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第205話 長男

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数日後、ジョルジュと俺たちは、一時的に
報告や、雑務のため、城に戻っていた。
我が愛しの妻にも、やっと逢える。
早く仕事を片付け、足早に、自宅に、
戻った。
こころを抱きしめ、口づけを交わし、
大きくなった子ども達も、一人一人、
抱きしめていった。
もうすぐ、仕事も落ち着く予定だ。

カイザが、あと、ひと月ほどで、成人だ。
来年、俺は第2騎獣隊の隊長を退く予定。
保護施設に、力を入れていく予定だ。
予想以上の保護を必要とするものが多く、
スラム街に、施設を作ろうとも、
一時は考えたが、管理しにくいのもあり、
第2保護施設は、自分の敷地内に、
建てようと計画中だ。
ジョルジュも、王都に、作ろうかなぁと
言い、候補地など、探している状態だ。

弓矢の少女に、剣とフクロウの、
身分剥奪の事、特別な罰を与える事、
俺は、少女の、様子を見ながら、
現状を話していった。
「死より、つらい罰…。」
少女はつぶやいた。
「あぁ。この国の第3王子、
ジョルジュ王子の、特別な場所で、
過酷なんだけど、死ねない
状態での、強制労働だそうだ。」
少女は、しばらく黙り込んでいた。

カイザは、フォローする為にも、
少女に話しかけようか、
どうしようか、迷っていました。
「名前忘れてしまったんなら、新たな
名前、"ステラ"ってどうかな?」
「ステラ?」
「前…。ステラって言葉は、星って、
意味があるんだよ。」
「……星。」
「期待の星、希望の星、君には、
輝いて欲しい。」
「……。」
「来年は、同じく成人だね。」
「一緒に、成人のお祝いパーティーに
行こう。嫌かな?」

成人を迎えた男女の為に、毎年、
お城で、パーティーが、開かれていた。
「私、ダンスやマナー知らない。」
「大丈夫だよ。僕の姉たちは、ダンス
そっちのけで、食事や、デザートに
夢中になり、全種類食べれなかったって、
言ってたし、ダンスしなくても、
色んな食べ物みるだけでも、
楽しそうだよ。」
少女の顔は、少し明るくなりました。
「ステラ、私は、ステラ。カイザ様が、
名付けしてくれた。」
「あのさぁ。同じ年だし、様は、やめて。
呼び捨てがいいよ。」
「…身分、カイザ様、上だし、呼び捨て
出来ないよ。」
「無理なら、せめて、くん付けとか、
ダメかな?ステラ、くん付けか、
呼び捨て、どちらかで、お願い。」
「カイザくん。」
「ステラ。」

ステラと名付けられた少女は、カイザと
何度か、お互いの名前を呼び合い、
2人で照れていました。

グランは、2人の頭をグリグリと、
撫でていました。
「あと、一ヶ月だし、急いでステラの
ドレス作らないとな。カイザ、急いで、
ステラを、こころの所に行って、
作ってもらってこい。」
「はい。わかりました。」
「えっ?グ、グラン様?カイザ様?」
「あっ、また、様付いてる。様づけ、
禁止だよ、ステラ様。」
「わぁ。イヤだぁ。やめて。カイザくん。」
「ほら、嫌でしょ。さあ、一緒に行こう。」
「は、はい。カイザ…くん。」
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