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第二章 婚姻に向けて
56、ソリトル領
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ボイニー王国のオレット王弟殿下、
スウランの元王子リナリア・セレイスさんを
(勇逸の妻、最愛の妻)失ったオレット王弟殿下は、
なぜか俺たちについてくる事になった。
同時に浄化も必要になるかもしれないと
言い出したマコト様も、色々と準備をし
嬉しそうに旅に同行する事になった。
といっても、ナオクルさんの転移だけどね。
かなりの大人数だけど大丈夫かな?
と思ったけど、「魔力はそれなりに消費
出来るから魔力暴走しなくてすむ。」って
安心できるのか出来ないのかわからない
答えをくれたのだった。
王弟殿下の馬車2台と護衛、
ソリトル伯爵の馬車1台とアイテムバック
アイテムバックには、荷馬車2台分くらいの
褒美品や医療品、食糧品が詰め込まれたそうだ。
俺とナオクルさん、そしてマコト様、
アベリアちゃんに乳母のミークさんと
ライトちゃん。
ハミラさん、カウビさん、ロイズさん
アベリアちゃんのお世話係兼護衛。
(各騎士団からのよりすぐりだから
腕はたしかだそうだ。)
かなりの大所帯だけど大丈夫なのかな?
って思ったら、あっという間に森の中?!
帰り道に山間部の村々を巡って行く
予定だったみたいだけど、
ここであってるのかな?
転移前に、伯爵に場所のイメージを強く
思ってもらい、手をかざし読み取ったらしい。
ナオクルさんが、そこに全員
転移させたみたいだった。
ぞろぞろ行くのもちょっとと思ったから、
村の中には、伯爵と俺とナオクルさん、
そしてアベリアちゃんとで行く事になった。
あとは、村の外の森の中で待機しながらの、
ちょっとした魔物など狩りをするみたいだった。
「あっ!!シューちゃん!」
「ホントだぁ、でも、あれ?可愛いお兄ちゃんと
きれいな人。あっ、赤ちゃん。」
「久しぶりだな。元気だったか?」
「うん。シューちゃんも元気そうだね。」
「あぁ、村長はいるかな?」
「うん、畑にいるよ。たぶん。」
「呼んでくるぅ~。」
「あっ、行くからいい…って言うつもりが
相変わらず足が早いなあ。」
「……。」
「子どもが……。」
「ははっ。ここは国境沿いだからね。」
「……?」
国境沿い?肌の色どころか、初めて見る
もふもふ、ケモ耳の可愛い子どもたち。
異世界バンザイ。人間の子どもだけじゃなく
様々な種族が一緒に住んでるんだ。すごい。
「これはこれは。シューガー・ソリトル 様、
そして、美形揃いですね。はじめまして
このヨセ村の村長です。」
「は、はじめまして。」
「……。」
村長に隠れるように村長と同じくらいの
身長の子どもや明らかに大きな?
なんだろう大人にしては、若いような
種族がわからない者が多かった。
「ほっほ。小人族のドワーフや他の
種族を見るのは初めてなのかな?」
「は、はい。」
「総帥、カズミくん。このヨセ村はね、
人族より力はある者が多いし、混じり者や
忌み子と蔑まされ、他の所から運良く
たどり着いた者が多いんだよ。」
伯爵は義理の親だから俺に対して"様"付けは
やめて呼び捨てにして欲しいって、
お願いしたけど、"くん"づけなら、
まだいいのか…いきなりはやはり、難しいかな?
「……忌み子って……。」
「前国王の時よりは、だいぶ良くなったし
奴隷制度もなくなった。だけど、一度
あったことは、なかなかなくならないし
奴隷、愛玩、わざと無理矢理な交配で
奇形児や魔物のような子どもが作らされてる
現実を知って欲しい。」
伯爵は真剣な表情で、俺の目を見ながら話してくれた。
「……はい。」
伯爵と村長はアイコンタクトをとり
俺に丁寧に説明してくれた。
「この子はたぶんじゃが犬鬼族のコボルトと
兎人属、こちらはリザードマンとなんじゃろな?
