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第10話 家礼と 乳母

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わたくしの名前は、ホーン。55歳
グラン・アーザ様が 、
ご誕生になられた時に
家礼見習いのとして雇われました。
今ではかなりの古株です。
ご主人様は、8人兄弟姉妹で、 
公爵家の 4番目。
次男としてご誕生になられた時から 
ご主人様は 険しい、
んっ。ゴホッゴホッ。
大変、失礼しました。
素晴らしいほど、
凛々しいお顔立ちで、
ひと睨みでまわりを、
威圧する能力をおもちなのか、
時折、気絶される方々がいたした。
少々、お顔立ちがこわおもてだからか
たまに獣王と、
呼ばれるようにもなりました。
休日の早朝に、ご主人様の相棒、
緑色の守護獣フィリオと、
お出かけに なられましたが、
わたくしがお聞きしていた時間より、
早めの帰宅でした。
ご主人様の 腕には、気絶された女性。
かわいい顔立ちの、
黒髪のお嬢様がいました。
一瞬グラン・アーザ様、獣王の威圧?
ゴホン。
女性に襲いかかり、連れ去り?
ゴホッ。
高魔力の塊を抱えた、黒髪の訳あり女性。
家礼として冷静に。 あまり表情に出さず、
旦那様の、指示に従うと同時に
先代 公爵様に、伝達魔法を飛ばしました。

黒髪の彼女を大事そうに抱えた
グラン・アーザ様、わたくしのご主人様は
落ち着きなくヘタレでした。

家礼、家令、執事長、言い方は 
色々ありましたが、ご主人様が言うには、
「執事長と家礼、迷ったけど、家礼かな?」
「色々な雑用係?執事長?執事枠超えた 
仕事してるし。家礼、なんとなく執事より
エライかんじのひびきだから、
雑用係はあんまりだから、
なんとなく、家礼かな。」
わたくしは、それを聞いた時、
なぜだか少しムカッとしてしまいました。
わたくし家令のホーンでした。

私の名前は マーサ。54歳。
1人の幼い息子と2人目、
出産間近に、旦那を 
馬車でひかれて亡くなり、
困っていたところに
乳母として、先代公爵様に雇って、
いただきました。
今では息子2人とも 、
グラン・アーザ様 の元で、
雑用小間使い? 
なんのお仕事か、あまり話さないので
わかりませんが、お役に 
立っているようで、よく、お褒めの
言葉をかけて下さいます。
先月には、長男にかわいい
女の子の孫も産まれました。
グランおぼっちゃまに、
子どもが出来ますように。
グランおぼっちゃまに 、
今度こそ、彼女が 出来ますように。
グランおぼっちゃまに 、
今度こそ、素敵な出会いがありますように。
毎日毎日毎日、お祈りしてました。
神様は、本当にいたのか、グッタリ?
気絶している小柄な黒髪の女性。
かわいい顔だちのお嬢様を、
抱えたおぼちゃま。
お姫様抱っこしながら、にやけたり、
気絶している事に、うろたえてました。
慌てている姿に、とうとう 女性を?
ゴホゴホゴホ。
グランおぼっちゃまが、はじめて女性を、
連れてきました。
私は、喜んでしまいました。
お嬢様は、気絶はしていましたが、
何か?
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