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第10章 神の使者、魔界に降臨

第99の宴 精霊の戦い方

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〈それでは決勝戦!!第一試合!!
ゼルラーグ選手対ルナ選手!!試合始め!!〉

「ギャハハハ!
さあ、どっからでもかかってこいよ!!
お前の得意な水魔法でな!!」
「言われなくてもやるよ!!」
《アクアラッシュ!!》
無数の水球がゼルラーグを襲う!!

が・・・

《サンダーウォール・・・》
ゼルラーグの前に雷属性の防御壁ご現れ、ルナの攻撃を吸収してしまう!!

「ええっ!?」
「ギャハハハ!
どうした?
そんな攻撃、雷属性のスキルを持つ俺には効かねえぞ?
他の攻撃にしたほうがいいんじゃねえか?
まあ・・・他の攻撃が出来ればの話だがなぁァァァ!!
無理だよなァァァ!?
お前は水のニンフだもんなぁァァァ!!
俺との相性最悪だもんなァァァァァァ!」

「大変!この試合負けてしまうわ!」
「くっ、完全に弱点をつかれたな・・・。」
「しかも、ルナがあの雷属性を食らってしまったら、効果は2倍よ!
ただでは済まないわ!」
「タナくん・・・多分、ライくんはニンフ3人を潰して勝つつもりよ・・・
前の試合を見ているから誰がどの属性かもわかってるはずよ★」
「この大会は3勝したら勝ち・・・。
そのルールを逆手に取ったのね・・・。」
「脳筋のくせに考えるじゃねえか・・・。
脳筋の癖に・・・!」

さて、どうする・・・
何か相手の弱点を突ければ・・・


しかし、何の対策も出来ないまま試合は進む・・・。

《アクアバースト!!》
《サンダーウォール!》
ルナの攻撃は全て吸収されてしまう!!

「無駄無駄無駄!
お前の攻撃など全て吸収出来るんだよ!!」
(無駄だっていうのはわかってる!
だから、このまま撃ち続けて魔力切れにさせれば・・・!)

《アクアバースト!!》
水の波動がゼルラーグに向かって放たれる!
(このまま、サンダーウォールを出させ続ける!)

「喰らえ・・・」
「え!?」

《サンダーバースト!!》

「!!!」
ルナのアクアバーストにサンダーバーストが直撃する!!
そして、サンダーバーストは水の波動を伝ってルナに直撃する!!

「キャァァァァァァァァァ!!!!!」
「ルナァァァァァァァ!!!」

モロに攻撃を食らってしまい、倒れるルナ!

「ギャハハハ!!
俺がただ防ぐだけかと思ったか!!
残念だったな!!
雷は水を伝導させんだよ!!」

「うう・・・!」
かなりのダメージを食らったが、まだ意識はあるルナ。

「ギャハハハ!これで終わりだ!!」

《スパークメテオ!!》
空からルナ目掛けて雷球が降り注ぐ!

「ルナ!!だめぇぇぇぇぇぇ!!」

バチバチバチバチバチ!!!
ドガァァァァァァン!!!

雷球による爆煙が晴れるとそこにルナの姿はなかった・・・。

「うそ・・・ルナ・・・!」
その場でよつん這いになって絶望するレナ・・・

「ギャハハハ!うっかり殺しちまったようだな!!

まあ、これで俺の勝ちだ!!
ヘルライザー様の魔王昇進は確実だなァァァ!!」

「うう・・・ルナァァァァァァ!!」
「・・・お姉ちゃん・・・ここだよぉ・・・」

「!!!!」

ルナは武舞台の外に避難していた!
死角にいた為こちらからは見えなかったが、無事なようだ!

