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第10章 神の使者、魔界に降臨
第89の宴 ハルトを怒らせた代償
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「待たせたな。」
「旦那様!何してたんだ!
遅いじゃないか!
待ちわびたぞ!!」
ソフィアが俺にくっついてくる。
「寂しかったんだからね!!」
「悪かったな。
王都でストーカーに捕まってな。」
俺はソフィアの頭を撫でながら話す。
「あの王女か!
全く・・・妾の旦那様を誑かそうと・・・
くっ!奴には何故か洗脳が効かぬからな・・・。
洗脳さえ出来れば旦那様の事を忘れさせることが出来るのに・・・!」
「そういえば、何故あいつには効かないんだ・・・?」
「王女とは人間界の第一王女のことか?」
レオンが俺たちの話に入ってくる。
「そうだが・・・?」
「ならば、あの王女には状態異常攻撃は効かないぞ?」
「は?何故だ?」
「あの王女もこの腕輪をしているだろう?」
レオンは自分のしている腕輪を見せる。
「そういえば!
そうか、だからあいつには効かないのか!」
「え!?なんだ?その腕輪は!?」
「女神の腕輪だ。
状態異常にかからなくなる腕輪だ。
そういえば、あいつもしていた。
だからお前の洗脳は効かなかったんだな。」
「そんな腕輪があるとは・・・!」
驚愕するソフィア!
「お前に取って天敵の腕輪だな。
魔界にもあるみたいだから注意しろよ?
さて、そろそろ次の街に行くぞ。
モーリス、世話になったな。
ミミ、メリッサにお別れの挨拶は?」
「うん!メリッサ、また遊ぼうね!」
「ええ!ミミとのお人形遊び楽しかったわ!
レオンさんもまた遊びましょうね!」
「ああ!また会おうな!」
「処で・・・お前達は一体何処に行くんだ?」
「言ってなかったか?
これから王都に向かうんだ。」
「王都に・・・?」
「そうだ。
バイオレットルーシーに会いに行ってくる。」
「はあ!?なんであんな奴に!?」
「勿論、大会を早くやれと説得(脅迫)してくるんだ!」
「ん?今言葉が被ったような・・・
てゆーか、今、大会早めるって言ったか!?」
「ああ。一ヶ月も待ってられん。
一刻も早く魔王を決め、苦しんでいる魔族を助けたい。」
「苦しんでる魔族を・・・!?」
はっとするモーリス。
「そうだ!だから、妾達は王都に急ぐ。
では、邪魔したな!
大会で会おう!」
「よし、行くぞ!」
「ご主人様!トレーラー!」
「昨日の続きしたいですぅ!!」
「木琴マスターするのー!」
「はいはい。」
結局俺が苦労するんだな・・・。
楽器なんて出さなきゃ良かったな・・・。
そして、モーリスがいた街から6時間・・・
やっとのことで次の街に辿り着く。
「わあ!もう着いたんだ!」
「意外と早かったわね!」
「もうちょっと遅くても良かったですぅ!」
「やっとティナと揃ってきたところなのに・・・。」
「次こそ合わせるにゃん!」
「ふふっ、かなりサマになってきたな・・・!」
仲間たちは楽器に夢中であれから6時間経ってることを全く知らなかった・・・。
「貴様ら・・・
モーリスの所から何時間かかってるか知ってるか・・・?」
「へ?2時間くらいでしょ?」
「次の街は近かったねー!」
「あっという間だったですぅ!」
「おかしいわね・・・
もっと遠かったはずだけど・・・。」
「流石、トレーラーは速かったにゃん!」
「やはり神の使者の乗り物は一味違うな・・・!」
ブチッ!
『え!?』
その時、ハルトから邪悪なオーラが溢れ出す!!
「ま、まさか!!」
「あ、あれは・・・!」
「な、なんでぇ・・・!?」
「ヒィィィィィィィィ!!」
「え、どうしたの!?レオン!!」
ミミが震えるレオンを抱きしめる。
『変な鳴き声出してんじゃねえよ・・・
クソネコ野郎が・・・!』
「ええ!?あのご主人様が出てきたァァァァ!?」
『うるせえな・・・青ババアが・・・。』
「またババアってー!」
『100超えたらババアだろうがァ!!』
『!!!!!』
『全く・・・テメーらが馬鹿なお陰でハルトがキレちまったじゃねえか・・・。
まあ、お陰で俺が出られたんだからいいけどなァァ!!』
「え!?私達が!?」
「なんで!?」
「そんなことしてないですぅ!!」
「そうよ!!
あんた何なのよ!!
