38 / 69
第一章 2人の約束
35、黒い物
しおりを挟む
※少し残虐シーンあります。
※ご注意下さいませ。
*ナオクル・チロメドゥル総帥目線
「………。」
ソリトル領主家から少し離れた地に湖がある。
通称、母なる湖。
最初で最後の……地。
チャベツ神が作り出した1度目の世界。
失敗した世界にもあった湖だ。
チャべつ神が、この湖を基盤に生命を
生み出し、色々作り出した大切な場所。
リストン国にありながらもどこの領にも
属さない神の休憩場。
ナオクルは転移した。
カズミ、どこだ。
母なる湖の水面はキラキラしていた。
「私のカズミはどこにいる?」
誰もいない湖に呟いた。
目を閉じ気配を探った。
私の頬に何かが触れた気がした。
{…あの子嫌がってるよ。}
{…泣いてるよ。}
{…ボロボロ。}
{…やなヤツ、やなヤツが…。}
「……。」
なんだ?
ふわふわと透き通っては消え、
消えてはまた現れながら
踊るように様々な色、形のモノたちが
会話していた。
{姫様は眠ってる。}
{…姫様に願ってるのに。}
{…力、ボロボロ、助からないの?}
{やなヤツ、やなやつ!}
「妖精と精霊か?」
{{{〔……。〕}}}
皆、バラバラな姿に大きさも様々で
その殆どが半透明だった。
精霊は、主に草木や水辺などに宿っている
存在であり、死者の魂だったという説もある
未知なる存在。時として崇拝対象となり、
1部の地域では精霊信仰が流行っている。
妖精の多くは、自然発生的に現れた
存在であると言われている。
私は思わず声をかけてしまうと、一気に
数が減ってしまった。
「すまない。危害は加えない。教えてくれ。」
{……?}
{泣いてる子、助けれるの?}
{ボロボロだよ。}
{やなヤツ、やっつけれる?}
「あぁ。悪いヤツは許さん。やっつけると
約束しよう。」
{……あっち。}
{…泣いてる子、あっち。}
{…ボロボロあっち。}
{…やなヤツ、あれ。}
4人の半透明の小さな者たちは、古びた
小屋の方向を教えてくれた。
「ありがとう。助けてくる。」
私のカズミ。
古びた小屋を見た。
「……こんな場所に、私のカズミが…。」
身体の中の魔力がどこともなく
湧いて暴れまわっていた。
そんな私を怖がった精霊や妖精たちは、
私に一瞬触れた気がしたが、
すぐに離れていった。
フッと軽くなった気がしたが、
何だったんだろうか?
精霊や妖精たちは、古びた小屋の周りの
瑞々しく生えている木の影に
隠れるように、こちらを見ていた。
「今、助ける。」
人の気配を探る。小屋の奥に…4人。
コソコソするのは性に合わん、面倒だ。
シュ~バァァーン。
小屋の扉どころか、入り口だった所は
丸い大きな穴が空いていた。
ナオクルは気配を探った場所、
騒がしい声がする部屋の前に行き
もう一度、入り口を作ろうと魔力を込めた。
中から醜くたるんだ肉の塊が出てきた。
なんだコイツ?
下の方には何もつけておらず、
だらしないモノをぶら下さげたモノが
驚いていた。
コレは何をしていた?
自分中から幾久ぶりに感じる禍々しいモノが
出てきた気がした。
「…ひぃ。」
睨んだだけで、ビビる小物。
こんなやつが、私の大切なカズミを
さらい、私の愛しいカズミをその
濁りきった目に映し、その醜いモノで……。
もう一つの大きな塊は、何かを叫んでいるが
どうでもよかった。
うるさい、耳障りな音だ。
「化け物~、く、くるな?!」
「来ないでくれ!!金ならいくらでもやる!!」
「助けてくれ~!!」
黒い覆面をした者は、グッタリしている。
身体中には、汚いヨゴレがこびりついていた。
血の色に混じり、白いヨゴレ。
肉の塊が何をしたのかは、一目瞭然だった。
私の愛しいカズミは……。
カズミの姿を見た瞬間、一気に我を忘れてしまった。
私のカズミに……何をした!!
肉の塊を吹き飛ばし、壁が吹き飛ぶほど
打ち付けていた。
楽には死なせない!!
だが、殺してやる!!
