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12.必ず護る

必ず護る①

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「恥ずかしがってる亜由美って、本当に可愛い」
 耳元で囁かれて、顔なんて見えないはずなのにと思うと、目の前の鏡越しに鷹條と目が合ってびくっとしてしまう。

 鏡越しの鷹條の表情はひどく蠱惑的で亜由美の胸はドキドキと大きな音を立てる。

「恥ずかしい……です」
「うん。いや?」
 いや、ではないかもしれない。

 亜由美は首をそっと横に振った。ふっと鷹條が笑った気配がする。
「いやならいつでも言って。すぐ止める」

 後ろから伸ばされた手が亜由美の胸を緩く揉みしだく。後ろから触れられて形の変わってしまっている胸が目に入った。なんだか妙に淫らに見える。

「痛くはない?」
 こくりと亜由美は頷いた。

「柔らかくて触っているだけでも気持ちいい。ふわふわしているのに、先をこんなに尖らせてるのもすごくエロくていい」

 自分で意識しなくても尖ってしまっている先端を鷹條が指先できゅっと摘まんだりする。
 自分で触れても何か感じるようなことはないのに、鷹條に触れられるとどうしてこんなに切なくなってしまうのか。 

 ぴくっと揺れてしまう身体の動きは鷹條には知られてしまっていることだろう。
「そんなこと……言わない、で」

 くすっと笑う鷹條は亜由美が今まであまり見たことのない顔をしていた。
 いつもと少し違う顔だ。ちょっとだけいじわる。でも楽しそうな。

「気持ちいいなら気持ちいいって言ってもらえたら本当は嬉しい」

 いつもより強引なのは、いつもより亜由美を欲しがってくれているからかもしれない。

 離れていて会いたくて久しぶりに会ったら愛おしい気持ちでいっぱいなのは亜由美も一緒だ。だからこそ欲しがってしまうのも分かるから。

「いやなことはしない。優しくする。けど気持ちよかったら、いいって言って?」

 亜由美の目の前にしゃがんだ鷹條が舌先を出して、花芽に触れる。
「やっ……あぁ……」
「これはいやなんだ? じゃあ……」 

 花弁を指で開かれて、芽から蜜口までをぬめりと温かさを持った舌で舐めたり、吸ったりされて、亜由美は太ももが震えてきてしまった。

「ちがっ……そういう意味じゃ……や、なのは、おかしくなっちゃいそうだから……」
「おかしくなりそうとか、可愛い。興奮する」
「だから……いやってわけじゃなくて……」

 亜由美が本気で嫌なのかどうかなんて、きっと鷹條にはお見通しだと思う。それでも亜由美が嫌と言えばその言葉を優先しかねない。

 バスルームで立たされて、鷹條の目の前には自分の恥ずかしい場所が晒されていて、なのに鷹條は可愛いとか興奮するとか言うし、いじわるする。

 本当だったら、本気で嫌がってもおかしくないのに自分も昂らされてしまっていることが亜由美には信じられなかった。

 それほどまでに鷹條が好きなんだと思い知らされただけだ。
 亜由美は屈んでいる鷹條にぎゅっと抱きついた。

「好きにしていいの。すごく、好き。大好き」
「亜由美」

 抱き返してくれた鷹條は立ち上がって、亜由美を抱き上げる。
 苦笑していた。

「お風呂場でちょっといじめてみたかったのに、そんなに可愛いことを言うから、我慢できなくなった。俺も好きだよ。ベッドに行こうか?」

「ん……。いっぱい、して?」
「そんなこと言って、知らないからな?」

 くすくすと笑いながら鷹條は亜由美を寝室へと運ぶ。その間も軽く頬にキスをされたりして亜由美はとても幸せな気持ちになった。

 好きにしていいのも、いっぱいされてしまっていいのも、本当のことだ。
 ベッドにそっと寝かされて、上に鷹條が覆いかぶさる。
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