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第5章 クロスフォードに迫る危機

第43の宴 イザベルとミーナ

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時は遡り、ハルトが王城へ向かった後の話・・・。
※今回はレナ目線で話を進めて行きます!

「さて、ご主人様も行ったことだし!
3人に会いに行こう!」
「どうして会いに行くの?」
「勿論、明日王都を出るからだよ!」
「それを伝えに行くのですかぁ?」
「うん。
きっと3人はこのままだと、ご主人様に想いを告げずにお別れしそうだからね!」
「あの3人の後押しをするのかしら?」
「うん!
やっぱり言いたいことは言わないと!」
「ただライバルが増えるだけですよぉ?」
「それでもいいの!
会えなくなる前に伝えて欲しいから!」
「わかったわ。
じゃあ行きましょう。」

私達はルナの提案で作業場に向かうことになった。

「お疲れ様ー!!
頑張ってるー?」
「あら、どうしたの?
貴女達。
今日は手伝い無しではなかったかしら?」
「手伝いじゃないよー!
ご報告ー!!
では、お姉ちゃんどうぞ!」
「え!?私から!?
もう、ルナから言い出したことでしょう?
仕方ないわね・・・。」
ルナにいきなりバトンタッチされ、仕方なく私が言うことになった。

「明日、正式に王都を出ることになったわ。
だから、お別れを言いに来たのよ。」

私がそう言うと、作業場の時間が止まる・・・。

「皆、今までありがとうなのぉ!
無事に目的は達成したんですぅ!!
もうここには用はないですぅ!!」

「・・・嫌よ!!
ワタクシは・・・もっといてほしいわ!!」
「私も・・・嫌だ・・・。
離れたくない・・・!」
目に涙を浮かべるレジーナとコリン。
「二人とも・・・。
しょうがないよ・・・。
タナトス様は王都の人間じゃないもの・・・。」
「ここの人間のようなものでしょう!!
こんなに王都に貢献してるのよ!!」
「王都には・・・欠かせない人・・・。
王都の英雄・・・!」
「まあ、なんと言おうとご主人様は行くわよ?
ご主人様にはやることが沢山あるもの。」

『・・・・』

「ねえ、このままでいいの?」

『え・・・?』

「このまま、何も言わずにお別れするの?
後悔しない?」
「・・・リースにも同じこと言われたわ。
でも、あの人には貴女達がいるから・・・。」
「私の・・・入るところ・・・ない・・・。」
「・・・そうです・・・。
タナトス様にはレルミーさん達がいるから・・・。」
「はあ?
そんなの関係ないじゃない!!
何なのよ!アンタ達は!!
ウジウジと!!
私だって何れ、ご主人様とお別れする日が来るの!!
だから、毎日後悔しないようにご主人様にはちゃんと言いたいこと伝えてるわ!!
今言わないでいつ言うのよ!!
もう会えないかもしれないのよ!!」

『もう会えない・・・?』

「タナトス様はぁこれから人間界をぉ出ていくんですぅ!」

『えぇ!?』

「だから、次いつ会えるかわからないよ?
もしかしたら人間界に帰ってこないかもしれないよ?
ご主人様の考えてることは特殊だから・・・。」
「・・・わかったわ・・・。
私、ちゃんと伝えるわ・・・。
私があの人を奪っても文句言わないことね!!」
「なんかそれはなさそうだから心配してないわ。」
「どういうことよ!!」
「私も・・・伝える・・・。
後悔・・・したくない・・・。」
「アイルちゃんはどうするの?」
「・・・私も伝えたいです・・・。
あの人は私の・・・初めて好きになった人だから・・・。」

「じゃあ、私も伝えていいかしら・・・?」

『え!?』

皆が振り向くとそこにはリースの姿。
「リース・・・?」
「貴女達のこと、応援するつもりだったけど、気が変わったわ。
私、あの人のこと、好きみたい・・・。
私も一晩考えてわかったわ。」
「はあ?何よそれ!!」
「いいじゃない?
誰を好きになるかは自由よ。
本当は嫌だけど、貴女達に協力してあげるわ。」
本当は私の1番愛するご主人様を取られたくない・・・。
でも、この子達の気持ちもわかるわ・・・。

『協力・・・?』

「そう。乗るも乗らないも貴女達次第だからね・・・?」

そして、宴終了後・・・



「中二病スキル」をご覧の皆さん、こんばんわ。
タナトスです!!(CDTV風)

・・・ということで、宴も終わり俺は店の横の温泉に来ている。(スベった?何それ?美味しいの?)
3人がここを出る前にこの温泉に入りたいというので来たのだが、準備があるからって先に入っている。
準備ってなんだろう・・・?
ま、まさか・・・水着か!?
風呂にも入れる洋服と言ったら水着しかないよな!!
裸もいいけど、たまには水着もアリだな!!

