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RPGで謎の現地解散はあるある
しおりを挟む何かにおぶられて、揺られている感覚がする。
ずっと寝てるとレジェに怒られるから起きないといけないのに、頭がぼんやりして働かない。
おんぶされながら眠るのって気持ちいいなぁ……。
(でもなんか感覚が違うっていうか、ぐらぐら揺れるのが気になるな。
…やっぱりレジェの背中が一番乗り心地良いんだな。ベレイも安定してるけど筋肉固すぎるし)
不意に、びりびりした空気を感じる。夜中に心霊スポットに行った時のような、そんな感じ。…別に言ったことがあるとか霊感があるわけじゃないけど。
「おい、起きろ。着いたぞ……ここが、魔王城だ…」
「ええ……?」
あのまま着かなくて四天王とか出てきちゃってようやく道がわかるイベントが起こるのが普通でしょ。なにあっさり着いちゃってるんだか。
「魔王、俺は必ず聖女を救いだし…この世界を、救ってみせるぜ!」
(その聖女は背中にいるんだけどな)
「聖女を幽閉する悪いやつをぶっ倒す…これぞまさしく勇者だよな!」
遠くでレジェがくしゃみしたような気がした。
まあ聖女が誰か、なんて敢えて言わなくてもいいだろう。世界を救うとか面倒なことしたくないし。恐らく彼の聖女のイメージとは真逆の存在なので気付くこともないと思う。
「ここから先は危険だ。ついてこなくてもいいぞ」
「ホント?じゃあここで解散ね。わたし、やることあるから」
「えっ」
自分から言ったのになんで驚いているんだろう。わたしはポムを見付けたらレジェにバレるまえにさっさと帰るつもりなのだ。
ていうか、さっきから「キュエエ」って鳴き声が空から聞こえるから見付けたわ。なんでか大分興奮しているようなので、どうにか落ち着かせて乗れるようにしないと。
「じゃ、がんばってね」
「え?は?おい、まじで言ってんの?」
「まじだよ。おーまじ。じゃねー」
とりあえず一番高いところに行かなくちゃ。ぽかーんとしているアルファを置いて、わたしは一番高い塔らしきものがあるところへと向かっていった。
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