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第1章
(23)私ってすごい?
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リーリエさんは明日から私に色々教えるために、私これからテストするんだ~。
「まずは知識のテストね」
とリーリエさんが言うと何枚か紙を私にくれたの。
「その問題解いてみて?」
「はい!」
……このうにゃうにゃしたのって文字なの?あれ?読める?……なんか解けそう!
「ほとんどシスターにおしえてもらったことある!」
すらすら解いていくソフィアを驚きの眼差しで見るリーリエ。
「(どれくらい解けそうか分からなかったからちょっと難しめの内容も幾つか入れてみたけど……ほとんど解けてそうね。どういう教えを受けていたのかしら…?)」
「できました!」
リーリエさんに解いた紙を返す。この文字書けるか分からなかったけど、書けて良かった~。私知ってたのかな?
「す、すごいわ……!全部、解けてる」
「よかった~」
「誰に教わったの?」
「シスターマリーです!」
「シスターが、そんな英才教育をしているなんて…」
シスターは何でも教えてくれたんだ~!熱がこもってたのはよくわからないけど分かりやすかったし、細かいところまで何度も教えてくれたから覚えちゃった。
「私が教えることが無いわね……」
「そ、そんなことないですよ!」
「そうね………ソフィアちゃんは何か聞きたいことある?」
あっ、ギルドのことを聞こう!
「リーリエさんのはたらいてるギルドってなにをするんですか?」
「……ギルド、知らないの?」
「はい!」
「(不思議な子だわ……)」
「リーリエさん?」
「何でもないわ。ギルドっていうのは色々あるんだけど、私達の働く冒険者ギルドは薬草取りや魔物退治、行商の護衛とかの仕事を冒険者達にお願いしてやってもらうの」
「へぇ~!」
冒険者、やってみたいな……
「リーリエさん、わたしもぼうけんしゃになれますか?」
「ソフィアちゃん今いくつ?」
「えっと……?」
あれ私いくつだろう?
『4歳くらいだ』
「あら、4歳なら……もう1年待たなきゃね。冒険者ギルドは5歳からなれるのよ」
「そうなんですか!」
来年か~早く来ないかな?
「では次に武術のテストに移りましょうか」
リーリエさんと一緒にエリックさんの御屋敷内の平地に来たの。何するんだろう。わくわくする…!
「体を動かそっか!私も元は冒険者なの。適性は魔法だったけど、肉弾戦も出来た方が何かと
得なのよ~」
「かっこいいです!」
『ソフィア、大丈夫なのか?』
「うん!ファクトリーで、こどもたちとこういうあそびしたことあるの!」
「今回はこの小さな木の剣を使ってテストするから、安全性は高めよ。剣先も研いでないわ」
『ならいいが……』
「軽く振ってもらえばいいわ」
「こんなかんじ?」
こどもたちとあそんだように振ってみる。するとリーリエさんの目付きが急に変わっちゃった。
「ソフィアちゃん、本当に子ども達と遊んだだけ?」
「はい…」
「ちょっと手合わせしてみましょうか」
「「えっ!」」
マイルさんまで驚いちゃった。
「大丈夫、手加減はするわ」
「えっと、リミッターはどれくらい外せばいいですか?」
「リミッターっていうのは分からないけど、今出来る全力で来てくれて良いわ」
あれ、リーリエさんちょっと怒ってる……?子ども達と遊んでたときに男のシスター?が「リミッターをつけないと大変なことになる」って言ってたのをちょっと前に思い出して……でも、リーリエさん強そうだし、大丈夫だよね?
『リミッターヲ完全解除シマスカ?』
「(ハイ)」
この声、懐かしいな。初めてリミッターを付けたときにも聞こえたの。その前にも……その前?あったっけ?
ソフィアはさっきまでの雰囲気とは打って変わって、冷たく、空っぽな目をしていた。
「(一体どうしたっていうの……?)」
「……いきます」
ソフィアが宣言した瞬間、目の前から姿が消えた。
「(──後ろ!!)」
リーリエが剣を後ろに振るとカンと木の衝撃音が聞こえた。しかし、後ろを向くとソフィアはいなかった。
「(──今度は横!!)」
カン!!
