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6日目の朝、天候が崩れていた。
明け方から降り出した雨は、雷雨を伴い
酷く荒れ狂っていた。

気を失う一歩手前まで、ゆりと愛し合って
いた2人は、突然の雷鳴に驚いたユリにより
終わりを告げた。
残念に思いながらも熱を必死におさめようと
努力していたミーナは、雷に怯えるユリを
可愛いと思っていた為、なかなか自分の熱を
おさめきれなかった。
それと同時に、今までにない天候に、
疑問を感じていた。


各国からの賓客や第五王子の御成婚に
あやかり、多くの商売人たちや観光を
目的とした者たちが、町に押し寄せている
カセンドラー王国。
宿に泊まれなかった多くの者は
野宿やテントを張り野営をする者がいた。
そんな中、敷地内とは知らずテントを張ったり
庭で寝る者との、トラブルはいくつか
報告されていた。

コンコン。
「何だ?」
ドア越しに話しかけるモノがいた。
「早朝に大変申し訳ございませんが、
火急の用事でご相談があります。」
ゼルンにしては少し焦りながらも、少し
トゲがある言葉になぜか違和感を
感じたミーナだった。

「なんだ?」
「緊急事態が町のあちこちで起きてます。」
「少し待て。"皆は"集まって居るのか?」
「はい、"皆"既に集まっています。」
「そうか…集まっているのか。」
皆は、こんな、早朝に手際よく集まり
俺が一番最後なのか。

「ユリ、コレはお守りだ。念の為、
身につけてくれ。雷が怖くなくなるかも
しれないぞ。」
ニッコリ笑ってみせたミーナだが、
雷が怖いユリは目を閉じながら
怯えていた。ユリは、せっかくの
ミーナの貴重な笑顔を見逃していた。

「わ、私も一緒に居ていい?」
「もちろんだ。この異常な大雨と
一時的に増えてる人口、なんらかの
トラブルが起き、"今のゼルン"では
対応出来てない。ユリ、絶対に
俺から離れるなよ。」
「はい。」

2人は、素早く身支度を整えた。
"皆“がいると言う会議室として
使っている部屋に行く道中は、
殉情的なゼルンが、まるで"従順な
執事"に見えたのだった。

気を引き締めて、会議室の前に到着した。
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