そーゆーことなら仕方ない!!

俺はワクワクして待っていた。
それにしてもここに来て色々あったな・・・。
王女を助けたり、ギルドマスターと戦ったり、薬屋助けたり、スラム街を救ったり、ロリータ流行らせたり・・・。
杖を探しに来ただけなのに、何故こんなに盛りだくさんなんだろう・・・?

神の使者も辛いぜ!!

と考えていると、温泉の入り口のガラス戸がカラカラと開けられる。
「随分遅かったな?
待ってたぞ・・・・って・・・えぇぇぇぇぇ!?」

そこにいたのはアイル、レジーナ、コリン、リース!
4人とも何もつけずに生まれたままの姿で立っている。
顔は赤いが、隠そうとはしていない。

「な、なんでお前達が・・・!?」
「タナトス様・・・お話があります。」
「話・・・?」
「はい、後悔したくないので伝えます。
貴方は私の両親を救ってくださり、そして私に生き甲斐を与えてくれました。
私にとって貴方は救世主です・・・。
そして、そんなタナトス様のことを愛しています!」

「ええ!?」

「ワタクシも言うわ・・・。
ワタクシも貴方のことを愛してるわ・・・。
貴方はそこら辺の普通の人とは違って、貴族のワタクシにもちゃんと叱ってくれる唯一の人・・・。
ワタクシには貴方じゃなきゃ駄目なの・・・。」

「レジーナも!?」

「私・・・タナトス様のこと・・・大好き・・・。
貴方がいたから・・・頑張れた・・・。
ずっと一緒に居て・・・また頭なでてほしい・・・。」

「コリンまで!?」

「タナトス様。
私も貴方をお慕い申しております・・・。
公爵である父に立ち向かう姿が忘れられません・・・。
あんなに勇敢な人は初めてです・・・。」

「リースも!?」

全然気づかなかった・・・。
こんなかわいい子達四人に裸で告白されるなんて・・・。
俺はモテ期なのか・・・?

皆の気持ちに答えてやりたい・・・。

でも・・・

「ゴメンな。
皆の気持ち、全然気づかなかった。
ありがとう、とても嬉しい。
俺も皆のことが大切だ。
全員の気持ちに答えたい。」

『えっ・・・!』

「でも、俺は行かなくてはいけない・・・。
本当ならここに皆といたほうが幸せなのかもしれない・・・。
でも、世の中に苦しんでいる人がいるのに・・・
それを助ける力と使命がある俺だけが幸せになるわけにはいかないんだ・・・。」
「私は・・・何処までも・・・一緒に・・・行く・・・!」
コリンが前に出て訴える!
「ありがとう、コリン。
でも、お前達を連れていくわけにはいかない・・・。」
「どうしてですか!?」
「お前達が大事だからだ。
俺の旅には危険が伴う。
戦闘スキルを持たないお前達には厳しい旅なんだ・・・。
俺が守れば良いだけかもしれないが、もし守れなくて、万が一のことがあったら・・・

俺は何をするかわからない・・・。」

ゾクッとする四人・・・。

「だから、連れてはいけない・・・。」
「じゃあ、レルミー達は何で連れて行くのよ!!」
「・・・アイツ等は人間じゃない。」

『え・・・?』

「普段はあんな感じだが、人間よりも遥かに強い。」
「人間じゃない・・・?どう言うことでしょうか・・・?」
「・・・これは誰にも言うな・・・。
・・・アイツらは精霊だ。」

『せ、精霊!?』

「そうだ・・・。
だから、連れていける。」
「・・・そうか・・・レナさんはだから・・・あの時・・・。」

アイルはレナの言葉を思い出す。
何れ、ご主人様と別れなくてはいけない・・・
(種族の違い・・・寿命の違い・・・。
だから後悔しないようにしてるのね・・・)
「わかりました・・・。」
「ちょっと、アイル!」
「もう連れて行けとは言いません。
タナトス様を困らせたくないので・・・。
だから、一つワガママを言っていいですか?」
「なんだ・・・?」
「抱いてください・・・。
私に思い出を残して行ってください!」

『!!!!』

アイルの言葉に驚く3人。
「・・・いいだろう。
今宵はたっぷりと愛してやろう。
後悔が無いようにな・・・。」
「わ、ワタクシも!
初めては貴方って決めてるの!!
だから・・・」
「わかった。
お前も愛してやろう。」
「私も・・・思い出・・・ほしい!!」
「いいぞ。コリンも来るがいい。」
「勿論、私もお願いします。
私の全てを受け止めてください。」
「わかった。
全て受け止める。
お前達、覚悟はいいな?」