「修正開始。攻撃再開シマス」
「あなた!誰なの!?」
ソフィアの攻撃速度が速くなる。リーリエはどうにか防ぐのが精一杯だった。
「速度修正、軌道修正、開始」
「(このままじゃ……!!)」
「……降参よ!降参!!」
「リミッター制限、レベルS……わあっ!」
ソフィアは目の前によろけていた。
『ソフィア!!』
《ソフィア!》
「だいじょうぶだよ~、まだなれてなかったかな?」
「さっきのは……何?」
「リーリエさん!!すごいあせですよ!」
私はリーリエさんにかけよる。
「私よりソフィアちゃん、あなたよ!」
リーリエさんは私にぐっと顔を近づける。
「はぇっ?」
「あの速さは強化魔法なの?」
「ち、ちがいます?」
「雰囲気が変わったのは?」
「かわってたんですか!?」
「無自覚でこれは……伝説の勇者、いえそれ以上の強さよ」
「え、ええ!?」
「ソフィアちゃん!リミッターっていうのを、絶対に!外さないでね」
「は、はい…」
「絶対ね!!」
「はいっ!」
「これは国王に報告ね……」
「さっ!休憩も終わったところで魔法のテスト…をするのもいいけど、ギルドマスターから話は聞いてるから、魔力操作を覚えた方が良さそうね」
「まりょくそうさ……?」
「例えば火の魔法を出す。ファイア」
するとリーリエさんの手から火が出てきた!
「てがもえちゃいますよ!!」
「大丈夫、大丈夫!調節してるから」
良かった~。ソフィアはほっと安堵する。
「それで、魔力をもっと込めれば…」
火が大きくなった!
「反対に魔力を少なくすれば…」
元に戻った!
「おお……!」
「さっ、やってみて」
「はい!」
まずは火だよね?手を出して……
「ファイア!」
ソフィアの手に小さな火が。
「出来たわね!次は大きくしましょうか?」
大きく……魔力を込めて……
「もういいわ!ソフィアちゃん」
手を見るとさっきの何倍も大きな炎が出来ていた。
《『おお…!』》
「これだけの魔力……さすがフェアリーデイね」
「リーリエさんつぎはなんですか?」
「次は炎を小さくするの。これは少し難しいかもね」
「がんばります!」
小さく……魔力を減らして……減らして…おお!小さくなってる!
「できました!」
「コツを掴むのが速いわね!これは教えがいがあるわ」
「やった!よろしくおねがいします!」
「今日はここまで。しっかり休んで、明日から魔法の勉強を中心にやっていきましょうか」
「はい!ありがとうございました!」
褒められちゃった!明日から楽しみ!
「まずは知識のテストね」
とリーリエさんが言うと何枚か紙を私にくれたの。
「その問題解いてみて?」
「はい!」
……このうにゃうにゃしたのって文字なの?あれ?読める?……なんか解けそう!
「ほとんどシスターにおしえてもらったことある!」
すらすら解いていくソフィアを驚きの眼差しで見るリーリエ。
「(どれくらい解けそうか分からなかったからちょっと難しめの内容も幾つか入れてみたけど……ほとんど解けてそうね。どういう教えを受けていたのかしら…?)」
「できました!」
リーリエさんに解いた紙を返す。この文字書けるか分からなかったけど、書けて良かった~。私知ってたのかな?
「す、すごいわ……!全部、解けてる」
「よかった~」
「誰に教わったの?」
「シスターマリーです!」
「シスターが、そんな英才教育をしているなんて…」
シスターは何でも教えてくれたんだ~!熱がこもってたのはよくわからないけど分かりやすかったし、細かいところまで何度も教えてくれたから覚えちゃった。
「私が教えることが無いわね……」
「そ、そんなことないですよ!」
「そうね………ソフィアちゃんは何か聞きたいことある?」
あっ、ギルドのことを聞こう!
「リーリエさんのはたらいてるギルドってなにをするんですか?」
「……ギルド、知らないの?」
「はい!」
「(不思議な子だわ……)」
「リーリエさん?」
「何でもないわ。ギルドっていうのは色々あるんだけど、私達の働く冒険者ギルドは薬草取りや魔物退治、行商の護衛とかの仕事を冒険者達にお願いしてやってもらうの」
「へぇ~!」
冒険者、やってみたいな……
「リーリエさん、わたしもぼうけんしゃになれますか?」
「ソフィアちゃん今いくつ?」
「えっと……?」
あれ私いくつだろう?
『4歳くらいだ』
「あら、4歳なら……もう1年待たなきゃね。冒険者ギルドは5歳からなれるのよ」
「そうなんですか!」
来年か~早く来ないかな?
「では次に武術のテストに移りましょうか」
リーリエさんと一緒にエリックさんの御屋敷内の平地に来たの。何するんだろう。わくわくする…!
