峰打ち攻撃兵の英雄伝

マサ

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Second Season

〜19話€気の干渉~

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コトに向かって攻撃を仕掛けてきたブロンナイツのシュウとアイに対して、ステラと共にコトは能力を放った

コト「乱撃の盾!」

ステラ「水瓶座をデビリッション!」

シュウ「守るだけではエンドウ隊のようになってしまうぞ…?」

ステラ(今のどうゆう意味…?)

コト「これで相手の攻撃は通らない!次はこっちの番だよ!ステラ姉!」

コトは防御の能力から目を離し、攻撃の能力を発揮しようとした

ステラ「コトちゃんちょっと待って!何か様子がおかしいわ!」

コト「え?」

シュウ「反効の盾…」

ステラ「なんで!?能力が封印できてない!!」

アイ「相手の防御が無ければ俺の距離だ!」

コト「すぐに防御の能力を…」

アイ「まずはお前だぁ!!」

アイは振りかざした刀をコトに振り下ろす

シャキーン!!!!

アイの刀は体を真っ二つにした
しかし、それはコトの体ではなく・・・

ムゼ「めんどくせぇ…お前はそうゆうとこあるからな…」

コト「え…ムゼくん?」

ムゼ「今は泣いてる場合じゃねぇ…アイツら倒して仇を…」

ムゼは光りを放ちながら消えていった

コト「え…」

ゲンブ「くそ!アイツら動きが早くて追いつかん!2人とも急いでカバーに入ってれ!」

コウキ&イオリ「はい!!」

ステラ「天秤座…デビリッション…対象はお前だ…」

ステラは鋭い目付きでシュウを睨みつけながら指を指す

シュウ「おぉ、怖い怖い…だがお前達がどんな攻撃をしてこようと俺には効かない!」

ステラ「あなたの能力は恐らく、相手の能力の真反対の攻撃を繰り出す能力…だとしたらこの攻撃は防げないわ…」

シュウ「そんなことはありえない!」

ステラ「あら?いつもの"冷静に考えて"はどうしたのかしら?」

シュウ「っ!能力で打ち返す!!・・・なぜ出ないのだ!?」

ステラ「天秤座…それは対象と私を同じ条件にする…私がお前と同じにするのは…過去の経験よ!」

シュウ「過去だと?そんなものを同じにしてどうする!防ぐ必要も無い!」

ステラ「私の経験をあなたにも体験させてあげる…今までの私の感情全てを受け取りなさい!!」

シュウはステラのこれまでの生い立ちを一瞬のうちに体験させられた
そう…ステラ自身もこの前ようやく乗り越えることが出来た悪夢のような過去を・・・

ステラ「ふぅん…あなたの過去は向上心に満ち溢れているようね…」

シュウ「うぇぇぇえ…何だこのクソみたいな人生は…」

ステラ「それが私の歩んできた過去…そう過去の話…今は希望がある未来を信じてあなた達に負ける訳にはいかないの!!」

シュウ「おいっアイ!!アイはどこに行った!?」

シュウがアイを探すと・・・

アイ「ち、力が出ない…俺は最強になったはずだ…旅をして放浪者にもなって最強な人材に近いことをずっとしてきたんだ…」

ゲンブ「すまんな少年よ、私の能力が当たった時点で君の負けなのだよ…」

イオリ「最初は強い相手だと思ってたけど」

コウキ「蓋を開けてみれば簡単な相手だったな」

ゲンブ「コウキ隊員、イオリ隊員、良い連携だったぞ」

コウキ&イオリ「ありがとうございます!」

シュウ「くそ!使えないやつだ!」

ステラ「あなたももう終わりよ!獅子座をデビ」

リツ「波導拳!!」

ドォン!!

