出会って即○×(まるぺけ)

6、保存食？

明日、王都にあるお城に帰るとの事で
数人の団員さんとジュライ団長と
ツキノ副団長で話し合いが行われていた。
俺が明らかにお荷物になっている。
荷馬車は本来ならバラして建築資材に使う予定
だったそうだが、一台だけバラさず
俺が寝れるように改造してくれるらしい。
本当申し訳ない。
30歳介護が必要状態。
トイレも主にジュライ団長が面倒
見てくれているが、毎回見られるわけで
恥ずかしさを通り越して俺の
メンタルがボロボロになっている気がする。
足の関節は初日に比べれば
だいぶ動かす事が出来るが、動かすたび
激痛なので涙が出てしまう。
ジュライ団長のムチとツキノ副団長の
アメ、ツキノ副団長の優しさに
つい引き寄せられるが仕方がない。
リハビリが終われば、グデェーと
床とお友達になり、ご飯作りの合間に
てんこ盛りの野草を細かく刻み
ザルはなかったのできれいに洗った布に
"クリン"っと唱え、そこに刻み込んだ
野草を敷き天日干しした。
俺はリハビリの他、便利な生活魔法も
教えてもらっていた。
遠征だからしょうがないが、身体を
拭く程度しか出来ない現状の中
指先に魔力を集める感覚で
身体や服がきれいになる様イメージをしながら
"クリン"と唱えると、あらま不思議
服も身体もサラサラ、まるで
お風呂に入ったように汗やほこりの
べとつきがなくなりましたとさ。
めでたしめでたし。
クリンってクリーンだよな？！
微妙な短縮系なのか？！
生活魔法である火・風・水・土である
四大元素は教えてもらった。
一通り出来たことに、団長や副団長から
おおげさに褒められ有頂天になってしまった。
魔法はイメージが大切との事で
ドライフードを作ろうと思い
刻み込んだ野草をドライヤーをイメージした。
結果、大失敗。
布で包んだ野草をドライヤー魔法？で
ブワァーとしたが、1度目は布ごと
飛んでいきバラバラになった。
2度目は熱すぎて、布が焦げた……。
3度目は、野草の水分を取れば
いいんじゃないかと思い、ポタポタと
絞るイメージをしたのが悪かったのか
スープにした時、湯戻ししたが
味がなく美味しくなかった。
旨味成分も出てしまったようだ。
布も貴重品、大人しく天日干しすることにした。
時折、布で包んで風魔法だけ当てて
約半日でカラカラに乾いたたくさんの野草。
干し肉も削ぎ落とす感じで細かく切り、
だしの素と鶏ガラスープの素を混ぜた。
お椀一杯分ずつ、薬の包み紙で
ひたすら包んでいった。
一人当たり3回分程度にはなったかな？
だしの素と鶏ガラスープもほぼ使い切ったが
まぁいいか、魔物の骨でダシを取れるし
美味しいからヨシと思った。
俺の調味料はある意味チート品なので
元通り自分のビジネスカバンなおした。
翌日、不思議なことに使ったはずの
塩こしょう、しょうゆ、しょうがなども
まるで買った時と同じ状態になっていた。
だしの素などももちろん未開封で新品。
マジで？！
調子に乗って、味噌やしょうゆどころか
スパイス全種類大人買い。
休みの日にカレーもカレー粉から
作ろうと思い、スパイスカレーキット
本格的キーマカレースパイスセットも
買っていた。
ナンの元もあるから作れるが
この世界にカレーとか受け入れて
もらえるかどうかが心配だ。
スパイスカレーセット15皿分
とてもじゃないが足りない。
試しに箱から中身だけ取り出して
別容器にそれぞれ入れ、箱と空袋を
マジックバック状態になったビジネスカバンに
戻したが新品同様になる事はなかった。
そうそう話は上手く行く事はなく、
人数分はないものの、オヤツには
なるだろうかと思い、スパイスカレーキット
キーマカレースパイスセット、ナンの元を
取り出し、一口程度にナンを作り
スパイスも辛くなりすぎない様にし
甘口寄りのカレー粉にした。

ローリエ・クローブ・トウガラシかなり少なめ
コリアンダー・クミンシード・フェンネル
アニスシード・マスタードシード
ブラックペッパー・ターメリック
チリパウダー少なめ・クミン・シナモン
ナツメグ・塩・カシューナッツパウダー
カルダモン・アニス・ニンニク
混ぜれるものは混ぜ合わせ、軽く炒ったり
煮込む時に使うローリエやシナモンなどは
別容器に移した。
匂いが独特なので、念のためジュライ団長と
ツキノ副団長に許可を得て翌朝作る事にした。
分量的に足りないのでスープカレーの
の様になりそうだが、魔物肉は
たくさんあるし追加で作った乾燥野草も
たっぷり入れようか考えた。
小麦粉はある、カレーうどん、
だしの素や他調味料もある、カレーうどん……。
翌朝、一口程度のナンとカレーうどんをつくり
大好評だった。
夕方にカレーキットをみると新品同様に
なっていた。もしかしたら、混ぜ合わしたり
スパイスを炒った事で調理した事になったのか？
調理すると減った調味料や食材が元通りになっていた。ちなみに、この世界に来る前に
購入した安い肉などは、魔物肉に比べ
味が薄く感じた。
一度だけ使ったが、その後はほぼ魔物肉
ばかり食べていた。
混ぜ合わしたり軽く調理する事で
調味料は増やす事がわかったので
即席のスープカレーもどきの素も大量に作り
薬を包む紙がなくなったので
空き瓶にスープカレーもどきの素や
乾燥野草と干し肉の具沢山スープの素を
たくさん作り続けたのだった。