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第二章 婚姻に向けて
55、職場体験へのお誘い
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「ぜひ我が息子として、我が領地に婚約された
総帥と家族として一度来てみてはどうかな?」
きっかけは、ソリトル伯爵の一言からだった。
いつものように国王、神子様達、ソリトル伯爵
達との食事時、仕事の話になった。
俺が以前何をしていたかという話になり、
「保育士です。」と答えたら神子様である
ハルト様とマコト様以外通じなかった。
「保育士ですか?子どもと接する仕事?」
はい、子育てしながら仕事する親御さんから、
子どもを預かり資格をもった者が、
子どもたちのお世話しながら、保育、
お遊戯してました。」
「ほーぉ、資格って言うのは城勤め
する者の様な試験に受かったという
かんじですか?」
「城勤めの試験はわかりませんが、
保育士は国家試験で、実技と筆記試験がある感じです。」
「へ~じゃぁさ、カズミさんて歌やお絵描き上手いんだ。」
「うっ……。」
紙芝居の絵、なかなか上手く書けたはずなのに、
悪役はあの、見た事ないけどオークや
キングオークに似てるらしいし、
王様はリストン国王を参考にしたつもりだったんだ。
「実技に音楽表現、造形表現、言語表現の
中から2つ選べて、伴奏しながら歌う音楽表現と
造形がお絵かきで、言語があらかじめ
指定されたものから、数分間お話を
子ども向けに話す感じですねー。」
「わぁ~、難しそう。」
「楽しいけど、緊張するし、子どもは
正直ですから知ってるお話があると、
一緒に結末言うから大変だけど、
結末後のお話を考えたとしたら
どうなるかって想像しながら話したら
いつのまにか、子どもが食いついてくれるから
楽しいですよ。」
「うわぁ、俺には無理だ。可愛いけど、
自分と似たような性格の子をいじめそうだよ。」
マコト様に似た子どもを思わず想像して
しまったが、ヤンチャだけど思慮深く…
ヤンデレ?な子ども?!可愛いかもしれない。
同じような子ども2人、イタズラをし
先生に構ってもらいたがる子ども。
やはり、可愛いかも……。
「おっ!カズミ様ちょっと悪い顔してたよ。」
思わず両手で隠したけど……。
「わあ、酷い。図星かよ。」
「ち、ちがう……。」
周りの皆にまで、笑われてしまった。
ナオクルさんは、後ろからぎゅーぎゅー
抱きしめてくるし、頭グリグリしてくるから
俺の髪の毛はボサボサになってる気がした。
そんな中ソリトル伯爵が、また話しかけてくれた。
「もしよろしければ、我が領地に保護施設や
孤児院があるので、そこで色々なお話しや
お歌、お絵描きをしてくれませんか?」
「子どもたちは、何人くらいですか?」
「未成年の者は、確か今75人で、成人
した者が48人程ですね。」
「そ、それは、多いのか少ないのか
どうなんでしょう。」
俺が疑問に思っていると国王が補足してくれた。
「ソリトル領はカナップ領同様に
大きな領土で、我がリストン王国のトップ3に
入る約1000人弱の人口の領土だ。」
「ちなみに1位はこの王都だ。」
国王も話に参加してきたよ。
このまま国の歴史のお勉強タイムになったりして……。
「ソリトルは、まだまだヒューゴ様の領地には
及びませんし、7割農耕地や開拓地
1割が荒れ地でまだまだ住めるように
整えるのは、時間と労力が必要になります。」
「国税を引き続き下げたままの方が
いいのか…迷いどころだな。」
ぼそっと国王呟いたけど、それ、
国に関する事で、俺なんかが聞いていいの?
