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フィード、と名乗ったハイエナ獣人は、他領地だけど隣町でもあるミハスの騎士団に勤めている18歳の男だった。
偶然立ち寄った『サリーの店』で食べた胡桃のクッキーに衝撃を受け、食べたその足でわざわざここまで買いに来たらしい。
行動力の塊みたいな人だな、と僕は思った。
「こんな可愛いリス獣人が作ってるって宣伝したら、絶対もっと売れるぜ?俺が宣伝しようか?」
「・・・結構です。」
「え?もしかして、お、お、怒った?ご、ごめん、俺昔から余計なことばっかりするって兄ちゃんたちからもよく怒られるんだよ。謝るから許してくれよ。」
「・・・ふふっ、怒ってません。可愛いって言われるの好きじゃないんです。僕は特に小さいから。」
「はぁ・・・ならよかった。でも本当に可愛いのに・・・勿体ない。」
「フィード?さん。胡桃のクッキーなんですけど、これから作るので、夕方ぐらいまでかかりますが・・・どうしますか?」
「えっ!夕方ぁ?!そんなかかるの?大変なんだなぁ。」
「殻を剥いたり、煎ったりするし、納品分もまとめて焼くので・・・すみません。」
「あ、あ、謝んなよ!俺が急に来たから悪ぃんだろ。・・・あ!じゃあ、俺手伝うよ!力あるし、殻剥くのなら出来そうだ!な、いいだろ?」
「え?ええ?い、いいんですか?今日は貴重な休みなんでしょう?」
「いいよ!いいよ!早く食べたいし。じゅる。涎出てきた。ほら、教えてくれ!パウロ?くんも!俺、ハイエナ感強くて顔怖いけど、こんなやつだから!こっち来いよ!」
「・・・・・・・・・うん。」
人見知り全開のパウロにまでグイグイ行くなんて、なかなかコミュニケーション能力の高い人だ。
そのうち、パウロもフィードさんに慣れてきたのか、楽しそうに殻剥きをしている。
騎士団の話や自分の家族(三つ子らしい!すごい!)の話を沢山聞かせてくれた。
こうして家族以外の若い人と過ごすなんて久しぶり。
何だか友達が増えたみたいで僕も多分パウロも嬉しい。
ニコニコしながらクッキーを作っていく。
「~~~っ!!!すっげぇーーーーーいい匂い!!!美味そう!いや、この部屋の空気がもう美味い!最高~!!!」
「空気が美味い?!アッハハハハハ!フィードさん面白い!僕、フィードさんとお友達になりたい!ねぇ、いーい?」
「へっ!なに!キュンとするじゃん!!!いいよ!もちろんだ、パウロ!友達になろう!!何か俺、泣きそう!!!」
「ふっ、ふふっ。じゃあ僕とも友達になってね。・・・美味しいクッキー付きだよ。」
「はぁぁぁあ~!?最高じゃん!!クッキー無くても友達になるけど、クッキーまであるなんて天国じゃん!!!」
「「アハハハハハハハ」」
こうして、不審者改め、友達になったフィードは、定期的にクッキー作りの手伝いに来てくれるようになった。
この日は納品分がほとんどだったから、味見分のクッキーは10枚くらいしかなかった。
いつもなら独り占めするパウロが「全部フィードさんにあげる」と、兄から見ても可愛い顔で言うと、フィードは本当に泣いていた。
可愛すぎる、とのことらしい。
そしてその胡桃のクッキーと榛のクッキーの美味しさにまた泣いていて、僕とパウロは笑いすぎて涙が出たのだった。
偶然立ち寄った『サリーの店』で食べた胡桃のクッキーに衝撃を受け、食べたその足でわざわざここまで買いに来たらしい。
行動力の塊みたいな人だな、と僕は思った。
「こんな可愛いリス獣人が作ってるって宣伝したら、絶対もっと売れるぜ?俺が宣伝しようか?」
「・・・結構です。」
「え?もしかして、お、お、怒った?ご、ごめん、俺昔から余計なことばっかりするって兄ちゃんたちからもよく怒られるんだよ。謝るから許してくれよ。」
「・・・ふふっ、怒ってません。可愛いって言われるの好きじゃないんです。僕は特に小さいから。」
「はぁ・・・ならよかった。でも本当に可愛いのに・・・勿体ない。」
「フィード?さん。胡桃のクッキーなんですけど、これから作るので、夕方ぐらいまでかかりますが・・・どうしますか?」
「えっ!夕方ぁ?!そんなかかるの?大変なんだなぁ。」
「殻を剥いたり、煎ったりするし、納品分もまとめて焼くので・・・すみません。」
「あ、あ、謝んなよ!俺が急に来たから悪ぃんだろ。・・・あ!じゃあ、俺手伝うよ!力あるし、殻剥くのなら出来そうだ!な、いいだろ?」
「え?ええ?い、いいんですか?今日は貴重な休みなんでしょう?」
「いいよ!いいよ!早く食べたいし。じゅる。涎出てきた。ほら、教えてくれ!パウロ?くんも!俺、ハイエナ感強くて顔怖いけど、こんなやつだから!こっち来いよ!」
「・・・・・・・・・うん。」
人見知り全開のパウロにまでグイグイ行くなんて、なかなかコミュニケーション能力の高い人だ。
そのうち、パウロもフィードさんに慣れてきたのか、楽しそうに殻剥きをしている。
騎士団の話や自分の家族(三つ子らしい!すごい!)の話を沢山聞かせてくれた。
こうして家族以外の若い人と過ごすなんて久しぶり。
何だか友達が増えたみたいで僕も多分パウロも嬉しい。
ニコニコしながらクッキーを作っていく。
「~~~っ!!!すっげぇーーーーーいい匂い!!!美味そう!いや、この部屋の空気がもう美味い!最高~!!!」
「空気が美味い?!アッハハハハハ!フィードさん面白い!僕、フィードさんとお友達になりたい!ねぇ、いーい?」
「へっ!なに!キュンとするじゃん!!!いいよ!もちろんだ、パウロ!友達になろう!!何か俺、泣きそう!!!」
「ふっ、ふふっ。じゃあ僕とも友達になってね。・・・美味しいクッキー付きだよ。」
「はぁぁぁあ~!?最高じゃん!!クッキー無くても友達になるけど、クッキーまであるなんて天国じゃん!!!」
「「アハハハハハハハ」」
こうして、不審者改め、友達になったフィードは、定期的にクッキー作りの手伝いに来てくれるようになった。
この日は納品分がほとんどだったから、味見分のクッキーは10枚くらいしかなかった。
いつもなら独り占めするパウロが「全部フィードさんにあげる」と、兄から見ても可愛い顔で言うと、フィードは本当に泣いていた。
可愛すぎる、とのことらしい。
そしてその胡桃のクッキーと榛のクッキーの美味しさにまた泣いていて、僕とパウロは笑いすぎて涙が出たのだった。
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