タナトスは何処よ!!
アンタなんか呼んでないわよ!!」
『黙れ・・・魔族の出来損ないが・・・!
キャラ作る前に魔力でも磨け・・・
この生き恥がァ!!』
「生き恥!?」
「にゃにゃにゃにゃ!?
これが噂の悪タニャトスにゃ!?
にゃんで出てきたにゃ!?」
『にゃんにゃんにゃんにゃんうるせーよ・・・
この化け猫娘がァ・・・
にゃんにゃん言ってれば可愛いとか思ってんじゃねーぞ・・・?』
「化け猫!?」
『おまえら・・・何でハルトがキレたのか、まだわかんねえのか・・・?』
「そんなのわからないわよ!!」
「私達は悪いことしてないもん!」
『はっ!
これじゃあハルトがキレんのも無理ねえな・・・。』
「じゃあぁ、貴方にはわかるのですぅ!?」
『当たり前だろ、赤ババア。』
「赤ババアじゃないですぅ!!」
『全く・・・流石の俺も同情するぜ・・・。
テメーら、ハルトに何時間運転させてんだよ・・・』
「2時間くらいじゃないの・・・?」
「そんなに長い時間は・・・」
『6時間・・・』
『え!?』
『ハルトは6時間、休みも取らず運転していた・・・
それをてめーらは・・・』
「そんな・・・6時間も・・・」
「ご主人様・・・ごめんなさい!!」
「楽器に夢中になり過ぎたですぅ!!」
「妾は旦那様になんてことを・・・!」
「うう!タナトス・・・すまない・・・!」
『まあ、そのお陰で俺は自由だ・・・!』
「あ、貴方なんて!もうすぐご主人様が出てきて・・・」
『残念だったな・・・!緑ババア!』
「緑ババア!?」
『どうやらハルトはご立腹らしい。
疲れたから当分出ないだとよ!
このまま、俺がこの体を支配してやろう・・・。くっくっくっ・・・。』
「お兄ちゃん・・・?」
「なんだ?ちびうさ。」
『なんかミミだけ呼び方かわいい!?』
「いいお兄ちゃんはいつ帰って来るのですか・・・?
会ってちゃんと謝りたいの・・・。」
『はん!当分出ねえよ!
お前らが悪いんだろ・・・?
相当怒ってるからな・・・
謝ったって許してもらえねよ!』
「そんな・・・!」
耳を垂らし落ち込むミミ。
「うう・・・うわぁぁぁぁん!
ごめんなさァァァい!!
ちゃんと謝るから帰ってきてぇぇぇぇぇぇぇ!!」
『バ、バカ!
泣くな!!
お前が泣いたら・・・!』
その時、ハルトが光りだす!!
『ちぃぃ!!
ちびうさめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』
ハルトから悪いハルトが出てくる!!
「ご主人様が二人に!!
ということは・・・!」
「・・・全く・・・。
ミミに泣かれたら出るしかないだろう・・・。
我に6時間も運転させたことを猛省させようと思ったのに・・・。」
「お兄ちゃん!!」
ミミがハルトを抱きしめる!
「良かった・・・!!
お兄ちゃん、ごめんなさい!!」
「・・・こんな小さい子供を泣かすとは神の使者失格だな・・・。」
俺はミミの頭を撫でる。
「さてと・・・やるか?」
「・・・ちっ!興醒めだ・・・。
勝負はお預けだ・・・。
だが・・・次出るときはお前の最後の時だ・・・。
精々、表を楽しむことだなァァァ!!」
そう言うと悪ハルトはハルトの中に吸い込まれるように戻っていく。
「ああ!!悪いご主人様が戻っていく!?」
「じゃあ・・・いつでも出てくるってことー!?」
「もう出てこなくていいですぅ!!」
「あれが・・・確かに貴女達が止めた理由が分かったわ・・・!」
「化け猫って言われたにゃん・・・」
相当凹んでいるティナ。
「タナトス・・・すまなかった・・・。
もっと気を使うべきだった・・・。」
レオンがハルトに謝るのを見て、ハルトガールズははっとなり・・・
「ご主人様、ごめんなさい・・・
楽器に夢中になって、ご主人様のこと何も考えてなかったわ・・・。」
「ご主人様、次は私も運転するからね!」
「ミーナのことぉ、嫌いにならないでですぅ!」
「ごめんなさい・・・。
自分のことばかりしか考えないなんて、魔王候補失格だわ・・・。」
「タニャトス、許してにゃん!!
