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第197話 夜

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第1弾の馬車から降り、私は、迷って
いました。
年は14歳だと思う。四年前に、両親が
私のせいで殺されました。
あちこちの街や村で、隠れ住むように、
過ごしていたのに……。
たどり着いた、スラム街で、狩りをし、
飢えてる子どもたちと、雨風が
しのげる場所で、過ごしていました。

偉いさんが、来ると隠れて、立ち去るのを
狩りなどしながら待ちました。
今回も、きっと、気まぐれな、偽善者、
見栄張りな貴族、すぐいなくなると、
思っていました。
二、三匹目狩りを、したら、あの人達は、
いなくなるだろうな。
そう思って、狩りに、集中しすぎました。
三匹目を狩り終えた時、いきなり、
背後から、話しかけられました。
「君、すごいね。」
あっ、見つかった。逃げれるかな。
2人の男性の、隙をさがしたけど、
見つけられず、逃げれないと思いました。
仕事を依頼されたら、失敗したふりをして、
自分自身、消えようと思いました。

偉いさんの所に連れていかれ、
演説?をしていました。
不思議の果実。
甘かった。この果実が、まずい時は、
自分が、悪い事した時なんだ。
もう一度、狩りを、見せてくれと言われ、
小動物ならと、了承したら、
笑ってくれました。
一瞬ドキッとしたけど、この人も、私を
利用したら、消す人だと思うと、冷静に
なれました。
運良く、短時間で、数匹狩りを
済ませれました。半分は、他の、子どもに
分けてあげました。
あの果実は、また、甘くなるかな?

夕方になり、炊き出しをしていた広場で
「ここから、馬車で4日から5日の距離の
場所に、保護施設がある。そこで、
成人するまで、自分のしたい事など、
見つけて欲しい。衣食住は、保証する。」
「ここに、残りたいものは、残ってもいい、
強制では、ないから、自由に、将来の事を
真剣に、考えて欲しい。」

「夢の街?職業紹介してくれる街の人?」
「君は、アールの、知り合いか?」
「アール、アール兄ちゃんら、たどり
着いたの?本当に、ある街なの?」
「あぁ。今、アーザ領の、俺の家にいるよ。
他の子ども達も、一緒に、過ごしてるよ。」
わぁ。子ども達から、歓声が、上がった。

「あ、あの、働く事できるの?」
「子どもは、無理して働く必要はない。
未成年を正式に雇う事が出来ない。
見習いという形や、お手伝いとしてなら、
付き添いや、同行はできる。」
「僕は、カイザ。あと数ヶ月で、成人するけど、
未成年だよ。見習いの獣騎隊だよ。」

しばらく、やりとりを見つめていた様だった。
アール?聞いたことある名前。
子ども達から、リーダー的な存在で、
私より年下なのに、しっかりしている子だ。
夢の街か。
「隊長、この子、すごいんです。」
「獲物を弓矢で、3回とも、急所を狙って
しとめてます。風の魔力を使って
弓矢を操ってるみたいです。」
「そりゃーすごいね。名前は?」
いつのまにか、お偉いさんの前だ。
やはり、もう、無理だった。
「名前なんか、ない。お偉いさんの、
暗殺なんか、しない。利用されない。」
……。
「誰かに、言われたのか?」
相手は、じっと、見つめてきた。
汚れ仕事は、した事がないし、
これからも、するつもりはない。

「言われてない。だけど、皆んなに、
役立つ食べ物なら、あの、果実、甘くて、
美味しくなるんだろ?
甘くて、美味しかったから、また、
獲物狩って、皆んな、喜んだら、
また、甘いの食べれるって思ったの。」
不思議種が、成長した木、不思議の実。
「甘かったのか。」
「うん。」
私は、頭を撫でられながら、肩車され、
実を採らせてくれた。
「かじってみろ。」
綺麗な服を着た、貴族層の人なのに、
私を汚ないと、ののしらないし、そう
言えば、さっきの男性も、丁寧に扱って
くれた?今、この男性は、肩車まで
してくれた。なんで?私は、男性と、
果実を見比べ、にっこり笑って、
果実にかじりついた。
「甘い。すごく甘い。美味しい。あっはい。」
自分だけで、食べてしまうとこだったわ。
危なかった。みんなで、わけないとね。
一口、かじった果実を、男性に、
差し出してきた。
「全部食べていいぞ。」
「ありがとう。」
また、頭をなでられました。

「さっき、"なぜお偉いさんの暗殺"
って言ってたんだ?」
タイミングよく、話しかけてきた。
「偉そうな人が、たまに来て、駄賃あげる
から、魔物狩りや、明らかに人っぽいのを、
狩り?暗殺させられそうになったんだ。」
「何度か、続いたから、そんな狩りしたく
ないから、ここに、逃げてきたの。」
……。
「父母は、四年前、そいつ達に、殺された。
私を逃した罪って、あとで知ったんだ。」
「すまない、つらい過去を、
思い出させたな。」
「ううん。過去は戻らないし、私も、
あと少しで、成人だけど、弓矢だけじゃ、
また、目立つし、やりたい事、
わからない。ここでだと、狩りをして、
分け与えると、喜んで貰えるんだ。」
「君なら、弓矢などの腕をみがげば、
弓師、騎士とかに、なれそうだが
あまり、興味はないのか?」
「女の子でも、なれるの?」
えっ?
「女の子?」
「やっぱり、間違えてたんだ。最近は、
髪の毛伸ばして、言葉遣いも、なおして
言ってたんだけど。間違えてた?」
「ご、ゴメン。」
「すまなかった。」

今、思い出しても、すごい出来事だった。
一瞬で、夢の街に、転移した。
ここは、弓矢の腕を、活かせる場所
なのかな?
本当にゆっくり、考えてもいいのかな?

広い保護施設に入ると、見たことない、
料理の数々が、並んでいた。
しかも、暖かいお湯で、身体を洗い、
たくさんの、服、好きな物を選んで、
いいの?本当に、夢のような出来事の
連続でした。

夢なら覚めて欲しくないなぁ。
初めて食べた食事は、おいしくて、
食べてるうちに、なぜか、
泣いてしまいました。
明日、自分の行く道を、決めよう。
ふかふかのベッド、いつのまにか
寝てしまいました。
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