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第4章 神の使者、王都に降臨

第24の宴 いざ!王都へ!!

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「じゃあ、ギルドで情報収集だ!」

俺達はギルドに入った。
すると・・・

「来たわよ!!」
「皆囲んで!!」
「絶対に逃しちゃ駄目よ!!」
わぁぁぁぁっとギルトの受付嬢達に囲まれる俺達!

「な、なんだ!?いきなり!」
「ご主人様、何かしたの!?」
「知らん!!」
「おっかないですぅ!」
「ちょっと!貴女達!何のつもりよ!!」

『うわぁぁぁぁぁ♡♡♡』

受付嬢達はレナを見て目が輝く!!
「これよ!ルーシアも同じようなモノしてたわ!!」
「かわいい~♡」
「私も欲しいわ♡」
「あ、耳にも何か付いてるわ!!」
「ホントだ!!なんてオシャレなの!!」
「この腕輪細いわよ!売ってる腕輪と違ってこっちのほうがいいわね!!」
「ちょっちょっと!
何なのよ!!いきなり!!
あ、私のブレスレットに触らないで!!」

うん、今の会話でわかった。
つまり、私達にも創れってことだろ?
しかも、昨日ミーナが寝てからミーナの為にペンダントを創ったのだが、最悪なことにレナにバレ、面倒くさいモードに入ったので、仕方なくイヤリングとブレスレットを創った。
因みにルナとミーナも似たような物をしている。
レナだけ特別扱いはできないからな。
受付嬢達はきっとルーシアがしているのを見て欲しがったのであろう。
あの野郎・・・自慢しやがったな・・・。

『私達にも創ってください!!』

ほら!やっぱりね!!

『創ってくれるまで帰しません!!』
「わかったよ!」

《クリエイトアイテム!!》

皆の前に出てきたのはドクロの指輪、ドクロのブレスレット、ドクロのネックレス・・・
ハルトの趣味全開だ!
「ギャァァァァァァ!!!
何これ!!
超カッコいい!!!!
これは俺がもらうからな!!
いいな!」

どこからともなくカインが現れる!!

『こんなのいらない。』

こんなのとはなんだ!!
俺、渾身の逸品だぞ!!
だが、カインのお陰でスキが出来た!

「逃げるぞ!!」
俺達はギルドから逃げるように出ていく!

『あ~!!逃げられた~!!』

がっかりする受付嬢・・・。
その後、やる気をなくし、ルーシア以外全員早退するといった事件が起きる・・・。
「タ~ナ~ト~ス~!!
次来たら覚えてなさいよ~!!!!」

その日はルーシア一人で仕事をこなす羽目になった・・・。

「駄目だ・・・。
当分ギルドには行けないな・・・。
これじゃあ情報収集は難しいな・・・。」
「これじゃあ、杖を取り返せないですぅ!!」
「困ったね!!もう創ってあげればいいのにー!」
「やだよ!アイツらに創ったら街の皆に創る羽目になるぞ!」
「そっかあ・・・可愛いから欲しいよねぇ。」
「じゃあ王都に行きましょうよ!!
あそこならここより人多いし、情報もあるかもしれないわ!!」
「王都か・・・。
それはアリかもな・・・!」
「受付嬢からも逃げれますぅ!」
「熱り冷めるまでこの街にいない方がいいかもねー!」
「そうだな。
じゃあ、王都に行くぞ!!」
『おー!!!』
(うふふ♡王都で洋服屋さん巡りよ♡♡♡)

〈ガウガウ!〉
「ここを出る前に肉を買い込んでくれ!ってお願いしてるよー?」
「そっか、裏街の人にあげたりしたから少なくなってたな。
わかった!この前の肉屋でまた買い占めよう!」



「ということで、また頼むよ。」
「はい!喜んでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
俺が店の商品買い占めるとかなり助かるらしい。
俺が店に入ると満面の笑みで飛んできた。

とりあえずこれでハティの要望は叶ったな。
さあ、王都に行こう!

「で、王都ってどこだ?」
「王都はここから馬車で3日かかるわよ!」
「意外と遠いな!
じゃあ、またハティに乗って行くか。
頼むな、ハティ。」
〈ガウ!〉

そして、八咫烏の案内の元、俺達は王都に向かう。
少し進んだ所にあった森に入って、ある事件に遭遇してしまう・・・。

〈ガァァァァ!〉
「ん、どうした?八咫烏。」
俺の前に画面が表示される。
「なんだって!?」
〈どうしたのー?〉
「この先で人がモンスターに襲われてる!
なんかヤバそうだ!
ハティ、行くぞ!!」
〈ガウ!!〉

八咫烏がそこまで案内をする!

