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121.5

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「ん、ふぁ……、っあ、んん……ぅ」
「……ん、瞳」
「ぁ……、まど……っ、んん! ぅ……ふぅ」


 キスの合間に名前を呼ばれて、応じようとしてまたキスされる。
 そんなことをどのくらい繰り返しているのか、もはや瞳には分からない。
 円のベッドに押し倒されて、彼の重みを受け止めただけでもう幸せなのに。大切に大切にキスを繰り返されてもうどうにかなりそうだった。
 着衣にはまだ乱れもなく、ただキスを繰り返す円のシャツを、瞳はギュッと握りしめる。円の手がするりと頬を撫でて髪をくから、瞳はぶるりと震えた。同時に上顎をゾロリと舌で撫でられてたまらなくなる。


「ふ、……ぅんん、んぁっ!」


 ビクリ、とのけぞった瞳の下着がじわりと濡れたのが、ズボンの上からでもわかる。
 それに気付いた円がソコをそろりと撫でると、瞳はビクビクと震える。


「ふ、ぅ……、そこ……だめぇ」
「すご……キスだけでイったの?」
「やぁ……」


 円にも執拗にキスを繰り返して追い詰めた自覚はあるけれど、まさかイくとは思っていなかったらしい。
 瞳はもうずっと涙が止まらず、ぽろぽろと零れ落ちている。それを拭う円の手でさえも気持ちがよくて震えてしまうのだ。


「うしろだけでイくのは聞いたことあるけど……キスだけとか。ねぇ、どんどんえっちになってるけど大丈夫?」
「も……、まどかの、せい……っ!」
「ん、可愛い」


 ぜんぶぜんぶ円のせいだ。円にしかこんな風にならないし、感じない。だから責任を取ってほしい。
 泣きながら睨みつけてくる瞳は本当に可愛いけれど、こんなに快楽に弱すぎて大丈夫なのかと、円は心配になる。
 加藤ともなんだか親しくなっているし、風の精霊は本当に瞳に手を出すつもりだったようだし、心配は絶えない。
 もちろん、瞳のことは疑っていないけれど、瞳の周りのことは信用していない。特に学校関係はダメだ、と円は思っている。『姫』などと呼ばれ始めたことも重なってか、瞳をそういう対象、、、、、、として見る奴が出始めたのである。本当に厄介だ。


「まどか……」
「うん、ちょっと落ち着いた?」
「ん……」


 一度達してしまうと、瞳は過敏になりすぎる。今日は尚更だ。せめて呼吸が整うまで待って、円は瞳の身体に手を這わせる。


「ん……っ」


 シャツの上からでも触れればピクリと震える瞳は可愛い。それでもやはり、余計なものは脱がせたいのが本能だ。
 ぷつり、ぷつり、とボタンを外して肌に直接触れれば、しっとりとした肌が円の手を迎える。


「あ……っ」


 円の熱い手を感じて、瞳の身体もふるりと震えた。


「下着、気持ち悪いでしょ」


 そんなことを言いながら一気にずるりと脱がされて、瞳の方はいたたまれない。自分は全裸なのに、円の着衣は少しも乱れていないのだ。


「ずる……いぃ」
「ん?」
「まどか、も……、ぬいで……っ!」


 自分ばかりが恥ずかしい、と瞳が訴えれば、円はバサリと衣服を脱ぎ捨てる。


「あんまり、煽ること言わないで……」


 少し余裕を無くした円が、愛しい。自然にふわりと笑みが浮かぶ。
 ベッドのサイドテーブルに手を伸ばした円が、ローションを準備して瞳の後孔に指を這わせる。


「……っん、あ……!」


 余裕なく挿入された指が、ナカを慣らしていく。


「あ、あ……っ、あ、はぁ……っ!」
「瞳、大丈夫?」
「……んっ、……へーき……、ぁ……」


 確認されるのも恥ずかしくてもどかしい。もっと、奥。奥に欲しい。
 奥が、疼いているのがわかる。
 指を増やされて、いい所を擦られてひときわ高い声が上がる。


「ひぁんっ!」
「ん。気持ちいい?」
「ぁ……、きもちい……っ! あ、も……」
「まだだぁめ」
「やぁ……っ」


 早く欲しいのに、円は意地悪だ。瞳の手が、そろりと円のペニスに伸ばされるのを、円の手が阻む。ねろりと熱い舌で舐められて、ひ、と声が零れた。
 円に触れられる場所は、どこもかしこも性感帯になった気がする。気持ちが良すぎておかしくなる。


「ずっと甘イキしてる。気持ちいいね?」
「ん……、きもちい……からぁ、はやく……っ!」


 くすくすと笑う円に、早く欲しいと瞳が訴える。円だって本当は余裕なんかない。いっそ酷く抱いてしまいたい気持ちだってある。だけれど、一度そんなふうに抱いてしまえばそれがクセになりそうでこわいのだ。


「もう……いいかな」


 円が呟いて、ずるりと指を抜けば、瞳がぶる、と震えた。


「……っあ」


 ひたりとあてがわれる、ゴムを通してさえ分かる熱さに、蕾がひくりと蠢く。
 ズプリ、と円が一気に貫けば、その形を覚えたカラダが悦びに震える。


「あ、ひあぁぁぁっ!」
「……え」


 待ちかねたその熱さに、瞳は挿入れられると同時に達してしまう。
 円に触れられてもいない瞳のペニスは白濁を吐き出しひくひくと震えていた。


「どうしたの。今日は感じやすいね?」
「……あ、ぁ……」
「でもごめんね、動くよ」
「ひ、あ……っ!」


 じゅぷり、と水音を立てながら、円は余裕なく抽挿を始める。腰を打ち付ける音と卑猥な水音とが瞳の耳を犯し、奥に感じる灼熱がカラダを犯す。


「あ、んぁ……っ、あぁぁ、ひ、んっ!」
「……んっ!」


 どくり、と弾けた円のそれを身体の奥に感じて、瞳もひくりと震える。


「……っ、は……」


 ずるり、と円のペニスが引き抜かれれば、瞳は名残惜しそうにナカをうねらせる。
 円は瞳が吐き出した白濁を舐めとるように、瞳の腹や胸に舌を這わせてキスを落とす。同時にぷくりと膨らんだ胸の飾りを刺激すれば、瞳はまた追い上げられていく。


「んんん! ふ、ぁ……、ぁん、それ……だめぇ……っ」


 瞳は感じすぎる身体をビクビクと震わせて、円の髪に指を絡めた。円の動きを止めたいのに、力が入らない。それなのに、恥ずかしい声だけは意思に反して絶え間なく紡がれる。


「やあぁ、ん、は……、ぁん!」
「嫌?」
「やぁっ、きもちい……、んんっ!」
「うん。また少しイったね」
「あ、ぁ……」


 ふるりと震える瞳の髪を撫で、円がゴムを新しいものに替えて切羽詰まった声で言うのだ。


「ごめんね。俺も、もう一回」
「あ、あぁぁぁぁあんっ!」


 ビクリと今度こそ大きく身体を震わせて、瞳が喘ぐ。
 最奥まで一気に、今にも弾けそうな灼熱の楔。
 どちらも達するギリギリ手前で、少しだけ馴染むのを待つ。荒い呼吸だけが部屋に響く。
 けれど。


「瞳……」
「……っあ」


 先に動いたのは円だった。いつになく過敏な瞳を見せつけられ続けて、もはや限界だ。
 負担をかけないようにと、円がゆるゆると動けば、瞳はふるふると首を振る。


「や……あっ、もっと……おく、きて……おねがい……っ!」
「煽んないでってばっ!」
「ひぁんっ!」


 円は瞳の片足を抱え上げ、より深く交わるように体勢を変えた。


「あぁん! ん、んぅっ! は、ふか……ぁ、あぁっ!」
「瞳……、瞳、好きっ」
「ぅんん、オレ……も……っ、あ!」


 腰を打ち付ける音と、淫猥な水音と、二人の呼吸と喘ぎ声。
 部屋の中に響くからこそ耳にも入ってきて、耳までも犯される。


「あ、も……だめぇ……っ! キス、ちょうだい……っ」
「瞳……、……っ!」
「んんぅ────っ!」


 キスとうしろで深く繋がり、瞳は円をゆるく引き寄せて、どくり、と二人同時に熱い白濁を放った。
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