「ソリトル、この際詳しく内情を明かし
報告をだせ。なんとかなるかもしれん。
お主の義理の息子と総帥が居れば、
女神様方や神々がもれなく付いてくる。
国の発展に繋がるぞ。」
「……。」
「神をあてにするな。神罰をくらうぞ。」
「カズミが平和を望んでくれれば、
総帥は叶えてくれるだろ?」
国王はニヤっと大変素敵な笑顔を向けてきた。
パサッ。
「カズミは、私だけのカズミで誰にも
指図を受けない。」
俺の視界を遮ったナオクルさんは、
国王とちょっと込み入った話を
しだした気がした。
「難しい話はともかく、総帥とカズミ様、
ぜひ我が息子として、我が領地に婚約された
総帥と家族として一度来てみてはどうかな?」
「……家族。」
ナオクルさんは、そう言って再び
いつもの無表情になった。
「はい、私の家族は大所帯ですが紹介も
したいので、ぜひお越し下さい。」
「……行ってみたいなぁ。」
俺はボソッと呟いた。
「わかった。今から行こう。」
「待て、そ、総帥、明日まで祝賀会だし、
来客の者を見送る際、総帥もいて欲しいから、
…出発するにも、準備が必要だ。
それに、ソリトルの褒美の品や本人も
まだ、ここにいる。」
「転移するから、大丈夫だ。」
青ざめた国王と何故か楽しそうな神子様たち。
ソリトル伯爵は、どうすればいいか
わからない表情だった。
これは、俺の役目なのかな?
「えーと、国王様とソリトル伯爵…様?
どれくらいで準備出来るものなんですか?」
ソリトル伯爵は明日の午前中、式典が
終え次第お暇し、王都で買い物した後
1泊し、翌朝ソリトル領に出発する予定
だったらしい。
国王に関しては、使用人をかなり急かすと
今日中になんとか褒美の医療費、食料品など
確保出来るらしい。
俺はどうしよう?
特に何もする事ないから暇なんだけど……。
「2日後の午前中に、ソリトル伯爵の
馬車や護衛の方もだけど、ナオクルさん
転移できる?」
「お安い御用だ。」
「すみません、それなら、王都を出たすぐの
ソリトル領の山間部に転移できるでしょうか?」
「……あぁ。」
こうして、淡々とやりとりは続き
ソリトルへお気軽な旅行気分の俺だった。
総帥と家族として一度来てみてはどうかな?」
きっかけは、ソリトル伯爵の一言からだった。
いつものように国王、神子様達、ソリトル伯爵
達との食事時、仕事の話になった。
俺が以前何をしていたかという話になり、
「保育士です。」と答えたら神子様である
ハルト様とマコト様以外通じなかった。
「保育士ですか?子どもと接する仕事?」
はい、子育てしながら仕事する親御さんから、
子どもを預かり資格をもった者が、
子どもたちのお世話しながら、保育、
お遊戯してました。」
「ほーぉ、資格って言うのは城勤め
する者の様な試験に受かったという
かんじですか?」
「城勤めの試験はわかりませんが、
保育士は国家試験で、実技と筆記試験がある感じです。」
「へ~じゃぁさ、カズミさんて歌やお絵描き上手いんだ。」
「うっ……。」
紙芝居の絵、なかなか上手く書けたはずなのに、
悪役はあの、見た事ないけどオークや
キングオークに似てるらしいし、
王様はリストン国王を参考にしたつもりだったんだ。
「実技に音楽表現、造形表現、言語表現の
中から2つ選べて、伴奏しながら歌う音楽表現と
造形がお絵かきで、言語があらかじめ
指定されたものから、数分間お話を
子ども向けに話す感じですねー。」
「わぁ~、難しそう。」
「楽しいけど、緊張するし、子どもは
正直ですから知ってるお話があると、
一緒に結末言うから大変だけど、
結末後のお話を考えたとしたら
どうなるかって想像しながら話したら
いつのまにか、子どもが食いついてくれるから
楽しいですよ。」
「うわぁ、俺には無理だ。可愛いけど、
自分と似たような性格の子をいじめそうだよ。」
マコト様に似た子どもを思わず想像して