「あれか!!」
そこにはモンスターに襲われている人が数人。
なんとか戦っているみたいだが、モンスターの方が優勢だな。
あのモンスターは強いのか?

《鑑定(アプレイザル)!!》

〈クリムゾンベアlv50〉(凶暴化)
Bランク
大型のクマのモンスター。
かなり怪力で岩石などを余裕で破壊する爪攻撃が得意。
毛皮、肉がお金持ちの中で好まれる。
「アイツ凶暴化してるぞ!?」
〈え!?ミーナの所にいたモンスターと一緒ね!〉
〈もしかしたらルミリア様の杖を盗んだ犯人がいるんですかぁ!?〉
「分からんが、取り敢えず助けないと!
ハティ!任せた!!」
〈承知!!〉
ハティはクマに向って思いっきり体当たりをする!!

ドォォォォォォン!!

〈グォォォォォ!!〉
そのままクマはふっ飛ばされる!!
「な、何だ!?あのモンスターは!?
ひ、人が乗ってるぞ!!」
俺はハティから降りて、男に近づく。
「貴様ら、大丈夫か!?」
「ヒィィィ!なんか変な鎧着てるぅぅぅ!!」
「変な鎧とは何だ!!助けてやったのに!!
そのままクマに食われるか・・・?」
「助けに・・・!?あ、あのモンスターは貴方の・・・!?」
「我の眷属だ!怪我はないか?」
「護衛の兵士が5人ほど重症だ・・・。

まさかこんな森でBランクモンスターが現れるなんて・・・!」

「これを使え!
そして、下がってろ!!」

俺はアイテムボックスからエリクサーを5個出して、その男に渡す。

「こ、これはエリクサー!?
いいのか!?」
「早くしろ!死ぬぞ!!」
「す、すまない!!」

その男は重症の兵士の所に急ぐ。

「これで大丈夫だろう。
ハティ!いけるか!?」
〈こんなクマ如き、主の手を借りずともズタズタに切り裂いてやるわっ!!〉
「ズタズタにしたら素材が駄目になるから瞬殺しろ!」
〈うっ!しょ、承知!〉

ふっとばされたクマがやられたことに怒り、ハティに襲いかかる!!

〈グォォォォォ!!!〉
〈クマ如きが我に歯向かったこと後悔させてやるわっ!!〉
ハティは神速を使い、一瞬でクマの首を鉤爪で切り裂く!!
叫ぶことなくクマの頭は胴体と離れ、即死する!!
「ハティ、よくやった!!」
〈流石ハティちゃんですぅ!!〉
〈ふっ!準備運動にもならなかったな・・・。〉

俺はクマの死骸を回収する。

「危ない所を助けて頂き、ありがとうございます。」
「皆無事か?」
「はい、お陰様で。全員回復しました。
高価なエリクサーを惜しげもなく与えてくださりありがとうございます!!」
「命が助かったなら安いもんだ。
じゃあ、我らはこれで・・・」

「ちょっとまってください!!」
「ん?」
高価そうな馬車の中から女の人が現れる。
あ、これ異世界モノの定番!
お姫様を助けて恋に落ちるやつじゃね!?

「危ない所を助けてくださり、感謝しますわ。
貴方のお名前は?」
あ、これ完全に姫とか貴族の娘だね。
綺麗な顔してるね。
凄い高そうなドレスにおっぱいは小さめかな?

「我は神の使者・タナトス!!
神の使者として弱き者を助けるのは至極当然の使命!!
礼など要らぬ!!」
「か、神の使者・・・。
そ、そうですか・・・。」

あ、なんかこいつ引いてね?

「あ、あのタナトス様?
私は噂の温泉と言うモノを利用しにクラスフォードの街を訪れた帰り道なのですが、その帰り道にモンスターに襲われてしまったのですわ。」

なんだよ、ウチの客かよ!!
ご利用ありがとうございます!!

「温泉はどうだった・・・?」
「え?あ、はい。
とても素晴らしかったですわ!
髪もこんなに綺麗になり、肌もこんなにスベスベに!!
每日通いたいですわ!!」
「そうか、それは良かった。
では!」
「ちょっとお待ちになってください!!」
なんだよ・・・
急いでるんだけど!