すでに意識はないだろうが、怒りの
おさまらない私は、小分けにした
魔力を何度も、肉の塊の醜い下腹部に
ぶつけていた。何度も何度も……執拗に。
「私のカズミに、ナニをした!!」
「んグァ…あガァ……。」
魔力を当てられた醜い身体は、
当たるたびに汚い声と重い身体を
ビクビク揺らしていた。
もう一方の塊も、すでに失禁をし
気を失っていた。
必要ない物は消してやる。
ヒュン、ヒュン、ヒュン……。
無数の攻撃魔法を繰り出し、2つの
肉の塊は手や足、そして下腹部に
付いてるべきものがなくなっていた。
息はあるから、まだ殺してはいない。
私の大切なカズミに、汚い物で
触った礼はしてやる。
楽にはさせない。
熱い、苦しい。
身体の中から何かが煮えたぎっている。
私のカズミなのに守れなかった。
私のカズミなのに汚い物が触れた。
私の……。
「あ"あ"あ"ぁぁぁぁぁ……!!」
気が狂いそうだ……。
私はもう……気が狂っているのか?
「ナ、ナオクル…さん?」
※ご注意下さいませ。
*ナオクル・チロメドゥル総帥目線
「………。」
ソリトル領主家から少し離れた地に湖がある。
通称、母なる湖。
最初で最後の……地。
チャベツ神が作り出した1度目の世界。
失敗した世界にもあった湖だ。
チャべつ神が、この湖を基盤に生命を
生み出し、色々作り出した大切な場所。
リストン国にありながらもどこの領にも
属さない神の休憩場。
ナオクルは転移した。
カズミ、どこだ。
母なる湖の水面はキラキラしていた。
「私のカズミはどこにいる?」
誰もいない湖に呟いた。
目を閉じ気配を探った。
私の頬に何かが触れた気がした。
{…あの子嫌がってるよ。}
{…泣いてるよ。}
{…ボロボロ。}
{…やなヤツ、やなヤツが…。}
「……。」
なんだ?
ふわふわと透き通っては消え、
消えてはまた現れながら
踊るように様々な色、形のモノたちが
会話していた。
{姫様は眠ってる。}
{…姫様に願ってるのに。}
{…力、ボロボロ、助からないの?}
{やなヤツ、やなやつ!}
「妖精と精霊か?」
{{{〔……。〕}}}
皆、バラバラな姿に大きさも様々で
その殆どが半透明だった。
精霊は、主に草木や水辺などに宿っている
存在であり、死者の魂だったという説もある
未知なる存在。時として崇拝対象となり、
1部の地域では精霊信仰が流行っている。
妖精の多くは、自然発生的に現れた
存在であると言われている。
私は思わず声をかけてしまうと、一気に
数が減ってしまった。
「すまない。危害は加えない。教えてくれ。」
{……?}
{泣いてる子、助けれるの?}
{ボロボロだよ。}
{やなヤツ、やっつけれる?}
「あぁ。悪いヤツは許さん。やっつけると
約束しよう。」
{……あっち。}
{…泣いてる子、あっち。}
{…ボロボロあっち。}
{…やなヤツ、あれ。}
4人の半透明の小さな者たちは、古びた
小屋の方向を教えてくれた。
「ありがとう。助けてくる。」
私のカズミ。
古びた小屋を見た。
「……こんな場所に、私のカズミが…。」
身体の中の魔力がどこともなく
湧いて暴れまわっていた。
そんな私を怖がった精霊や妖精たちは、
私に一瞬触れた気がしたが、
すぐに離れていった。
フッと軽くなった気がしたが、
何だったんだろうか?
精霊や妖精たちは、古びた小屋の周りの
瑞々しく生えている木の影に
隠れるように、こちらを見ていた。
「今、助ける。」
人の気配を探る。小屋の奥に…4人。
コソコソするのは性に合わん、面倒だ。
シュ~バァァーン。
小屋の扉どころか、入り口だった所は
丸い大きな穴が空いていた。
ナオクルは気配を探った場所、
騒がしい声がする部屋の前に行き
もう一度、入り口を作ろうと魔力を込めた。
中から醜くたるんだ肉の塊が出てきた。
なんだコイツ?
下の方には何もつけておらず、
だらしないモノをぶら下さげたモノが
驚いていた。
コレは何をしていた?
