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Final Season
〜2話€ファースとフォーター~
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隊員達が何を思ったかは全てを話し終えてから聞くと言わんばかりにシーマは淡々と話し続けた
その内容は隊員達どころか、ファースに生きる誰も知らない話だった
その内容とは・・・
ゲートの向こうと言われる地球は50年間隔で接近してくる移動惑星に住む宇宙人から一方的な攻撃を受け、長年その対策を模索中だった
地球上で軍事力を底上げして対策しようと案が出たのだが、その案は地球の軍事バランスが壊れかねないと各国首脳会議で却下された
その結果、科学技術で遺伝子強化を施した生命を作り出し、自分達とよく似た新しい人類(フォーター)と名付けて、地球から少し離れた位置に建造した疑似地球宇宙建造物(ファース・スペースコロニー)で管理、育成することを決めた
そして次の宇宙人の襲来まで10年を切ったタイミングで地球で完成したコアの情報を監視役のシーマ達によってデノールに流させ、フォーター達に能力の熟練度を上げてもらった後にシーマ達が推薦した者達をさらに戦わせて篩にかけ、より強いフォーターを地球の兵士としてゲートから地球に送らせる計画を立案したことが全ての始まりだった
また灰色の気とは、少量だけ所持していた宇宙人の血液から遺伝子を抽出し、遺伝子強化の際にDNAに少量注入した際に手に入る強力な気のことだった
通常の気は灰色の気となんらかの強い干渉や接触を果たすことで大幅な気の強化に繋がる可能性があることが実験で分かった
さらに解析を進めた結果、灰色の気のもう1つの人格は宇宙人の要素が強く反映されてしまう(つまり地球人を滅ぼす可能性がある)ことも分かったのだ
この結果から地球人が目指すのは、宇宙人の人格を出すことなく灰色の気を使える、もしくはその周囲で生きていた灰色の気を克服した最強のフォーターを作り出すことだった
シーマ「以上がファースが存在する理由とあなた達フォーターがこの世に生まれた経緯だ…」
シンジ「なんてこった…」
ガンガレン「我々が戦ってきたのも全て地球の人達の計画通りだったのか…なんたる不覚だ…」
ゼット「・・・私の父と母の記憶は確かに無い…だがそれは私だけかと思っていたがまさか…」
シンジ「はい、俺もゲンブも両親の記憶はありません…」
ユウ「つまり、両親が存在しない人達は最初からその設定で作られたからということになるが…」
ステラ「え…じゃあまさか私の両親も…」
シーマ「ステラさん、よく聞いてください」
ステラ「え?」
シーマ「ステラさんだけは特別なんですが…実はゲートの向こうにご両親がいるんです…」
ステラ「え…」
デキム「俺もあの時はこの拳を繰り出さないようにするのに必死だったぜ…」
ミヨ「思い出しただけでも吐き気がする…」
リツ「ステラ…お前の両親は多額の協力金目当てで、赤ん坊だったお前を政府に売ったんだ」
シーマ「リツさんはステラさんのオーロラの気が異質すぎることに疑問を抱いていました。そして自分が真醒者になった際にわざと1人になり、私達との接触を試みてきました」
ステラ「リツくん…」
シーマ「その時に我々は、その後の協力を条件に先程話した内容をリツさんに話したのです」
ユウ「なるほど、これで話が繋がったな」
ヨシタカ「最初からお兄ちゃんはステラお姉ちゃんのために…」
リツ「ステラ…だから俺はお前には…」
リツは真実を知ったステラが泣き出さないか恐る恐る声をかける
ステラ「そんなこと知っちゃったら、そのお金しか頭にないバカ親達にゲートの向こうに行って文句の1つぐらい言わないとねっ!」
ユウ「ふっ…さすがステラさんですね」
ヨシタカ「あんまり心配いらなかったね、お兄ちゃん?」
リツ「そうだな…これで心置き無く戦いに行ける」
シーマ「そうです、話にもありましたが私達には時間がありません。ゲートと呼んでいますがワープ機能が着いている訳ではなく、地球に向かう飛行艇が準備されているだけなので、地球到着に時間がかかるんです」
シンジ「なんだよ!そうなのかよ!!」
アルト「てっきりワープホールみたいなやつをくぐって、出た先が戦場みたいな感じかと思ってたぜ」
キョウマ「俺らの頭の中を整理する時間を用意してくれたって思うしかねぇな」
ゼット「だが、だいたいのことは分かった」
ユウ「俺らが何者で、生きてきた場所のことも分かった」
ヨシタカ「灰色の気のことも、真醒のことも分かったし新たな能力も手に入れたし暴走の心配も無くなった」
アルト「これで準備万端で地球に迎えるってわけだな!?」
シーマ「私達が知っている情報は全てお伝えしました、特に皆さんからの質問が無さそうなのであればゲートに入りますが…」