「私達はこれから王都に帰るのですが、宜しければ護衛の方頼めないかしら?
勿論お礼はしますわ!!」
「ええー・・・」
「物凄く嫌そうですわね・・・。」
「私からも是非お願いします!!
この御方はグランブレイド王国の第一王女、エリス・グランブレイド様です。
どうか、王女の願い、お聞き入れ願います!」
やっぱり王族だったか!!
関わるとめんどくさそうだ!!
「・・・めんどい。」
「め、めんどい・・・!?
お、王女様に失礼ではないか!!
王女様の命令ですぞ!?」
「何故、我が王女如きの命令を聞かねばなるぬ?」
「王女如き・・・!?
貴様!!不敬罪に当たるぞ!!」
「不敬罪・・・?
だったら貴様もその王女も不敬罪で処刑せねばならぬな・・・!!」
「な、何故王女様が不敬罪になるんだ!!」
「先程申したであろう?
我は神の使者・・・。
故に王よりも上の存在だ・・・。
即ち、そこの王女如きが我に指図するなど、不敬罪にあたるであろう?」
「何を巫山戯たことを!!」
「お待ちなさい!!」

王女が兵士を制止する。

「貴方は本当に神の使者なのですか?」
「そうだ。」
「ならば、この弱き私達をお助けください。」

くっ!またその手で来たか!!
はぁぁ・・・。仕方ない・・・。
神の使者も辛いな・・・。

「この森を抜けるまでだ・・・。」
「え・・・。」
「この森を抜ければモンスターは出てこなくなる。
そこまでなら助けてやる・・・。」
「ありがとうございます。」

王女は俺に頭を下げる。

「王女様!
貴女様が無暗に頭を下げるものではありません!」
「貴様、何を言っている・・・?」
「は?なんだ!?」
「人にモノを頼む時は頭を下げるモノであろう?
親に習わなかったのか?」
「なんだと!
王女様が頭を下げるなど、あってはなるぬだろ!!」
「王女だろうと関係ない。
国を治める者として、民の見本になるのは至極当然。
王族だから許されるなど、悪と変わらぬではないか。」
「貴様ァァァァァァァ!!
無礼にも程があるぞ!!
今すぐ不敬罪にしてやる!!」
「ほう・・・。
我を討ち取る気か・・・。
良かろう。かかってくるが良い。
ただ、一つ忠告しよう。
我はそこにいるフェンリルよりも遥かに強いぞ・・・?
あんなクマ如きを倒せぬ小物が我に適うとでも思っているのか・・・?」
「ぐっ!!」
「もう、およしなさい!!
貴方ではタナトス様には勝てないのは分かるでしょう!!
私達はこの方達に助けられたのを忘れたの!?
命の恩人に王族なんて肩書は関係ありません!!
今この方達に敵対しても、我々はこの方達にやられるか、モンスターに殺されるかですわ!」
「ううっ!」
「どうやら王女の方が賢いみたいだな。」
「その方達に謝りなさい!!」
「はっ!数々の無礼・・・お許しください!!」
「ふっ、王女に免じて許してやろう。
但し・・・次、我に歯向かった時は・・・その命、終焉に向かうと思え・・・。」
「う!しょ、承知しました・・・。」

全く・・・面倒くさいことになったな。
普通、異世界モノだったら助けた俺に恋しないか?
なんかいきなり引かれるし・・・。
兵士の野郎なんて、助けてもらった癖に喧嘩売ってきやがった・・・!
なんか思ってたのと違うな・・・。

それから次々と凶暴化モンスターが現れる!
俺とハティはそのモンスター達を瞬殺する!!
「つ、強え・・・あのモンスター達を瞬殺するなんて・・・!」
「こ、こんな人達に私は歯向かってしまったのか・・・。」
「でも、変な鎧と剣だな・・・。」
おい、最後のやつ・・・半殺しにしてやろうか・・・?

そして、夜になった。
〈くっ!なんて遅い馬達なんだ・・・。
我だけであればこんな森、もう抜けていたはずなのに・・・!〉
「まあ、そう言うな。明日には抜けれるからそしたらさっさと王都に行こう。」

兵士達は野営の準備を始める。

「タナトス様達はテントの準備はなさらないのですか?」
「我がテントで野営するわけ無かろう。
そんな狭いモノ、我は好かない。」
「え、でも・・・」

《クリエイトアイテム!!》
目の前に小屋と温泉が出来る!!

『えぇぇぇぇぇ!!!』
「こ、小屋が一瞬で!?
しかもあれはクロスフォードにあった温泉ですわよね・・・?」
「あの温泉を創ったのは我だ。」
「そ、そうなんですか!?」
〈ご主人様!いい加減、外にでてもいい?〉
〈早く温泉に入りたいわ!!〉

もうちょっと待て!

「あの・・・タナトス様?
私もその・・・温泉を・・・」
「は?」
「タナトス様!!
どうかその温泉を王女様にも使うことをお許しください!!
お願いします!!」
兵士全員が土下座をしてくる!!
「王女様はその温泉に入るのをとても楽しみにしていたのです!!
念願叶い、入ってからはその温泉が忘れられないとずっと申しておりました!
どうか、お願いします!!」
〈いいんじゃない?
減るもんじゃないんだから!〉
〈そうだよー!
温泉気に入ってくれただし!!〉
〈私も入りたいですぅ!!〉
「わかった・・・。
先に入ればいい。」
「わあ!ありがとうございます!!
凄く嬉しいです!!
やったァァァ!!」

王女の喜んでいる姿に皆があ然とする!