自分中から幾久ぶりに感じる禍々しいモノが
出てきた気がした。
「…ひぃ。」
睨んだだけで、ビビる小物。
こんなやつが、私の大切なカズミを
さらい、私の愛しいカズミをその
濁りきった目に映し、その醜いモノで……。
もう一つの大きな塊は、何かを叫んでいるが
どうでもよかった。
うるさい、耳障りな音だ。
「化け物~、く、くるな?!」
「来ないでくれ!!金ならいくらでもやる!!」
「助けてくれ~!!」
黒い覆面をした者は、グッタリしている。
身体中には、汚いヨゴレがこびりついていた。
血の色に混じり、白いヨゴレ。
肉の塊が何をしたのかは、一目瞭然だった。
私の愛しいカズミは……。
カズミの姿を見た瞬間、一気に我を忘れてしまった。
私のカズミに……何をした!!
肉の塊を吹き飛ばし、壁が吹き飛ぶほど
打ち付けていた。
楽には死なせない!!
だが、殺してやる!!
すでに意識はないだろうが、怒りの
おさまらない私は、小分けにした
魔力を何度も、肉の塊の醜い下腹部に
ぶつけていた。何度も何度も……執拗に。
「私のカズミに、ナニをした!!」
「んグァ…あガァ……。」
魔力を当てられた醜い身体は、
当たるたびに汚い声と重い身体を
ビクビク揺らしていた。
もう一方の塊も、すでに失禁をし
気を失っていた。
必要ない物は消してやる。
ヒュン、ヒュン、ヒュン……。
無数の攻撃魔法を繰り出し、2つの
肉の塊は手や足、そして下腹部に
付いてるべきものがなくなっていた。
息はあるから、まだ殺してはいない。
私の大切なカズミに、汚い物で
触った礼はしてやる。
楽にはさせない。
熱い、苦しい。
身体の中から何かが煮えたぎっている。
私のカズミなのに守れなかった。
私のカズミなのに汚い物が触れた。
私の……。
「あ"あ"あ"ぁぁぁぁぁ……!!」
気が狂いそうだ……。
私はもう……気が狂っているのか?
「ナ、ナオクル…さん?」
1
お気に入りに追加
1,451
あなたにおすすめの小説
異世界転移して美形になったら危険な男とハジメテしちゃいました
ノルジャン
BL
俺はおっさん神に異世界に転移させてもらった。異世界で「イケメンでモテて勝ち組の人生」が送りたい!という願いを叶えてもらったはずなのだけれど……。これってちゃんと叶えて貰えてるのか?美形になったけど男にしかモテないし、勝ち組人生って結局どんなん?めちゃくちゃ危険な香りのする男にバーでナンパされて、ついていっちゃってころっと惚れちゃう俺の話。危険な男×美形(元平凡)※ムーンライトノベルズにも掲載
【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
僕の兄は◯◯です。
山猫
BL
容姿端麗、才色兼備で周囲に愛される兄と、両親に出来損ない扱いされ、疫病除けだと存在を消された弟。
兄の監視役兼影のお守りとして両親に無理やり決定づけられた有名男子校でも、異性同性関係なく堕としていく兄を遠目から見守って(鼻ほじりながら)いた弟に、急な転機が。
「僕の弟を知らないか?」
「はい?」
これは王道BL街道を爆走中の兄を躱しつつ、時には巻き込まれ、時にはシリアス(?)になる弟の観察ストーリーである。
文章力ゼロの思いつきで更新しまくっているので、誤字脱字多し。広い心で閲覧推奨。
ちゃんとした小説を望まれる方は辞めた方が良いかも。
ちょっとした笑い、息抜きにBLを好む方向けです!
ーーーーーーーー✂︎
この作品は以前、エブリスタで連載していたものです。エブリスタの投稿システムに慣れることが出来ず、此方に移行しました。
今後、こちらで更新再開致しますのでエブリスタで見たことあるよ!って方は、今後ともよろしくお願い致します。
異世界転移したら何故か獣化してたし、俺を拾った貴族はめちゃくちゃ犬好きだった
綾里 ハスミ
BL
高校生の室谷 光彰(むろやみつあき)は、登校中に異世界転移されてしまった。転移した先で何故か光彰は獣化していた。化物扱いされ、死にかけていたところを貴族の男に拾われる。しかし、その男は重度の犬好きだった。(貴族×獣化主人公)モフモフ要素多め。
☆……エッチ警報。背後注意。
目が覚めたら異世界で魔法使いだった。
いみじき
BL
ごく平凡な高校球児だったはずが、目がさめると異世界で銀髪碧眼の魔法使いになっていた。おまけに邪神を名乗る美青年ミクラエヴァに「主」と呼ばれ、恋人だったと迫られるが、何も覚えていない。果たして自分は何者なのか。
《書き下ろしつき同人誌販売中》
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる