おっチャンの異世界日記。ピンクに御用心。異世界へのキッカケは、パンツでした。

40、おっチャン、ブラックレイクに行く

ブラックレイクに行く準備に、
ジャガー料理長と、新しいスイーツを
作ると意気込んでいるジャー・コ・テーンさん。
魚人族である彼は、なぜか魚料理が
得意である。
お造りから、薫製、煮魚、フライものまで
今回はフィッシュバーガー的なものを
大量に作ってくれたそうだ。
北の方にあるシルヴィー王国出身の
ジャー・コ・テーンさんは、今回の
ハロルド団長探しに料理人として
ついて行きたいと懇願した。
本音は隠さずはっきり、新天地で
新しい食材探しもしたいと言いだしたのだ。
人数分の食材やお弁当をマジックバックに
詰め、どこにそんなの入るんだ？と
思うくらいの大きな寸胴鍋や調理器具を
カバンに入れていた。
包丁なんかそのまま入れている。
マジックバックだから、大丈夫なんだろうけど、
普通のバックならかなり、危険だ。

正直美味しいご飯が食べれるとのことで、
シン副団長をはじめオスカル軍師たちは
喜んだのだ。
レッドサンに行くまで飛竜でも2日かかる
そうで、ジャー料理人と俺はシン副団長と
オスカル軍師の飛竜に交互に乗せて
もらったのだった。
レッドサンにあると言われている
神出鬼没のブラックレインを
探すとなると、かなりの
日数がかかるとだれもが予想した。

日も落ち野宿し、もう一度ハロルド団長の
居場所を魔石で探そうと思っていた。
野営するにはちょうどいい広さと雨避け
がわりになりそうな岩棚で、今日は
異世界初キャンプだ。
早速火起こしと思ったらすでに火は
おこされ、寸胴になみなみと水が入っていた。
いつのまにか、準備万端で、何かの
肉を食べやすい大きさに切ってる
ジャーさんがいた。
手伝おうにも鮮やかな手捌きで、
斬られていく肉や野菜、次々に
炒められていく肉や野菜。
なんだ？これは？
料理パフォーマンスがすごい。
一メール近く投げられた食材が、
次々とフライパンの大きい版の鍋に吸い込まれ、
ある程度炒まれば、大きな沸騰した寸胴に
吸い込まれている。
すごい、すごいぜ。
ジャー・コ・テーンさん。　
その傍らで囲炉裏のように作られた所には
棒に刺された何の魚かはわからないが
串刺しの塩焼き魚が人数分あった。
魚人族のジャー・コ・テーンさん。
魚人族と魚の串刺しの塩焼き魚……。
深く考えたらあかん。
種族が違うんだ。
命よありがたく頂きます。
魚さん、お肉さん、野菜さん、すべての
食材さん、ありがとう。
出来上がったのは、クリームシチューに
何かの塩焼き魚、マヨネーズや選べる
数種類のサラダドレッシングをかけて食べる
野菜サラダだった。
どれを取っても美味しかった。

最初に異変を感じたのは竜たちだった。
いつもなら眠る時間なのに、契約者を
守るように暗闇に警戒していた。
寝る準備の手を止め、見えることのない
闇の向こうをじっとみていた。