「体を動かそっか!私も元は冒険者なの。適性は魔法だったけど、肉弾戦も出来た方が何かと
得なのよ~」
「かっこいいです!」
『ソフィア、大丈夫なのか?』
「うん!ファクトリーで、こどもたちとこういうあそびしたことあるの!」
「今回はこの小さな木の剣を使ってテストするから、安全性は高めよ。剣先も研いでないわ」
『ならいいが……』
「軽く振ってもらえばいいわ」
「こんなかんじ?」
こどもたちとあそんだように振ってみる。するとリーリエさんの目付きが急に変わっちゃった。
「ソフィアちゃん、本当に子ども達と遊んだだけ?」
「はい…」
「ちょっと手合わせしてみましょうか」
「「えっ!」」
マイルさんまで驚いちゃった。
「大丈夫、手加減はするわ」
「えっと、リミッターはどれくらい外せばいいですか?」
「リミッターっていうのは分からないけど、今出来る全力で来てくれて良いわ」
あれ、リーリエさんちょっと怒ってる……?子ども達と遊んでたときに男のシスター?が「リミッターをつけないと大変なことになる」って言ってたのをちょっと前に思い出して……でも、リーリエさん強そうだし、大丈夫だよね?
『リミッターヲ完全解除シマスカ?』
「(ハイ)」
この声、懐かしいな。初めてリミッターを付けたときにも聞こえたの。その前にも……その前?あったっけ?
ソフィアはさっきまでの雰囲気とは打って変わって、冷たく、空っぽな目をしていた。
「(一体どうしたっていうの……?)」
「……いきます」
ソフィアが宣言した瞬間、目の前から姿が消えた。
「(──後ろ!!)」
リーリエが剣を後ろに振るとカンと木の衝撃音が聞こえた。しかし、後ろを向くとソフィアはいなかった。
「(──今度は横!!)」
カン!!
「修正開始。攻撃再開シマス」
「あなた!誰なの!?」
ソフィアの攻撃速度が速くなる。リーリエはどうにか防ぐのが精一杯だった。
「速度修正、軌道修正、開始」
「(このままじゃ……!!)」
「……降参よ!降参!!」
「リミッター制限、レベルS……わあっ!」
ソフィアは目の前によろけていた。
『ソフィア!!』
《ソフィア!》
「だいじょうぶだよ~、まだなれてなかったかな?」
「さっきのは……何?」
「リーリエさん!!すごいあせですよ!」
私はリーリエさんにかけよる。
「私よりソフィアちゃん、あなたよ!」
リーリエさんは私にぐっと顔を近づける。
「はぇっ?」
「あの速さは強化魔法なの?」
「ち、ちがいます?」
「雰囲気が変わったのは?」
「かわってたんですか!?」
「無自覚でこれは……伝説の勇者、いえそれ以上の強さよ」
「え、ええ!?」
「ソフィアちゃん!リミッターっていうのを、絶対に!外さないでね」
「は、はい…」
「絶対ね!!」
「はいっ!」
「これは国王に報告ね……」
「さっ!休憩も終わったところで魔法のテスト…をするのもいいけど、ギルドマスターから話は聞いてるから、魔力操作を覚えた方が良さそうね」
「まりょくそうさ……?」
「例えば火の魔法を出す。ファイア」
するとリーリエさんの手から火が出てきた!
「てがもえちゃいますよ!!」
「大丈夫、大丈夫!調節してるから」
良かった~。ソフィアはほっと安堵する。
「それで、魔力をもっと込めれば…」
火が大きくなった!
「反対に魔力を少なくすれば…」
元に戻った!
「おお……!」
「さっ、やってみて」
「はい!」
まずは火だよね?手を出して……
「ファイア!」
ソフィアの手に小さな火が。
「出来たわね!次は大きくしましょうか?」
大きく……魔力を込めて……
「もういいわ!ソフィアちゃん」
手を見るとさっきの何倍も大きな炎が出来ていた。
《『おお…!』》
「これだけの魔力……さすがフェアリーデイね」
「リーリエさんつぎはなんですか?」
「次は炎を小さくするの。これは少し難しいかもね」
「がんばります!」
小さく……魔力を減らして……減らして…おお!小さくなってる!
「できました!」
「コツを掴むのが速いわね!これは教えがいがあるわ」
「やった!よろしくおねがいします!」
「今日はここまで。しっかり休んで、明日から魔法の勉強を中心にやっていきましょうか」
「はい!ありがとうございました!」
褒められちゃった!明日から楽しみ!
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