親に捨てられたり、騎士団が捕まえてくれた
他国の奴隷商人から引き取った子じゃ。
他の子も、元々が色々な所からの
寄せ集めの村、ヨセ村、なかなか良い名前の
村じゃろ?!はははっ。」
村の名前、この人がつけたのか?
「村長、なかなか頻繁に来れなくてすまない。」
「いえいえ、シューちゃんもよく出来た
領主じゃし、他の領に誇れる領主様になってるよ。」
「ありがとう。そう言ってくれて、私を
甘やかしながら苦言も言うし、色々助けてくれて
ありがとう。助かるよ。」
「全く、前国王もシューちゃんを見習わないから
神罰が落ちて亡くなったんだ。って
亡くなった者の悪口はダメじゃな。すまん。」
そう言いながら、笑い合う2人は素敵に見えた。
「信頼し合っていて、すごいなあ。」
「「今でこそ(だな。)じゃな。」」
「……えっ?」
このダワーフの村長と伯爵は、笑い出した。
昔は犬猿の仲と言えるほど、領主と村長は
お互い嫌っていたそうだ。
ソリトル伯爵のひいお爺さんの頃からの
付き合いで、息子自慢、孫自慢で
意気投合したものの、困っている者を
片っ端からお世話するし、後先考えずに
助けるから、自分の食べる物がなくなるほど
だったり、騙されたりしてボロボロに
なったひいお爺さんにお灸を据えたらしい。
どんなお灸かは、現領主はしらないとの事。
「……。」
根っからのお人好し領主は、今も
引き継がれているそうで、歴代の領主に
苦言多めの、アドバイスを
口うるさく言っていたらしい。
あまりにもダメ出しにするものだから、
伯爵の親は早々に今の伯爵に領主を任せ、
自由気ままに、色々あちこちに手を出して
人助けしまくっているらしい。
領地の境目を重点的に回っているらしい。
「なんだかすごい人の息子になったんだ、俺。」
ポソっと呟いた俺の言葉で、ヨセ村は
お祝いムードになった。
スウランの元王子リナリア・セレイスさんを
(勇逸の妻、最愛の妻)失ったオレット王弟殿下は、
なぜか俺たちについてくる事になった。
同時に浄化も必要になるかもしれないと
言い出したマコト様も、色々と準備をし
嬉しそうに旅に同行する事になった。
といっても、ナオクルさんの転移だけどね。
かなりの大人数だけど大丈夫かな?
と思ったけど、「魔力はそれなりに消費
出来るから魔力暴走しなくてすむ。」って
安心できるのか出来ないのかわからない
答えをくれたのだった。
王弟殿下の馬車2台と護衛、
ソリトル伯爵の馬車1台とアイテムバック
アイテムバックには、荷馬車2台分くらいの
褒美品や医療品、食糧品が詰め込まれたそうだ。
俺とナオクルさん、そしてマコト様、
アベリアちゃんに乳母のミークさんと
ライトちゃん。
ハミラさん、カウビさん、ロイズさん
アベリアちゃんのお世話係兼護衛。
(各騎士団からのよりすぐりだから
腕はたしかだそうだ。)
かなりの大所帯だけど大丈夫なのかな?
って思ったら、あっという間に森の中?!
帰り道に山間部の村々を巡って行く
予定だったみたいだけど、
ここであってるのかな?