『・・・はい♡』

その後、俺達は激しく求めあった・・・。

「あん♡タナトス様ァァァ♡♡
気持ちいいですぅぅ♡♡」

「あん♡あん♡あん♡
タナトスぅぅぅぅぅ♡♡好き~♡♡」

「あ♡あ♡あ♡あ♡あ♡
こんなの・・・初めてぇぇ♡♡♡」

「あああああ♡♡♡
タナトス様の全て私にくださいませぇぇぇ♡♡♡」

そして、皆を家に送り、自宅に帰る・・・。

「おかえり♡アナタ♡♡
お風呂にする?ご飯にする?それともわ・た・し♡」
「・・・何いってんだ、レナ。
・・・あの4人に俺のところに向かわせたのはお前たちだな・・・?」
「・・、そうよ。
ご主人様を愛する気持ちに共感したの。
私が同じ立場だったらそうして欲しいから・・・。」
「そうか・・・済まなかったな・・・。」
「さあ、タナトス様ぁ!
次は私達の番ですよぉ!」

「え!?」

「勿論、私達のことも愛してくれるよね?」
「妾も愛してやるぞ?」
「ふっ、仕方ないな・・・。」

結局、家にかえっても4人と愛し合うことになった・・・。

明日出発できるかな・・・?
また温泉入らなきゃな・・・。


そして、出発の朝・・・。
「しまった・・・。」
「どうしたの?ご主人様?」
「ギルドに挨拶していない。
依頼も取り消さないと・・・!」
「もう杖手に入れたもんね!」
「しかし。問題がある・・・。」
「問題とはなんだ?」
「俺は王城のお尋ね者だ。
ギルドに兵士がいたら厄介だ・・・。」

『お尋ね者!?』

精霊3人が驚く!
「王女に結婚を求められている・・・。
王城皆が祝福ムードだ。
捕まるわけにはいかない・・・。」
「なんでそんなことが・・・?」
「こいつのせいで色々あったんだよ!」

ごちんっ!

「いたぁぁあい!!
なんで殴るの!?」
「お前が杖を盗まなければこうならなかったんだよ!!」
「なんかわからないけど、じゃあ街に戻ってカインくんに頼めばー?」
「そうか、その手があったな。
じゃあ、山に行って街に戻ろう!」
「イザベル様の所に行くですぅ!
早く杖を元のところに戻すですぅ!」

俺達は家を出る。
すると皆が家の前に集まっていた。

「!?
どうしたんだ、皆!?」
「勿論、お別れを言いに来たんじゃ!」
「タナトスさん、本当にありがとうございました。
こうして、お店を流行らせることが出来たのも、ボルトンさんと付き合えたのも貴方のおかげです!」
手を繋いでラブラブの二人。
昨日の夜、シルビアが酔った勢いでボルトンに告白をした。
ボルトンは即オッケーを出し、嬉しさの余り裸踊りをしてたな・・・。
それを微笑みながら見ていたシルビア。
よく引かなかったな・・・。
まあ、とりあえず良かったな・・・。
ボルトンにラブラブが似合わないのはなぜだろう・・・?

「まさか、私達にサヨナラの挨拶もしないで行こうとしてたんじゃないでしょうね!!」
「ちゃんと・・・挨拶・・・したい・・・。」
「また来てくださいね・・・。
その時はまた・・・♡」
「いつまでも貴方の事を想っております。
ご武運を・・・♡」
「ああ。お前達も元気でな!」

「わぁぁぁぁん!
ハティちゃんとお別れ寂しいよぉ!!」
ハティは毎日子どもたちと遊んでいたから、子供達からの人気が凄い!

《クリエイトアイテム!!》

そこには子供達の数分のハティぬいぐるみが現れる。

「皆済まないな。
これをハティだと思って大事にしてくれ。」
「わぁぁぁい!!
かわいい!ハティちゃんだぁ!!」
〈ガウガウ!!〉
「我も楽しかった!
また会おう!って言ってるよ!」
「うん!また遊んでね!!」

皆との別れを惜しんでいると・・・


「あ!タナトスの兄貴!
見つけたっす!!」

沢山の兵士達が俺のもとにやってくる!!

「しまった!みつかった!!」
「観念して次期王になるっす!!
王女様が待ってるっすよ!!」

『どういうこと!?』

「タナトスの兄貴は王女様と結婚する運命っす!
もう逃げられないっすよ!!
連れて行かないとあの口うるさい国王様にどやされるっす!!」

『えぇぇぇぇぇ!?』

皆が驚愕する!!