みゃーも次からは運転するにゃん!!」
〈ガウガウ!〉〈キャンキャン!〉
皆がハルトに謝罪の言葉を口にする。
「・・・分かればいい。
但し、次またこのようなことがあったら・・・
ミミが泣こうと当分あいつと交代するものと思え・・・。」
『はい!畏まりました!!』
全く・・・しかし、まさかキレただけであいつが現れるとはな・・・。
相当ストレス溜まってんのかな・・・。
スキルの使用、長丁場の運転、そしてソフィアのこと・・・。
ハルトの悪い子メーターは既に限界であった・・・。
何とかその場は収まり、ハルト達は街に入ることになった。
「・・・これが魔界の本来の現状か・・・。」
街はどんよりとした空気が漂っていた・・・。
まるで、初めて獣人界に訪れた時のミミの街のように・・・。
いや、それ以上かもしれない・・・。
街と言っても、最早そこは労働をするだけの場所のようだった・・・。
家らしきものはなく、街の魔族達は痩せこけて、今にも倒れそうだが労働を強要されている。
何人か元気そうな魔族がいるが、多分あれは魔王候補の部下であろう・・・。
老人は疎か、女、子供見境なく休んでるものを持っている棒で叩く。
「オラ!休んでんじゃねえぞ!!」
「次期魔王様の為に働けぇぇぇ!!」
その時・・・!
「きゃっ!」
女の子が持っていた袋をよろけてばらまいてしまう!!
「貴様ぁぁ!!
我らの食料をばら撒きやがってぇぇぇぇ!!」
「も、申し訳ありません!!」
「謝っても許さねえよ!!」
そいつはその女の子に向かって持っている棒を振り下ろす!!
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
ガシッ!
ハルトが棒を掴み、制止させる!!
「ぐっ!なんだ貴様は!!」
「貴様こそなんだ・・・。
女に手を挙げるなど、男のすることではなかろう・・・。
恥を知れ!!愚か者め!!」
そう言ってハルトはその魔族をふっとばす!
「ぐわぁぁぁ!」
「大丈夫か・・・?」
「は、はい・・・♡」
(なんて素敵な人・・・♡)
その女の子にはハルトが200倍かっこよく映る!!
「き、貴様!
人間如きが我らに楯突くとは・・・!
何者だ!!」
「我は神の使者タナトス・・・!
貴様らのようなクズに制裁を下す者だ・・・!」
続く・・・
「旦那様!何してたんだ!
遅いじゃないか!
待ちわびたぞ!!」
ソフィアが俺にくっついてくる。
「寂しかったんだからね!!」
「悪かったな。
王都でストーカーに捕まってな。」
俺はソフィアの頭を撫でながら話す。
「あの王女か!
全く・・・妾の旦那様を誑かそうと・・・
くっ!奴には何故か洗脳が効かぬからな・・・。
洗脳さえ出来れば旦那様の事を忘れさせることが出来るのに・・・!」
「そういえば、何故あいつには効かないんだ・・・?」
「王女とは人間界の第一王女のことか?」
レオンが俺たちの話に入ってくる。
「そうだが・・・?」
「ならば、あの王女には状態異常攻撃は効かないぞ?」
「は?何故だ?」
「あの王女もこの腕輪をしているだろう?」
レオンは自分のしている腕輪を見せる。
「そういえば!
そうか、だからあいつには効かないのか!」
「え!?なんだ?その腕輪は!?」
「女神の腕輪だ。
状態異常にかからなくなる腕輪だ。
そういえば、あいつもしていた。
だからお前の洗脳は効かなかったんだな。」
「そんな腕輪があるとは・・・!」
驚愕するソフィア!
「お前に取って天敵の腕輪だな。
魔界にもあるみたいだから注意しろよ?
さて、そろそろ次の街に行くぞ。
モーリス、世話になったな。
ミミ、メリッサにお別れの挨拶は?」
「うん!メリッサ、また遊ぼうね!」
「ええ!ミミとのお人形遊び楽しかったわ!
レオンさんもまた遊びましょうね!」
「ああ!また会おうな!」
「処で・・・お前達は一体何処に行くんだ?」
「言ってなかったか?
これから王都に向かうんだ。」
「王都に・・・?」
「そうだ。
バイオレットルーシーに会いに行ってくる。」
「はあ!?なんであんな奴に!?」
「勿論、大会を早くやれと説得(脅迫)してくるんだ!」
「ん?今言葉が被ったような・・・
てゆーか、今、大会早めるって言ったか!?」
「ああ。一ヶ月も待ってられん。
一刻も早く魔王を決め、苦しんでいる魔族を助けたい。」
「苦しんでる魔族を・・・!?」
はっとするモーリス。
「そうだ!だから、妾達は王都に急ぐ。
では、邪魔したな!
