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第三十九話 水の中
しおりを挟む客を乗せた船で渓流を下る『沢下り』。
ある夏の日、女は友人の誘いで涼を求め某有名な渓流に『沢下りツアー』に向かった。
観光ガイドから安全の指導を受けた後救命胴衣を着用し、いざ沢を下る。
スリリングな激流の水飛沫と船の揺れ。ゆったりとした場所では観光案内が行われ、再び激流を下る。
結構な距離を下ったが、女はかなり楽しむことが出来た。
そんな沢下りも終盤に差し掛かった頃……ゆったりと澄んだ川の底に巨大な影が……。
それは蛇の如く水中をうねりながら川を上流へと上り消えた。
殆んどの乗客がそれを目撃したが、船頭は何食わぬ顔で観光案内を続ける。
「この辺りには、駆け落ちした姫と若武者が滝に身を投げたという伝承があります。二人は二匹の鰻になって、いつまでも一緒に暮らしたというのが伝承の結末です。もし見掛けた場合は、二人の幸せがいつまでも続くよう祈ってあげて下さい」
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