【完結】花の宴~美桜のリリカル~

 流行りの悪役令嬢、断罪、ざまぁ劇場を和風ファンタジーにてお届けします。ご都合主義満載、設定は緩いです。何でも許せて楽しめる方向けです。

 咲守美桜は異能の一族の娘だった。その中でも咲守家は卑弥呼が存在した、とされている時代から『令和』と呼ばれる現代に続く花守の家系だ。『咲守』という苗字の通り、国内における花と言う花が滞りなく咲き誇れるよう花々の憂いを晴らし、守護する役割を担っていた。
 他には国内の植物全体を守護する役目を担う『常盤守』一族、風全体を守護する『風守』一族、水全般を守護する『護泉水』一族、大地全般を守護する『地護院』一族、火全般を守護する『火護』一族と、合わせて六つに分かれていた。その六つの一族全てを総称して「六守族」と呼ばれ、それら全てを束ねているのが日本国内の四季を司る星宮一族だった。
 これら一連の事は、六守族と星宮一族の絶対的な秘密として代々受け継がれ、隠密に日本の四季を守り抜いて現在に至る。表向きでは格式高い名門一族、世界を股にかけて活躍する財閥グループとしてその名を知られている。
 咲守家の長女として生まれた美桜は、生まれながらにして邪気を始めとした悪しき物を浄化する力と、自然霊……即ち精霊や妖怪、付喪神等と呼ばれる類……に、好かれる体質を持っていた。その為、幼い頃より奉納舞の修行を積み重ね、十歳の誕生日を迎えた頃より「春季皇霊祭」の舞姫を任されるようになった。
 美桜には婚約者が居た。火を守護する一族の嫡男、火護凌だ。だが彼は美桜の実妹、牡丹と恋仲だった。妹はコノハナサクヤ姫の再来と呼ばれ容姿端麗、美桜はイワナガ姫と呼ばれ可愛らしい妹を虐げる悪女だと噂されていた。それは凌と牡丹が仕組んだ冤罪だった。学園の卒業パーティーで、凌が美桜を断罪した上で婚約破棄、牡丹と新たに婚約を結ぶ事を企んでいる事を知る。両親は美桜の実力を認めて尊重はしてくれるが、愛情は全て妹へと向いていた。
 その一方で、美桜には唯一の味方がいた。星宮一族の次期当主と名高い壮真だ。
 美桜が新たに自分を知り、視点を変える事で愛を知る成長物語。

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※表紙はぱくたそ様よりお借りしています。
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