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第194話 転移

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グラン目線

転移玉は、充分すぎるほど作ってくれて
いた。全部の馬車を、転移させても、まだ、
充分あった。
「魔力をかなり使っただろう。
こころ、大丈夫か?」
「グラン様、ありがとうございます。
大丈夫ですよ。少ししか、手伝えて
ませんし、ほとんど、お父さんが、
やっちゃいましたから。」

「グラン様、私も手伝っていいですか?」
「一緒に、いたいが、まだまだ、する事が
あるから、それに、こころ。こころは、
大切な、家族を生んでくれて、間もない
身体だ。だから。」
「でも、グラン様が、いないから、
さみしくて、ダメなんです。」
ダメ?
「俺も、一緒に、居たいが為に、まだ、
少し、時間がかかる。すまない。」
産後に、よくなるアレか?
こころの目が、潤んでいた。
色々な意味で、俺も我慢出来なくて、
目が潤みそうだった。
俺は、こころをだきしめながら、何度も
「すまない。」と謝っていた。

「グラン、今日、乳幼児と一緒に、一旦、
戻り、明日また、転移玉で、こちらに
来てくれたら、いい。」

こころ目線

ジョルジュ様は、グラン様に、提案して
くれました。
私のグラン様と、離れたくないという
わがままで、カイザも一緒に、
一時帰宅する事になりました。

10歳以下の子どもを、優先的に、
保護する事になりました。
その中で、親がいない子どもだけでも
150人はいました。
今日中に、150人の乳幼児と、
子どもたちは、私たちの
保護施設に、来る事になりました。
皆、やせ細り、まだまだ、回復を
要する状態でした。

第2弾で、親がいるけど、親も子どもも
自力では、生活困難な方を、保護して
各地の保護施設に、行く予定です。
一番遠いのが、アーザ領と王都だったので、
行く領地の保護施設により、
馬車でそのまま行ったり、
一旦、アーザ領に転移してから、移動
という形をとる事に、なりました。

1つの馬車に10人くらいずつ、
乳幼児を乗せ、数人の獣騎隊と転移玉で、
アーザ邸に行く事になりました。
保護施設で、働きたいと申し出してきた方
とも、臨時面接を行い、数人雇い入れました。

弓矢の得意な女の子は、スラム街に
残るか、保護施設に行くか、迷って
いましたが、今日、転移して、保護施設の
様子を見てから、戻るかどうか、
決めてもらう事を、提案すると、
目を輝かせたように、見えました。
保護施設に、興味が、あったみたいでした。

エス地区の子どもたちは、エスさんに
カリスマスキルにより、統制が
取られているので、ギルド長のマサさん
に様子を見てもらいながら、
定期的に、巡察もする事になりました。
一部の子どもや大人たちは、栄養状態が、
悪かったので、一旦、保護する事に、
なりました。
カリスマスキルは、割と危険なスキルで、
持っている本人次第で、数百人規模で、
生死に関わる事だったので、
エスさんも、特別保護という感じで、
監視、観察玉がつけられる事に、
なりました。
小さな頃から、カリスマスキルが
あったようで、本人は、そのスキルの
存在も、危険性も、知らなかった
ようでした。

第1弾転移玉による、転移開始しました。
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