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第1章
(16)国王様のおなーりー
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「よくぞ参ったな。第1番隊隊長エリック・モザゲンスキー、それから……」
「ソフィアよ」
「はっ、はい……」
私達が立っているずっと先に国王様が座ってる……すごい重い空気だけど、王様の顔が遠すぎてよく分からない!
長く赤いカーペットの両端にずらっと騎士っぽい人や高そうな服を着てふんぞり返ってる人とか……いっぱいいる。まるで……まるで、あのときみたい……
【──バケモノ!】
「お、おはつにおめに…かかります……ソ、ソフィ…アと、もうし……ます……」
周りの人の目が、あの人達と同じに見える……考えちゃ…ダメ……考えちゃ……
「うむ。5日も伏せっていたらしいが、体調はどうだ?」
「は……い、げんき…になりました。おきづかい…ありがとう……ござい…ます」
ソフィアは震える手を必死に隠す。その様子にエリックも気づく。
「国王様、後は私からご報告します。ソフィアはあの森の中で暮らしておりました」
「ほう、グリフォンやフェンリルを従えているというのは事実か?」
「恐らくは」
周りがざわめく。すると国王は立ち上がり、ソフィア達の所へ向かってきた。
「国王様!」
側近達が引き止めるが、
「止めよ」
「……はっ」
そして、国王はソフィア達の前に立った。
「よくぞ参ったな、ソフィアよ」
「は……はい…」
国王もソフィアの様子に気づく。
「……エリック、後でこの子と共にわしの部屋に」
「はっ」
誰にも聞こえないように話したあと、国王は元いた椅子に戻って座る。
「これにて、謁見を終える!エリック・モザゲンスキー、ソフィア、戻って良いぞ」
「はっ!失礼します」
謁見の間の扉が閉まると、さっさと別の場所に歩いていく。
「ソフィア、ソフィア。大丈夫か?」
「はい………だい、じょうぶ…です」
「…………そうか」
その後エリックさんは何も言わなかった。私はまだ手が震えていたけど、気持ちは大分落ち着いてきたみたい。
「エリック・モザゲンスキー、入ります」
そこには、すでに国王が側近と共にソファに座っていた。
「うむ。こっちに」
「はっ」
エリックは座るとソフィアを横に座らせた。
「ソフィア、大丈夫か?」
国王様もエリックさんと同じように聞く。
「はい、おきづかいありがとうございます」
「まだ手が震えている……」
「………」
「ソフィア」
国王様は私の前に屈んで、手をとった。
「辛かったな…もう、大丈夫だ」
私ははっと顔を上げた。そこには裏のない優しい顔で私を真っ直ぐ、ただ真っ直ぐ見つめる国王様。私は緊張の紐が解けたようで、溢れる涙を暫く流した後、少しづつ話し出した。
「わたし……もりで、みんなとかぞくになるまえに…ファクトリーにいたんです」
「ファクトリーとはなんだ?」
「たくさんシスターがいて、わたしみたいなこが……いっぱいいたところ」
「教会とは違うのか?」
私は首を横に振る。
「たぶん……ちがいます」
「それで、ファクトリーで何をしていたんだ?」
「……こどもたちとあそんだり、シスターとおはなししたり……あと、じっけんだい?になったりしました」
「「……実験台だと!」」
「はっ、はい……」
「……どんな実験をしたんだ?」
「てんいまほうじん…のうえにたったり、あたまにきかいをのせたり……あと、きゅうになぐられたこともあります」
「大丈夫だったのか!?」
大丈夫って、そんなに心配することじゃないけど……
「……?はい、それくらいは。すぐなおりますよ」
「「……………」」
エリックさんも国王様も私の言葉に唖然としてる……なんで?
