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 たとえ精霊であったとしても、円以外に、他に方法がなかったとは言え唇を奪われた罪悪感といったらなかった。


「ふ……、まどか……ごめん、……ごめ……っ」


 円のにおいに包まれながら、瞳は繰り返されるキスの合間に泣きながら謝罪を繰り返す。


「なんで瞳が謝るの。瞳が望んだことじゃないでしょ?」


 精霊の姿は見えなくても、どんな状況だったのか、円は正しく理解している。あれで誤解する方がどうかしている。


「そ……、だけど。でも……っ」
「謝るなら俺の方。ごめんね、間に合わなくて」
「来てくれただけで、じゅうぶん……」
「それなら、俺だって瞳が生きてくれてるだけで十分だよ」


 そう言いながら、円は瞳の呼吸さえも奪うような深いキスを落とす。


「ん……、んぅ、……ん、ん」


 鼻に抜けるような瞳の吐息まじりの声は、すぐに色香を放つ。ポロポロと止まらない瞳の涙が、円の心の何かを刺激する。


「……瞳」
「あ……っ、まどか……?」


 円がするり、と瞳のわき腹をシャツの上から撫であげる。ぷくりと主張を始めた胸の突起を服の上から軽くつまんだ。


「ひ、あ……っ」


 瞳の身体がビクリと跳ねる。いつもは直接されるのに、服の上からだと妙にもどかしい。


「んんっ!」


 抱かれ慣れて敏感になった身体には十分な愛撫だけれど、少し物足りなく感じてしまう自分に瞳は戸惑った。


「瞳……。ここ、もうコリコリ。えっちだね……」
「やぁ……っ」


 いっそ酷くしてほしいのに、そんな時に限って円は意地悪なくらいに優しい。


「ん。どうして欲しい?」
「さわっ……てぇ……っ!」
「こう?」
「あぁっ! ん、……うん……っ!」


 シャツのボタンをすっかり外してはだけさせた円は、瞳の胸の飾りを指でクリクリと押しつぶした。
 鎖骨にキスを落として強く吸い上げ、胸にも同じようにして、所有の証を咲かせていく。


「あ、あっ、あぅ、ん!」


 ひとつひとつにビクビクと反応する瞳が可愛くて、円は執拗に花を咲かせた。
 瞳はいつの間にか裸にされていて、その敏感な内ももにも舌を這わされ赤い印を付けられるのに、肝心の場所には触れてこようとしない円に焦れた。


「あ……、まどか……っ!」


 円の制服の襟を掴んで引き寄せ、乱暴にキスをした。下腹部に手をやれば、円のズボンははちきれそうだった。
 瞳はぼんやりとした頭で何を考えるでもなく、どさりと円と体勢を入れ替える。


「瞳……?」


 困惑する円を見ないフリで、彼のベルトをゆるめてずるりとペニスを引き出す。ソレはもう屹立としていて先走りの液すら垂らしていた。


「……っ! 瞳!」


 いつも瞳のナカに入ってくる、熱くて愛しいモノ。
 瞳は先端にちゅ、とキスを落として根元から舐め上げた。


「待って! 瞳、ダメ!」


 焦った様子の円にグイと引き剥がされて、瞳は不満げに彼を見る。


「なんで、だめ……?」


 すると、円は瞳の双丘の間に指を這わせた。うしろの、他の誰にも触れさせたことのない場所。蕾に、そっと触れた。


「……あっ!」
「イくなら、こっちがいい」
「……ん」


 こくりと頷いた瞳にキスを送り、円はサイドテーブルからローションを取り出す。たっぷりと手に取って温度をなじませ、瞳の後孔へと塗りつける。ぬめりを借りてつぷりと指を入れれば、瞳の身体がぴくんと跳ねる。


「……んぁ!」


 座る円を跨ぐ形で彼の身体に縋りつく瞳は、それがどんなに無防備な姿か自覚がない。
 くちゅ、ぐちゅり、と後孔を解され、前立腺を刺激されながら、瞳は円に胸の突起を唇でまれた。


「あぁ!」


 ビクリと震えて腕に力が入った瞳は、円の顔に身体を押し付けることになる。
 食まれた場所を舌先でころころと弄ぶように転がされてのけぞった。


「や……、ああぁっ!」


 上と下とを同時に愛撫されてたまらなくなりビクリと震え、瞳の白濁が迸る。
 それでも円の手が休まることはなく、ヒクヒクと収縮を繰り返すナカを執拗に愛撫し続ける。


「や……あっ、イってる……イってるからぁ……っ!」
「ん。上手にイけたね」
「あぁん!」


 円は前立腺をグリ、と強く擦り、瞳を更に喘がせた。
 瞳の身体を支える膝が、カクカクと震える。力が抜けてしまいそうだ。
 そんな瞳の後孔から指を引き抜き、屹立とした熱いモノをあてがうと、円は優しげに言った。


「瞳。そのまま腰を落とせる?」
「……え?」
「瞳のココ。『俺』が欲しいってヒクヒクしてるね」
「……っ!」
「できる?」
「……できる……」


 恥ずかしくて真っ赤になりながら、瞳は円の肩に縋り、ソレに手を添えながらゆるゆると自らの腰を落として飲み込んでいく。円が十分に解してくれたから痛くはない。けれど、見られていることと咥えこんでいくモノの大きさと熱さに、いたたまれなくなる。


「……んっ、は……」
「瞳。腰、揺れてる。気持ちいい?」


 円の欲情を押し殺したような声にゾクリとする。


「ん……っ。きもちい……。ずっとイってるみたいで、おかしくなる……っ」


 ゆらゆらと腰を動かしてしまうのは無意識だ。これ以上を迎え入れてしまったらどうにかなってしまいそうだと瞳は思う。


「可愛いけど、そんなこと言われたら我慢できなくなるでしょ!」
「んあぁ!」


 体勢を変え、円は瞳を押し倒して一気に奥まで貫いた。
 瞳の喉がひくんと震える。円は瞳が落ち着くのを待ってやれずに、そのまま激しく抜き挿しを始めた。


「や、あ、あっ、あぁ……っ!」
「瞳、瞳……っ!」
「ん、んぅぅ、まどか……、すき……っ!」
「こんな、時に。そういうの、反則!」


 息もつけない状況で、それでも瞳は円を好きだと訴えれば、円にとってはこの上ない燃料となる。
 腰をひときわ強く叩きつけ、瞳の最奥で熱い欲情の証をぶちまけた。同時に瞳も達している。


「瞳……っ!」
「ひ、あ、ああぁぁぁっ!」


 注ぎ込まれる白濁は熱くて量が多くて、瞳はのけぞってヒクヒクと震えながらそれを受け止める。
 ごぷ、と溢れる白濁が足を伝う感覚すら快感に変わる。


「あ……っ」


 ずるりと円のペニスが引き抜かれれば、後を追うように白濁がこぼれ落ちる。


「ごめんね……。まだ、やめてあげられない」


 そう言った円のモノは、すぐに勃ち上がっていて。


「ん……。オレも、ほし……」


 まだ、夜にもなっていない。明るさの残る時間だというのに、二人の愛を確かめあう行為はまだまだ続きそうだった。
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