峰打ち攻撃兵の英雄伝

マサ

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Episode Denor(デノール)

〜3話€災厄の国家の誕生~

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シーマに言われた通り、アルドロンはコアとそのデータを国に共有した
後に国は自分達では扱えるものでは無いと判断し、防衛軍が保有と行使の権利を預かった

そして・・・コアを手に入れ、能力が洗脳だと分かったアルドロンは…

アルドロン「龍帝様、お話よろしいですかな?」

ドラン「おぉ、アルドロン君から私に話があるとは珍しいな!入りたまえ!」

アルドロン(さぁ…ここからだ…これから俺の夢見た…俺のための国が始まる…)

ルギン「・・・」

閉じかけたドアを抑えて、その隙間から中の様子を見るルギン…
そしてアルドロンはドランを洗脳し、防衛軍に次々と命令を出していった…

シンジ「おいおいゲンブ、これはいったい何の騒ぎだ?」

ゲンブ「お前さっきの放送聞いてなかったのか?」

シンジ「放送?」

ゲンブ「何か新しい武器を配るから全隊員はホールに集まれってさ」

シンジ「新しい武器?ついに俺らも武器を持ってこの国を防衛できるってことか!!」

ゲンブ「さぁな、とりあえず行ってみるぞ」

シンジ達はホールに向かう途中ですれ違う隊員達の異変に気づいた

シンジ「おいゲンブ…」

ゲンブ「不器用で鈍感なお前でも気づくってことは間違いないようだな」

シンジ「あぁ…どう見ても隊員達の様子がおかしい・・・って不器用で鈍感だと!?」

ゲンブ「そんなことはどうでも良い、これからどうする?」

シンジ「どうするったって…まずはこの先の様子を見に行くしかないだろ」

ゲンブ「俺らはあの隊員達みたいにならないように注意しないとな」

シンジ「あぁ、それにシホと電話を繋げといた方が良さそうだな」

2人はホールの中に入ると、そこは薄気味悪い異様な空気が漂っていた

シンジ「なんなんだこれは…」

シホ「もしもし、どうしたの?」

シンジ「おっシホか!今防衛軍に何か異常が発生していないか調べてくれ!」

シホ「え?・・・分かったわ、リカコさん!情報ネットワークに接続!」

ゲンブ「おいシンジ!」

シンジ「!!シホ、何か分かったらまた連絡してくれ」

シホ「今やって」

プープープー

シホ「んもう!!本当に勝手!!」

リカコ「シホさん!これを!」

シホ「何よこれ…」

シホが目にしたのは防衛軍の射撃場でミサイルや斬撃を無闇に放つ隊員達だった

リカコ「いったいデノールで何が起きてるんでしょうか…」

シホ「とりあえず連絡してみるわ!」

トゥルルルルル…トゥルルルルル…

シホ「何で出ないのよもう!!」

アルドロン「良いか!これは龍帝様の命令だ!このコアを使って己の能力を存分に発揮し、他国を侵略するのだ!」

ガイアール「面白くなってきやがったぜ!俺はこうゆうのを待ってたんだよ!!」

ザラン「さっそく能力が何か試してこようぜ!!」

メディック「あー眠い眠い、ちょっと待ってくれよ~」

アルドロン「そして、もう1つ…灰色の気を持つ者を探して見つけ次第捕まえるんだ!」

シンジ「他国を侵略とか気がどうとかいったい何の話してんだアイツ」

ゲンブ「コアを貰うタイミングで何かしてるのか?様子がおかしい人とそうでない人もいるぞ….あれは?」

ルギン「おい、お前はこのコアを使え」

ガンガレン「おぉルギン卿!俺の分まで取ってきてくれたのか!やっぱりお前は良いやつだな!ガッハッハッ」

ルギン(こいつはバカだが悪いやつじゃない…単純に強い相手との戦いを求めているだけだ、こいつが龍帝様みたいに操られるのだけは避けねば…)

ゲンブ(あの2人は確か2期生の…)

ルギン「マーリンとかいう女にさっき貰ったこのコアはアルドロンが配っているコアとは何か違うのか?隊員達の様子を見るにアイツの能力は洗脳と言ったところか…」

ガンガレン「ルギン卿、俺らはこれからどうするんだ?あの命令には俺は従えんぞ?龍帝様はどうしてしまったんだ?」

ルギン「ガンガレン、ちょっと話がある」

ガンガレン「ガッハッハッ作戦会議だな!」

ルギン(やはり私の協力者はこいつしかいない、大人数で行動をしていれば勘づかれる…余分に貰ったが協力者はこいつ1人で十分だ。このコアは置いていくとしよう…)

ゲンブ(よし!あのコアならきっと!)