「はっ!!!
す、すいません・・・。」
顔が真っ赤の王女。
可愛い所もあるんだな。
「シャンプーとリンスもそこにある。
まあ、ゆっくり浸かってくれ。」
「あのシャンプーとリンスも!!
あ、ありがとうございます!!」

俺は小屋に戻り、精霊達を外に出す。

「ふう!やっと出れた!!」
「やっぱり、外はいいわね!」
「紋章の中はちょっと狭いですぅ!」
「すまなかったな。
王女が出たら温泉に行こう。」

『は~い!!』

ミーナも温泉に入れるようになったしな。
今日こそミーナの鞘に俺のエクスカリバーを・・・!

「そうだ、このままではモンスターが来るかもしれないな。」
「ご主人様どうするの?」
「スキルを創ろう。」
「スキルぅ?」
「スキル創造!
スキル名、絶対領域!!
効果、眷属を除くモンスターが入ることが出来ない結界を張ることが出来るスキル!!」

〈スキル創造成功〉
〈絶対領域〉
眷属を除くモンスターが侵入不可能な結界を張ることが出来るスキル。
但し、効果は12時間のみ。

「これで安心して寝れるな。」
「スキルを創れるなんて凄いですぅ!」
「我は神の使者だからな!」
「かっこいいですぅ!」
俺は周辺に結界を張る。

「お前達、此処一体に結界を張った。
モンスターは入ることが出来ない。
だから、見張りの必要はない。
ゆっくり休め。」
「え!?結界!?」
「あ、ありがとうございます!!」

さてと小屋に戻ろう・・・。
小屋に戻ると精霊3人の前に王女がいた。

「もう出たのか。
意外と早いな。」
「あ、あのこの方達は・・・?」
あ、いけね!
忘れてた!!
「わ、我のスキルで連れてきた我の従者だ・・・!」
「そ、そんなスキルもお持ちなんですか・・・!?」
「そ、そうだ!」
「はじめまして、王女。
私はレナよ。
タナトス様の妻よ!!」

はっ!?何いってんの!?

「違うよ!お姉ちゃん!
私が奥さんだよ!!」

お前も何いってんだよ!!

「ミーナが幼妻ですぅ!!」

何故そんな言葉知ってる!?
200歳の癖に!!

「さ、3人も妻が・・・!?」
ほら、誤解しちゃったじゃねえか!!
どうすんだよ!!

「あ!貴女達・・・それは・・・?」
王女は3人のアクセサリーを指差す。
「あ、これ?
いいでしょう?
ご主人様が私の為に創ってくれたアクセサリーよ!!
欲しいって言ってもあげないわよ!!」
「アクセサリー・・・?
アクセサリーとはこの腕輪とかのことを言うのでは・・・?」

王女は自分のしている腕輪をみせる。

「ご主人様がそれは装備だっていうから創ってくれたんだよー!!」
「とっても可愛いですぅ!!」
「か、可愛いわ・・・!
ステキです!!私も欲しいです!!
おいくらですか!?」
「あげないって言ったでしょう!!
お金を出せば何でも買えると思ったら大間違いよ!!」
「これはご主人様が創ったから売ってないよー!!」
「私の宝物ですぅ!!」
「タナトス様!!
私にも創ってください!!
お願いします!!」
「え、嫌だ、めんどい。」
「そんな・・・!!
わ、わかりました!
では、私も妻になります!!
だから私にも!!」
「はぁぁぁ?
何いってんのよ!!
貴女なんて許さないわよ!!
おっぱい小さいくせに!!」
「おっぱいなんて関係ありません!!
小さくてもいいじゃないですか!!
女性の価値はおっぱいではありません!!」

そんな、王女がおっぱい、おっぱいって・・・。

「我はお前を嫁になんて取らん。
王族と関わる気はないからな。
諦めろ。」

王族と関わるとか面倒くさいことしか待ってないだろ?
冗談じゃない!!
しかも、王女に創ったら流行っちまうだろうが!!
全国民に創れってのか!!
ドクロのやつなら創ってやってもいいがな!!

「そんな・・・!!
酷いですぅぅぅ!!
うわぁぁぁぁぁん!!」

号泣の王女!!
それを聞いて兵士が駆けつける!!

「王女様!!
どうされましたかァァァ!!」

泣いてる王女に見知らぬ3人の精霊達。

「な、何があったんですかぁぁぁ?
誰ですか、この三人は!?
何故、王女が泣いてるんですかぁぁぁ!?」

あー更に面倒くさいことになったな・・・
だから王族と関わりたくないんだ・・・。



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