88 / 100
第八十八話 ビル
しおりを挟む東京のオフィス街ビルのテナントを借りている会社。
その会社に勤める女の机からは、隣のビルの様子が見える。
ある日……隣のビルの壁に黒い手形が現れた。
記憶違いでなければそんな手形は無かった筈……と気になっていた女性社員。
しかし、次の日になり手形が一つ増えていたことで常識の外の事態と気が付いた。
手形はビルの二十階以上……しかも周囲の窓は嵌め殺し。手形を付けるには屋上からロープで下りる以外考えられないのである。
昼間に何かやっていれば皆が気付くので、手形が付くのは夜のうち……しかし女性社員はそれを確認しようとは思わない。関わる気が無かったのだ。
翌日、翌々日と手形が一つづつ増え、八つになったところで止まった。恐らくあちら側のビルでは、手形の存在すら気付いていないだろう。
その四ヶ月後にビルの外装清掃の業者が見つけて清掃するまで、手形は残り続けた……。
今回一番心に残ったのは、女性社員の最後まで関わらない姿勢である……。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる