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閑話っ!
お気に入り数300突破記念!! 閑話 髪のお手入れ
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「髪のお手入れ?」
《うん!ユーマにいちゃんのかみ、きれいにするの》
メルがやる気満々な理由は今朝の出来事がきっかけで──
僕はギル兄さんに起こされた後、ゆっくりと下に降りる。
《おはよう。ユーマ》
「おはよう、ミューラ姉さん」
《にいちゃん!おはよう》
「うん、おはよう。メル」
僕の周りを走り回っている音が聞こえる。メルは朝から元気そう。
《メル、まだ終わってないわよ?ほらこっちに座って》
《はーい!》
終わってない、って何のことだろうか。
『櫛で髪をといているみたい』
そういうことか。女性なら何歳でも身だしなみは気にするようだ。とは言え、僕らも多少は整えていないと、元いた世界では外見の方が内面よりも重視されていた傾向が強かった。
「(そういえば、高校生になってもあんまり服持ってなかったな……)」
そんなことを考えている余裕なんて、微塵もなかったけど。
《はい、出来たわよ》
《わぁーい!》
《おっ、メル~。今日はホースの尻尾だなー?いい鞭になりそうじゃないか~!》
《ポニーテール!可愛いの!!》
ジル兄さん……その感想はないよ。
「メルだって女の子だし、おめかししたい時だってあるよ」
《そういうもんなのか?》
《そういうものよ。全く……ユーマを見習って欲しいわね?》
《す、すまない……》
さすがミューラ姉さん。ジル兄さんがぐうの音も出なかったよ。
『ユーマも、髪長いよね』
……言われてみれば、僕も高校生だった頃は自分で髪を切って短くしていたっけ。でも、この世界に来てから髪の毛が少し長いような気がしていた。とても長い訳じゃないから、鬱陶しさも感じていなかった。
《ユーマにいちゃん、ここ!》
メルは優真をさっきまでメル本人が座っていたと思われる椅子に座らせる。優真が座ると、生暖かかった。
「僕?」
《うん!ねえちゃん、それかして?》
もしかして、メルがしてくれるのだろうか?
「メル、髪を結んでくれるの?」
《ううん!メル、むすばない!》
えっ?
《きれいにするの!》
──以上、回想終了。メルは髪を結ぶより、髪をとく方がやりたかったみたい。
「髪のお手入れ、お願いするね。メル」
優真は服の中に入っていた髪を出し、メルに頼む。メルは頼まれたのが嬉しかったようで、満面の笑みを浮かべて頷いた。
《うん!》
メルはミューラから櫛を借りると自分も椅子に乗り優真の髪を触る。そして、ゆっくり優真の髪に櫛を通す。優真の髪は絡まることが無く、艶やかさが更に上乗せされた。ミューラとジャイールは温かい目でその光景を見守る。
《メルったら、私の真似をしているわ》
《本当だな。メルが遊ぶ以外に真剣な顔をしているのは初めてだ》
《できたっ!》
僕は髪を触り、絡まっているところがあるか確認する。しかし、絡まるどころか髪先まで滑らかに流れる。触り心地もいいし、これはメルの意外な才能かもしれない。
「メル、上手に出来たね」
《えへへっ》
《じゃあ今度は私の番ね?》
ミューラ姉さんはその後、僕の髪を束ねてくれた。ちなみにヘアゴムはないので、黄色のリボンで結んでくれた。
「似合ってる?」
《うん!ユーマにいちゃん、かわいい!》
「かわ……」
かわいい、は初めて言われた……何だかこそばゆい。
△▲△▲△
読んでいただきありがとうございますぅ!!!
大遅刻ですね。すみませんでしたm( ˊᵕˋ ;)m
300を突破したことが嬉しくて、余韻に浸り過ぎました(言い訳)。
うぉっほん!ま……まだまだこれからも頑張って行きますので、どうぞよろしくお願いします!(強制終了)
《うん!ユーマにいちゃんのかみ、きれいにするの》
メルがやる気満々な理由は今朝の出来事がきっかけで──
僕はギル兄さんに起こされた後、ゆっくりと下に降りる。
《おはよう。ユーマ》
「おはよう、ミューラ姉さん」
《にいちゃん!おはよう》
「うん、おはよう。メル」
僕の周りを走り回っている音が聞こえる。メルは朝から元気そう。
《メル、まだ終わってないわよ?ほらこっちに座って》
《はーい!》
終わってない、って何のことだろうか。
『櫛で髪をといているみたい』
そういうことか。女性なら何歳でも身だしなみは気にするようだ。とは言え、僕らも多少は整えていないと、元いた世界では外見の方が内面よりも重視されていた傾向が強かった。
「(そういえば、高校生になってもあんまり服持ってなかったな……)」
そんなことを考えている余裕なんて、微塵もなかったけど。
《はい、出来たわよ》
《わぁーい!》
《おっ、メル~。今日はホースの尻尾だなー?いい鞭になりそうじゃないか~!》
《ポニーテール!可愛いの!!》
ジル兄さん……その感想はないよ。
「メルだって女の子だし、おめかししたい時だってあるよ」
《そういうもんなのか?》
《そういうものよ。全く……ユーマを見習って欲しいわね?》
《す、すまない……》
さすがミューラ姉さん。ジル兄さんがぐうの音も出なかったよ。
『ユーマも、髪長いよね』
……言われてみれば、僕も高校生だった頃は自分で髪を切って短くしていたっけ。でも、この世界に来てから髪の毛が少し長いような気がしていた。とても長い訳じゃないから、鬱陶しさも感じていなかった。
《ユーマにいちゃん、ここ!》
メルは優真をさっきまでメル本人が座っていたと思われる椅子に座らせる。優真が座ると、生暖かかった。
「僕?」
《うん!ねえちゃん、それかして?》
もしかして、メルがしてくれるのだろうか?
「メル、髪を結んでくれるの?」
《ううん!メル、むすばない!》
えっ?
《きれいにするの!》
──以上、回想終了。メルは髪を結ぶより、髪をとく方がやりたかったみたい。
「髪のお手入れ、お願いするね。メル」
優真は服の中に入っていた髪を出し、メルに頼む。メルは頼まれたのが嬉しかったようで、満面の笑みを浮かべて頷いた。
《うん!》
メルはミューラから櫛を借りると自分も椅子に乗り優真の髪を触る。そして、ゆっくり優真の髪に櫛を通す。優真の髪は絡まることが無く、艶やかさが更に上乗せされた。ミューラとジャイールは温かい目でその光景を見守る。
《メルったら、私の真似をしているわ》
《本当だな。メルが遊ぶ以外に真剣な顔をしているのは初めてだ》
《できたっ!》
僕は髪を触り、絡まっているところがあるか確認する。しかし、絡まるどころか髪先まで滑らかに流れる。触り心地もいいし、これはメルの意外な才能かもしれない。
「メル、上手に出来たね」
《えへへっ》
《じゃあ今度は私の番ね?》
ミューラ姉さんはその後、僕の髪を束ねてくれた。ちなみにヘアゴムはないので、黄色のリボンで結んでくれた。
「似合ってる?」
《うん!ユーマにいちゃん、かわいい!》
「かわ……」
かわいい、は初めて言われた……何だかこそばゆい。
△▲△▲△
読んでいただきありがとうございますぅ!!!
大遅刻ですね。すみませんでしたm( ˊᵕˋ ;)m
300を突破したことが嬉しくて、余韻に浸り過ぎました(言い訳)。
うぉっほん!ま……まだまだこれからも頑張って行きますので、どうぞよろしくお願いします!(強制終了)
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