シンジ「おいどこ行くんだよゲンブ!」

ゲンブ「よし、まだ数はある!とりあえず4つ貰っていこう!シンジ!このコアを持っておけ!」

シンジ「おい!大丈夫なのか!?」

ゲンブ「どうやらそのコアは大丈夫らしいから、俺らはこれを使わせてもらおう」

シンジ「何かよく分かんねぇけど、とりあえずここから離れた場所に行った方が良さそうだな…」

ゲンブ「そう言えばお前、シホちゃんはどうした?」

シンジ「いっけね!忘れてた!!」

シンジは急いでシホに電話をした

シホ「もしもし」

シンジ(こりゃだいぶ怒ってんなぁ…)

シホ「電話してきたってことはあなたの方でも何かあったのね?」

シンジ「あぁ、この防衛軍はたった今変わっちまったみてぇだ」

ゲンブ「まずは4人で話をしよう、いつもの食堂に集まろうか」

シホ「分かったわ、今から行く」

4人は食堂で各自で見たことを話した

シホ「他国を侵略って…」

リカコ「国を守るのが防衛軍なはずなのに…」

ゲンブ「気がどうとかも言っていたが何のことかさっぱり分からないしなぁ」

シンジ「とりあえずコアを使うと何か能力が使えるんだろ?これ食べ終わったら俺らも確認してみようぜ?」

ゲンブ「そうだな、自分を守るために使うにしてもどんな能力かは確認しといた方が良いしな」

4人は食事を終えると広場に向かった

シンジ「おぉ、ここでも隊員達が能力を確認してるなぁ」

ライディーク「俺らも運が良いよな!防衛軍に入った途端にこんな能力使えるようになってさ!!」

ザクソン「しかもコアを貰った瞬間何でもできる気がしてきて、今とても気分が良いぞ!!」

ゲンブ「ヤバいやつらだな…」

シホ「とっとと能力を確認して立ち去るわよ。能力発揮…仕打ち?あ…」

ペシンッ!!

シホの持っているコアが白く光り、急にシンジの頬を叩いた

シンジ「いって!何すんだよ!?」

シホ「手が勝手に・・・あぁ、これが仕打ち?なるほどね!さっき電話切られたのムカついてたからちょうど良かったわ」

シンジ(仕打ちって…1番持たせちゃいけないやつに持たせちゃってるよ…)

シホ「何か問題でも?」

シンジ「いえ何にもありませんよ!?」

ゲンブ「じゃあ次は俺だな!」

ゲンブが能力を使おうとすると、コアが黒く光ったが特に何も起こらなかった

シンジ「おいおい、シホは白でゲンブは黒か!?面白くなってきたなぁ!!それで?能力は何だったんだ??」

ゲンブ「干渉妨害らしい」

シホ「なるほど、自分や周りを守る能力ってことね?ゲンブくんらしくて良いんじゃない?」

シンジ「じゃあ次は俺だ!能力発揮・・・真打ち?あれ?コアの色が変わらないぞ?」

シホ「でも少し光ってるようにも見えるわ」

ゲンブ「おい、まさかこれって…」

リカコ「灰色の気…」

3人は同時にリカコの方を見る

ゲンブ「リカコさん、なぜ灰色の気のことを?」

リカコ「えっと、シンジさんがシホさんに電話してきた時に、私はシホさんの指示で情報ネットワークにアクセスして防衛軍基地内で起きてることを調べていたんです。そしたら隊員さん達が職員や他の隊員に口を揃えて『お前は灰色の気か?』ってコアを見て回っているのを見たので…」

シンジ「今基地内はそんなことになってんのかよ…」

ゲンブ「とりあえずシンジは人前でコアを出さない方が良さそうだな」

シホ「そうね、それに…この国に長居するのも危なそうね」

シンジ「せっかく新しい職場を見つけたんだけどなぁ、さすがにこれは他国に移動した方が良さそうだもんなぁ」

シホ「でもこのまま他国に行ってもいずれデノールの国家侵攻の被害に巻き込まれるだけだわ」

ゲンブ「俺らだけで止められるとも思えないしなぁ」

リカコ「ならこうしましょう!コアのデータをコピーして他国へ持っていくんです!その後その国でデノールを止めるための対抗勢力を作るんです!!」

シンジ「リカコさんそんな簡単に言うけど、どこに保管されてるかも分からないコアのデータをコピーして持ち出せるとは….」

リカコ「さっきこっそり使ってみたんですけど、私の能力があれば出来るかもです!」

ゲンブ「リカコさんの能力って?」

リカコ「私の能力はね、人に嘘が付けるの!」

3人「嘘??」

リカコ「正確には私が言ったことが現実になるかな?」

3人「・・・」

リカコ「あれ?私何かまずいこと言っちゃいましたかね??」

シンジ「何だよそれめっちゃ強いじゃん!!」

シホ「確かにその能力を上手く使えばコアのデータも手に入れられるかもしれない!」

ゲンブ「リカコさん凄いです!!」

リカコ「私も皆さんの役に立てそうで嬉しいです!!」

その後、幸いにもシンジやゲンブ達は自国を守る隊に所属することになった
そこから4人はコアのデータをコピーして他国に持ち出す作戦を成功させるため、1年間念入りに基地内の脱出ルートや隊員達の活動スケジュール、監視の範囲などを調べながら日々の仕事をこなしていった

その間にデノールの隊員達は他国への侵攻を各地で行うようになっていた
いつの間にか隊員達は自分達を兵士と呼ぶようになり、デノール国家防衛軍どころか国家全体が洗脳状態になり、何が正しくて何が間違ってるかも考えずに他国を滅ぼす災厄の国家に変わっていってしまったのだった・・・
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