ステラは能力の発揮を中断し、間一髪でリツの攻撃を避けた

ステラ「リツくん!今は邪魔しないで!」

リツ「貫通波!!」

コト(あれ?今…)

ムゼが目の前で斬られ、泣きながら呆然とするコトだったが一瞬だけその場ではなく、少し離れた場所から何かを感じた

そんな矢先、新たな敵が介入してきた

???「さぁて…誰の能力をコピーしようかな~」

???「私はいざって時まで能力は使わないでおきますね!」

???「あぁ…確か1日2回しか能力使えないんでしたっけ?」

???「そうなんです…」

???「えぇ!?全然あんた使えないじゃない!じゃあもうそこらへんの味方を回復させてよ!」

???「わっ分かりました!」

???「じゃあ俺は回復を護衛するためにあなたとは別行動だな…マーリン」

マーリン「そうね…ってあんた名前何だっけ?コードネームのデルタしか知らないんだけど、それにあんたはいつまでそのヘルメット被ってるのよ」

???「あーそれもそうだな」

男はヘルメットをとり、自分の名を名乗った

???「俺はウエスギだ、そっちも上手くやれよ」

マーリン「あら、意外と良い男…じゃなかった!ウエスギ!あの子のお守りを頼んだわ!」

ウエスギ「特殊な能力の持ち主だからな、善処するよ」

この介入によって戦いが思わぬ方向へと変わっていく・・・

その頃ヤガミ隊とズカ率いるトライゾン国家の部隊の戦闘は膠着状態にあった

ズカ「はぁ…はぁ…やるじゃねぇか…」

ユウ「はぁ…はぁ…お前もな…」

サラ「あれから何分経った?」

ルイ「もうすぐで1時間が経ちます…」

アマネ「私達…何も出来てない…」

サラ「いや、今はこれで良い。ユウさんも何も指示を出してこないし、俺らはその時まで待機だ」

ルイ&アマネ「了解!」

ズカ「そろそろデノールの続きと行こうぜユウ!」

ユウ「続きって…今戦ってんだろ!」

激しくぶつかり合いながら言葉を交わす2人

ズカ「俺はお前の本気を見たいんだよ!」

ユウ「今だって十分本気で戦ってるさ!」

ズカ「ならその腰にあるもう1本の刀はなんなんだよ!」

ユウ「さすがにバレてるかぁ…」

ユウの口元がニヤリと少し開いた
2人は少し距離を置き、ズカはユウに問いかけた

ズカ「お前の虚無と俺の塵月は同じ強さ、そしてお前と俺の強さも互角だ…だがその刀がもしまだお前を強くするのなら…俺はその状態のお前に勝たなくては意味が無い!」

ユウ「まぁ…これを実践で使う最初の相手はお前だろうなとは思っていたよ…」

ユウは刀をポンポンと優しく叩きながら、どこか寂しそうな眼差しでその刀を抜いた

ズカ「おい…それはまさか!!」

ユウ「あぁ…これはソウヒの刀…赤魏だ」

ズカ「貴様!!ソウヒが死んだ今、それを俺の前で持つ意味が分かっているのか!?」

ユウ「お前はまだソウヒの死を受け入れられずにいるな?」

ズカ「何言ってやがる!俺はソウヒの仇を打つために!!」

ユウ「そういや、俺らはソウヒがいてくれたからあの道場で何とか周りに迷惑をかけずに居させてもらえたんだよな…」

ズカ「あぁそうだよ!そのソウヒが死んだんだ!」

ユウ「そうだ…そして今も俺達を見守ってくれている…」

ズカ「何言ってんだお前…」

ユウ「刀を選んだ時にソウヒが名前の意味を気にしていたのを覚えているか?」

ズカ「急に何の話だよ…それだって結局分からず終いだった!デノールの奴らが攻めてきたせいで!!」

ユウ「そうだな…だが当時俺も名前の意味が気になって師範に俺たちが選んだ3本の刀の名前の意味を聞いていたんだ」

ズカ「何!?教えろ!!」

ユウ「まず師範から言われたのが、虚無は責任、塵月は支柱、赤魏は緩和を求める刀だと言われた」

向かい合った状態でユウは淡々とズカに話し始めた

ユウ「俺が選んだ虚無は周りへ安心を与え、その全ての責任を背負う覚悟を求める刀。お前が選んだ塵月は目立つわけでもなく、褒められることもなく、ただ支えるだけ、しかし何事にも必要不可欠な支柱のような存在を求める刀。そしてソウヒが選んだ赤魏は…」