しまったが、ヤンチャだけど思慮深く…
ヤンデレ?な子ども?!可愛いかもしれない。
同じような子ども2人、イタズラをし
先生に構ってもらいたがる子ども。
やはり、可愛いかも……。
「おっ!カズミ様ちょっと悪い顔してたよ。」
思わず両手で隠したけど……。
「わあ、酷い。図星かよ。」
「ち、ちがう……。」
周りの皆にまで、笑われてしまった。
ナオクルさんは、後ろからぎゅーぎゅー
抱きしめてくるし、頭グリグリしてくるから
俺の髪の毛はボサボサになってる気がした。
そんな中ソリトル伯爵が、また話しかけてくれた。
「もしよろしければ、我が領地に保護施設や
孤児院があるので、そこで色々なお話しや
お歌、お絵描きをしてくれませんか?」
「子どもたちは、何人くらいですか?」
「未成年の者は、確か今75人で、成人
した者が48人程ですね。」
「そ、それは、多いのか少ないのか
どうなんでしょう。」
俺が疑問に思っていると国王が補足してくれた。
「ソリトル領はカナップ領同様に
大きな領土で、我がリストン王国のトップ3に
入る約1000人弱の人口の領土だ。」
「ちなみに1位はこの王都だ。」
国王も話に参加してきたよ。
このまま国の歴史のお勉強タイムになったりして……。
「ソリトルは、まだまだヒューゴ様の領地には
及びませんし、7割農耕地や開拓地
1割が荒れ地でまだまだ住めるように
整えるのは、時間と労力が必要になります。」
「国税を引き続き下げたままの方が
いいのか…迷いどころだな。」
ぼそっと国王呟いたけど、それ、
国に関する事で、俺なんかが聞いていいの?
「ソリトル、この際詳しく内情を明かし
報告をだせ。なんとかなるかもしれん。
お主の義理の息子と総帥が居れば、
女神様方や神々がもれなく付いてくる。
国の発展に繋がるぞ。」
「……。」
「神をあてにするな。神罰をくらうぞ。」
「カズミが平和を望んでくれれば、
総帥は叶えてくれるだろ?」
国王はニヤっと大変素敵な笑顔を向けてきた。
パサッ。
「カズミは、私だけのカズミで誰にも
指図を受けない。」
俺の視界を遮ったナオクルさんは、
国王とちょっと込み入った話を
しだした気がした。
「難しい話はともかく、総帥とカズミ様、
ぜひ我が息子として、我が領地に婚約された
総帥と家族として一度来てみてはどうかな?」
「……家族。」
ナオクルさんは、そう言って再び
いつもの無表情になった。
「はい、私の家族は大所帯ですが紹介も
したいので、ぜひお越し下さい。」
「……行ってみたいなぁ。」
俺はボソッと呟いた。
「わかった。今から行こう。」
「待て、そ、総帥、明日まで祝賀会だし、
来客の者を見送る際、総帥もいて欲しいから、
…出発するにも、準備が必要だ。
それに、ソリトルの褒美の品や本人も
まだ、ここにいる。」
「転移するから、大丈夫だ。」
青ざめた国王と何故か楽しそうな神子様たち。
ソリトル伯爵は、どうすればいいか
わからない表情だった。
これは、俺の役目なのかな?
「えーと、国王様とソリトル伯爵…様?
どれくらいで準備出来るものなんですか?」
ソリトル伯爵は明日の午前中、式典が
終え次第お暇し、王都で買い物した後
1泊し、翌朝ソリトル領に出発する予定
だったらしい。
国王に関しては、使用人をかなり急かすと
今日中になんとか褒美の医療費、食料品など
確保出来るらしい。
俺はどうしよう?
特に何もする事ないから暇なんだけど……。
「2日後の午前中に、ソリトル伯爵の
馬車や護衛の方もだけど、ナオクルさん
転移できる?」
「お安い御用だ。」
「すみません、それなら、王都を出たすぐの
ソリトル領の山間部に転移できるでしょうか?」
「……あぁ。」
こうして、淡々とやりとりは続き
ソリトルへお気軽な旅行気分の俺だった。
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