「王なんて誰がなるか!!
ミーナ!
行くぞ!!」
「はいですぅ!!」

ミーナは空間魔法を展開する!

「どいてくれっす!!」
「タナトスの門出を邪魔するでない!!」
「皆、邪魔をするのよ!!」
「私のタナトスを王女となんか結婚させてたまるもんですか!!」

皆を、必死に兵士の邪魔をする!

「皆・・・ありがとう!!
また会おう!!」

そう言って、ハルトたちは空間の向こう側へと急ぐ。

「ああ!逃げられたっす!!
また怒られるっす!!」

スラム街では歓喜の声があがり、別れの寂しさから泣く声も聞こえる。
そして、ハルトのいない王都の一日が始まった・・・。


一方、ハルト達はイザベルの墓に辿り着く。
「ふう、何とか逃げれたな。
皆に感謝だ。」
「イザベル様ぁ!
帰ってきましたよぉ!!」
「ここは・・・こんな感じだったか・・・?」

前に来た時と違う光景に驚くソフィア。

「お前がぐちゃぐちゃにしたから直したんだ。
さあ、ミーナ、これを。」

俺はミーナにインフェルノロッドを渡す。

「はいですぅ!」

ミーナは俺から杖を受け取り、お墓に飾る。

「イザベル様ぁ・・・お待たせしましたぁ!
ちゃんと取り返しましたよぉ!!」

その時、インフェルノロッドが光だし、女の人の姿をしたホログラムっぽいものが現れる!

「い、イザベル様ぁ!?」
「これがイザベルなのか・・・!?」
「ミーナ、ちゃんと取り返してくれてありがとう・・・。
これは杖に封じ込めた私の魂を具現化した映像です。
もう体は朽ち果ててしまいましたが、魂はまだ杖の中にあります。
貴女には寂しい思いをさせてしまって申し訳御座いません・・・。」
「うわぁぁぁん!!
イザベルさまぁぁぁ!!
会いたかったよぉ!!」

映像でもルミリアに会えて、とても嬉しそうなミーナ。
号泣しながらも喜んでいる。

「そして、タナトス・・・。」
「なんだ?礼ならいらんぞ?」
「私のミーナをキズモノにしやがって・・・」

「えっ!?」

「映像じゃなきゃ殺してるところだぞォォォォォォ!!
気安く私のミーナに触れんじゃねぇぇぇぇぇ!!」

『えぇぇぇぇぇ!!!』

何こいつ!?
キャラ変わってんじゃねえか!!
あ、こいつレズだったァァァ!!
「あ、あの・・・!」

ソフィアが横から口を出す。

「杖、盗んですいませんでした!!!」

珍しく謝っているソフィア。

「は?許すわけないだろ・・・?」
「えっ!?」
「てめぇぇぇ!!
私のミーナを暴走化させやがってぇぇぇぇ!!
対した魔力も無いくせに調子に乗ってんじゃねぇぇぇぇ!!」
「ヒィィィィィィィィ!!
ごめんなさァァァい!!」
「イザベル様ぁ!!
怒らないでぇ!
私、タナトス様に会えてぇ幸せですぅ!」
「ミーナ・・・・」
「タナトス様はイザベル様よりぃ気持ちよくしてくれるんですよぉ!」

は?何言ってんの?ミーナよ。
それ言ったら不味くね?

「だから、安心してぇ此処にいてねぇ!」
「タナトスゥゥゥゥ!!!
ぶっころぉぉぉぉす!!!」

ヤバい!!今にも杖が爆発しそうだ!!

「に、逃げるぞ!!」
俺達は9階まで走って逃げる!
「待ちやがれぇぇぇぇ!!
クソやろぉぉぉ!!」

10階から声が響く。

「・・・俺はもう来ないほうがいいな・・・。
街に帰ろう・・・。
いいよな?ミーナ。」
「ああなったイザベル様はぁ止められないのでぇ帰りましょう!」
「随分、あっさりしてるのね・・・。」
「久しぶりなんでしょ?
いいの?」
「はい!少しでも会えたのでぇ!
それに私はぁタナトス様にぃ付いていくと決めたのですぅ♡」
「そうか・・・。
じゃあ、街に帰るぞ!」
「はいですぅ!!」

ミーナは空間魔法を展開させる。
俺達は空間の向こう側へ行く。

「ふう・・・。
久しぶりの街だな・・・って、あれ!?」
「どうしたのー?」
「ま、街が・・・!」
「こ、これは!?」
「酷いですぅ!」
「ん、どうした?」
〈ガウ!〉

「街が半壊している!?」
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