「良かった!ルナ・・・!」
涙を流すレナ・・・。

〈ルナ選手!場外!!
よってゼルラーグ選手の勝利です!!〉

『ウォォォォォォォォォ!!!』
盛り上がるヘルライザー軍団。

レナに支えられこちらにやってくるルナ。
「ルナ、大丈夫か?これを飲め。」
俺はルナにエリクサーを渡す。
「うう・・・ごめんね・・・ご主人様・・・ソフィアちゃん・・・。」
「謝ることなんてない!
ルナは頑張ったもの!!」

「でも、負けちゃった・・・
うわぁぁぁぁぁん!!」

悔しい感情と申し訳ないという感情が込み上げ、号泣するルナ・・・。

「・・・・」
レナは号泣するルナをただ見つめるだけだった。

「レナ、どうする?メンバーチェンジをするか・・・?」
「・・・いえ、私が出るわ・・・。」
「しかしレナ!
相手はきっと火属性の奴を出してくるわ!」
「・・・それでも出るわ・・・。」
「レナ・・・いけるのか・・・?」
「・・・ええ。
私の妹を泣かしたあいつらは絶対に許さない・・・!」

「お姉ちゃん・・・」

「見てなさい・・・ルナ。
貴女の仇は私が必ずとるわ・・・!」

そして、武舞台にレナが立つ。

「ぐはははははは!
いいのか?
メンバーチェンジしなくて!!
また無様にやられてしまうぞ?」

「・・・いいわ。早く出てきなさい・・・。」
「ふっ・・・貴様もどうせ負けるんだ。
今のうちに降参したらどうだ?
・・・あの哀れな水のニンフのようになァァァァァ!!」

ブチッ

「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!
この脳筋ゴリラヤロォォォォォ!!!
いいからさっさと出せぇぇぇぇぇ!!!」

ルナを悪く言われ、ブチギレるレナ。

「ご、ゴリラだとォォォ!?
てめぇ!!・・・いいだろう!
リオネージュ!!
これを飲んであの風のニンフを焼き付くせぇぇぇぇ!!」

「わかりましたわ!!」
リオネージュは薬を飲む!!

「ああん♡
凄いわ・・・体中に魔力が溢れてくる・・・♡」

女の魔族が武舞台に立つ。

「ふふっ貴女もさっきの試合のよう、何も出来ずに終わらせてあげるわ!!」

「・・・」


〈決勝戦第2試合目!
リオネージュ選手対レナ選手!!試合始め!!〉

《エアロバースト!!》
いきなり魔法を放つレナ!

《ファイヤーウォール!》
しかし、風魔法は火の壁によって吸収されてしまう!

「無駄よ。さっきの試合見てなかったの?
効くわけないでしょう?」

その後も風魔法を撃ち続けるレナ。

「何度やっても無駄なのよ!
そろそろこっちも攻撃してあげるわ!!」

《ファイヤーアロー!!》
炎の矢がレナを襲う!!

《ハイエアロシールド!!》
暴風で出来た風の盾が現れ、ファイヤーアローを受け止めるが・・・

ゴォォォォォォ!!

風の盾が炎を吸収して燃え盛る!!
「キャハハ!
炎攻撃が風で防げるわけないでしょう?」

(風の盾が炎の盾に・・・
でも、この魔法に敵意を感じないわ・・・
まだ、これは私の味方・・・?
それならば・・・!)

「喰らいなさい!!」
《シールドアタック!!》
炎の盾がリオネージュに向かってくるくると回転しながら襲いかかる!!

「キャァ!」
かろうじてそれを避けるリオネージュ!

「危ないじゃないの!!
ああ・・・少し掠って赤くなったわ・・・。」

「!!!!」
リオネージュの赤くなった肌を見て、ふとレナはあることを思い出す。

(少し火傷した・・・?そういえば前にミーナが・・・)

それは少し前のこと・・・

ウォーレンとリリを連れて火山で対決していた時のこと・・・
「さあ、どんどんオリハルコンロックを倒すわよ!!」

『おー!!』

オリハルコンロックを倒すのに夢中でバーニングロックの存在を忘れていた私。

「お姉ちゃん!危ない!!」
「へ!?」

バーニングロックが私に向かってファイヤーボールを放った。

「しまった・・・!」
「ミーナに任せるですぅ!!」
ミーナは私の前に出てファイヤーボールを直撃される!

「ミーナ!!」
《アクアバースト!!》

ドガァァァァァァン!

ルナの攻撃でバーニングロックは倒された。

「ミーナ!大丈夫!?」
「全然へっちゃらですぅ!
火の精霊には火魔法なんて効かないですぅ!

