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14.熊に負けた狼
熊に負けた狼⑤
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美冬は両手で口元を抑えて身体を曲げるとそれが逃げたように思ったのか、槙野はぎゅうっと美冬をまた抱き込んだ。
背中の全部に槙野の身体がぴったりとくっついているのを感じる。美冬の際どい場所にはすっかり準備万端とみえる槙野自身も押し付けられていた。
胸の下まで下げられたファスナーの隙間から槙野の手が美冬の肌に触れる。
谷間を緩く撫でて、手が奥に入る。胸の感触や肌の感触を確認してさらに奥へと手が動くのに、美冬は胸をドキドキさせながら声を抑えていた。尖ってしまっている先端をつん、とつつかれたらきゅうっと足に力が入ってしまう。
さっきから散々感じさせられて胸の先端は敏感になってしまっていた。
そこを直に指で触れられると腰の辺りがもどかしくて、中心から温かいものがとろりと零れたような気がする。
胸の先端を摘まれながら、ショートパンツの中に逆の手がそっと入ってくる。
ここにきて、起きているんじゃないかという疑いが一瞬頭をよぎったのだけれど、きゅっと敏感な先端を摘まれたら、甘い声が漏れてしまいそうになり、それを抑えることに必死になって何も考えられなくなった。
それよりも少しずつショートパンツの中に入ってくる手の方が気になる。
指先はふわりと下生えを撫でる。
そして、狭間にゆるっと触れた。
「ぁ……」
ぬるぬるとした愛液が溢れ出てしまっていることを確認するかのように指が狭間を行き来する。
そして零れそうに溢れている愛液のぬかるみの中、ぷくっと立ち上がっているところを器用に見つけ出して、そこを指先でくるんと触れる。
「まって……ゃ……」
槙野の指はその敏感な一点を柔らかくこすり続けて美冬はその頂へと無理やり連れていかれた。
「美冬……」
名前を呼ばれてハッと気付くと美冬は布団に丸まっている。胸元のファスナーは一切乱れていなかった。
すでにスーツ姿の槙野がベッドの横に座って美冬の頬に触れて声を掛けていたのだ。
「俺は今日はちょっと早めに行かなくてはいけないから会社に出るけれど大丈夫か?」
──ゆ……夢!?なんか、すごく疲れる夢を見たような気がする。
「あ……うん。起きる」
そう返事をして美冬は身体を起こす。
「大丈夫か?」
「うん。あ、食事は?」
「食べた。気にするな。作って置いてあるから、美冬も良かったら食べていけ」
「あのっ……祐輔、私……」
槙野は腕時計を見る。
「悪いが美冬、急いでいる。なにか伝えたいことがあるなら、メールをくれ。都合のいい時間を連絡してくれたら折り返す」
「分かったわ」
慌てて口を開いたものの、今伝えることではない気もする。
自分の頭の中もまとまっていない。
すごく好きになってしまったのだと伝えればいいだけなのに、どうやって伝えたらいいんだろう。
仕事ならどんどん判断するのに自分の気持ちを伝えることはひどく難しい。
槙野は美冬の頭にぽん、と手を触れて頬を撫でた後、少しだけ躊躇って美冬の額に軽く唇を触れた。
「いってくる」
「いってらっしゃい」
背中の全部に槙野の身体がぴったりとくっついているのを感じる。美冬の際どい場所にはすっかり準備万端とみえる槙野自身も押し付けられていた。
胸の下まで下げられたファスナーの隙間から槙野の手が美冬の肌に触れる。
谷間を緩く撫でて、手が奥に入る。胸の感触や肌の感触を確認してさらに奥へと手が動くのに、美冬は胸をドキドキさせながら声を抑えていた。尖ってしまっている先端をつん、とつつかれたらきゅうっと足に力が入ってしまう。
さっきから散々感じさせられて胸の先端は敏感になってしまっていた。
そこを直に指で触れられると腰の辺りがもどかしくて、中心から温かいものがとろりと零れたような気がする。
胸の先端を摘まれながら、ショートパンツの中に逆の手がそっと入ってくる。
ここにきて、起きているんじゃないかという疑いが一瞬頭をよぎったのだけれど、きゅっと敏感な先端を摘まれたら、甘い声が漏れてしまいそうになり、それを抑えることに必死になって何も考えられなくなった。
それよりも少しずつショートパンツの中に入ってくる手の方が気になる。
指先はふわりと下生えを撫でる。
そして、狭間にゆるっと触れた。
「ぁ……」
ぬるぬるとした愛液が溢れ出てしまっていることを確認するかのように指が狭間を行き来する。
そして零れそうに溢れている愛液のぬかるみの中、ぷくっと立ち上がっているところを器用に見つけ出して、そこを指先でくるんと触れる。
「まって……ゃ……」
槙野の指はその敏感な一点を柔らかくこすり続けて美冬はその頂へと無理やり連れていかれた。
「美冬……」
名前を呼ばれてハッと気付くと美冬は布団に丸まっている。胸元のファスナーは一切乱れていなかった。
すでにスーツ姿の槙野がベッドの横に座って美冬の頬に触れて声を掛けていたのだ。
「俺は今日はちょっと早めに行かなくてはいけないから会社に出るけれど大丈夫か?」
──ゆ……夢!?なんか、すごく疲れる夢を見たような気がする。
「あ……うん。起きる」
そう返事をして美冬は身体を起こす。
「大丈夫か?」
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仕事ならどんどん判断するのに自分の気持ちを伝えることはひどく難しい。
槙野は美冬の頭にぽん、と手を触れて頬を撫でた後、少しだけ躊躇って美冬の額に軽く唇を触れた。
「いってくる」
「いってらっしゃい」
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