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25、助けに来たはず
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「レイヤー、レイヤから離れろ!!」
急に視界が開けると、すぐ近くの岩場に、
ギランをはじめ見慣れた者たちの顔ぶれが
揃っていた。
「な、なんで?」
『レイヤが知っている者だと言ったから、
少し結界を解いた。』
「あ、ありがとう。俺の…私がお世話になってる
騎士団のメンバーだ。」
『レイヤはあの者が好きなのか?』
「好き?きらいではないから、ここでの
私の居場所を提供してくれた仲間だし、
まあ、好きなのかな?」
『……。』
龍のスイリョはノガミ騎士団を
ジーっと見つめていた。
パシュ。
あ、あれ?声が出ない?
「……。」
『レイヤ、すまないな。少しあの者たちと
話をしてみる。』
「レイヤ、今助けるからな!!」
「だ、団長…相手はあの龍ですよ。」
「わ、わかってるが、レイヤが囚われてるんだぞ。」
『我はレイヤをとらえてない。』
「嘘だ。現にレイヤはこちらに来れないように
しているし、障壁を張ってるじゃないか?」
『嘘などついてない。我はレイヤに
助けられただけだ。』
「…はっ?……助けられただと?」
龍のスイリョはギランたちに、
かいつまんで話をしていた。
「じゃあ何か?村人たちの因習…
…悪習ってヤツか?」
『我は魔物や人族系を食した事は、
一度もない。我が存在する事を信じて
くれる事が糧となる。』
「じゃあ、なぜ村に毒素が溢れてたんだ?」
あっ、それ。虫歯の原因が何か聞いていなかった。
『小さな子が、我にくれた物を
食した…からだ。』
「「「「「……。」」」」」
「はっ?」
なんで?どうして?という空気が漂っていた。
『先程言うた様に我の存在を認識してもらうだけで、
我は存在できる。食べ物を食べなくても生きるが、
僅かな食料を我に差し出し、必死に祈る姿と
"食べて"と小さな者に言われ、つい食して
しまった。願いは叶えるための力を少し貸したが、
日に日に我の歯が痛くなってしまったんだ。』
「……。」
食べ物を食べて虫歯……。
龍のスイリョの気持ちはわかるけど、
小さな子の願いって何だったんだろう?
「事情はだいたいわかったが、レイヤを
返して欲しい。レイヤもレイヤでその龍から
離れて、こちらに来い。帰るぞ。」
「……。」
確かに治療も終わったし、帰ってもいいが
15歳のスイリョはこのままでいいのだろうか?
「……(…スイ…)。」
喋ろうとしたが、声がなぜかでなかった。
バシュ、
「スイ……ちゃん。君はこれから
どう過ごすんだ?」
『レイヤと行く。』
「俺は、居候の身だからギランに聞かないとな。」
『ギラン?我はレイヤと共にする。』
「共に?大きすぎて家に入れねぇよ。」
あっ!たしかにデカイから、家に入れない事
忘れてたなぁ。
『人型になれば大丈夫か?』
なれるの?
「あっあぁ?!」
ノガミ騎士団やギラン、そして俺もが驚きながら
スイリョはみるみるうちに、かわいい男の子になっていた。
やはり、15歳は龍にとって子どもなのか?
「これなら、"いそうろう" とやらに、我も入れるか?」
「……あ、あぁ。」
ギランは驚きながら答えたのだった。
急に視界が開けると、すぐ近くの岩場に、
ギランをはじめ見慣れた者たちの顔ぶれが
揃っていた。
「な、なんで?」
『レイヤが知っている者だと言ったから、
少し結界を解いた。』
「あ、ありがとう。俺の…私がお世話になってる
騎士団のメンバーだ。」
『レイヤはあの者が好きなのか?』
「好き?きらいではないから、ここでの
私の居場所を提供してくれた仲間だし、
まあ、好きなのかな?」
『……。』
龍のスイリョはノガミ騎士団を
ジーっと見つめていた。
パシュ。
あ、あれ?声が出ない?
「……。」
『レイヤ、すまないな。少しあの者たちと
話をしてみる。』
「レイヤ、今助けるからな!!」
「だ、団長…相手はあの龍ですよ。」
「わ、わかってるが、レイヤが囚われてるんだぞ。」
『我はレイヤをとらえてない。』
「嘘だ。現にレイヤはこちらに来れないように
しているし、障壁を張ってるじゃないか?」
『嘘などついてない。我はレイヤに
助けられただけだ。』
「…はっ?……助けられただと?」
龍のスイリョはギランたちに、
かいつまんで話をしていた。
「じゃあ何か?村人たちの因習…
…悪習ってヤツか?」
『我は魔物や人族系を食した事は、
一度もない。我が存在する事を信じて
くれる事が糧となる。』
「じゃあ、なぜ村に毒素が溢れてたんだ?」
あっ、それ。虫歯の原因が何か聞いていなかった。
『小さな子が、我にくれた物を
食した…からだ。』
「「「「「……。」」」」」
「はっ?」
なんで?どうして?という空気が漂っていた。
『先程言うた様に我の存在を認識してもらうだけで、
我は存在できる。食べ物を食べなくても生きるが、
僅かな食料を我に差し出し、必死に祈る姿と
"食べて"と小さな者に言われ、つい食して
しまった。願いは叶えるための力を少し貸したが、
日に日に我の歯が痛くなってしまったんだ。』
「……。」
食べ物を食べて虫歯……。
龍のスイリョの気持ちはわかるけど、
小さな子の願いって何だったんだろう?
「事情はだいたいわかったが、レイヤを
返して欲しい。レイヤもレイヤでその龍から
離れて、こちらに来い。帰るぞ。」
「……。」
確かに治療も終わったし、帰ってもいいが
15歳のスイリョはこのままでいいのだろうか?
「……(…スイ…)。」
喋ろうとしたが、声がなぜかでなかった。
バシュ、
「スイ……ちゃん。君はこれから
どう過ごすんだ?」
『レイヤと行く。』
「俺は、居候の身だからギランに聞かないとな。」
『ギラン?我はレイヤと共にする。』
「共に?大きすぎて家に入れねぇよ。」
あっ!たしかにデカイから、家に入れない事
忘れてたなぁ。
『人型になれば大丈夫か?』
なれるの?
「あっあぁ?!」
ノガミ騎士団やギラン、そして俺もが驚きながら
スイリョはみるみるうちに、かわいい男の子になっていた。
やはり、15歳は龍にとって子どもなのか?
「これなら、"いそうろう" とやらに、我も入れるか?」
「……あ、あぁ。」
ギランは驚きながら答えたのだった。
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