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おまけのお話:その2
残りのプレゼント②
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「もちろんいいよ。浅緋にあげるためのものだったし、浅緋には隠し事なんてないからね」
勝手に片倉のものに触れてしまったことを浅緋はお詫びする。
なのに、なのに『もちろんいいよ』と言った片倉に、なぜかひどく艶のある表情で見られてしまったから。
「何か分かる?」
「ボディソープ……? ですよね?」
「そう。何に使うか分かる?」
──何に?
「え? 身体を洗うんですよね?」
「そうだよ。このプレゼントの意図はね、一緒にお風呂に入って身体を洗わせてねってことだよ」
近づいてきた片倉が最終的に耳元でそんな風に囁くから、浅緋は顔が赤くなってしまうのを抑えることが出来なかった。
「え⁉︎ そ……そういう?」
「もちろん。今までのプレゼントの意図もそうだったよね?」
すうっと伸びてきた片倉の指が、浅緋の首元を撫でて、片倉は浅緋の首元に鼻を近づける。
「いい香り……今くらいの時間がちょうどいい。香水の香りと浅緋自身の香りが混ざって……すごく、興奮する」
「……っ! 興奮って……」
「香りは大脳にある嗅脳と呼ばれる部分で知覚されるのだって。この領域は快感中枢に当たるらしいよ。つまり香りで興奮することは全くもって医学的にも正しい」
そういえば、初めて食事を一緒に食べた時も『泣くと副交感神経が働いて、それによって気持ちが落ち着いてリラックスできる』とか言っていたような気がする。
あの時もひどく真面目な顔をしていた。
「慎也さんは物知りですね」
そう言って浅緋はくすくす笑う。
それほど昔のことではないはずなのに、あの時はまだ政略結婚なのだと思っていて……あの頃のことを思い出すと浅緋は懐かしい気持ちにすらなったのだ。
「口説いているんだよ。余裕だな浅緋」
片倉の驚くような声に慌てて、浅緋は顔を上げた。
そうしたら、片倉の整った顔が思ったよりも近くにあってドキン、とする。
口説いている、の言葉通りいたく妖艶なその表情に浅緋は急に胸の鼓動が早くなってきてしまう。
「え? 余裕なんて……ないです……」
多分、今ものすごく赤くなってしまったわ……。
急に顔が熱くなったから。
「浅緋は僕の香りで興奮してくれたりしないの?」
──する……。
初めての時だって、あの香りに包まれることでどれだけ安心できたか。
けれど、『興奮します!』なんて浅緋に言えるはずもなく。ただ、赤くなって俯いてしまうだけだ。
「なるほど。してくれるんだね」
仕草や顔色で見抜かれてしまって、浅緋はますます恥ずかしくなって、俯いてしまう。
「浅緋……」
飛び切り甘い声で囁かれて、ふんわりと抱きしめられてその香りに包まれてしまったら、身動きなんてできない。
「そのプレゼント、使おうか?」
まるで唆すように、片倉は浅緋の耳元でそう囁く。
甘くて低い、蠱惑的な声。
それは浅緋のためのプレゼントなのだと言われたら断れないではないか。
勝手に片倉のものに触れてしまったことを浅緋はお詫びする。
なのに、なのに『もちろんいいよ』と言った片倉に、なぜかひどく艶のある表情で見られてしまったから。
「何か分かる?」
「ボディソープ……? ですよね?」
「そう。何に使うか分かる?」
──何に?
「え? 身体を洗うんですよね?」
「そうだよ。このプレゼントの意図はね、一緒にお風呂に入って身体を洗わせてねってことだよ」
近づいてきた片倉が最終的に耳元でそんな風に囁くから、浅緋は顔が赤くなってしまうのを抑えることが出来なかった。
「え⁉︎ そ……そういう?」
「もちろん。今までのプレゼントの意図もそうだったよね?」
すうっと伸びてきた片倉の指が、浅緋の首元を撫でて、片倉は浅緋の首元に鼻を近づける。
「いい香り……今くらいの時間がちょうどいい。香水の香りと浅緋自身の香りが混ざって……すごく、興奮する」
「……っ! 興奮って……」
「香りは大脳にある嗅脳と呼ばれる部分で知覚されるのだって。この領域は快感中枢に当たるらしいよ。つまり香りで興奮することは全くもって医学的にも正しい」
そういえば、初めて食事を一緒に食べた時も『泣くと副交感神経が働いて、それによって気持ちが落ち着いてリラックスできる』とか言っていたような気がする。
あの時もひどく真面目な顔をしていた。
「慎也さんは物知りですね」
そう言って浅緋はくすくす笑う。
それほど昔のことではないはずなのに、あの時はまだ政略結婚なのだと思っていて……あの頃のことを思い出すと浅緋は懐かしい気持ちにすらなったのだ。
「口説いているんだよ。余裕だな浅緋」
片倉の驚くような声に慌てて、浅緋は顔を上げた。
そうしたら、片倉の整った顔が思ったよりも近くにあってドキン、とする。
口説いている、の言葉通りいたく妖艶なその表情に浅緋は急に胸の鼓動が早くなってきてしまう。
「え? 余裕なんて……ないです……」
多分、今ものすごく赤くなってしまったわ……。
急に顔が熱くなったから。
「浅緋は僕の香りで興奮してくれたりしないの?」
──する……。
初めての時だって、あの香りに包まれることでどれだけ安心できたか。
けれど、『興奮します!』なんて浅緋に言えるはずもなく。ただ、赤くなって俯いてしまうだけだ。
「なるほど。してくれるんだね」
仕草や顔色で見抜かれてしまって、浅緋はますます恥ずかしくなって、俯いてしまう。
「浅緋……」
飛び切り甘い声で囁かれて、ふんわりと抱きしめられてその香りに包まれてしまったら、身動きなんてできない。
「そのプレゼント、使おうか?」
まるで唆すように、片倉は浅緋の耳元でそう囁く。
甘くて低い、蠱惑的な声。
それは浅緋のためのプレゼントなのだと言われたら断れないではないか。
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