転移前に、伯爵に場所のイメージを強く
思ってもらい、手をかざし読み取ったらしい。
ナオクルさんが、そこに全員
転移させたみたいだった。
ぞろぞろ行くのもちょっとと思ったから、
村の中には、伯爵と俺とナオクルさん、
そしてアベリアちゃんとで行く事になった。
あとは、村の外の森の中で待機しながらの、
ちょっとした魔物など狩りをするみたいだった。
「あっ!!シューちゃん!」
「ホントだぁ、でも、あれ?可愛いお兄ちゃんと
きれいな人。あっ、赤ちゃん。」
「久しぶりだな。元気だったか?」
「うん。シューちゃんも元気そうだね。」
「あぁ、村長はいるかな?」
「うん、畑にいるよ。たぶん。」
「呼んでくるぅ~。」
「あっ、行くからいい…って言うつもりが
相変わらず足が早いなあ。」
「……。」
「子どもが……。」
「ははっ。ここは国境沿いだからね。」
「……?」
国境沿い?肌の色どころか、初めて見る
もふもふ、ケモ耳の可愛い子どもたち。
異世界バンザイ。人間の子どもだけじゃなく
様々な種族が一緒に住んでるんだ。すごい。
「これはこれは。シューガー・ソリトル 様、
そして、美形揃いですね。はじめまして
このヨセ村の村長です。」
「は、はじめまして。」
「……。」
村長に隠れるように村長と同じくらいの
身長の子どもや明らかに大きな?
なんだろう大人にしては、若いような
種族がわからない者が多かった。
「ほっほ。小人族のドワーフや他の
種族を見るのは初めてなのかな?」
「は、はい。」
「総帥、カズミくん。このヨセ村はね、
人族より力はある者が多いし、混じり者や
忌み子と蔑まされ、他の所から運良く
たどり着いた者が多いんだよ。」
伯爵は義理の親だから俺に対して"様"付けは
やめて呼び捨てにして欲しいって、
お願いしたけど、"くん"づけなら、
まだいいのか…いきなりはやはり、難しいかな?
「……忌み子って……。」
「前国王の時よりは、だいぶ良くなったし
奴隷制度もなくなった。だけど、一度
あったことは、なかなかなくならないし
奴隷、愛玩、わざと無理矢理な交配で
奇形児や魔物のような子どもが作らされてる
現実を知って欲しい。」
伯爵は真剣な表情で、俺の目を見ながら話してくれた。
「……はい。」
伯爵と村長はアイコンタクトをとり
俺に丁寧に説明してくれた。
「この子はたぶんじゃが犬鬼族のコボルトと
兎人属、こちらはリザードマンとなんじゃろな?
親に捨てられたり、騎士団が捕まえてくれた
他国の奴隷商人から引き取った子じゃ。
他の子も、元々が色々な所からの
寄せ集めの村、ヨセ村、なかなか良い名前の
村じゃろ?!はははっ。」
村の名前、この人がつけたのか?
「村長、なかなか頻繁に来れなくてすまない。」
「いえいえ、シューちゃんもよく出来た
領主じゃし、他の領に誇れる領主様になってるよ。」
「ありがとう。そう言ってくれて、私を
甘やかしながら苦言も言うし、色々助けてくれて
ありがとう。助かるよ。」
「全く、前国王もシューちゃんを見習わないから
神罰が落ちて亡くなったんだ。って
亡くなった者の悪口はダメじゃな。すまん。」
そう言いながら、笑い合う2人は素敵に見えた。
「信頼し合っていて、すごいなあ。」
「「今でこそ(だな。)じゃな。」」
「……えっ?」
このダワーフの村長と伯爵は、笑い出した。
昔は犬猿の仲と言えるほど、領主と村長は
お互い嫌っていたそうだ。
ソリトル伯爵のひいお爺さんの頃からの
付き合いで、息子自慢、孫自慢で
意気投合したものの、困っている者を
片っ端からお世話するし、後先考えずに
助けるから、自分の食べる物がなくなるほど
だったり、騙されたりしてボロボロに
なったひいお爺さんにお灸を据えたらしい。
どんなお灸かは、現領主はしらないとの事。
「……。」
根っからのお人好し領主は、今も
引き継がれているそうで、歴代の領主に
苦言多めの、アドバイスを
口うるさく言っていたらしい。
あまりにもダメ出しにするものだから、
伯爵の親は早々に今の伯爵に領主を任せ、
自由気ままに、色々あちこちに手を出して
人助けしまくっているらしい。
領地の境目を重点的に回っているらしい。
「なんだかすごい人の息子になったんだ、俺。」
ポソっと呟いた俺の言葉で、ヨセ村は
お祝いムードになった。
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