ステラ「待って」
シーマ達の情報は隊員達の知らないものばかり、そしてずっと分からずにいた気の話も分かった…そんな中でステラが突然声を上げた
ユウ「ステラさん?どうかしたんですか?」
ステラ「今まで私達を監視して、育て、戦わせて、今全ての情報を教えてくれたのは分かるわ…ただ1つだけ・・・ルギン…いいえ、ジュールを殺したのはあなた達よね?」
デキム「おっと…やっぱバレてんぞシーマ」
シーマ「唯一その事実に気づき、今ここでその発言をするとは…」
ミヨ「やっぱりステラさんを選んで正解だったねっ」
ヨシタカ「ルギン…そうだ、なぜあそこであの人を殺したのか俺も聞きたいです。聞かせてもらっても良いですか?」
シーマ「分かりました…」
デキム「実はお前達には1つ話していないことがある…」
ミヨ「本当は地球に到着してみんなが向こうでの戦いに慣れたら話す予定だったんだけどね?」
シーマ「宇宙人…敵についての情報です。今から話しましょう…私達が彼を殺した理由…殺さなければならなかった理由を」
真剣な3人の表情と口ぶりには隊員達もそのよほどの理由が何なのかを気にならせた
デキム「まず、宇宙人の能力には階級があるんだ。下の階級になればその数は多いし、敵の中でも扱いは雑になる」
ミヨ「上の階級は少数しか存在しないから優遇されるし、ましてや敵側にその存在がいるって分かったら宇宙人達は是が非でも捕らえに来るって私達は考えたの」
シーマ「第1階級の能力はヨシタカくんの時間、ミネトくんの峰打ち、シンジさんの真打ち、そして…」
ヨシタカ「なるほど、そこにジュールの可視化もあるんですね」
デキム「そうゆうことだ。そして第1階級の能力と他の能力が混じり合うことを俺らは恐れていた」
ミヨ「ミヨ達の手に負えるものじゃなくなったら監視どころじゃないからね」
デキム「だからお前ら3人の能力も気づかれないように俺達が預かっていたんだ」
シーマ「そしてあの時…ヨシタカくんとルギンさんが図書館でデノールの歴史を調べている最中にアルドロンが現れて戦闘がはじまった時…」
ヨシタカ「そうだ!俺はその戦闘の真実を知りたい!」
デキム「そんなに複雑な話ではないんだ」
ミヨ「さっきの話を聞いてだいたい分かってたと思うけど」
シーマ「ヨシタカくんを遠ざけたルギンさんはアルドロンと戦っている最中に真醒が起きそうになったんです」
デキム「それで俺らは…」
ミヨ「監視役の私達がやるべき事はフォーターのより良い育成のためのサポートだったはずなのに…」
シーマ「自分達の手に負えない能力者が誕生することを恐れた我々は最悪の手段でそれを阻止したんだ…」
ヨシタカ「そうでしたか…」
シーマ達も隊員達も数秒の間誰も口を開くことなく、沈黙が続いていた
その後最初に口を開いたのはミネトだった
ミネト「なるほどね、俺らの育成と地球に向けての一緒に行くための信頼を得ることがあなた達のやるべき事だった。だから最後のあの瞬間、クルージュも殺したんだね?」
シーマ「あ、あぁ…そうだ、あのままでは早い段階でフォーター達が世界に対しての疑問を抱いて、育成の妨げになると考えました」
ゼット「事情は分かった、いろいろと謎や疑問も解消された」
シンジ「ゲートの向こうに行く理由も俺らがすべきこともなんとなく分かったな!」
キョウマ「アルト?俺も人質を取られてた身だから分かるが、あんまり1人で気負わずに、俺達みんなで戦うぞ?」
アルト「はい!ありがとうございます!」
ミネト「そういえば、この能力貰ったのは良いけど今の自分の能力と混ざり合わせなきゃ意味ないんだよね?」
シーマ「そうだね、ゲートの向こうでの戦闘に慣れてもらうために施設は用意してくれてるらしいから、そこで3人が真醒出来るように修行しましょう」
ステラ「リツくんはずっと私のためにこの情報を自力で手に入れて、あの倉庫の1件から1人で頑張ってくれてたのね…」
リツ「昔馴染みの勝手な気遣いだ、あんまり気にすんな…それにバニナのじいさんにもお前を任されちまってるしな」
ステラ「リツくん…」
ユウ「相変わらず男前なこと言いますねぇ?」
ヨシタカ「俺も小さい頃そのカフェに連れてってもらったことあるらしいんだけど、そのバニナおじさんって人が全然思い出せないんだよねぇ」
リツ「じゃあこの戦いが終わったらみんなで行くか?」
ステラ「賛成!あーもう今から楽しみ!バニナおじちゃん元気にしてるかなぁ」
ユウ(こんな時にこの人たちは…この戦いが終わったら、か…)
シンジ「よぉしお前ら!絶対全員で生きて帰ってくるぞ!」
隊員達「おぉ!!」
シーマ「真実を聞いた上で皆さんが1つになってくれて本当に良かったです」
デキム「まっさすが俺らが選んだ10人なだけはあるな?」
ミヨ「呑気なこと言ってる場合じゃないわよ!向こうに行ったら私達も戦いに参加するんだからねっ!」
シーマ「そうだね、そして私達の本当の目的も…」
ミネト(???)
