合ってもないのに!!」
「え!?策士様も私のことを・・・!?」

慌てるハルトガールズとエルフ達!

「狼狽えるなァァァァァァァ!!!」

ハルトの叫びにビクッとする!
「貴様ら・・・何を狼狽える必要がある・・・?」

『え・・・?』

「貴様ら・・・ハティを舐めてるのか・・・?
ハティは我の眷属だぞ・・・?
貴様らは今までハティの何を見てきた・・・?
どんな状況であろうとハティが負けるわけなかろう!!
仲間を信じろ!!」

ハルトの言葉にハッとするハルトガールズ。
「アセナを見ろ・・・。
あいつはハティを信じて、ずっと見守ってる・・・。
あいつもハティの勝利を信じている!!」
ハティをじっと見つめるアセナ・・・。

「・・・そうね。
ハティは最強のフェンリルですもんね。」
「うん!ハティちゃんが負けるわけないよ!!」
〈ハティっち!!
そんなドラゴンぶっ飛ばすですぅ!!〉
「負けたら許さないんだからね!!」
「頑張るにゃん!!」
「ハティちゃん☆行っちゃってー★」

ハティに声援を飛ばすハルトガールズ!

〈小娘共め・・・
要らぬ心配を!!
我が負けるわけなかろう!!
我は最強のフェンリルなり!!〉
〈はっ!飛べもしないフェンリルが粋がりやがって!!
全員纏めて死ぬがいい!!
ドラゴン族を舐めるなァァァァァァァ!!〉
ドラゴンは口に炎を蓄える!!

が・・・

〈舐めているのは貴様の方だ!!
喰らえぇぇぇぇぇぇぇ!!〉
《炎獄黒狼閃光撃!!》
炎を纏ったハティが走り出し、ドラゴン目掛けて飛び上がる!!
〈何!?小癪なァァァァァァァ!!
喰らえぇぇぇぇぇぇぇ!!!〉
ドラゴンがハティに向け、炎を放つ!!

〈ハティ様ァァァァァァァ!!!〉

炎の中に飛び込むハティ!!
〈ブハハハハハ!
馬鹿め!!
自ら炎に飛び込むとは!!
丸焦げになって死ねば・・・〉

〈死ぬのは貴様だァァァァァァァ!!!〉

炎の中からハティが物凄いスピードで飛び出し、ドラゴンを貫いた・・・!!

〈な・・・なんだと・・・!〉

ドラゴンはそのまま地面に墜落する!

ズドォォォォォォォン!!!

そして、ハティはドラゴンの顔の前に着地する!

〈我の勝ちだな・・・。〉
〈く、クソ・・・俺が・・・まさか・・・フェンリル如きに・・・負けるとは・・・〉
〈言ったであろう?
我は最強のフェンリル・・・。
ドラゴン如きに負けるわけなかろう・・・!
神の使者の眷属してな・・・!〉
〈ドラゴン・・・如きか・・・
だが・・・俺に勝ったからといって・・・調子に乗るなよ・・・俺はまだ・・・下の方だ・・・俺より遥かに強い・・・ドラゴンなど・・・山程いるからな・・・〉
〈ならば、我はもっと強くなる・・・。
いつか、我がドラゴンの頂点を跪かせてやる・・・。〉
〈ふ・・・そうしてもらわないとな・・・それなら・・・俺の死も・・・浮かばれるぜ・・・ドラゴン族より強い・・・フェンリルに負けたってな・・・!〉
〈いいだろう・・・。
あの世から見ておけ・・・
我が全てのモンスターの頂点に立つところをな・・・!〉
〈ふふ・・・頼んだぞ・・・〉
そして、ドラゴンは静かに絶命する・・・!!

〈ハティ様!!〉
アセナがハティに飛び込み、舐め回す!!
〈おい!アセナ!止めろ!!〉
〈妾はハティ様が勝つことを信じておったぞ!!
流石はハティ様じゃ!!〉
〈ええい!うっとおしい!!
我が勝つのは当たり前だろう!!
早く離れろ!!〉

『ハティーーーー!!』
ハルトガールズとエルフがハティに駆け寄る!
「流石ハティね!やるじゃないの!!」
「すごいよ!ハティちゃん!!」
「ハティ!勝つと信じてたわ!!」
「ハティにゃん、凄いにゃん!!」
「ハティちゃん、やる~★」
「まさかドラゴンに勝ってしまうとは・・・!」
「これが神の使者の眷属・・・強すぎる・・・!」
「流石はタナトス様の眷属ですね!
凄い激闘に感動しました!!」
皆でハティを囲んでいると、そこにハルトが・・・

「ハティ・・・」
〈ガウガウ!〉
「主!約束通り、ドラゴンに勝ったぞ・・・!って言ってるよ!
ご主人様、誉めてあげて!!」

「ハティ!!」
〈ガウ!〉
「てめえぇぇぇぇぇぇえ!!
何してくれてんじゃァァァァァァ!!!」

『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?』
「ご主人様!?なんで!?」
「あのドラゴンを倒したんだよ!?」
〈何で怒るのですかぁ!?〉
「うるせぇぇぇぇぇぇ!!
ハティ!!てめぇ!!
ドラゴンをボロボロにしやがって!!
これじゃぁ素材が台無しじゃねえかァァァァァァァ!!!」

『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
そこぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!?!?』

「当たり前じゃねえか!!
唯でさえうちには大食らいが二匹もいるんだぞ!!
こちとら、ドラゴンが何匹いても足りねえんだよ!!」

〈がぅぅぅぅ・・・〉
「夢中になりすぎて忘れていた・・・すまない・・・って反省してるよ!
だから、許してあげてー!」

「ご主人様!落ち着いて!!
ご主人様には修復するスキルあるでしょ!」

「あ!そうだった・・・!!」


折角勝ったのに、理不尽に怒られるハティであった・・・。
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