ズカ「なんだよ!赤魏の意味は!」

ユウは空を見上げて口を開いた

ユウ「太陽だ」

ズカ「太陽…?」

ユウ「赤魏は太陽のように皆に平等に光を浴びせ、皆を見守り照らすことで争いの緩和を求める刀。皆を見守り、何事も平等に捉えて平和に解決しようとしてくれていたソウヒにピッタリだった…」

ズカ「なるほどな…ソウヒは今でも俺らを平等に見守ってくれてるってことか…」

ユウ「そうだ…だから俺はソウヒに…この赤魏の剣に誓って、お前と平等に戦うためにあえて使わないでいた…」

ズカ「・・・」

ユウ「だがそれは間違いだったな…平等というのは相手の覚悟を親身に受け止め、それと対等の覚悟を見せることだった」

ズカ「あぁ…こっからが本番だな…」

ズカ&ユウ「お前ら!離れてろ!」

ズカとユウは後ろで待機していた隊員達をさらに離れるように指示を出した

ここから、ついに本気の2人の戦いが始まる

その光景を見ていたシーマ達が奇妙な話をしていた

デキム「これがあのバカ共が言っていた黒の気か、見せてもらおうじゃねぇか」

ミヨ「確かあの人達、黒の気は他の気の干渉を受けないって言ってたよね!?」

シーマ「そうだ、本来であれば唯一灰色の気の干渉を受けない最弱の気のハズだった」

デキム「しかし、黒の気を持って産まれてくるヤツはなぜか全員特殊な能力を持つ者や身体能力が高い者だった…」

ミヨ「でもさ!やっぱり1番は灰色の気なんでしょ?」

シーマ「いや、そうとは限らないよ?灰色の気の干渉を受けた気はさらなる飛躍を遂げる可能性が高いからね」

デキム「命力が良い例だな、あのひーとか呼ばれてたやつの命力は最強と言っても良い」

ミヨ「あ!フェイブル国家で使ってた過去に戻れるやつのことね!!」

シーマ「だから今後の戦いで死なれないようにデノール国家のあの時にデキムに頼んだんだ」

ミヨ「おぉ!それであの時シーマはデキムに協力して誰からも見られることなくひーって人を朦朧状態にさせてたのね!」

デノールとの戦いでミネトが命力を使って救ったひーはその直後にデキムの能力を受けていたのだ

シーマ「まぁ結局この戦いに参加することになってしまったみたいだけどね」

デキム「まぁどっちにしろ最終的にそいつは連れてくことが決まっていたからな、だから念の為にキサラギ隊を全員合格と言ったんだ」

ミヨ「でもさ~本当はゲートまで自力で来て欲しかったよねぇ」

シーマ「あぁ、己を鍛え、仲間と共に強くなることで気の干渉は起きやすくなる…ゲートに彼らが来る時のためにいくつもの試練を準備していたんだが…」

デキム「あのバカ共から催促が来た時には、俺だけでも殺っちまいに行こうかと思ったぜ!」

シーマ「まぁ、そう焦らずともその時は必ず来る」

ミヨ「今は準備期間だもんね!この中の誰かとは一緒に戦う時が来るんだよね!」

デキム「まぁ協力しないってんなら殺すまでだ」

シーマ「いや、この戦いを生き抜いた者は私達の言葉にきっと耳を傾けてくれるさ…」

荒れる大混戦となったステラ達
本気と本気のぶつかり合うユウ達
そしてそれらを監視するシーマ達
それぞれの思いが飛び交うこの戦いの先には一体何があるのか

未だに合流出来ていない隊員達も続々と集まり、音が鳴る方へと向かっていく

ミネト達3人やアルトとカイも近くで起きている戦闘へと参加していく・・・

退場宣告まであと30分・・・
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