「これって、ふつうですよね?」
「「普通ではないぞ!」」
「……ゴホン!国王、エリック殿、話が逸れております」
「ああ、そうだな。それで……なぜ、謁見の間で怯えていたのだ?」
「国王が怖かったのか?」
「エリック……」
ジロっとエリックさんを見る国王様。
「ち、ちがいます!……まわりのひとが…」
エリックさんは少し悩んで、
「騎士や大臣らは、ソフィアのことを珍しがっているからな…」
「狙う奴らもいるやもしれん……」
あのときみたい……
「ん、あのとき……?いつのこと?」
「何だ?」
「あっ、いえ!なんでもないです」
「それから、家族はいるのか?」
「はい、グリフォンさまにせいれいさんたち、フェンリルさまにせいれいおうさまです」
「はっ?!」
国王様でもエリックさんでもなく、側近さんが声を出した。
「伝承では勇者様が精霊1体と契約出来たと………」
「けいやく?かぞくではないんですか?」
「……だれからそう教わったのだ?」
「せいれいおうさまです」
ほうほうと国王様は言いながら、顎に手を置く。精霊王様がしていたときより違和感がない……!
「恐らく主従契約のことを親しみやすく言いかえたんでしょう」
スピーレは優しいなあ……!みんなもだけどね。
「かぞくに、あいたいな……」
【─それはな、念話をするのだ】
「あっ!ねんわすればいいんだ!」
「「念話だと!?」」
私は気にせずにグライ達に念を送る。
「((グライ、スピーレ、オーヴィ、みんな~))」
《〈『『『((ソフィア!!))』』』〉》
「((ど、どうしたのみんな?))」
《((どうしたもこうしたもないわい!!))》
〈((急に攫われたから取り返そうと、精霊達と森の奴ら総出で今向かっているところだ))〉
「えっ!?」
「こ、今度は何だ……?」
「もりのみんながわたしをとりかえすために、こっちにきてるって………」
「はっ!?」
「急ぎ第5番隊にこのことを知らせよ!!我も行くぞ」
「わ、わたしもみんなを止めないと……!」
「ソフィアはここにるんだ」
「まだこの国にフェアリーデイの存在がばれる訳にはいかぬからな……」
「あっ、え……」
そのまま、出て行っちゃった……
「わたしがいかないと……」
絶対、止まらないよね!?
◇◆◇◆◇
登録数50こえ!?
あっ、ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))
嬉しくて小躍りしてます笑。
これも定番になってきましたが!
いつも見てくださっている方も少しでも見てくださった方もありがとうございます。これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
「ソフィアよ」
「はっ、はい……」
私達が立っているずっと先に国王様が座ってる……すごい重い空気だけど、王様の顔が遠すぎてよく分からない!
長く赤いカーペットの両端にずらっと騎士っぽい人や高そうな服を着てふんぞり返ってる人とか……いっぱいいる。まるで……まるで、あのときみたい……
【──バケモノ!】
「お、おはつにおめに…かかります……ソ、ソフィ…アと、もうし……ます……」
周りの人の目が、あの人達と同じに見える……考えちゃ…ダメ……考えちゃ……
「うむ。5日も伏せっていたらしいが、体調はどうだ?」
「は……い、げんき…になりました。おきづかい…ありがとう……ござい…ます」
ソフィアは震える手を必死に隠す。その様子にエリックも気づく。
「国王様、後は私からご報告します。ソフィアはあの森の中で暮らしておりました」
「ほう、グリフォンやフェンリルを従えているというのは事実か?」
「恐らくは」
周りがざわめく。すると国王は立ち上がり、ソフィア達の所へ向かってきた。
「国王様!」
側近達が引き止めるが、
「止めよ」
「……はっ」
そして、国王はソフィア達の前に立った。
「よくぞ参ったな、ソフィアよ」
「は……はい…」
国王もソフィアの様子に気づく。
「……エリック、後でこの子と共にわしの部屋に」
「はっ」
誰にも聞こえないように話したあと、国王は元いた椅子に戻って座る。
「これにて、謁見を終える!エリック・モザゲンスキー、ソフィア、戻って良いぞ」
「はっ!失礼します」
謁見の間の扉が閉まると、さっさと別の場所に歩いていく。
「ソフィア、ソフィア。大丈夫か?」
「はい………だい、じょうぶ…です」
「…………そうか」