隊員達の盛り上がりの中でシーマが小声で放ったその一言がミネトは気になったが、今は余計な詮索をして雰囲気を壊すリスクを考えて何も聞かなかった
シーマ「では皆さん、ゲートの向こうへ行きましょう」
こうしてミネト達は全ての真実と共に新たな場所へと進んでいく
ゲートをくぐった先にある飛行艇に全員が乗ったことを確認し、シーマの運転で飛行艇は地球に向けて発射した
そしてファースを出た飛行艇の窓からは丸い惑星ではなく、それに似た機械仕掛けの建造物が宇宙に浮かんでいるのが隊員達の目に入ったのだった
???「たった今、ファースから10名のフォーターを連れて3人が出発したそうだ」
???「遂にこの時が来たのだな…」
???「私達の世界は彼らの手に託された…」
???「彼らは大丈夫なんだろうな…強さはもちろんだがそれ以外の面でも…」
???「なぁに心配ないさ、所詮彼らは人間では無い。頭の中には我々に都合の良いデータしか入っていないからな?」
???「ハッハッハッそれもそうですね?」
地球のある会議室ではこんな会話が繰り広げられていた…
この先の物語にもまた何か隠された真実があるのかもしれない…
そしてシーマ達の本当の目的とは…
ミネト達の地球での生活が始まる・・・
その内容は隊員達どころか、ファースに生きる誰も知らない話だった
その内容とは・・・
ゲートの向こうと言われる地球は50年間隔で接近してくる移動惑星に住む宇宙人から一方的な攻撃を受け、長年その対策を模索中だった
地球上で軍事力を底上げして対策しようと案が出たのだが、その案は地球の軍事バランスが壊れかねないと各国首脳会議で却下された
その結果、科学技術で遺伝子強化を施した生命を作り出し、自分達とよく似た新しい人類(フォーター)と名付けて、地球から少し離れた位置に建造した疑似地球宇宙建造物(ファース・スペースコロニー)で管理、育成することを決めた
そして次の宇宙人の襲来まで10年を切ったタイミングで地球で完成したコアの情報を監視役のシーマ達によってデノールに流させ、フォーター達に能力の熟練度を上げてもらった後にシーマ達が推薦した者達をさらに戦わせて篩にかけ、より強いフォーターを地球の兵士としてゲートから地球に送らせる計画を立案したことが全ての始まりだった
また灰色の気とは、少量だけ所持していた宇宙人の血液から遺伝子を抽出し、遺伝子強化の際にDNAに少量注入した際に手に入る強力な気のことだった
通常の気は灰色の気となんらかの強い干渉や接触を果たすことで大幅な気の強化に繋がる可能性があることが実験で分かった
さらに解析を進めた結果、灰色の気のもう1つの人格は宇宙人の要素が強く反映されてしまう(つまり地球人を滅ぼす可能性がある)ことも分かったのだ
この結果から地球人が目指すのは、宇宙人の人格を出すことなく灰色の気を使える、もしくはその周囲で生きていた灰色の気を克服した最強のフォーターを作り出すことだった
シーマ「以上がファースが存在する理由とあなた達フォーターがこの世に生まれた経緯だ…」
シンジ「なんてこった…」
ガンガレン「我々が戦ってきたのも全て地球の人達の計画通りだったのか…なんたる不覚だ…」
ゼット「・・・私の父と母の記憶は確かに無い…だがそれは私だけかと思っていたがまさか…」
シンジ「はい、俺もゲンブも両親の記憶はありません…」
ユウ「つまり、両親が存在しない人達は最初からその設定で作られたからということになるが…」
ステラ「え…じゃあまさか私の両親も…」
シーマ「ステラさん、よく聞いてください」
ステラ「え?」
シーマ「ステラさんだけは特別なんですが…実はゲートの向こうにご両親がいるんです…」
ステラ「え…」
デキム「俺もあの時はこの拳を繰り出さないようにするのに必死だったぜ…」
ミヨ「思い出しただけでも吐き気がする…」
リツ「ステラ…お前の両親は多額の協力金目当てで、赤ん坊だったお前を政府に売ったんだ」
