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第三十九話

恵茉、数秘術で自分を占う

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 恵茉は自室で、アミーに習った数秘術を音読しながら復習していた。

「1、全ての始まり。始めの一歩。2、離別。線引き。感覚で分ける。3、繋がる。皆で盛り上がる。仲間作り。4、継続。単調な繰り返し。土台作り。5、上昇志向。常識的に判断して正しいと思われる方を。人に教える事。6、カップル。今は決められない、決めなくて良い。空想。7、挑戦。結果を考えるよりまず行動。8、結果が出る。結果を出す。良きにつけ悪きにつけ今までの成果が出る時。9、内省の時。自分一人でゆっくりと考える時。今は行動せず、熟考を要す時。マルセイユ版タロットのヌーメラルカード……数字のカードを読む時は、10がある。その場合の10は、完全に休止。休養。全てやりきった。そんな意味がある、と」

 そして溜息をついた。先日聞いた『見習い悪魔の昇格試験』について思いを馳せる。

「……見習い悪魔昇級試験日って、死神さんやら死や転生を司る天使に魔族に勢ぞろいって感じなんだろうなぁ。きっと圧巻だわ」

 クスリと笑う。

……気になる日付と自分の生年月日を足して一桁になるまで計算してみろ。数秘術で占うのも面白いぞ……

 アミーの言葉を思い出す。

「ベリアルが私に見習い悪魔を決めた日は……」

 部屋の備え付けられている、人間界のカレンダーを見る。そして電卓で計算し始めた。その結果は……。

「……2、かぁ。別離、線引き、感覚で分ける。別離なんで縁起でもない。よし!」

 今度はマルセイユ版タロット大アルカナでその日の事を占う。その結果は……

「女教皇! 2と同じ意味だよ……」

 泣きそうになりながらも、そんな気持ちを打ち消すように笑顔を作る。

「占い師が占いに依存してどうするのよ。占いはあくまでも参考程度。ますは自分がどうしたいか、これよ。だって、私はどうしたいかなんて決まってるなじゃい!」

 と吹っ切るように立つ。

「お風呂でも入って、スッキリしようっと!。それから、例のネットの新しいお仕事しようっと。仕事って言っても、イラストを投稿するだけなんだけど」

 クスクス笑いながら風呂場に向かった。


 その頃、ベリアルは……

「……べヒモスとアザゼル、最近目覚ましいほどに成績アップしてるそうじゃないか」

 アミーは呆れたように言った。

「大方、ベルゼブブ側と手を組んだんだろうな」

 と、ベリアルは溜息混じりに言った。彼は今、自室にアミーとハーゲンティ、アステマと佐吉を招いて反ルシファーの黒幕について話し合いをしていた。

「そのべヒモスとアザゼルの背後の靄だけどさー。最近、他の魔族や妖魔のコンビにも広まってるらしいよ。ね、佐吉」
「へい、あっしも見かけやした。アバドンの旦那と妖魔トテカ、ナベリウスと妖魔ポンテル……」

 アステマと佐吉。一同はほぼ一斉にため息を漏らす。ややあってハーゲンティが口を開いた。

「……やはり、ベルゼブブの背後に何か居るようですねぇ。アミーの占いと私の術を持ってしてみると、黒幕は『カルト』『邪教』『邪神』と出るのですよ」


 重苦しい沈黙があたりを包み込んだ。
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