その後エリックさんは何も言わなかった。私はまだ手が震えていたけど、気持ちは大分落ち着いてきたみたい。
「エリック・モザゲンスキー、入ります」
そこには、すでに国王が側近と共にソファに座っていた。
「うむ。こっちに」
「はっ」
エリックは座るとソフィアを横に座らせた。
「ソフィア、大丈夫か?」
国王様もエリックさんと同じように聞く。
「はい、おきづかいありがとうございます」
「まだ手が震えている……」
「………」
「ソフィア」
国王様は私の前に屈んで、手をとった。
「辛かったな…もう、大丈夫だ」
私ははっと顔を上げた。そこには裏のない優しい顔で私を真っ直ぐ、ただ真っ直ぐ見つめる国王様。私は緊張の紐が解けたようで、溢れる涙を暫く流した後、少しづつ話し出した。
「わたし……もりで、みんなとかぞくになるまえに…ファクトリーにいたんです」
「ファクトリーとはなんだ?」
「たくさんシスターがいて、わたしみたいなこが……いっぱいいたところ」
「教会とは違うのか?」
私は首を横に振る。
「たぶん……ちがいます」
「それで、ファクトリーで何をしていたんだ?」
「……こどもたちとあそんだり、シスターとおはなししたり……あと、じっけんだい?になったりしました」
「「……実験台だと!」」
「はっ、はい……」
「……どんな実験をしたんだ?」
「てんいまほうじん…のうえにたったり、あたまにきかいをのせたり……あと、きゅうになぐられたこともあります」
「大丈夫だったのか!?」
大丈夫って、そんなに心配することじゃないけど……
「……?はい、それくらいは。すぐなおりますよ」
「「……………」」
エリックさんも国王様も私の言葉に唖然としてる……なんで?
「これって、ふつうですよね?」
「「普通ではないぞ!」」
「……ゴホン!国王、エリック殿、話が逸れております」
「ああ、そうだな。それで……なぜ、謁見の間で怯えていたのだ?」
「国王が怖かったのか?」
「エリック……」
ジロっとエリックさんを見る国王様。
「ち、ちがいます!……まわりのひとが…」
エリックさんは少し悩んで、
「騎士や大臣らは、ソフィアのことを珍しがっているからな…」
「狙う奴らもいるやもしれん……」
あのときみたい……
「ん、あのとき……?いつのこと?」
「何だ?」
「あっ、いえ!なんでもないです」
「それから、家族はいるのか?」
「はい、グリフォンさまにせいれいさんたち、フェンリルさまにせいれいおうさまです」
「はっ?!」
国王様でもエリックさんでもなく、側近さんが声を出した。
「伝承では勇者様が精霊1体と契約出来たと………」
「けいやく?かぞくではないんですか?」
「……だれからそう教わったのだ?」
「せいれいおうさまです」
ほうほうと国王様は言いながら、顎に手を置く。精霊王様がしていたときより違和感がない……!
「恐らく主従契約のことを親しみやすく言いかえたんでしょう」
スピーレは優しいなあ……!みんなもだけどね。
「かぞくに、あいたいな……」
【─それはな、念話をするのだ】
「あっ!ねんわすればいいんだ!」
「「念話だと!?」」
私は気にせずにグライ達に念を送る。
「((グライ、スピーレ、オーヴィ、みんな~))」
《〈『『『((ソフィア!!))』』』〉》
「((ど、どうしたのみんな?))」
《((どうしたもこうしたもないわい!!))》
〈((急に攫われたから取り返そうと、精霊達と森の奴ら総出で今向かっているところだ))〉
「えっ!?」
「こ、今度は何だ……?」
「もりのみんながわたしをとりかえすために、こっちにきてるって………」
「はっ!?」
「急ぎ第5番隊にこのことを知らせよ!!我も行くぞ」
「わ、わたしもみんなを止めないと……!」
「ソフィアはここにるんだ」
「まだこの国にフェアリーデイの存在がばれる訳にはいかぬからな……」
「あっ、え……」
そのまま、出て行っちゃった……
「わたしがいかないと……」
絶対、止まらないよね!?
◇◆◇◆◇
登録数50こえ!?
あっ、ありがとうございます(((o(*゚▽゚*)o)))
嬉しくて小躍りしてます笑。
これも定番になってきましたが!
いつも見てくださっている方も少しでも見てくださった方もありがとうございます。これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
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