『完結』地味でも地道にコツコツとしていたのに、突然、なぜかこうなりました。

取材

さくら目線

昼からは暑くなるから、農作業は一旦
ストップといわれ、畑の小屋で
涼んでいました。

そこにあかねさんが来て、何度か携帯に
連絡があったのか そわそわしていました。

「さくらちゃん、ちょーついてきてな。」
と半ば強引にきたのが、あかねさんの家。
三階建の一軒家。
お部屋は洋室で10畳はありそうな
広い部屋。

タンスをゴソゴソしていて、新品？
まだ札がある可愛い、ピンクの
ジャージ。下着もフリル付き。
ブラジャーのサイズが合わないからって
ごめんねって言われたけど、
私のが申し訳ないくらいだわ。

カップ付きのキャミソール。

シャワーを浴びると、桃の香りがする
シャンプーや石鹸があり、すごい。
あかねさん可愛い物好きなんだ。
今度プレゼントしよう。

シャワー後可愛いジャージを着ると、
ケンジさんの豚の出産が見れる。
レアな事らしく、あかねさんが、
すごく勧めてきました。

朝から双子の玉子に、レアな出産。
すごい。
いい事だらけだわ。

「ぜひ参加したいです。」
というと、あかねさんにぎゅーって
抱きしめられました。

誠一さんとは違って、ふんわり
桃の香りがして優しくほんわかした
ハグ？なんだか包み込まれるように
抱きしめてくれました。

でもなんで抱き締められたかは、謎です。

ケンジさんの畜舎いくと、人が多くいました。
取材？
やはりあかねさんの所は、有名なのね。


「ケンジ着いたでぇ。さくらちゃんも
連れてきたよ。」
あかねさんが声かけすると取材準備を
していた人たちまで、注目をあびてしまいました。

ケンジさんはびっくりしたのか、
固まっています。

豚もピクンとした気がします。
あかねさん、声が大きいわ。


「ケンジさんお誘いありがとうございます。」
と笑うと、
「あぁ。」
ケンジさんは自分の手を見つめ、首に
巻いていたタオルで手を拭いてから、
私の頭をポンポンしてくれました。

「匂いが…。」
とケンジさんは呟いてプイッと
顔を背けられました。

におい？
豚独特のにおいがしました。

「そちらのお嬢さんは？」と取材人に
聞かれていましたが、ケンジさんは
答えにくそうにしていてので、
代わりにあかねさんが取材を
受けていました。

「さくらちゃーん、こっち来て。」
あかねさんとツーショット写真を
何枚か撮られました。

「この子と将来、姉妹になる予定です。」

えっ？えぇ。

私だけじゃなく、ケンジさんも
驚いています。
「それは、ケンジさんがお相手ですか？」
と面白おかしく聞かれていました。
「ご想像にお任せしまーす。」

あかねさんは笑顔で取材を
受けていました。


私、絶対顔が赤くなってるわ。
ケンジさんをみると手袋とバケツを
握りしめたまま固まっていました。
時々、目が合ってしまい私は、
また顔が赤くなった気がしました。

視線を感じるとあかねさんとも
目が合うと、にこって笑ってくれながら
手を振ってくれました。

一通り取材が終わり、あとは出産待ちです。