シーマ「リツさんはステラさんのオーロラの気が異質すぎることに疑問を抱いていました。そして自分が真醒者になった際にわざと1人になり、私達との接触を試みてきました」
ステラ「リツくん…」
シーマ「その時に我々は、その後の協力を条件に先程話した内容をリツさんに話したのです」
ユウ「なるほど、これで話が繋がったな」
ヨシタカ「最初からお兄ちゃんはステラお姉ちゃんのために…」
リツ「ステラ…だから俺はお前には…」
リツは真実を知ったステラが泣き出さないか恐る恐る声をかける
ステラ「そんなこと知っちゃったら、そのお金しか頭にないバカ親達にゲートの向こうに行って文句の1つぐらい言わないとねっ!」
ユウ「ふっ…さすがステラさんですね」
ヨシタカ「あんまり心配いらなかったね、お兄ちゃん?」
リツ「そうだな…これで心置き無く戦いに行ける」
シーマ「そうです、話にもありましたが私達には時間がありません。ゲートと呼んでいますがワープ機能が着いている訳ではなく、地球に向かう飛行艇が準備されているだけなので、地球到着に時間がかかるんです」
シンジ「なんだよ!そうなのかよ!!」
アルト「てっきりワープホールみたいなやつをくぐって、出た先が戦場みたいな感じかと思ってたぜ」
キョウマ「俺らの頭の中を整理する時間を用意してくれたって思うしかねぇな」
ゼット「だが、だいたいのことは分かった」
ユウ「俺らが何者で、生きてきた場所のことも分かった」
ヨシタカ「灰色の気のことも、真醒のことも分かったし新たな能力も手に入れたし暴走の心配も無くなった」
アルト「これで準備万端で地球に迎えるってわけだな!?」
シーマ「私達が知っている情報は全てお伝えしました、特に皆さんからの質問が無さそうなのであればゲートに入りますが…」
ステラ「待って」
シーマ達の情報は隊員達の知らないものばかり、そしてずっと分からずにいた気の話も分かった…そんな中でステラが突然声を上げた
ユウ「ステラさん?どうかしたんですか?」
ステラ「今まで私達を監視して、育て、戦わせて、今全ての情報を教えてくれたのは分かるわ…ただ1つだけ・・・ルギン…いいえ、ジュールを殺したのはあなた達よね?」
デキム「おっと…やっぱバレてんぞシーマ」
シーマ「唯一その事実に気づき、今ここでその発言をするとは…」
ミヨ「やっぱりステラさんを選んで正解だったねっ」
ヨシタカ「ルギン…そうだ、なぜあそこであの人を殺したのか俺も聞きたいです。聞かせてもらっても良いですか?」
シーマ「分かりました…」
デキム「実はお前達には1つ話していないことがある…」
ミヨ「本当は地球に到着してみんなが向こうでの戦いに慣れたら話す予定だったんだけどね?」
シーマ「宇宙人…敵についての情報です。今から話しましょう…私達が彼を殺した理由…殺さなければならなかった理由を」
真剣な3人の表情と口ぶりには隊員達もそのよほどの理由が何なのかを気にならせた
デキム「まず、宇宙人の能力には階級があるんだ。下の階級になればその数は多いし、敵の中でも扱いは雑になる」
ミヨ「上の階級は少数しか存在しないから優遇されるし、ましてや敵側にその存在がいるって分かったら宇宙人達は是が非でも捕らえに来るって私達は考えたの」
シーマ「第1階級の能力はヨシタカくんの時間、ミネトくんの峰打ち、シンジさんの真打ち、そして…」
ヨシタカ「なるほど、そこにジュールの可視化もあるんですね」
デキム「そうゆうことだ。そして第1階級の能力と他の能力が混じり合うことを俺らは恐れていた」
ミヨ「ミヨ達の手に負えるものじゃなくなったら監視どころじゃないからね」
デキム「だからお前ら3人の能力も気づかれないように俺達が預かっていたんだ」
シーマ「そしてあの時…ヨシタカくんとルギンさんが図書館でデノールの歴史を調べている最中にアルドロンが現れて戦闘がはじまった時…」
ヨシタカ「そうだ!俺はその戦闘の真実を知りたい!」
デキム「そんなに複雑な話ではないんだ」
ミヨ「さっきの話を聞いてだいたい分かってたと思うけど」