大会で会おう!」
「よし、行くぞ!」
「ご主人様!トレーラー!」
「昨日の続きしたいですぅ!!」
「木琴マスターするのー!」
「はいはい。」
結局俺が苦労するんだな・・・。
楽器なんて出さなきゃ良かったな・・・。
そして、モーリスがいた街から6時間・・・
やっとのことで次の街に辿り着く。
「わあ!もう着いたんだ!」
「意外と早かったわね!」
「もうちょっと遅くても良かったですぅ!」
「やっとティナと揃ってきたところなのに・・・。」
「次こそ合わせるにゃん!」
「ふふっ、かなりサマになってきたな・・・!」
仲間たちは楽器に夢中であれから6時間経ってることを全く知らなかった・・・。
「貴様ら・・・
モーリスの所から何時間かかってるか知ってるか・・・?」
「へ?2時間くらいでしょ?」
「次の街は近かったねー!」
「あっという間だったですぅ!」
「おかしいわね・・・
もっと遠かったはずだけど・・・。」
「流石、トレーラーは速かったにゃん!」
「やはり神の使者の乗り物は一味違うな・・・!」
ブチッ!
『え!?』
その時、ハルトから邪悪なオーラが溢れ出す!!
「ま、まさか!!」
「あ、あれは・・・!」
「な、なんでぇ・・・!?」
「ヒィィィィィィィィ!!」
「え、どうしたの!?レオン!!」
ミミが震えるレオンを抱きしめる。
『変な鳴き声出してんじゃねえよ・・・
クソネコ野郎が・・・!』
「ええ!?あのご主人様が出てきたァァァァ!?」
『うるせえな・・・青ババアが・・・。』
「またババアってー!」
『100超えたらババアだろうがァ!!』
『!!!!!』
『全く・・・テメーらが馬鹿なお陰でハルトがキレちまったじゃねえか・・・。
まあ、お陰で俺が出られたんだからいいけどなァァ!!』
「え!?私達が!?」
「なんで!?」
「そんなことしてないですぅ!!」
「そうよ!!
あんた何なのよ!!
タナトスは何処よ!!
アンタなんか呼んでないわよ!!」
『黙れ・・・魔族の出来損ないが・・・!
キャラ作る前に魔力でも磨け・・・
この生き恥がァ!!』
「生き恥!?」
「にゃにゃにゃにゃ!?
これが噂の悪タニャトスにゃ!?
にゃんで出てきたにゃ!?」
『にゃんにゃんにゃんにゃんうるせーよ・・・
この化け猫娘がァ・・・
にゃんにゃん言ってれば可愛いとか思ってんじゃねーぞ・・・?』
「化け猫!?」
『おまえら・・・何でハルトがキレたのか、まだわかんねえのか・・・?』
「そんなのわからないわよ!!」
「私達は悪いことしてないもん!」
『はっ!
これじゃあハルトがキレんのも無理ねえな・・・。』
「じゃあぁ、貴方にはわかるのですぅ!?」
『当たり前だろ、赤ババア。』
「赤ババアじゃないですぅ!!」
『全く・・・流石の俺も同情するぜ・・・。
テメーら、ハルトに何時間運転させてんだよ・・・』
「2時間くらいじゃないの・・・?」
「そんなに長い時間は・・・」
『6時間・・・』
『え!?』
『ハルトは6時間、休みも取らず運転していた・・・
それをてめーらは・・・』
「そんな・・・6時間も・・・」
「ご主人様・・・ごめんなさい!!」
「楽器に夢中になり過ぎたですぅ!!」
「妾は旦那様になんてことを・・・!」
「うう!タナトス・・・すまない・・・!」
『まあ、そのお陰で俺は自由だ・・・!』
「あ、貴方なんて!もうすぐご主人様が出てきて・・・」
『残念だったな・・・!緑ババア!』
「緑ババア!?」
『どうやらハルトはご立腹らしい。
疲れたから当分出ないだとよ!
このまま、俺がこの体を支配してやろう・・・。くっくっくっ・・・。』
「お兄ちゃん・・・?」
「なんだ?ちびうさ。」
『なんかミミだけ呼び方かわいい!?』
「いいお兄ちゃんはいつ帰って来るのですか・・・?
会ってちゃんと謝りたいの・・・。」
『はん!当分出ねえよ!
お前らが悪いんだろ・・・?
相当怒ってるからな・・・
謝ったって許してもらえねよ!』
「そんな・・・!」
耳を垂らし落ち込むミミ。
「うう・・・うわぁぁぁぁん!
