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第1章
(2)ここはどこ?私は、何故かちっちゃい。
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いつもとは違う陽の光に目が覚めた。私はなぜか鬱蒼とお生い茂る森の中にいた。見慣れない場所に少し戸惑う。…夢かな?私は頬をつねる。ちょっと痛みを感じる。これって白昼夢かな?それとも、本物かな……。
「とにぃきゃく、こころこぉ……?」
声まで幼く聞こえてきたよ。ちょっと体を起こして立ってみる。よろけながらも何とか立てたけど、なんか周り大きくない?自分の手とか足とか小さいし。よたよた歩きで近くの葉っぱに近づく。
「おぉっきいー」
傘にできそうな大きさの葉っぱがあちらこちらに生えてる。足下を見ると青い草が生えている。
「かあいいねぇー」
青い草は揺らすと鐘の音が聞こえる不思議な草。取ってしまうのも勿体ないな。近くにいよう。
暫く座って青い草をつついて遊んでいたけど……。
「られも…こなぁい………」
そう、人間も動物さえも彼女の前に現れる気配すらない。そして日も陰り、段々と周囲が暗くなってきた。
「ここが、しゅーしゅーしゅりゅ…」
私は何かがぽっかり空いた感じがして胸に手をおく。すると、チリンと鐘の音が聞こえた。
「触ってにゃいのに……………わあぁ!」
そこにはあの青い草があちらこちらで発光し、彼女の周囲を照らすように幻想的な光景が広がっていた。
「しゅごいしゅごぉい!」
『綺麗だろう?』
「……うん、きりぇい!!」
私は綺麗の意味をそんなに理解していなかったけど、誰かが話しかけてくれたことに興奮して、そのまま返しちゃった。
『ここは安全だから、ゆっくりお休み』
私はその言葉にホッとすると今度は睡魔が襲ってきた。私は目を擦る。
「……………うん」
すると何処からかしゅるしゅると蔦が伸びてきてハンモッグが出来上がっちゃった。
「おおー」
『ここで寝るといい』
「うん…………」
私は後ろに向きなおして、
「あいがちょぉ」
と、寝ぼけながらにっこり笑う。ハンモッグは私の乗れる高さまで低くなった後、ぐーんと高くなって大きな葉っぱが私の上に落ちてきた。なんだか掛け布団みたい。そうして段々気持ち良くなって、瞼がとうとう落ちる。
「すぅ………すぅ……」
『寝たか……………はぁ』
声の主はため息をつく。
『ベルフラワーも今日までしか持たないって言うのに……あの古鳥は何をやっているんだ』
『これじゃあ安心して任せられないではないか…………』
「まっちぇ………」
『……………』
あまりの可愛さに言葉も出ない。
『もう少し、いよう』
結局、声の主は彼女が目覚める寸前までそばにいた。
◇◆◇◆◇◆◇
どうも読んでいただきありがとうございますヽ(;▽;)ノ
感想書いて頂けると嬉し過ぎてとろけます。
「とにぃきゃく、こころこぉ……?」
声まで幼く聞こえてきたよ。ちょっと体を起こして立ってみる。よろけながらも何とか立てたけど、なんか周り大きくない?自分の手とか足とか小さいし。よたよた歩きで近くの葉っぱに近づく。
「おぉっきいー」
傘にできそうな大きさの葉っぱがあちらこちらに生えてる。足下を見ると青い草が生えている。
「かあいいねぇー」
青い草は揺らすと鐘の音が聞こえる不思議な草。取ってしまうのも勿体ないな。近くにいよう。
暫く座って青い草をつついて遊んでいたけど……。
「られも…こなぁい………」
そう、人間も動物さえも彼女の前に現れる気配すらない。そして日も陰り、段々と周囲が暗くなってきた。
「ここが、しゅーしゅーしゅりゅ…」
私は何かがぽっかり空いた感じがして胸に手をおく。すると、チリンと鐘の音が聞こえた。
「触ってにゃいのに……………わあぁ!」
そこにはあの青い草があちらこちらで発光し、彼女の周囲を照らすように幻想的な光景が広がっていた。
「しゅごいしゅごぉい!」
『綺麗だろう?』
「……うん、きりぇい!!」
私は綺麗の意味をそんなに理解していなかったけど、誰かが話しかけてくれたことに興奮して、そのまま返しちゃった。
『ここは安全だから、ゆっくりお休み』
私はその言葉にホッとすると今度は睡魔が襲ってきた。私は目を擦る。
「……………うん」
すると何処からかしゅるしゅると蔦が伸びてきてハンモッグが出来上がっちゃった。
「おおー」
『ここで寝るといい』
「うん…………」
私は後ろに向きなおして、
「あいがちょぉ」
と、寝ぼけながらにっこり笑う。ハンモッグは私の乗れる高さまで低くなった後、ぐーんと高くなって大きな葉っぱが私の上に落ちてきた。なんだか掛け布団みたい。そうして段々気持ち良くなって、瞼がとうとう落ちる。
「すぅ………すぅ……」
『寝たか……………はぁ』
声の主はため息をつく。
『ベルフラワーも今日までしか持たないって言うのに……あの古鳥は何をやっているんだ』
『これじゃあ安心して任せられないではないか…………』
「まっちぇ………」
『……………』
あまりの可愛さに言葉も出ない。
『もう少し、いよう』
結局、声の主は彼女が目覚める寸前までそばにいた。
◇◆◇◆◇◆◇
どうも読んでいただきありがとうございますヽ(;▽;)ノ
感想書いて頂けると嬉し過ぎてとろけます。
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