シーマ「ヨシタカくんを遠ざけたルギンさんはアルドロンと戦っている最中に真醒が起きそうになったんです」
デキム「それで俺らは…」
ミヨ「監視役の私達がやるべき事はフォーターのより良い育成のためのサポートだったはずなのに…」
シーマ「自分達の手に負えない能力者が誕生することを恐れた我々は最悪の手段でそれを阻止したんだ…」
ヨシタカ「そうでしたか…」
シーマ達も隊員達も数秒の間誰も口を開くことなく、沈黙が続いていた
その後最初に口を開いたのはミネトだった
ミネト「なるほどね、俺らの育成と地球に向けての一緒に行くための信頼を得ることがあなた達のやるべき事だった。だから最後のあの瞬間、クルージュも殺したんだね?」
シーマ「あ、あぁ…そうだ、あのままでは早い段階でフォーター達が世界に対しての疑問を抱いて、育成の妨げになると考えました」
ゼット「事情は分かった、いろいろと謎や疑問も解消された」
シンジ「ゲートの向こうに行く理由も俺らがすべきこともなんとなく分かったな!」
キョウマ「アルト?俺も人質を取られてた身だから分かるが、あんまり1人で気負わずに、俺達みんなで戦うぞ?」
アルト「はい!ありがとうございます!」
ミネト「そういえば、この能力貰ったのは良いけど今の自分の能力と混ざり合わせなきゃ意味ないんだよね?」
シーマ「そうだね、ゲートの向こうでの戦闘に慣れてもらうために施設は用意してくれてるらしいから、そこで3人が真醒出来るように修行しましょう」
ステラ「リツくんはずっと私のためにこの情報を自力で手に入れて、あの倉庫の1件から1人で頑張ってくれてたのね…」
リツ「昔馴染みの勝手な気遣いだ、あんまり気にすんな…それにバニナのじいさんにもお前を任されちまってるしな」
ステラ「リツくん…」
ユウ「相変わらず男前なこと言いますねぇ?」
ヨシタカ「俺も小さい頃そのカフェに連れてってもらったことあるらしいんだけど、そのバニナおじさんって人が全然思い出せないんだよねぇ」
リツ「じゃあこの戦いが終わったらみんなで行くか?」
ステラ「賛成!あーもう今から楽しみ!バニナおじちゃん元気にしてるかなぁ」
ユウ(こんな時にこの人たちは…この戦いが終わったら、か…)
シンジ「よぉしお前ら!絶対全員で生きて帰ってくるぞ!」
隊員達「おぉ!!」
シーマ「真実を聞いた上で皆さんが1つになってくれて本当に良かったです」
デキム「まっさすが俺らが選んだ10人なだけはあるな?」
ミヨ「呑気なこと言ってる場合じゃないわよ!向こうに行ったら私達も戦いに参加するんだからねっ!」
シーマ「そうだね、そして私達の本当の目的も…」
ミネト(???)
隊員達の盛り上がりの中でシーマが小声で放ったその一言がミネトは気になったが、今は余計な詮索をして雰囲気を壊すリスクを考えて何も聞かなかった
シーマ「では皆さん、ゲートの向こうへ行きましょう」
こうしてミネト達は全ての真実と共に新たな場所へと進んでいく
ゲートをくぐった先にある飛行艇に全員が乗ったことを確認し、シーマの運転で飛行艇は地球に向けて発射した
そしてファースを出た飛行艇の窓からは丸い惑星ではなく、それに似た機械仕掛けの建造物が宇宙に浮かんでいるのが隊員達の目に入ったのだった
???「たった今、ファースから10名のフォーターを連れて3人が出発したそうだ」
???「遂にこの時が来たのだな…」
???「私達の世界は彼らの手に託された…」
???「彼らは大丈夫なんだろうな…強さはもちろんだがそれ以外の面でも…」
???「なぁに心配ないさ、所詮彼らは人間では無い。頭の中には我々に都合の良いデータしか入っていないからな?」
???「ハッハッハッそれもそうですね?」
地球のある会議室ではこんな会話が繰り広げられていた…
この先の物語にもまた何か隠された真実があるのかもしれない…
そしてシーマ達の本当の目的とは…
ミネト達の地球での生活が始まる・・・
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