ごめんなさァァァい!!
ちゃんと謝るから帰ってきてぇぇぇぇぇぇぇ!!」
『バ、バカ!
泣くな!!
お前が泣いたら・・・!』
その時、ハルトが光りだす!!
『ちぃぃ!!
ちびうさめぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』
ハルトから悪いハルトが出てくる!!
「ご主人様が二人に!!
ということは・・・!」
「・・・全く・・・。
ミミに泣かれたら出るしかないだろう・・・。
我に6時間も運転させたことを猛省させようと思ったのに・・・。」
「お兄ちゃん!!」
ミミがハルトを抱きしめる!
「良かった・・・!!
お兄ちゃん、ごめんなさい!!」
「・・・こんな小さい子供を泣かすとは神の使者失格だな・・・。」
俺はミミの頭を撫でる。
「さてと・・・やるか?」
「・・・ちっ!興醒めだ・・・。
勝負はお預けだ・・・。
だが・・・次出るときはお前の最後の時だ・・・。
精々、表を楽しむことだなァァァ!!」
そう言うと悪ハルトはハルトの中に吸い込まれるように戻っていく。
「ああ!!悪いご主人様が戻っていく!?」
「じゃあ・・・いつでも出てくるってことー!?」
「もう出てこなくていいですぅ!!」
「あれが・・・確かに貴女達が止めた理由が分かったわ・・・!」
「化け猫って言われたにゃん・・・」
相当凹んでいるティナ。
「タナトス・・・すまなかった・・・。
もっと気を使うべきだった・・・。」
レオンがハルトに謝るのを見て、ハルトガールズははっとなり・・・
「ご主人様、ごめんなさい・・・
楽器に夢中になって、ご主人様のこと何も考えてなかったわ・・・。」
「ご主人様、次は私も運転するからね!」
「ミーナのことぉ、嫌いにならないでですぅ!」
「ごめんなさい・・・。
自分のことばかりしか考えないなんて、魔王候補失格だわ・・・。」
「タニャトス、許してにゃん!!
みゃーも次からは運転するにゃん!!」
〈ガウガウ!〉〈キャンキャン!〉
皆がハルトに謝罪の言葉を口にする。
「・・・分かればいい。
但し、次またこのようなことがあったら・・・
ミミが泣こうと当分あいつと交代するものと思え・・・。」
『はい!畏まりました!!』
全く・・・しかし、まさかキレただけであいつが現れるとはな・・・。
相当ストレス溜まってんのかな・・・。
スキルの使用、長丁場の運転、そしてソフィアのこと・・・。
ハルトの悪い子メーターは既に限界であった・・・。
何とかその場は収まり、ハルト達は街に入ることになった。
「・・・これが魔界の本来の現状か・・・。」
街はどんよりとした空気が漂っていた・・・。
まるで、初めて獣人界に訪れた時のミミの街のように・・・。
いや、それ以上かもしれない・・・。
街と言っても、最早そこは労働をするだけの場所のようだった・・・。
家らしきものはなく、街の魔族達は痩せこけて、今にも倒れそうだが労働を強要されている。
何人か元気そうな魔族がいるが、多分あれは魔王候補の部下であろう・・・。
老人は疎か、女、子供見境なく休んでるものを持っている棒で叩く。
「オラ!休んでんじゃねえぞ!!」
「次期魔王様の為に働けぇぇぇ!!」
その時・・・!
「きゃっ!」
女の子が持っていた袋をよろけてばらまいてしまう!!
「貴様ぁぁ!!
我らの食料をばら撒きやがってぇぇぇぇ!!」
「も、申し訳ありません!!」
「謝っても許さねえよ!!」
そいつはその女の子に向かって持っている棒を振り下ろす!!
「きゃぁぁぁぁぁぁ!!」
ガシッ!
ハルトが棒を掴み、制止させる!!
「ぐっ!なんだ貴様は!!」
「貴様こそなんだ・・・。
女に手を挙げるなど、男のすることではなかろう・・・。
恥を知れ!!愚か者め!!」
そう言ってハルトはその魔族をふっとばす!
「ぐわぁぁぁ!」
「大丈夫か・・・?」
「は、はい・・・♡」
(なんて素敵な人・・・♡)
その女の子にはハルトが200倍かっこよく映る!!
「き、貴様!
人間如きが我らに楯突くとは・・・!
何者だ!!」
「我は神の使者タナトス・・・!
貴様らのようなクズに制裁を下す者だ・・・!」
続く・・・
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