火傷一つないですよぉ!」
「あ、そうだったわね・・・。」

(そうよ、ミーナは火傷はしないけど、リオネージュは火傷をした・・・!
準決勝でもそうだった・・・。
ルナには火魔法は効かなかった・・・。
それはモンスターとニンフのみに与えられた属性によるもの・・・!

なんて、馬鹿なのかしら・・・。

相手は精霊でもモンスターでもない・・・魔族!!)」

《フレイムバースト!!》
「くっ!しまった!!」
リオネージュの炎の波動を咄嗟に避けるレナ!

「ぐっ!!足が・・・!」
しかし、避けきれず、足にダメージを食らってしまうレナ!!

「キャハハ!
何試合中ぼーっとしてるのよ!!
その足では貴女はもう逃げられないわ!!
これで終わりよ!!」

《ファイヤーウォール・アタック!!》
炎の壁がレナに襲いかかる!!

「お姉ちゃん!!」
「大丈夫よ・・・ルナ!!
見てなさい・・・
これが精霊の戦い方よ!!」

「何が精霊の戦い方よ!!
逃げられない貴女はこれで終わりよ!!
死になさい!!」

そして、レナは炎の壁に飲み込まれる!!

「おねえぇぇちゃぁぁぁぁぁん!!!」
「レナァァァァァァァ!!」

炎の壁が消え、そこにはリオネージュのみが残る・・・。
「キャハハ!これで私の勝ちよ!!」

リオネージュが勝利を確信したその時・・・


「いえ、貴女の負けよ!!」
「お姉ちゃん!!」
「へ!?」
「喰らいなさい!!」

《トルネードバースト!!》
至近距離でリオネージュは風魔法を喰らい、会場の外に吹き飛ばされる!!

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

ドガァァァァァァァン!!
壁にめり込み気絶するリオネージュ!!

〈じょ、場外!!よって、勝者!レナ選手!!〉

『ウォォォォォォォォォ!!!!!』
ヘルライザー軍団以外の観客が歓声を上げる!!

「ば、馬鹿な・・・何故あれが避けられた・・・!?」
「ふふ、残念だったわね・・・。
私は精霊なのよ。
精霊は姿を変えることができるのよ!」

そう言うとレナは妖精の姿に変わる!

「き、消えた!!」
「そうか・・・妖精の姿になって飛んだのか・・・!」
「流石お姉ちゃん!!」
「妖精だと・・・!?」
「ふふ、妖精姿は普通の人は見えないの。
この姿でリオネージュの真横に移動して吹き飛ばしたのよ!

相手は魔族。

モンスターや精霊ではない限り、魔法が効かないなんてないもの!」

「くっ!消えるなんて卑怯だぞ!!
消えたら場外してもわからないだろうが!!
ルール違反だ!!」

〈いえ、ルールには消えてはいけないとはないので、違反ではありません!〉

「てめえ!!どっちの味方なんだ!!」
〈ヒィィィィィィィィ!
私は審判として公平なジャッジを!!〉

「なんだと!?」
「くっくっくっ・・・
自分は散々汚い手を使っておいて、いざそっちが不利になるとゴネるんだな・・・。
まるで子供だな。」

「てめえ!!誰が子供だ!!
いいだろう!
テメエらに勝ちは譲ってやる!
その代わり、次から消えるのは反則だ!!
消えたら何してもわからないからな!!」

くっ!このガキめ!
正論言いやがって!

「ミーナどうする・・・?」
俺はミーナに問いかけるが・・・

「大丈夫ですぅ!!
ミーナが次の相手を丸焦げにしてぇ、この脳筋ブタゴリラをぎゃふんと言わせてやるですぅ!!」
「ブタゴリラだとォォォ!!」

「そうですぅ!!
脳筋でゴリラのくせにぃブーブー文句言ってるから脳筋ブタゴリラですぅ!!」

「てめえ・・・!
ふん!ぎゃふんと言わせられるもんならやってみろ!!
こっちはてめえの攻撃を全て防いで、あの水ニンフのように泣かしてやるからな!!」

そう言って自分のチームの方に戻るヘルライザー。

「ミーナ、本当に大丈夫なのか?」
「ちゃんとミーナに秘策があるですぅ!!
レナっちのおかげですぅ!!」
「え、私の??」

ミーナの秘策とは・・・?

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