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「これで弦の代金は足りるか?」
合流したカルに、銀貨を差し出すと、つまらなそうな顔をしてカルはそれを受け取った。
「案外早かったな。どうやって稼いだんだ?」
「ただ歌っただけだ。それが私の本職だからな」
私たちは街の食堂に来ていた。とにかく腹が減っていた。考えてみたら、私は一日半飲まず食わずだったのだ。それでよくも歌えたものだ。私は肉の腸詰の盛り合わせと、パンとサラダを頼んだ。カルが何を頼んだかは忘れた。
「ふーん。もっと遅かったらもっと利息がとれたのにな。残念だ」
カルは私の仕事のことなど興味がないようだ。だが、それでいい。そんな関係が居心地がいい。
「で? 今日中に街を出た方が良いだろ? 次はどこの街に行くんだ?」
「そうだな……。大商人シュブラースカを探さないとだから、次は……」
話している間に、注文した品が届く。想像以上の香りに、一瞬気が遠くなった。
美味そうだ。私は我を忘れて食事にかぶりついた。
「おい、お前、喋ってる最中に……」
「ふふはい、わはひははへへはひんは」
「何言ってるかわかんねえよ! 食べてる最中に喋んな!」
「ほうはは」
肉の腸詰が想像以上に美味い。ミラの宿の料理もなかなか美味だったが、それを超えるくらいの美味さだ。
カルは怒った顔で、一瞬ためらいながらも目の前の食事を口に入れた。
私たちはしばらく、何はとりあえず食を楽しんだ。
* * * * *
合流したカルに、銀貨を差し出すと、つまらなそうな顔をしてカルはそれを受け取った。
「案外早かったな。どうやって稼いだんだ?」
「ただ歌っただけだ。それが私の本職だからな」
私たちは街の食堂に来ていた。とにかく腹が減っていた。考えてみたら、私は一日半飲まず食わずだったのだ。それでよくも歌えたものだ。私は肉の腸詰の盛り合わせと、パンとサラダを頼んだ。カルが何を頼んだかは忘れた。
「ふーん。もっと遅かったらもっと利息がとれたのにな。残念だ」
カルは私の仕事のことなど興味がないようだ。だが、それでいい。そんな関係が居心地がいい。
「で? 今日中に街を出た方が良いだろ? 次はどこの街に行くんだ?」
「そうだな……。大商人シュブラースカを探さないとだから、次は……」
話している間に、注文した品が届く。想像以上の香りに、一瞬気が遠くなった。
美味そうだ。私は我を忘れて食事にかぶりついた。
「おい、お前、喋ってる最中に……」
「ふふはい、わはひははへへはひんは」
「何言ってるかわかんねえよ! 食べてる最中に喋んな!」
「ほうはは」
肉の腸詰が想像以上に美味い。ミラの宿の料理もなかなか美味だったが、それを超えるくらいの美味さだ。
カルは怒った顔で、一瞬ためらいながらも目の前の食事を口に入れた。
私たちはしばらく、何はとりあえず食を楽しんだ。
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